オンラインショップの市場規模が拡大し続けている昨今、ECの規模拡大や新規参入を狙う企業が増えていますが、やはり課題となるのは物流業務のようです。
そこで今回は、EC物流が他の物流と異なる点やEC物流の課題、その解決方法をプロが徹底解説します!
EC物流とは
EC物流は、通販・オンラインショップなどECのための物流を指します。
ECの市場規模は2023年に24兆8,435億円に達し、2014年の2倍近くに増加しています。また、2023年の宅配便の取り扱い実績は2014年よりも14億個増加し50億個に達しており、今後もECの需要は増え続けると見られています。
詳細はこちら
経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」
国土交通省「令和5年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」
EC物流とBtoB物流との違い
EC物流が他の物流、特にBtoB物流と異なる点をご紹介します。
物流波動(波動対応)
BtoB物流にないEC物流の一つ目の大きな特徴は物流波動です。
季節や自社キャンペーン、トレンドなどの影響により発生する一時的な需要の増加のことを物流波動といいます。
特にトレンドやバズりによる物流波動は予測しにくく、人手不足による出荷遅延や販売機会の損失に発展する可能性があります。
物流波動についてもっと詳しく知りたい方はこちら
小ロット(多品種・高頻度)対応
個人宛の配送が大半を占めるため、小ロット・多品種の発送対応が基本になるのもEC物流の特徴です。
また、個人宛であるため配送情報がBtoBと比較して多くなる点や、個人の入力による配送情報であるため、配送情報が正確でないケースがある点も特徴です。
在庫差異や欠品への対応
売上数が少ない商品まで幅広く揃えて販売する「ロングテール戦略」は、売り上げが安定しやすいためECでは一般的に取り入れられています。
一方でSKU数(在庫管理をする際の最小の単位)が増えるため在庫管理が難しくなるというデメリットがあり、管理体制が機能していないと在庫数の差異が生まれたり、欠品への対応が遅れたりすることもあります。
届かない・返送される商材への対応
上で述べた配送情報の正確性の問題などにより、商材が届かない、入力された住所に届かない荷物が返送されるなどのケースにも備えなければなりません。
顧客対応(アフターサービス・クレーム対応)
BtoB物流以上に顧客へのきめ細かい対応が求められるのも大きな特徴です。
特にアフターサービスやクレーム対応を甘く見ると、自社のリソースで対応しきれなくなったり顧客満足度が落ちて売り上げが減少したりと、経営に深刻な影響を与えかねません。EC物流においては対策必須の項目と言えるでしょう。
EC物流の流れ
次にEC物流の流れを説明します。
基本的な流れは他の物流と大差ありませんが、BtoB物流と比較するとSKU数が増え、物流波動や小ロットの配送も影響するため、より正確な在庫管理と出荷対応、各商材の買い合わせパターンに最適化された梱包などが求められるでしょう。
EC物流の課題
EC物流にはGMV(流通取引総額)別に大きく分けて3つのフェーズがあります(上図参照)。
スモールスタートで開始したEC事業がうまくいくと、自社運営の物流業務で様々な課題が発生し、アウトソーシングを検討する企業がほとんどです(もちろん、EC立ち上げ当初から物流やCS業務を外注することも有効です)。
一体どのような点で課題を感じることが多いのでしょうか。
人為的ミス
普段物流業務に従事していない人員が業務にあたると、在庫のカウントミスや梱包時の商品の選択ミス、宛名のミスなどが発生し、顧客満足度の低下やクレームにつながりかねません。
人手不足
物流波動の影響などによって出荷作業が増えると、通常業務を行う人手が不足してしまうケースが多いようです。
スペース不足
特にECをスタートしたばかりの事業者はオフィスや自宅を倉庫にしていることが多く、取引件数が増えると、それらのスペースが不足し、通常業務に支障が出ることも。
コスト
自社で物流業務を行うと、人件費はもちろん、資材費用や場合によっては倉庫のレンタル料などのコストが固定費としてかかります。これらの固定費は注文が少ない閑散期にはムダになりやすいため最適化が必要でしょう。
EC物流のコストについてさらに詳しく知りたい方はこちらもチェック!
リードタイム
自社で物流業務を行う場合、通常業務のかたわら着手することになるため、どうしても受注から出荷までのリードタイムが長くなり課題を感じる企業も多いようです。こちらも顧客満足度の低下に影響しやすいため何かしら手を打つ必要があります。
EC物流の課題解決方法3つ
上述したEC物流の課題を解決するための方法は、その事業者のケースによって様々ですが、大きく分けると下の3つに集約されます。
- FBAやRSLなど大手モールの物流サービスを利用する
- OMSなどのシステムを導入する
- フルフィルメントや3PLを利用する
FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)・RSL(楽天スーパーロジスティクス)
初期コストやランニングコストを抑えつつ、モールの売上を伸ばしたい場合には、FBAやRSLなど、モールが提供する物流サービスの活用がおすすめです。
上記のモール一体型のサービスは、モール内での露出強化(Primeマーク・あす楽対応)や、スピード配送による購買数の向上が期待できるだけでなく、料金体系がシンプルかつ明確で、付帯サービスを除けば割安なのもメリットです。
コストパフォーマンスを重視し、モール内でしっかり売上を伸ばしたいという事業者には有効ですが、顧客情報の開示が制限されたり、複数チャネルを横断する体制の構築が難しかったりするため、自社ECを成長させたい事業者には不向きです。
システム導入
すでに提携倉庫があり、自社のリソースで物流を回せる余裕があるなら、OMS(注文管理システム)と呼ばれるシステムを導入する選択もあります。
モールや自社ECからの注文情報を自動で一元管理でき、倉庫と連携することで出荷指示も自動で行えるため、人的ミスや対応の遅延を削減できるでしょう。
なお、OMSの実装が実現すれば非常に便利な反面、導入や運用を誤ると業務が煩雑化することもあります。
- 提携倉庫側の管理システム(WMS)との連携は可能か?
- 自社ECのカートシステムとの連携は可能か?
- 初期設定や導入のサポートは受けられるか?
利用開始前に上記3点はかならず確認しておきましょう。
フルフィルメント・3PL
物流業務全般をまるごとアウトソーシングしたい場合はフルフィルメントサービスを利用しましょう。
フルフィルメントサービスは自社ECやモールを問わず対応できるのが特徴で、出荷量の増加や業務の煩雑化による負担を減らしてブランド体験を重視したい事業者や、複数チャネルでの販売を狙う事業者に適しています。
また、返品処理やカスタマーサービス対応など、発送後の業務を委託できるサービスもあり、品質を保ちつつ物流業務からほぼ解放され、組織の生産性を高められることもメリットです。
一方で、こちらも導入前のシステム連携の可否や業務の要件をきちんと確認する必要があります。
EC物流の課題を解決する企業厳選5社
オープンロジ
オープンロジが提供するEC物流代行サービスは固定費0円・従量課金制で、初期費用を抑えたい事業者にも使いやすい設計です。ECモールやカートとの連携にも対応しており、柔軟な運用が可能です。
専門家のおすすめポイント
小規模ECにも導入しやすい手軽さと対応の柔軟さが強み。特にブランド体験を重視するエンタメやアパレル系商材に強い!
ネクストエンジン
ネクストエンジン社は、複数のECモールや自社サイトの受注・在庫・商品情報を一元管理できるOMSを提供しており、物流との連携もスムーズに行えます。業務効率化を図りたい中小〜成長フェーズの事業者に適したシステムです。
専門家のおすすめポイント
複数モール管理に自信あり。他の物流サービスとの連携も可能で拡張性が高いのもGood!
参考:ネクストエンジン
株式会社スクロール360
スクロール社は、長年の通販事業で培った豊富なノウハウを活かし、受注処理・物流・カスタマー対応までワンストップで提供。アパレルや化粧品など商材特性に合わせた柔軟な運用が可能な点が大きな特徴です。
専門家のおすすめポイント
多機能型3PLを探すなら有力候補。老舗ならではの安心感も!
参考:スクロール360
株式会社イー・ロジット
イーロジットは、月間数千件規模の出荷にも対応可能な体制を持ち、自社WMSと365日体制による高精度・スピード対応を実現。EC物流に関するコンサルティングや仕組み改善の提案も得意です。
専門家のおすすめポイント
ECコンサル力と365日稼働体制による対応力が強み。最新のロボティクスシステムも導入済。
参考:株式会社イー・ロジット
BEENOS
BEENOS社は特に越境ECに強みを持ち、海外配送や通関業務、現地対応などをトータルにサポートします。国内外で販路を拡大したい事業者にとって、物流面から海外展開を後押ししてくれる存在です。
専門家のおすすめポイント
海外展開を狙うなら頼れる存在。国際輸送に関するあらゆる課題に対応しています。
参考:BEENOS株式会社
さらにおすすめの事業者を知りたい方はこちらもチェック!
EC物流はオープンロジにおまかせ!
今回はEC物流の課題とその解決方法をご紹介しました。
自社の物流業務から解放され、コア業務に注力したい場合はフルフィルメントサービスがおすすめ。
中でも、固定費ゼロ・従量課金制でスタートしやすいオープンロジは多くの事業者に選ばれています。ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
記事監修者紹介
有田 秀夫(ありた ひでお)
某大手物流企業にて業務設計や法人営業を経験後、老舗通販物流企業にて20年近く数多くのクライアントの物流課題を解決に導いてきた物流のプロ。
現職のオープンロジではその経験を活かし、物流ネットワーク開発に携わっている。










