食品ECの成功事例をご紹介

2022年3月15日

食品ECの成功事例をご紹介

近年、食品ECは非常に盛り上がりを見せており、大手企業も続々とEC事業に参入し始めています。これまでオンラインへの進出を考えていなかった方の中にも、今後ECに参入してみたいとお考えの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

食品ECへ参入するなら、事前に成功事例や成功ポイントを押さえておくことをおすすめします。そこで今回は、食品ECの成功事例や成功ポイントについて具体例を挙げながら詳しくご紹介します。

食品ECの概要

成功事例をご紹介する前に、そもそも食品ECとはどのようなものを指すのかについて簡単に解説します。

食品ECとは

食品ECとは、文字どおり「食品を主に取り扱うEC事業」のことです。生鮮食品や飲料、お菓子、健康食品などさまざまなカテゴリーがありますが、食品を取り扱っていれば大きな括りとしては「食品EC」に分類されます。

食品ECの市場規模

食品業界全体のEC市場規模は2019年時点で1兆8,233億円を記録しており、国内全体で見ても非常に大規模であるといえます。しかし、EC化率は2.89%とまだまだ低く、実店舗の販売が主流です。

食品は近所のコンビニやスーパーに足を運ぶだけで簡単に購入できるため、配送に時間がかかりがちなECサイトを通じて購入しないというユーザーも少なくありません。また、生鮮品などは直接商品の状態を見てから購入したいと考える人も多いことから、届くまで商品の状態を確認しにくい食品の分野ではEC化率が向上しにくいという事情もあります。

しかし、2020年初頭に発生した新型コロナウイルスの影響であらゆる分野においてEC需要が高まったことから、食品ECの需要も同時に高まってきており、大手事業者も数多く参入し始めています。まだEC化率が低いからこそ、今後の成長が期待できる分野であるともいえるでしょう。

関連記事:食品ECとは|成功のポイントや事例・構築サービスをご紹介

食品ECの事例と成功ポイントを解説

食品EC事業を始めるなら、既に成功している事例を参照するのが参考になります。ここでは、食品ECの10の事例と成功ポイントについて解説します。

ハイ食材室

https://www.rakuten.ne.jp/gold/hi-syokuzaishitu/

ハイ食材室は「テーブルをデザインする」というコンセプトを元に、テーブルを彩るさまざまな食材を販売しているECサイトです。フォアグラや生ハム、パルミジャーノ、スモークサーモン、イベリコ豚など、普段の食卓よりも一歩上質な時間を演出するハイクラスな食材にこだわっており、「テーブルを中心に人々を笑顔にする事」を大前提として掲げています。

「企業理念」のページを読むだけで、ハイ食材室がどのような考えのもとに食材を取り揃えているのかがひと目で分かるようになっています。使命、スローガン、提供する価値、ふるまいなどを端的に解説した後、「6つの特徴」によってさらに理解を深める構成が特徴です。

楽天市場に出店する形で商品を販売しており、紹介されている商品は楽天市場でそのままカートに追加して購入することができます。時々「〇円以上購入すれば送料無料」「この商品を購入すれば送料無料」のようなキャンペーンを実施しており、この点もユーザーにお得感を与えることに成功しているといえるでしょう。

井上誠耕園

https://www.inoueseikoen.co.jp/

井上誠耕園では、化粧品や食品、生食パン、スイーツ、栽培果実など幅広いオリジナル商品を展開しています。園では約4,500本のオリーブと14種類の柑橘を育てており、「井上誠耕園について」と「井上誠耕園の想い」のページでは同社がオリーブと柑橘に対してかける思いを存分に知ることができます。

スタッフ紹介ページでは生産に携わる一人ひとりの写真と簡単な自己紹介が掲載されており、生産者の顔が見える構成によって安心して商品を購入しやすくなっています。特に化粧品などの肌に触れる商品は、生産者が明らかになっていることで購入のハードルは大きく下がるといえるでしょう。

同社ではYouTubeチャンネルも開設しており、オリーブを生産している小豆島の魅力や農業体験などについて積極的に発信しています。

他にもオリーブを使ったレシピを紹介する「オリーブレシピブログ」や農園での出来事をつづった「農園ブログ」など、Webサイト上のあらゆるコンテンツから農園の様子を知ることができるようになっており、Webサイトを読み込むだけで同社に詳しくなり応援したくなれる構成が魅力です。

おうちで鶴亀食堂

https://tsurukame-shop.shop-pro.jp/

おうちで鶴亀食堂は、気仙沼で取れた魚介類や同社のオリジナル商品を販売しているECサイトです。気仙沼産の新鮮な牡蠣やカツオを自宅で気軽に楽しむことができます。トップページには鶴亀食堂で働く従業員の仲の良い様子を収めた写真が掲載されており、思わず応援したくなるアットホームな雰囲気が感じられます。

ECサイトは「カラーミーショップ」というプラットフォームで作られており、全体的にシンプルな構成になっています。ホーム、商品ページ、利用案内、お問い合わせの4つのメニューだけではありますが、分かりやすさとどこか親しみを感じられるページが思わずユーザーに応援したくなる気持ちを呼び起こさせます。

同社では牡蠣やカツオなどの生鮮品の他に「鶴亀Tシャツ」や「おさかなピアス」などのオリジナルグッズを販売しており、同社を応援したいユーザーが購入することでファンとしての応援の意思を表明できるようになっているのもポイントです。

筋肉食堂

http://kinnikushokudo.jp/

筋肉食堂は、「カラダづくりを志す人のための美味しい高タンパク・低カロリー食レストラン」と銘打って自社のレストラン紹介を行っているWebサイトです。

日々トレーニングに励んでいて身体づくりを行っている方だけでなく、健康のためにダイエットを始めたい人やきれいなボディラインを作りたい人など、さまざまな「カラダづくり」にアプローチできる高タンパク低カロリー料理専門のレストランを存分にアピールしています。

トップページに美味しそうな料理の画像を使用し、その料理が低カロリー高タンパクな「カラダに良い料理」であることを紹介することで、美味しく健康を維持できる筋肉食堂のメニューの魅力が伝わりやすい構成になっています。

Webサイトからはレストランの予約もできるようになっており、ページを読んで興味が湧いたらすぐに運営中の5店舗の予約ページへ遷移できる導線も魅力的です。

「罪悪感ゼロ」のような印象的なコピーを使い、トレーニングやダイエットに取り組んでいる人に起こりがちな「食べてはいけない」という意識にアプローチして「予約したい、行ってみたい」と思わせるような構成は高い効果を発揮しているといえます。

職人醤油

https://www.s-shoyu.com/

職人醤油は、醤油を専門としたECサイトです。多種多様な醤油をECサイト経由で販売しており、最初に試してみたい「きほんの醤油」や木桶仕込みの本格派の醤油、グルテンフリーの醤油など、ユーザーの関心に合わせた豊富なラインナップがユーザーの心を掴んでいます。

ECサイト上では醤油を生産している蔵の一覧を紹介しており、醤油が作られるまでの各蔵でのエピソードを閲覧できます。さまざまなストーリーが訪問者の心に訴えかけてファンを増やすような構成になっています。

また、購入した醤油を使うのにふさわしいレシピを紹介する「料理帖」というコーナーもレパートリーが豊富で、単に今日のレシピに困ったユーザーが眺めるだけでも楽しめる、ユーザーに高い利益をもたらすコンテンツとなっています。

醤油に関する知識を発信するメディアなども提供されており、徹底してユーザー目線の構成にこだわっている点が支持を集めているポイントといえます。サイト全体もすっきりと見やすいシンプルな設計になっており、導線に迷いにくいためページの回遊もしやすいといえるでしょう。

LOHACO

https://lohaco.yahoo.co.jp/

LOHACOはアスクルとヤフー株式会社が運営している食品や生活雑貨、日用品などを扱うECサイトです。「お客様のくらしをラクに楽しく」をコンセプトにした通販サイトであり、重量があって運ぶのが大変なお米や飲料、洗剤などの日用品をはじめとして、よく利用する文房具やコスメまで豊富な品ぞろえが特徴です。

LOHACOの魅力のひとつは配送の早さで、あらゆる商品を最短翌日に届けてくれます。食品や日用品は届くまでの期間をできるだけ早くしたいと望むユーザーが多いことからも、配送を速めることによって顧客満足度を向上させている事例といえるでしょう。また、3,300円以上購入すれば基本的に送料が無料になります。

ヤフー株式会社が運営していることから、PayPayや各種Yahoo!サービスと連携していてポイント還元施策が充実しているのも魅力的です。Yahoo!プレミアム会員であれば+2%、PayPay・ヤフーアカウント連携で+2%、Yahoo! JAPANカード利用特典で+1%など、さまざまな条件を積み上げることでお得に買い物が可能になります。

ネスレ

https://nestle.jp/

ネスレのECサイトでは、「ネスカフェ」をはじめとした自社ブランドの飲料や「キットカット」などのお菓子の他、コーヒーマシンの販売などを行っています。トップページでは現在開催されているキャンペーンや話題の新商品などをひと目で把握でき、大きな画像で思わずクリックしたくなるような大々的な展開が為されています。

ネスレでは通常販売の他に定期お届け便にも対応しており、あらかじめ契約しておくだけでいつも購入している商品を継続的に購入し続けられる手軽さがユーザーから支持を集めています。定期購入情報はマイページでいつでも確認・変更可能な点も安心です。

また、「オフィス」「店舗」「自宅」の3つのシーン別にコーヒーマシンを検索することも可能であり、自分にどのようなコーヒーマシンが合っているのかを特集ページの形でネスレが詳しく提案してくれます。定期的にさまざまなキャンペーンも実施しているので、タイミングを合わせて定期購入を始めるとグッズが貰えたり割引になったりするのも見逃せないポイントがです。

楽天西友ネットスーパー

https://sm.rakuten.co.jp/

楽天西友ネットスーパーは、楽天と西友が共同運営しているネットスーパーです。大手スーパーのひとつである西友の商品をネットでも同じように気軽に購入でき、最短当日中に配送が可能です。

登録費用や月額費用がかからないため、登録しておいて必要なときに気軽に利用できるのも嬉しいポイントといえるでしょう。近くに西友があるユーザーの登録を期待でき、ユーザーの増加に貢献しています。

楽天との共同運営であることから、買い物のたびに楽天ポイントが貯まるという特典もあります。楽天ポイントは楽天グループが運営しているさまざまなサービスに利用できるため使い勝手が多く、楽天市場などは日本でもAmazonに次いで人気があるECモールとして知られていますが、ここでも楽天ポイントを利用できます。

また、子育て支援にも積極的で、「楽天ママ割」という制度を利用すると特定の曜日の買い物のポイントが増量になるなどのサービスを受けられるメリットもあります。

Amazonフレッシュ

https://www.amazon.co.jp/alm/storefront?almBrandId=QW1hem9uIEZyZXNo

Amazonフレッシュは、大手ECモールのAmazonが提供している生鮮食品の食品ECサービスです。日本全国のさまざまなスーパーや事業者と提携しており、新鮮な食材を最短当日中に配送できるスピード感が魅力です。

対象エリアであれば、注文から2時間で届けてもらえるケースもあります。「今すぐ欲しい、使いたい」というユーザーの需要を見事にすくい上げているといえるでしょう。

時期によって特定のカテゴリーのセールなども行っており、「食品ECは高額になりがち」というイメージを覆すような安価な商品も揃っているのが嬉しいポイントです。

品質への高いこだわりも注目されており、商品の鮮度は人の目で一つひとつ厳格にチェックされています。「鮮度保証プログラム」や「賞味・消費期限保証プログラム」を実施することで、ユーザーの元に常に新鮮な商品が届くように配慮されています。

Amazonプライム会員に加入していればAmazonフレッシュを利用するための追加登録が不要で、すぐに使える利便性の高さも特徴といえます。1回あたりの配送料金は390円ですが、10,000円以上購入すれば配送料が無料になるなどの特典も用意されています。

食べチョク

https://www.tabechoku.com/

食べチョクは、生産者から直接商品を購入できる日本最大のオンライン直売所としての食品ECを提供しています。

日本全国の生産者が登録して野菜や肉、魚、フルーツなどさまざまな生鮮品を販売しており、ユーザーは商品別、生産者別、カテゴリー別など、多様な検索方法で欲しい商品を探すことができます。検索性の高さで好みの商品に出会える可能性を高めているのが、食べチョクのポイントのひとつといえるでしょう。

特集が豊富な点も特徴的で、毎朝9時~12時に開催している「朝市」や旬のフルーツ特集、いろいろな事情で商品を売り切れずに困っている農家や漁師からのSOS特集など、生産者の供給とユーザーの需要がうまく合致するような特集を積極的に組み上げています。

共同購入にも対応しており、一人で購入するのは量が多すぎるというユーザーが集まって一つの商品を購入して分配することで、少量の商品を利用できる点も魅力のひとつです。

生鮮食品は購入しすぎて使い切れずに廃棄してしまうことも少なくないため、自分に必要な分量だけを購入できる点がユーザーの購入に対するハードルを大きく下げています。

【コラム】物流業務はECにとって勘所

物流業務はECにとって非常に重要な要素のひとつです。なぜ物流業務が重要なのかについて、また自社で対応するのが難しい場合は外注をおすすめする理由について解説します。

物流品質は自社のイメージに直接関係する

物流品質は、自社のイメージにも直接関係します。例えば梱包が不十分な状態で商品を出荷してしまうと、配送中に傷がついたり破損したりした状態でお客様に届いてしまい、クレームの原因になってブランドイメージに傷が付く可能性があります。

商品をきれいな状態でお客様に届けるためには、物流品質を維持したまま物流業務を処理することが求められます。

また、お客様が届いた商品を開封したときに十分な梱包が為されていないと、例え商品が壊れていなかったとしても大切に扱われていないような印象を与えてしまうかもしれません。「このブランドはユーザーを大切に思っていない」と思われてしまい、お客様からの信頼が低下する原因になります。

このように、物流品質が低下するとブランドイメージまで低下してしまうため、高い物流品質を維持することはECにとって重要であるといえるのです。

もちろん梱包の状態だけでなく、配送スピードやカスタマーサービスの丁寧さなども顧客満足度に大きく関わります。物流のあらゆる部分に配慮して、顧客からの信頼を損わないような物流体制を構築する必要があるといえます。

自社での物流には限界がある

物流業務は、EC事業の中でも非常にリソースの負担が大きい業務です。まだ事業を始めたばかりで受注量が少ない段階であれば、少数の物流担当者を任命して基幹業務と並行で処理することも不可能ではありません。しかしこの方針で進めていくと、事業を拡大していったときに歪みが生じるケースが多いといえます。

事業が拡大すると受注量も増えるため、これまで基幹業務と並行して物流を担っていた物流担当者が物流業務にかかりきりになってしまい、基幹業務に手が回らない状態になってしまうのです。このような事業者はよく見られるので、あらかじめ事業を拡大した後のことを見据えて物流体制を構築する必要があるといえるでしょう。

とはいえ、基幹業務を動かしながら物流品質も高水準に維持するためには膨大なリソースが必要になります。EC事業は少数精鋭で運営するケースが多いため、十分なリソースを確保するのが難しい場合も多々あるでしょう。

また、EC事業に不慣れだと、物流業務を処理するためにかかる時間も長くなりがちです。物流に熟練した知識やスキルが豊富な従業員を採用するという方法もありますが、近年は物流需要が増加している背景から人員確保は容易ではなく、人件費も高騰しつつあります。

しかし自社の人員を1から育てるためにもコストと時間がかかるため、どのような方法を選んでも自社物流が困難な状況が発生してしまいがちなのが、EC事業の実態であるといえます。

物流外注も手段のひとつ

自社だけで物流体制を構築するのが難しい場合は、物流外注も手段のひとつです。物流サービスを提供している物流会社に業務を外注することによって、手間も時間もかかる物流業務から解放されて、自社の従業員が基幹業務に割り当てるリソースを確保できるようになります。

物流会社ではプロが熟練したノウハウを活用して効率的に物流業務を行うため、自社内に物流に詳しい従業員がいなかったとしても高水準の物流品質を維持・提供し続けられます。1から人員を育てる必要もなく、事業が拡大しても柔軟に人員配置を調整できるというメリットもあります。

また、EC事業では「波動」と呼ばれる急激な受注量の増加がしばしば問題になります。しかし、物流を外注しておけば波動が起こったとしてもすぐに増えた受注量に対応した人員を手配できるので、大量の注文によって配送遅延が起こったり、物流が機能しなくなったりするトラブルを未然に防止する効果も期待できます。

食品ECの事例から成功の秘訣を学ぼう

近年市場が拡大し続けている食品ECは、大手企業や独自性の高い商材を持つ中小企業ブランドが続々と参入し始めています。これから食品EC事業に参入を検討しているのであれば、EC化率が高まり始めている今がチャンスともいえるでしょう。

食品ECに参入するのであれば、既にECに参入していて成功を収めている事業者の事例を参考にするのがおすすめです。どのような商材を扱うのか、ターゲットは誰にするのか、施策の方向性の定め方などは、成功事例を見比べて良い点を積極的に取り入れていくと良いでしょう。

EC事業を始めるのであれば、物流の構築についても事前に考慮しておくことが大切です。自社だけで十分な物流品質を維持するのが難しいようなら、外注の利用もぜひ検討しましょう。

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