物流アウトソーシングサービスについて徹底解説

2021年6月3日

物流アウトソーシングサービスについて徹底解説

物流アウトソーシングを活用すると、物流業務を専門業者に任せて自社で物流機能を持たない運用が可能になります。自社物流に負担を感じており、アウトソーシングを検討しているという方もいるのではないでしょうか。

物流アウトソーシングは、単に倉庫で商品を保管・配送するだけでなく、カスタマーサポートも含めた幅広い業務を委託できます。そこで今回は、物流アウトソーシングの概要から具体的なサービス内容、メリットやデメリットまで徹底解説します。

物流アウトソーシングサービスの概要

物流アウトソーシングという言葉を聞いたことがあっても、具体的に何を指しているのかよく分からないという方もいるでしょう。そこで、まずは物流アウトソーシングサービスの概要について解説します。

物流アウトソーシングサービスとは|物流に関する業務を委託可能

物流アウトソーシングサービスとは、物流に関する業務全般を委託できるサービスのことです。物流会社が所有している倉庫に対して自社の商品を入庫して(預けて)保管してもらい、注文があった際など必要に応じて取り出して梱包・出荷・配送してもらうのがメインのサービスとなります。

物流アウトソーシングサービスを利用することにより、これまで自社で物流体制を構築して入庫や出庫、在庫管理などを行っていた企業も物流業務から手を離せるようになり、メイン業務に集中できる環境を作れるというメリットがあります。

物流業務は社内でも負担になりやすい業務であることから、最近では多くの専門業者が登場しており、メーカーや小売業者に代わって物流業務を遂行するサービスが普及するようになりました。

かつては自社物流しか選択肢がなかった業者が物流アウトソーシングサービスを利用できるようになったことで、これまで設備面から諦めざるを得なかったコールドチェーンの利用や特殊な商品の取り扱いなどが気軽にできるようになりました。このことにより、自社の商品を全国各地に届けられる体制を構築して、販路を拡大している企業も増えています。

自社物流との相違点

社内で物流を担う自社物流と、物流のプロである物流会社にアウトソーシングする物流アウトソーシングには、いくつか異なる点があります。

自社物流とは、商品を製造してから自社が所有する倉庫に商品を入庫し、入庫した在庫を注文があるまで保管して在庫を適切な品質で管理し続けるだけではありません。

自社が展開するECサイト上で商品の受注や決済を行う部分も含まれており、自社で商品を製造してからECサイトを通じて注文が入り、ユーザーの手元に商品が届けられるまでのすべての過程を示しています

一方で、物流アウトソーシングサービスは商品を倉庫に預けて入庫作業を行ってから、庫内で在庫管理を継続し、クライアントの出荷指示に応じて商品の梱包や配送業務を行うのがメイン業務となります。商品を倉庫内で保管しておき、ユーザーの手元に届けるのが主な業務といえるでしょう。

自社物流では一連の業務をすべて自社で行わなければなりませんが、物流アウトソーシングサービスの場合は必ずしもすべての業務を委託しなければならないというわけではなく、自社に不足している部分のみを委託できます。例えば梱包は自社で行い、海外への発送サービスのみを専門業者に任せるなどの使い方も可能です。

物流アウトソーシングのサービス内容

物流アウトソーシングのサービス内容には、物流業務全般とカスタマーサポートがあります。一部の越境ECやモールでは、直接プラットフォームが管理する倉庫に納品して商品の発送を代行してもらえる場合もあります。

物流業務全般

物流アウトソーシングサービスの基本となるのは、物流業務全般の代行です。商品を倉庫に預けて保管する前に、数量が正しいかどうか、初期傷や初期不良がないかどうかを調べて倉庫内の所定の位置に収める「入庫検品作業」や、倉庫内で出荷指示があるまで在庫を適切な品質で保管する「在庫管理」などが最初の業務にあたります。

倉庫に対して出荷指示がかかると、保管していた商品を注文内容に基づいて正しい数量だけピッキングして倉庫から取り出す「出庫作業」を行います。出庫された商品は配送先に振り分けられて「梱包」が行われ、梱包された商品は配送先に向けて物流トラックやその他の配送ルートに乗せられてユーザーの元へと届けられます。

配送管理もアウトソーシングサービスの業務のひとつであり、最適な配送ルートを管理して効率よくスムーズにユーザーの元へ商品を届けるのもアウトソーシングの役割です。

他に、商品の流通加工を扱っている物流会社もあります。流通加工の内容はさまざまですが、例えば複数のパーツを組み合わせてひとつの商品を完成させる「セット組」や、商品を普段の梱包とは異なる特別な資材で飾り付ける「ラッピング」などがあります。

また、各クライアントに合わせてオリジナルデザインの資材を制作する「独自資材サービス」を用意している物流会社もあるので、物流会社を選定する際はどのような流通加工サービスを備えているか十分に調べておくことが大切です。

カスタマーサポート

物流業務全般の代行と合わせて、カスタマーサポートをサービスとして取り扱っている場合もあります。カスタマーサポートとは、ユーザーからECサイトなどのショップに対する問い合わせのことであり、この問い合わせに対してアウトソーシング先の専門業者が代行して対応するのがカスタマーサポートサービスです。

ユーザーからの問い合わせ対応はさまざまな内容があり、自社だけですべての問い合わせに対応するのは非常に負担がかかる作業です。特にECサイトでは24時間商品を購入可能な状態になっていることも多く、フォームからの問い合わせは24時間行える体制になっているショップが多いでしょう。

ユーザーからの連絡はいつでも来る可能性があり、中でも急ぎの対応を求められるものについては営業時間外であっても返信しなければならないケースもあります。

カスタマーサポート代行サービスはそのような負担を一手に引き受けてくれるので、ECサイト運用の負担を一気に軽減できるのが魅力です。いつ連絡が来るのか分からない状態で身構える必要がなくなり、メイン業務に集中できます。

越境ECの物流やモールへの納品が可能なところもある

越境ECの物流やモールでは、直接モールを運営している企業の倉庫に対して納品できる場合もあります。例えばAmazonでは「FBA」というサービスを扱っており、Amazonが所有する倉庫に商品を納品することによって、Amazonの物流倉庫が配送業務を代行してくれます。

越境ECモールでは、この方式を採用していると特に負担の軽減に役立つでしょう。一件ごとに異なる住所に対して海外発送を行うと配送料金が高くなりやすく、コスト面の負担が大きくなりがちです。しかし、一旦越境ECモールの倉庫に納品してそこから商品を出荷することで、配送料金の負担を大幅に抑えられます

海外向けの発送は関税が発生するなどの国内とは異なる問題が起こる可能性もあるので、ユーザーに直接発送するのではなく、モールを通した配送がメリットとなることも多いです。

物流アウトソーシングのコストについて解説

物流アウトソーシングにかかる料金は業者によってさまざまですが、料金の算出方法も業者によって異なる方式を採用しています。ここでは、代表的な3つの方法について解説します。

料金の算出方法は業者により異なる

料金の算出方法として最も一般的なのは、毎月の固定料金に加えて倉庫を使った分だけ料金を上乗せして支払うタイプの料金体系です。しかし、中にはどれだけ使っても完全に定額制を採用している場合や、クライアントに応じて料金をカスタマイズするケースなど多種多様です。

固定費+坪単価での請求

最も一般的に採用されている「固定費+坪単価制」の料金体系です。システム利用料や事務手数料などの毎月一定の月額料金と。倉庫スペースを何坪使ったのか、という坪単位での請求になります。

例えば、毎月の固定料金が50,000円で、1坪あたり5,000円の倉庫スペースを10坪借りる場合には、一ヶ月月当たり「固定費50,000+倉庫スペース5,000×10=100,000円」支払う必要があります。

その他に発送・配送にかかる費用としてピッキング料、梱包費用、梱包資材費用、配送料といった細目に別れており、こちらは従量課金で請求されることが一般的とされています。

従量課金制

最近トレンドでもある料金体系が「従量課金制」です。これは倉庫のサービスを利用した分だけ毎月利用料金を支払う形になります

例えば商品1点の倉庫保管料が0.2円、配送料金が500円の料金設定の場合に、1ヶ月間に100個の商品を倉庫にストックしているとすると、倉庫保管料は「0.2円×100個=20円」です。また、商品を合計10箇所に発送したとすると、配送料金は「500円×10箇所=5,000円」となります。

このことから、1ヶ月の合計金額は「倉庫保管料20円+配送料金5,000円=5,020円」です。実際にはオプションの利用や配送サービスの種類などによってもう少し複雑になりますが、大枠の考え方としてはイメージしやすいのではないでしょうか。

従量課金制は最近徐々に浸透しつつあるる料金体系であり、分かりやすさが魅力です。

完全定額制

前述の固定費+従量課金制に比べるとそれほど多くありませんが、完全定額制を採用している物流業者も一部あります。例えば「1ヶ月100,000円」などと設定しておき、どれだけ商品を倉庫に預けても、ピッキングや梱包・発送作業を行っても料金が変動しないというタイプの料金体系です

完全定額制はどちらかというと大規模事業者向けに展開されている物流業者で設定されるケースが多く、扱っている商品が膨大で詳細な管理が難しかったり、アイテム数を元に利用料金を決めるとコストが膨らみすぎてしまったりするという理由で包括的な契約を結ぶケースが多いようです。

配送料金のみ別途計算し、「倉庫利用料(定額)+配送料金(利用した分だけ)」のような形で請求するケースもよくあります。

カスタマイズ

前述のどちらにも当てはまらない料金体系として、個々の事業者に合わせたカスタマイズを行う場合もあります。

一言で物流アウトソーシングといっても、アウトソーシングできるサービスはさまざまであることをお伝えしてきました。すべてのサービスを利用する以外にも、不足している部分だけを補う形で利用するケースもあるため、利用料金を一律に設定できない場合にカスタマイズ料金が適用される傾向にあります

また、各クライアントによってサービスの内容が異なる場合にもカスタマイズが行われる傾向にあります。同じ入庫業務であっても検品の範囲や内容が異なれば料金も異なるように、各業務に関して一律の料金を設定するのが難しい場合にも、カスタマイズで料金を請求するケースが多いでしょう。

カスタマーサポートや写真撮影、その他の流通加工サービスなど、一概には料金を設定しにくいオプションサービスを設けている物流業者もあるので、フルフィルメントサービスを提供している業者ではカスタマイズの料金体系を採用している例も多くあります。

物流アウトソーシングの利用方法

実際に物流アウトソーシングを利用するには、次の4つのステップを踏むのが一般的です。利用したい業者を見つけたら、次の手順で打ち合わせを進めていきましょう。

手順1:物流業者に問い合わせをする

気になっている物流業者が既にあるなら、該当する物流業者に連絡を取ってみましょう。業者を選定する際は、自社が預けたい商品の種類やおおよその規模感などを明らかにしておくと流れがスムーズです

物流業者によっても得意としているジャンルや規模などが大幅に異なるので、あらかじめ伝えておくと対応できるかできないかをスムーズに回答してもらえる可能性が高まります。中には倉庫の空きがなく対応できなかったり、ジャンルの性質上取り扱いが難しかったりするケースもあるので、可能であれば候補は2~3社上げておくと良いでしょう。

手順2:ヒアリングで要望を伝える

連絡を入れた倉庫が自社の商品に対応できそうであれば、実際にヒアリングを通じて運用に関する要望を伝えます。ヒアリングの際は、できる限り自社の現状を率直に伝えることが大切です。依頼したい物流の種類や具体的な荷量、どの部分がボトルネックになっているのかについて伝えることで、効果的な運用が可能になるからです。

ヒアリングの前に自社の問題点や課題などを洗い出しておき、リストにまとめておくと伝え忘れを減らしやすくなります。時間的に余裕があるなら複数社と話をしてみると、思いがけない良い提案をしてもらえる会社に出会える可能性があるのでおすすめです。

手順3:見積を確認・契約する

ヒアリングを通じて具体的な要件が明らかになると、物流業者側も見積もりを作成できる状態が整います。そこで、伝えた要件で運用を委託するとどのくらいの費用になるのかを把握するために、見積書の提示を依頼しましょう。

見積もりを貰ったら、内容を精査して「ヒアリングの内容が十分に反映されているか」「自社の問題点や課題を解決できる内容になっているか」「費用対効果が十分に得られそうか」などを確認します。複数社の見積もりの中から最も提案内容が自社に合っており、なおかつ費用対効果が高い業者と契約を締結するのが一般的です。

契約する業者を決めたら、その業者と「業務委託契約書」を交わします。契約書を締結する際は、後々のトラブルを回避するためにも委託業務の範囲や委託料、契約の有効期限や途中で解約する場合の取り決め、損害が発生した際の請求など、細かい条項も十分に確認することが大切です。

手順4:業務を開始する

契約書の締結が完了したら、実際に業務を開始します。すべての工程が整って業務を開始できるまでには数週間~数ヶ月かかる場合もあるので、アウトソーシングを検討する場合はある程度余裕をもって準備を始めましょう。

物流アウトソーシングのメリット

物流アウトソーシングを利用すると、次の3つのメリットが得られます。特にリソースの確保に問題を抱えている企業や、物流品質に課題がある場合は、物流アウトソーシングを取り入れることで課題を解消できる可能性が高まります。

メリット1:リソースの大幅な軽減

アウトソーシングによって物流業者が所有する物流倉庫を利用できるので、これまで自社物流に割り当てていたリソースを一気に解放できます。

物流業務は社内の業務の中でも非常に負担がかかりやすい部分であり、高品質な業務を求められるのに対して生産性が高い業務ではないことから、ボトルネックになりやすい部分です。この物流業務にかかるリソースを解放することにより、生産性が高いメイン業務にリソースを割り当てられるようになるでしょう

安定的に高品質な物流を提供することは、ユーザーの信頼を維持するためにも重要です。しかし、物流に手がかかりすぎるとメイン業務がおろそかになってしまい、新商品の企画やマーケティング活動を十分に行えなくなって顧客からの信頼が低下するリスクもあります。

アウトソーシングを上手く活用することにより、集客や新商品の企画・開発に注力できる環境を整えられるので、業務の効率化と顧客満足度の向上を図れます。

メリット2:物流クオリティーの確保

安定的な物流品質を確保する上でも、アウトソーシングは効果的です。物流に関するノウハウを持たない事業者が高品質な物流を維持するためには、外部から物流に詳しい人材を採用したり、自社で1から物流に関する知識を学び、体制を整備したりするためのコストがかかります。

しかし、アウトソーシングを利用するとプロの専門業者が自社の商品を最適な方法で保管し、スムーズに梱包・配送業務を行ってくれるので、無駄なく高品質な物流を安定して供給できます

物流クオリティーを確保することは、そのまま顧客満足度の維持にも直結することから、できる限り高品質な物流体制を構築しておきたいものです。アウトソーシングを取り入れることで、自社で1から物流体制を整えなくても簡単にプロのクオリティーで物流を提供できるというメリットがあります。

メリット3:コスト削減

自社物流を運用するには、スタッフを採用するための人件費や設備投資費用などさまざまなコストを必要とします。しかし、アウトソーシングを行うことで外注先のスタッフと設備を利用できるため、コストダウンできる可能性が高まります

自社物流の場合は自社でスタッフを確保しなければならない都合上、簡単に人員数の増減がしにくい環境にあります。一方で、アウトソーシングなら繁忙期や閑散期に合わせて柔軟にスタッフを配置してくれるため、人件費を効果的に削減できます。

また、自社物流は膨大な設備投資が必要になる上に、一定期間が経過すると設備の劣化で再投資が必要になります。アウトソーシングなら設備の更新も外注先が行うので、再投資のコストに悩まされる必要もありません。

物流アウトソーシングのデメリット

さまざまなメリットがある物流アウトソーシングですが、いくつかのデメリットもあります。メリットと併せて把握しておきましょう。

デメリット1:物流ノウハウの蓄積ができない

アウトソーシングは物流業務を完全に他社に委託するため、物流ノウハウの蓄積ができないという点には注意が必要です。今後も自社物流を構築する予定がないのであればそれほど問題にはなりませんが、将来的に自社物流を考えているのであれば、ノウハウの蓄積が難しいという点がデメリットになる可能性はあります

物流業務には一つひとつの業務に対して深い知識やスキルが必要になるため、成熟したスキルの獲得にはある程度の時間を必要とします。

ノウハウが蓄積されていない状態で自社物流を効果的に運用するのは非常に難易度が高いことから、将来的に自社物流を構築するなら、専門的なスキルを持った人材を採用しなければならなくなるなど、かえってコストが膨らむ場合があることも覚えておきましょう。

デメリット2:突発対応が困難

アウトソーシングは他社に商品を預けて物流業務を行うため、商品が手元にない状態でショップの運用を行うことになります。そのため、突発的に対応しなければならない問題が生じた場合でも、すぐに対応できないケースがあるというデメリットも把握しておかなければなりません。

例えば商品の配送事故が発覚し、すぐに代替商品を発送する必要が生じた場合であっても、まずはトラブルについてアウトソーシング先の倉庫に連絡を入れて対応してもらわなければならないでしょう。

手元に商品があればすぐに対応できるトラブルも、アウトソーシングすることによって初動対応が遅れる可能性があります。顧客満足度が低下する恐れもあるので、できるだけスムーズに連携が取れるアウトソーシング先を選定することが大切です。

デメリット3:現場とのタイムラグが生じる

最近の物流会社は独自のクラウド型システムを採用している企業も多く、在庫の情報がリアルタイムに近い形で把握できるものも増えてきましたが、それでも自社物流と比較すると現場とのタイムラグは生じやすくなります。

自社の荷物が現在どのような状態にあるのかを知りたいと思っても、すぐに把握できないリスクがあるという点は物流アウトソーシングのデメリットのひとつです。

例えば配送中に何らかの事故が発生し、時間通りにユーザーのもとに商品を届けられない可能性がある場合は、その旨を速やかにユーザーに伝えなければなりません。しかし、事故が起こっている事実を把握できなければ、ユーザーへの連絡が遅れてしまう可能性があります。

顧客満足度の低下につながるので、前述の突発対応が困難であるというデメリットを鑑みても、できる限りスムーズに状況を把握できる物流会社と契約を結ぶことが大切です。

物流アウトソーシング先の選定ポイント

物流アウトソーシング先を選定する際は、次の4つのポイントを意識することが重要です。サービス内容が充実していることは大切ではありますが、他の側面にも注目して自社に利益をもたらしてくれる物流会社を選定しましょう。

ポイント1:サービス内容を詳細まで確認

どのような物流サービスを展開している事業者なのか、サービス内容を詳細まで確認することが大切です。同じ物流アウトソーシング会社であっても、扱っているサービスは異なります。

入庫から出庫・配送、カスタマーサポートまで一連の流れをすべてサポートしてくれる「フルフィルメントサービス」を提供している会社から、出荷や在庫管理などの一部の業務のみを取り扱っている会社まで、物流アウトソーシングにもさまざまな特徴があります。

また、一つひとつの業務に関しても、サービス範囲や料金体系が異なっている可能性があります。自社が必要としているサービスを提供してもらえる会社なのかどうか、あらかじめしっかりと確認しておきましょう

特に流通加工サービスについては物流会社によって内容が大きく異なるので、物流加工も含めた委託を検討しているのであれば、さらに詳しく内容を確認しておくことが大切です。

ポイント2:コストとサービスのバランスは適切か

価格が安いからといって、すぐに契約を即決してしまうと後から後悔する可能性が高くなります。コストだけを注視するのではなく、サービスとのバランスが取れているかどうかも十分に検討しましょう

価格が安い業者には、安いなりの理由が隠れている場合もあります。例えばシステムに関する問い合わせはメールでしか行わず、電話での対応を受け付けていなかったり、サポートの対応時間が短かったりするなどの制約を設けている会社もあるので注意が必要です。

かといって、自社に不必要なサービスが含まれているプランを選んでしまうと、本来支払う必要のない部分にまで請求が来てしまい、コストが膨れ上がる可能性もあります。

自社が求めるサービスの品質とかけられる予算のバランスを図りながら、コストパフォーマンスが良い物流業者とプランを選定しましょう。

ポイント3:フォロー体制は充実しているか

選ぼうとしている物流業者のフォロー体制が充実しているかどうかは、運用後の連携体制をスムーズに整えられるかという観点で非常に重要です。

前述の通り、物流アウトソーシングは自社の商品を物流倉庫に預けて運用するため、アクシデントが発生したときに若干のタイムラグが発生することは避けられません。そのため、アクシデントの発生時に少しでもスムーズに状況を把握し、適切な対応に移れる体制を構築できるかどうかが問われます

トラブルが発生したときの連絡先などをあらかじめ取り決めておき、万が一の際にできる限り速やかに自社に状況を伝えてくれる会社かどうかを事前に確認しておきましょう。自社が土日や祝日などにも稼働しているのであれば、休日対応が可能かどうかも重要なポイントです。

フォロー体制が充実していない業者を選んでしまうと初動対応に遅れが生じて、顧客からのクレームが増加したり、配送遅延を招いたりする可能性があるので注意が必要です。

ポイント4:セキュリティー対策は万全か

物流アウトソーシングは倉庫に商品を預けて運用すると同時に、委託先が提供するシステムを通じて商品や受注管理を行うケースが一般的です。そのため、提供しているシステムのセキュリティが万全に保たれているかどうかも重要です

受注情報には顧客の氏名や住所などの個人情報も含まれているので、セキュリティ事故によって情報漏えいが起こると自社の信頼は大きく低下します。場合によっては訴訟問題に発展するリスクもあるので、くれぐれもセキュリティ対策が万全のプラットフォームを用意している物流業者を選びましょう。

システムのセキュリティ対策も大切ですが、倉庫内のセキュリティ対策が取られているかも確認しておくことをおすすめします。商品の梱包や出荷時に個人情報が外部に流出するような管理体制が取られていないか、あらかじめチェックしておくことが大切です。

物流アウトソーシング企業をご紹介

ここからは、代表的な物流アウトソーシング企業をご紹介します。サービス内容や料金体系などさまざまな観点からご紹介しますので、ぜひ業者選びの参考にしてみてください。

オープンロジ

https://service.openlogi.com/

オープンロジは、国内でも最大規模のフルフィルメントサービスを提供する物流業者です。これまでに8,000以上のユーザーと取引実績があり、豊富な実績を元にクライアントに合わせた柔軟な物流サービスをカスタマイズして構築できます。ホームページ上にさまざまな業種や業態の企業の導入事例があるので、気になる方はぜひご参照ください。

フルフィルメントサービスを提供していることから、物流業務はひと通り委託可能です。入庫から在庫管理、梱包・出荷などの基本的な業務はもちろん、写真撮影やカスタマーサポートを含めたオリジナルの物流体制を構築できます。三温帯倉庫と提供しており、コールドチェーンの実現も可能です。

完全従量課金制を採用しており、月々の固定費用が設定されていないのも特徴のひとつです。倉庫を使わなかった月には請求が発生しないので、小規模事業者などでも利用しやすいのがメリットです。

受注業務や出荷指示はオープンロジが提供するASPサービスをご利用いただくことで自動化でき、物流業務に手間がかからない体制を構築できます。事業の拡大に合わせて柔軟にスタッフや設備を増減しながら対応するため、小規模事業者から大規模事業者まで幅広く利用できます。

LogiMoPro

https://www.logimopro.jp/

LogiMoProは中小企業向けの物流アウトソーシングサービスを提供する物流業者です。「少数精鋭部隊仕組み化」を掲げており、小規模事業者であっても物流を効率的に処理できる体制を構築する上で役立ちます

「成長してから」ではなく「成長するために」物流アウトソーシングを利用することを推奨しており、少人数のうちに物流を他社に委託しておきたい事業者のサポートを行ってくれます。無料登録後すぐに自社開発しているASPサービスを利用開始できるので、スピーディーにアウトソーシングを開始できるのもメリットのひとつです。

月額固定費と初期費用が0円であり、使った分だけの完全従量課金制を採用している点も、それほど物流が多くないケースが多い中小企業に優しい料金設計となっています。梱包資材や作業費用をすべて含めた配送料を設定しており、料金体系も分かりやすく示されています。

インターネットに接続できる環境を用意するだけですべての業務を完結させられるので、どこからでも業務を行えます。追加ピッキングや集荷サービス、廃棄サービスなどのオプションも充実しているので、国内向けで比較的小規模なアウトソーシングを検討している場合におすすめです。

scroll360

https://www.scroll360.jp/

scroll360は「フルフィルメント」「システム」「マーケティング」の3つの業務を中心に物流をサポートしている企業です。それぞれのサービスは必要に応じて組み合わせて利用できるので、各企業の課題に合わせて柔軟なサービスを構築できるのが強みです

フルフィルメントでは、ECのプロフェッショナルが最適な物流体制を提案してくれます。「おもてなし&CRM戦略」によって顧客のリピート化を推し進める物流を得意としており、リピート通販物流にも対応しています。

特に単品通販を中心に扱っており、毎期20%以上もの成長を実現している例も数多くあります。コンビニ受け取りなど便利なサービスにも対応しており、ユーザー目線に立った物流が特徴です。

独自開発したASPサービスも提供しており、カスタマイズを柔軟に行なえてマーケティング機能も標準搭載されています。複数のECサイトを一元管理できるので、受注ぎょううを自動化できます。

マーケティング支援では新規顧客を獲得するための集客支援サービスを軸にしており、SEO対策やSNS運用、リスティング広告など、あらゆる観点から支援を行ってくれます。多角的にサービスを展開しているため、さまざまな側面から総合的に支援してほしいと感じている事業者に向いているでしょう。

標準価格は記載されていないので、利用する場合は問い合わせが必要です。

e-LogiT.com

https://www.e-logit.com/

e-LogiT.comは物流サービスを総合的にサポートしてくれる物流業者です。所有しているセンターが広範囲に渡っており、東京、埼玉、千葉、大阪に合計6箇所、延べ床面積37,000坪の広々としたスペースを確保しているため、関東と関西に拠点を分けて出荷が可能なのがメリットのひとつです。

東西に分けた配送を行うことで配送コストやリードタイムの短縮につながり、効率的な配送を実現できます。BCP対策の側面もあるので、災害への備えにも効果を発揮するでしょう。

受注や発送などの基本的な物流業務は一気通貫で対応可能であり、さらにはカスタマーサポート、写真撮影、システム連携や薬事対応など、細かい部分にも手が届くフルフィルメントサービスが特徴です。

独自開発したWMSを利用可能で、業務の自動化やセンター内業務の標準化も図れます。越境ECやオムニチャネルなどにも対応しているので、国内発送も海外発送も取り扱っており、なおかつ実店舗とECサイトを両方運営しているなど、社内でさまざまな業務に対応しなければならない場合におすすめです。

利用料金については記載がないため、利用を検討している場合は問い合わせが必要です。

mylogi

https://www.mylogi.jp/

mylogiは入出荷業務と在庫管理業務の効率化に特化した物流業者です。複数倉庫を管理できる機能が標準搭載されているのが特徴で、どの倉庫にいくつ在庫が残っているかを簡単に可視化できます。倉庫間で在庫移動を行う場合も直感的な操作で完了できるので、慣れていない方でもスムーズに業務を進められます。

EC事業者向けにAPI連携も備えていることから、一部のサービスでは物流業務を完全に自動化可能です。連携の範囲はまだ限られていますが、今後さらに拡大していく予定となっており、ゆくゆくは幅広い業務で自動化を確立していけるでしょう。

「売上を継続的に上げ続けていく仕組み化」を重視しており、そのためには物流がボトルネックになって事業を拡大できない状況を防止することが大切であるという考え方からシステムが作られています。売上が向上しても事業をスムーズに継続できる仕組みづくりの他にも、「ワンポイントカスタム」と呼ばれる小さな範囲の改修を施して独自機能を実装するサービスも行っています。

小規模事業者向けの「mylogi lite」では初期費用が0円、月額費用は8,800円から利用できます。

【コラム】物流アウトソーシングのタイミングはいつ?

物流アウトソーシングを検討していても、どのタイミングで委託を開始すれば良いのか迷っているという方もいるのではないでしょうか。「アウトソーシングはまだ早い」と考えずに、できるだけ早い段階で始めるのがおすすめです。

物流は課題となりやすい業務

物流は社内でも特に課題になりやすい業務のひとつです。そもそも物流業務にはやらなければならないことが非常に多く、一つひとつの業務を高い水準で遂行するには万全の体制を整備する必要がありますが、そのためには時間もコストもかかります

小規模事業者においては特にキャッシュフローが十分とはいえないケースも多く、物流業務のために専門のスタッフを数多く抱えておけないという場合も多いでしょう。結果的にメイン業務の傍らで在庫管理や発送業務を行わなければならず、大量の発送業務に追われてメイン業務がままならないという状況に陥る事業者は少なくありません。

また、特にEC事業に多い傾向にありますが、「波動」と呼ばれる想定外の急激な注文数の増加が発生すると、物流業務はさらに激化します。

最近ではSNSなどのユーザー同士が気軽に情報を共有できるプラットフォームが発達していることもあり、波動が起こりやすい状況にあることから、どのタイミングで急激に需要が高まるのか予測が難しい状況にあります。

突然の注文増加によって本来の物流担当だけでは物流業務を処理しきれず、他の部門から応援を呼んで作業を行わなけれならない状況が発生してしまうこともあり、物流はメイン業務をストップさせてしまう可能性を常に抱えているといえるでしょう。

内製するよりも外部のプロに任せる方が品質が安定する可能性

あらかじめ社内に十分な物流のノウハウがある場合は、自社物流を構築しても最初から一定の成果を挙げられる可能性はあります。しかし、まだ事業を立ち上げたばかりのスタートアップ企業や従業員数が少ない小規模事業者の場合は、物流のノウハウを十分に有していない場合も多いといえます。

ノウハウが少ない状態で物流業務をどうにかこなし続けるよりも、アウトソーシングによって外部の専門業者の力を借りた方が、安定して高品質な物流をユーザーに提供できる可能性は高くなります

将来的に自社物流を構築したいなどの特別な事情がない限りは、自社でノウハウを獲得するまでの長い期間を耐えるよりも、最初からプロのノウハウで高品質な物流を実現できた方が社内の効率は大幅にアップするでしょう。

品質が安定することで顧客満足度が向上し、配送事故などによるクレーム対応の頻度が下がって落ち着いてメイン業務に向き合えるようになります。物流が滞るとどれだけ良い商品を提供していても顧客からの信頼を得られなくなってしまうため、物流品質の維持は重要です。

早期に外注すると事業拡大のボトルネックを未然に防げる

自社で物流業務を処理していると、事業の拡大に伴って物流業務の負担は増大し、メイン業務の片手間では手が回らなくなって物流業務に比重を置かざるを得なくなる企業は少なくありません。

立ち上げ当初は十分に処理しきれていた物流業務をさばき切れなくなると、業務負担を考慮して受注を制限したり、新規商品の取り扱いを中止したりせざるを得ない状況に陥ることがあります。

せっかく軌道に乗りかけている事業が物流を理由に停滞することを避けるためにも、できる限り早い段階で物流をアウトソーシングすることが大切です。早めの外注化により、物流がボトルネックになって事業の拡大をスムーズに進められない事態を未然に防止できます

「まだ自分たちで十分処理できているから外注しなくても大丈夫」と考えるのではなく、「今のうちに外注しておくことで将来的にスムーズに事業を拡大できる」と考え方を変えることで、急激に事業が成長しても不安を抱えることなくメイン業務に集中し続けられます。

物流アウトソーシングの導入を検討するのも業務効率化の手段のひとつ

安定的に高品質な物流を提供しなければならない物流業務は、社内に存在するあらゆる業務の中でも特に課題となりやすい部分です。品質の問題だけでなく、自社で物流体制を構築するにはコスト面の問題も付き纏うため、想像以上に負担を感じる場面もあるでしょう。

カスタマーサポートまで含めたさまざまな業務をプロに任せられる物流アウトソーシングは、物流から手を放してメイン業務に集中できる環境を作るにはぴったりのサービスです。事業の拡大を目指している企業ほど、早めの外注化を検討しておくのがおすすめです。

事業が拡大する前に物流を外注しておくことで、物流の問題を気にせず事業拡大に集中できるようになるでしょう。今回ご紹介した選定のポイントも参考にしながら、自社に合った物流会社を見つけてみてください。

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