ECサイトの運営をはじめた事業者の方は、ECにおける物流コストについて詳しく理解しておきたいと考えているのではないでしょうか。
EC市場が拡大を続けている中、EC運営では欠かせない物流のコスト。
しかし、燃料費高騰などによる物流コストの上昇は問題となっており、物流コストの削減が利益向上のための大きな課題となっています。
そこで今回は、EC物流においてはどのようなコストがかかっているのか、その内訳を、コストを削減するにはどうすればよいかというコツも含めてご紹介します。
物流のアウトソーシングに関してもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. そもそもEC物流とは?
ECとは、「Electronic Commerce(エレクトロニック コマース)」を略した言葉で、日本語で電子商取引を意味します。
電子商取引とはインターネットを介して行われる取引を指しており、EC物流とは、そんな電子商取引において、取引された商品をユーザーに届けるまでの一連の物流業務のことを指します。
具体的には、商品の入荷から在庫の保管・管理、ピッキング、検品・梱包、出荷などが挙げられますね。
EC物流はBtoCの物流であることから、
- 多品種少量の配送
- 顧客別の対応が求められる
- 返品・交換が発生しやすい
- スピードが重視され、短納期を求められやすい
- 在庫などをリアルタイムで顧客に共有する必要がある
などの特徴があります。
物流はEC事業において、顧客満足度向上や他社との差別化につながる重要な役割を担っています。
質の良い梱包や迅速な配送は顧客体験の質を高め、企業の信頼やブランド価値の向上につながるでしょう。
物流業務は自社で担うこともできますが、発送件数が増えれば増えるほど割かなければならないリソースも増え、大きな負荷がかかります。
自社対応が難しくなった場合には、コストの適正化の意味でも、物流代行サービスへのアウトソーシングなども視野に入れると良いでしょう。
2. EC物流の物流コストとは?
EC物流における物流コストとは、物流業務を行う上で発生するコストのことです。
商品を保管しておく倉庫の賃料や光熱費、運送費や人件費など、物流に関わるすべての費用をまとめて指す言葉です。
物流コストは、その支払いの形態や物流プロセスなど、以下のように数種類の分類方法で分けられることがあります。
【支払い形態で分けた物流コスト】
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支払物流費 |
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社内物流費 |
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【物流のプロセスで分けた物流コスト】
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調達物流費 |
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社内物流費 |
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販売物流費 |
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物流コストの最適化には、具体的なコストの内訳を知ることが重要になるでしょう。
2-1. 物流コストを削減すべき理由
EC物流は顧客満足度向上などの役割があるとご紹介しましたが、もうひとつ重要な役割として、コストコントロールがあります。
燃料費の高騰や物流に関わるドライバー・作業員などの賃金上昇などもあり、物流コストは年々増加しています。
企業において総経費に対する物流コストの割合は「物流コスト比率」と呼ばれ、物流が効率的に行われているかどうかを示す重要な指標となっています。
売上高に占める物流コストの割合が上昇することで、コストの高騰とともに企業の利益率は低下してしまうでしょう。
物流コストは売上の原価に直結するため、効率的にコストを抑えた物流体制を整えることが、利益率の向上にもつながります。
もちろん物流コスト比率が低くても、その分物流の質が下がってしまっては意味がありませんが、物流コストを適正に保つことは、企業の利益を最大化させるために非常に重要になるでしょう。
削減できたコストを商品開発や販促活動などに回すことができれば、新規顧客の獲得・リピーターの獲得につながり、事業発展のベースを確立できます。
3. EC物流コストの内訳
前述したように、物流コストを最適化するには、どのようなコストがどの程度かかっているのか、内訳を知ることが重要です。
物流コストは、大きく次の5つに分けられます。
- 運送費
- 保管費
- 荷役費
- 包装費
- 物流管理費(人件費・システムなど)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 運送費
運送費は、商品を運ぶのにかかるコストです。
宅配業者への依頼でかかる配送料、トラックや航空便、船など様々な移動手段での運賃など、商品の移動にかかる運送コストが含まれます。
物流コストの中でも、この運送費にかかる割合は多いと言われており、物流コスト削減のためには見直したい項目でもあります。
3-2. 保管費
保管費は、倉庫で商品の在庫を保管するためのコストです。
倉庫をレンタルしている場合にはその賃料や、自社での保管スペースの維持費、光熱費、保管に必要な機器にかかるコスト、保管・管理の人件費などが含まれます。
倉庫の種類や大きさなどによっても、発生するコストには差があるでしょう。
また、在庫が多ければ多いほど、その分劣化などによる商品の損失や保険、税金など必要なコストが発生することもあります。
3-3. 荷役費
荷役費は、商品の入荷・出荷作業に伴う物流コストを指します。
「荷役」とは、倉庫スタッフが行う作業そのものを指す言葉です。
- 入庫費(荷物の積み下ろし費)
- 棚入れ費
- 仕分け費
- ピッキング費
- 梱包作業費
- タグやシールの貼り付け・ラッピング費
- 出荷費
などがこの荷役費にあたります。
海外への輸出を行っている越境EC事業者では、その他に通関手続きなどにかかる料金も含まれます。
3-4. 包装費
包装費(資材費)は、段ボールや緩衝材といった包装に使われる資材費用です。
包装費には、スタッフの包装作業費などが含まれる場合もあります。
3-5. 物流管理費(人件費・システムなど)
物流管理費とは、基本的にスタッフの人件費、また在庫管理システムなどの利用料・保守費用などが含まれます。
- 作業スタッフの給料
- 物流システムの導入・管理
- スタッフへの指示書の作成・発行
- 納品書や伝票などの発行
など、様々なスタッフ作業・システムに関わる費用のことを指します。
物流業務において欠かせない部分であるため、コスト削減がしにくい部分でもあるでしょう。
4. 物流コストが増えてしまう原因は?
ご紹介したような様々なコストをまとめて、物流に関わる費用として物流コストと呼びます。
では、物流コストが増加してしまうのには、どのような要因が関わっているのでしょうか。
物流コストが増えてしまう原因について、いくつかご紹介します。
4-1. 燃料費の高騰
まずは、燃料費の高騰です。
近年では世界情勢の変化もあり、ガソリン価格は一時およそ3割増しとなるなど、急速に燃料費が高騰しています。
物流に利用される大型トラックなどでは、燃料費高騰の影響は特に大きいでしょう。
燃料費上昇に伴って、物流コストも上昇が考えられます。
4-2. 人件費の上昇
続いて挙げられるのが、人件費の上昇です。
トラックドライバーの労働時間規制によるドライバー不足など、物流に関わる労働者の労働環境改善、また物価高騰による賃金の引き上げなどもあり、人件費の上昇も避けられないでしょう。
物流のニーズに対して人手が不足していることもあり、人件費高騰による物流コスト上昇も要因になっています。
4-3. 現場の「ムダ」
物流コストが膨らんでしまう原因のひとつとして、現場の「ムダ」も挙げられます。
例えば、商品の在庫を無駄に多く抱えている場合には、保管スペースが足りない、反対に倉庫にデッドスペースができてしまうなど、スペースが有効活用できず、無駄なコストが発生してしまうでしょう。
また、業務量と比較して人員が多く配置されている・作業が非効率であったりすれば無駄な人件費がかかりますし、逆に人手不足により無理が生じて、その分時間外労働などで人件費がかさんでしまうという可能性もあります。
物流現場の無駄を無くすことで、コスト削減につながります。
4-4. ヒューマンエラー
物流業務では、人が関わる以上、ヒューマンエラーはつきものです。
商品のピッキングミスや配送の誤りなどが起きた場合、その後の対応やクレーム処理業務など、無駄な時間を発生させてしまい、人件費などのコストが増加してしまう可能性もあるでしょう。
ヒューマンエラーへの対策も、物流コスト削減には重要になります。
5. 物流コスト削減のコツ!
それでは、物流コストを削減するには、一体どのような対策を講じればよいのでしょうか。
物流コスト削減のコツとして、コスト削減の具体的な解決法を4つ、ご紹介します。
5-1. 物流作業のムダを無くし効率化する
まずは、物流作業での現場の「ムダ」を無くすことです。
様々なコストの中でも、人件費は多くの割合を占めます。
人件費削減のため、物流作業を見直し、効率化を目指しましょう。
具体的には、ヒューマンエラーが発生しないような体制作りができているか、また、作業効率化のために適した業務フローが作られているかという2点を注視し、チェック体制の整備など、効率的かつ、ミスが発生しにくいような業務フローを策定しましょう。
作業効率が高まり、発送までのスピードが上がるなど物流業務の質が高まれば、顧客満足度の向上にも役立ちます。
5-2. 物流管理システムの導入
前述のヒューマンエラーの削減、効率的な業務フローの策定、また適切な在庫数の管理など、多くの面で役立つのが、物流管理システムの導入です。
システム導入により人件費が削減できるだけでなく、ヒューマンエラーが起こりがちな作業の改善、発送効率アップが叶うでしょう。
無駄な在庫が多ければ、その分保管・管理費や税金などでさらにコストがかかります。
在庫管理システムにより適正な在庫を維持することも期待でき、あらゆる面で業務効率化・コスト削減が叶うでしょう。
5-3. 仕分け・梱包プロセスの改善
仕分け・梱包プロセスの改善も、物流コスト削減につながります。
例えば包装に使用している資材の大きさ、緩衝材の有無を適正化し梱包を必要最低限にしたり、材料を軽量化・リサイクル資材の使用など、資材の見直しを図ることで、余分な費用を節約することができます。
また、作業員の仕分け・梱包のトレーニングなども定期的に行うと、梱包の質も高めながら、ヒューマンエラーなどの無駄を軽減することができます。
5-4. アウトソーシングを活用する
自社でのコスト削減で思うように結果が出ないという場合や、より効率的にコストの適正化を図りたいという場合には、アウトソーシングを検討することをおすすめします。
EC物流では、EC物流代行業者へのアウトソーシングが可能です。
EC物流代行業者とは、商品の保管・管理から発送、業者によってはアフターフォローまで物流の一連の流れを委託できるサービスです。
アウトソーシングであれば一時的な需要増加などの際も適切に人員を配置できるため人件費のコスト削減が可能な他、システム化が進んでいるEC物流代行業者も多く、システム導入により効率的な物流業務が叶うでしょう。
EC物流代行業者に委託することで、自社スタッフはコア業務に集中することも可能です。
6. 物流代行業者の費用相場・内訳
コスト削減・業務効率化に役立つ方法として、ご紹介した物流代行業者へのアウトソーシング。
物流代行業者への物流業務の委託により、コストの適正化が図れることがありますが、もちろん物流代行業者の利用そのものにも費用はかかるため、コストとメリットを比較して、自社に合ったアウトソーシングを検討することがおすすめです。
判断材料のひとつとして、物流代行業者へ委託した場合の費用相場とその内訳をご紹介します。
6-1. 固定費
まずは、商品の出荷数などで変動することなく、サービスの利用に必要な固定費です。
固定費に含まれるのは、基本料金とされる
- システム利用料
- 業務管理料
といった費用です。
システム利用料は、物流代行業者が導入しているシステムの利用にかかるものです。
倉庫管理システムは倉庫内の作業・在庫などを一元管理できるシステムで、業務効率化や在庫管理の精度向上に大きく役立ちます。
業務管理料は、倉庫内でのトラブルや事故が発生した際、商品を守るためにかかる手数料です。
固定費に含まれていますが、在庫の量などによって変動する場合もあるでしょう。
基本料金の相場は、システム利用料と業務管理料を合わせて月2〜10万円程度とされています。
業務管理料は業者によっても発生する場合・しない場合などがあり、その額には大きく差があるでしょう。
6-2. 変動費
続いては、商品の入庫数・出荷数などによって金額が変動することがある、変動費です。
変動費には、以下のようなものが含まれます。
- 入庫料金
- 検品料金
- ピッキング料金
- 梱包料金
- 発送料金
入庫料金は、商品を倉庫内に入庫するのにかかる費用です。
その相場としては、商品1個単位で10〜30円ほど、箱単位での入庫で100〜200円ほどです。
段ボールの大きさやフォークリフトを使うかどうかなど、作業内容でも料金が異なります。
検品料金は、商品の検品作業にかかる費用です。
数量確認など基本の検品のみであれば1個単位で10〜30円ほど、動作確認などが必要な商品では1個あたり80〜100円ほどとされます。
ピッキング料金は、出荷する商品を倉庫から集めるピッキング作業にかかります。
相場は1個単位で10〜30円ほど、ある程度まとめてのピッキングが可能なプランなどがある場合もあります。
梱包料金は、商品を段ボールや緩衝材などで出荷できる状態に梱包する際の費用です。
相場は1個単位で100〜300円ほど、ギフトラッピングなど、特別な梱包の場合には別途で費用がかかります。
発送料金は、配達を依頼する宅配業者に支払う料金です。
こちらは送り先の距離や商品の重さ、サイズなどで料金が決まるため、目安として1個あたり400円程度から1,500円程度まで、大きく幅があるでしょう。
7. 安心の物流代行はオープンロジにお任せください
「物流業務にかかる負担やリソースが気になっている」
「発送に大きなコストがかかってしまっている」
など、EC運営において物流業務にお悩みをお持ちの方は、ぜひ1,3000社以上の豊富な導入実績を持つオープンロジの物流代行サービスをご利用ください。
オープンロジでは、ITにより入荷作業、検品作業、在庫管理、発送作業といった一連の物流業務を自動化できるフルフィルメントサービスを提供しております。
オープンロジの大きな特徴のひとつが、その料金体系です。
オープンロジは初期費用・固定費ゼロの従量課金制となっています。
入荷・保管といった倉庫の利用料と配送料などを使った分だけのお支払いでご利用いただくことができ、物流コストにお悩みの方も、無駄なコストの削減が可能です。
その他にも、ギフトラッピングや同梱物対応、海外発送など様々なニーズにもお応えできるオプションメニューもご用意しております。
小ロットでのご利用やスポット利用も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
今回の記事では、EC物流において非常に重要な物流コストについて、その内訳やコスト削減のコツなどを詳しくご紹介しました。
物流コストの削減は、利益率向上に大きく貢献します。
コスト削減の方法として、おすすめなのが物流代行業者へのアウトソーシングです。
アウトソーシングにより物流業務の効率化を図ることで、コスト削減が叶うことはもちろん、物流業務の質も向上し、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
物流アウトソーシングをお考えの方は、オープンロジにお気軽にお問い合わせください。
記事監修者紹介
有田 秀夫(ありた ひでお)
某大手物流企業にて業務設計や法人営業を経験後、老舗通販物流企業にて20年近く数多くのクライアントの物流課題を解決に導いてきた物流のプロ。
現職のオープンロジではその経験を活かし、物流ネットワーク開発に携わっている。




