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Shopifyはカナダ発祥のECプラットフォームであり、世界でもシェアNo.1を獲得している、高機能な自社ECストアを手軽に構築できるサービスです。
知名度の高さと販路の広さを活かしてさまざまなシステムと連携が可能になっており、高機能化を図るための専用のアプリを開発している企業も多く、世界中で支持を集めています。ECストアを構築するなら、Shopifyを利用したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ECストアは構築方法によってかかる費用が大きく異なるので、あらかじめ費用を想定しておくことが重要です。そこで今回は、Shopifyの構築費用の相場や制作会社選定のポイントなどについて詳しく解説します。
ShopifyでECストアを構築する方法
ShopifyでECストアを構築する方法には、主に次の3種類があります。コストや機能面など、自社に合った方法を選択しましょう。
方法1:自社・自分で構築
外注業者に委託するのではなく、自社や自分でECストアを構築する方法です。専門のノウハウが必要になりますが、外部に依頼する必要がないので外注費がかからずコストを抑えやすいという特徴があります。
ただし、こだわった作りのECストアを開設したいと考えている場合は事前に綿密な設計を行う必要があるため、十分な知識を有していないと難しい場合もあるでしょう。
プログラミングの知識を持っている人材が社内にいる状態で、独自性の高いデザインを反映したECストアを作りたいのであればおすすめの方法です。ヒアリングなどの期間を短縮できるので、ECストアを運用開始するまでの時間も外注に比べると短縮できる可能性が高くなります。
また、Shopifyはテンプレートからデザインを選ぶだけでも簡単にストアを作成できることから、基本的な最低限の機能を持ったストアを運用できれば良いという場合も自分で構築して運用できます。
それほど知識がない状態でも独自の運用に合わせて細部までこだわったデザインのECサイトを作りたいなどの要望があるのであれば、コストはかかりますが外注した方がクオリティの高いECサイトに仕上がります。
方法2:フリーランス・個人事業主に依頼
会社に所属していないフリーランスや個人事業主に依頼する方法もあります。フリーランスや個人事業主は会社の方向性に縛られずにクライアントに合わせた柔軟なデザインができるので、自社の要望を比較的取り入れてもらいやすいというメリットがあります。
また、依頼するフリーランスによって特色が大きく異なるので、相性の良い技術者やデザイナーと出会えれば自社のコンセプトに寄り添った大胆かつ新鮮なデザインを提案してもらえる可能性もあるでしょう。コストは依頼先によってばらつきがあるので一概には言えませんが、制作会社を利用するより安価な場合もあります。
一方で、相手が基本的に一人なので、運用開始まで時間がかかりやすいというデメリットもあります。制作会社であれば複数人でECサイトの構築を進めるため工期をある程度短縮できますが、フリーランスに依頼すると依頼した相手が一人で作業しなければなりません。体調不良などで作業が遅れると、納期が延びやすくなるといえるでしょう。
さらに、何らかの要因で相手のフリーランスが事業を継続できなくなると、開発が途中で頓挫してしまうリスクもあります。制作会社の場合でも倒産の危険がないとはいえませんが、フリーランスの方がややリスクは高い傾向にあるので、依頼する相手の見極めが肝心です。
方法3:制作会社を利用
デザインやECサイト構築を専門に扱っている制作会社を利用する手段は、比較的一般的に選ばれています。プロのデザイナーや技術者を抱えて制作にあたっているので、一定のクオリティが期待できるのがメリットです。
その企業によって特色がさまざまであり、開発しているECサイトの機能も多種多様なので、自社に合った制作会社に出会うためには複数の企業の情報収集を行う必要があるでしょう。コストは開発規模や制作会社によって大きく異なりますが、一般的にはフリーランスよりも人件費を投入するためコストは高めになる傾向にあります。
制作会社に依頼するデメリットのひとつとして、担当者が変わる可能性があるという点が挙げられます。
会社としての方針をある程度定めて開発しているケースが多いものの、個々のデザイナーや技術者のスキルは完全に同じというわけではないので、途中で担当者が変更になってECサイトの方向性を再度すり合わせるのに苦労することは起こり得ます。
ShopifyでのECストア構築費用相場
ShopifyでECストアを構築する際にどのくらいの費用がかかるのかは気になる部分ですが、どのような機能を実装するかによっても費用は大幅に差が出ます。ここでは、3種類に分けてECストア構築費用の相場をご紹介します。
約50万~【基本的な機能を備えたECストア】
最もシンプルに運用するのであれば、カート機能や受注管理機能、決済機能など、運用を行う上で最低限の基本機能が備わったECストアを選ぶのが一般的です。独自性の高い運用がそれほど多くなく、取り扱っている商品の種類や受注量も比較的小規模の事業者に向いています。
基本的な機能を備えたECストアであれば、約50万円~程度で構築できるでしょう。カスタマイズの範囲はほとんどないか最低限に留まり、有料のASPサービスや小規模なパッケージを利用するケースが多いといえます。
基本的な機能だけを備えたECストアはコストを抑えやすいというメリットがありますが、少しでも自社独自の運用がある場合は運用をシステムに合わせなければならないというデメリットもあります。
どうしても運用の変更でカバーできない場合は基本機能に少しカスタマイズを加えなければならないので、もう少しコストがかかることも想定しておきましょう。決済機能は銀行振込やクレジットカードなど、ECサイトでよく使われている必要最低限の手段にのみ対応している場合が多いでしょう。
約100万~【ブランディングやマーケ機能が充実】
基本機能に加えてマーケティング戦略に特化した機能が備わったECストアを構築したいのであれば、前述の相場よりも少しコストは上昇して約100万円~が相場です。
自社の認知度を向上させるためのブランディングや、ユーザー情報を分析してマーケティングに役立てるためのデータ分析機能が加わると運用効率は高まりやすくなります。ある程度事業が拡大してきてさらに販路を拡げていこうと考えているのであれば、基本機能に加えてマーケティングに注力したECストアの構築も視野に入れてみましょう。
最近では有料のASPサービスにもデータ分析機能が付いているものも増えてきましたが、より本格的な機能を使いたいのであれば専門機能などを備えたパッケージの導入がおすすめです。
パッケージの中にあらかじめSNS連携やメールマーケティング、データ分析などの機能が搭載されているものを選ぶと、カスタマイズを最低限に抑えながらブランディングやマーケティング機能を利用できるでしょう。パッケージは月額費用や保守費用もASPサービスに比べると高額になりやすいので、毎月のランニングコストも把握しておくことが大切です。
約300万~【フルカスタマイズのECストア構築が可能】
事業規模が非常に大きかったり独自の運用が多かったりする場合には、最初から用意されている機能を使うのではなく、1からECストアをフルカスタマイズする「フルスクラッチ」も可能です。フルスクラッチであれば自社の要望を細かく汲み取ってシステムに落とし込めるので、運用をシステム側に合わせる必要はなくなります。
ただし、これまでご紹介してきた相場と比べるとコストは跳ね上がることが多いので、ある程度予算をかけられる場合でなければフルスクラッチによるECストア構築は難しいでしょう。
システムの開発規模にもよりますが、ヒアリングから始まって完成までに多くの工数がかかるので、どれほどコストを抑えられても300万円以上は想定しておく必要があります。
自社の運用に完全に合わせられるのが強みではありますが、実装する機能をあらかじめ十分に検討して確立しなければ、完成してから機能の不足や不要な機能の実装に気がつく可能性もあるので注意が必要です。制作会社やITベンダーなどの専門業者と二人三脚で開発を進めていくのが一般的です。
制作会社選定時のポイント
Shopifyの制作会社は数が多く、どの会社を選べば良いか分からないという方もいるでしょう。次の3つのポイントを意識して選定すると、運用しやすいECストアの実現に近づきます。
ポイント1:構築以外に運用面も相談可能か
インターネットを通じて商品を販売するのが唯一の販路である事業者にとって、ECストアは企業の顔ともいうべき部分です。そのため、自社に合ったコンセプトのデザインを提供してもらえるか、導線に気を配った設計になっているかなどの技術面はもちろん重要であり、選定の際に重視する部分のひとつです。
しかしECストアを構築するだけで制作会社との関係が終わってしまうと、運用開始後に苦労する可能性があるということも忘れてはいけません。構築段階から完成後の運用方法について親身になって相談に乗り、運用開始後も自社の運用をサポートしてくれる企業を選ぶとスムーズに運用しやすくなるでしょう。
コストの安さだけを重視して制作会社を決めてしまうと、サポートが不十分でトラブルが起こった際に解決に時間がかかったり、運用体制を容易に変更できなくなったりする可能性があります。
「どのようなデザインのECストアを作っていくか」だけでなく、「このECストアが完成したらどのように日々の運用を進めていくのか」も併せて話し合えるパートナーを見つけることが大切です。
ポイント2:越境ECへの対応はできるのか
特に海外進出を目指している企業にとっては、越境ECに対応できるかどうかは重要な問題です。日本国内にも多くのShopifyの開発パートナーが存在しますが、すべての制作会社が越境ECに対応できるわけではありません。
中には日本国内向けのECを中心にサービスを展開している場合もあるので、海外進出に対応しているかどうかを事前に確認しておきましょう。
「今のところは国内だけだから、とりあえず国内向けの制作会社を選ぼう」と考える方もいるかもしれませんが、将来的に海外進出を検討しているのであれば、最初から越境ECに対応している制作会社を選ぶことをおすすめします。
いざ事業規模が拡大して海外進出しようとしたときに、既存の制作会社では対応できず、他の制作会社へと乗り換えなければならなくなる可能性が高くなるからです。
越境EC対応の制作会社の中でもサービス内容はさまざまで、単にECストアを国外向けに翻訳してくれる制作会社もあれば、現地でのマーケティング戦略の立案や海外向けのSNSの運用なども含めた総合的な支援サービスを提供している制作会社もあります。
自社がどの程度ノウハウを持っているのかによっても利用範囲は変わってくるので、必要に応じたサービスを取り入れると良いでしょう。
ポイント3:コストとサービスは適切か
コストとサービスのバランスをはかることは、制作会社を選定する上で重要です。開発費用や保守費用が安価な制作会社は魅力的に見えるものですが、価格だけを比較対象にして委託先を決めてしまうのはよくありがちな失敗の代表例です。
どれほど安価だったとしても、自社が運営するECストアに必要な機能が備わっていなければ役目を果たしているとはいえません。結果的に補助として他のサービスを導入しなければならずコストが増加したり、一部の業務をアナログで処理したりする手間が発生したりするなど、多くのデメリットに見舞われる可能性があります。
かといって、自社の事業規模や業務内容に見合わないほど高額なコストをかけてECストアを構築したとしても、使わない機能ばかりが実装されてしまい、かえって使いにくいシステムになりかねないので注意が必要です。
自社に必要な機能を過不足なく実装した状態で、適性な価格を提示してくれる制作会社を選びましょう。一社だけでは見積もりが適切なのか分かりにくいので、検討の際は複数社から見積を取ることをおすすめします。
ShopifyでECストアを構築する際の注意点
ShopifyでECストアを構築する際は、いくつか注意したいポイントがあります。ここでは、3つの観点から順に注意点をご紹介します。
バックオフィスシステムに必要な機能を精査しておく
ECストアを構築する際は、どのような機能が必要なのかを事前に精査しておくことが大切です。特にバックオフィスシステムは本来必要な機能を見落としがちなので、抜け漏れがないように自社の日頃の運用を洗い出すところから始めましょう。
バックオフィス業務とは、経理や人事・会計、総務、情報システムなどの業務を総称したものであり、お客様と直接やり取りするフロント業務を裏側から支える業務のことを指しています。ECにおいては商品登録や在庫管理、受注管理、出荷・配送などの物流業務もバックオフィス業務に当てはまります。
商品をお客様のもとへ届ける物流業務ではさまざまな処理を行う必要があり、アナログで行うのは非常に手間がかかる作業です。あらかじめECストアにどのような機能を実装しなければならないのかを明確にして、スムーズにバックオフィス業務をこなせるようなECストアを構築することで、業務全体の効率化を図れます。
現場の視察や実際に運用に関わっているスタッフのヒアリングなども行いながら、現状の業務フローを把握してそれぞれのプロセスに当てはまるECストアの機能がどれなのかを当てはめていくことで、現状の運用のままシステム化できるかどうかも明らかにできます。
ストア構築の優先事項を固めておく
ECストアを構築する際は、自社の持つすべての要望を反映しきれるとは限りません。予算に余裕がある場合は要望事項を優先して理想的なECストアを実現するのも方法のひとつではありますが、実際には限られた予算の中で最大限に運用しやすいECストアを構築しなければならないので、諦めなければならない部分が出てくる可能性も高いといえます。
そのため「自社にとってECストアで最も優先される部分はどこなのか」をあらかじめ固めておきましょう。企業によって優先される部分は千差万別ですが、デザイン面や機能面、自社の運用にできる限り近づけたい、とにかくコスト重視など、さまざまな優先事項が浮かび上がってきます。
デザイン面に予算を割いて機能はシンプルに抑えたり、独自の運用をシステム側に合わせることでコストを圧縮したりと、優先すべき内容を固めておけば自社がどの部分を諦めなければならないのかが明確になります。自社の予算内で最大限の訴求効果を発揮するECストアを構築するには、事前準備が最も重要です。
集客戦略を事前に考える
Shopifyで構築するECストアは一般的に「自社EC」ともいわれ、ECモールのように企業の集客力には頼れないショップになります。
ECモールは大企業が運営しているケースが多く、お客様は欲しい商品を思い浮かべた時にまずはECモールを訪問し、検索ボックスで希望の商品を検索するという導線をたどります。
そのため出店している企業の認知度が高くなかったとしても、モールの認知度を利用して商品を見つけてもらえる可能性があるといえます。「ショップの名前は聞いたことがないけど、商品が魅力的だったから購入した」という経験をお持ちの方も多いでしょう。
一方、自社ECでは集客は1から自社で行う必要があるので、まだそれほど認知度の高くない事業者が新しくECストアの運用を開始しても、しばらくの間は満足な売上が立たない可能性が高いといえます。
少しでも早く訪問者を増やして安定的な売上を確保するためには、ECストアが完成してから集客戦略を考えるのではなく、事前に考えて実行に移せる状態にしておくことが大切です。Shopifyにもマーケティングやデータ分析に関わる機能は備わっているので、それらの機能を有効活用した集客方法もまとめておきましょう。
【コラム】Shopifyの物流は外注すればリソースの軽減が可能?
ShopifyでECストアを運営する際に、気になるのが物流の問題です。物流は手間がかかる業務のひとつですが、外注することでリソースを大幅に削減できる可能性が高まります。
ShopifyはAPI連携できる物流アウトソーシング会社がある
Shopifyの注文情報はデフォルトの状態では一般的な基幹システムと連携ができないため、基本的にShopify上の注文情報を参照しながら基幹システムに手入力する必要があります。
データ連携したい場合は、基幹システム側の仕組みを改修する必要が必要不可欠です。例えばデータ連携用のモジュールを構築して取り組み口を自作したり、Shopifyから出力できる注文データを基幹システムにアップロードして取り込む機能を追加したりしなければなりません。
しかし、ShopifyにはAPI連携に対応している物流アウトソーシング会社があるので、あらかじめ連携に対応しているシステムを活用できます。Shopify上で入った注文を物流会社が用意しているシステム上に自動的にAPI連携して取り込むことで、人の手で受注情報を入力しなくても受注処理が完了します。
Shopifyから自動で注文を取り込み、その情報を元に出荷指示をかけられるので、手のかかる物流業務の大半を自動化できます。アウトソーシングなら出荷指示をかけた後の物流対応は提携先の倉庫会社が行うので、自社で特別な処理をする必要はありません。
物流のリソースは事業規模が大きくなるにつれ増加
まだ事業を始めたばかりの頃は、物流にもそれほど手がかからない場面が多いでしょう。一日の注文量がそれほど多くない状態であれば、商品企画を担当しているスタッフが片手間に商品の梱包や発送を行っているというケースもよくあります。
しかし、物流のリソースは事業規模が大きくなるにつれて増加していくのが一般的です。「問題なく対応できている」という状態から少しずつ物流がひっ迫していき、「どうにか対応できている」状態だったのが、ある日突然「メイン業務を後回しにしなければ手が回らなくなってしまった」という状態に陥ってしまう企業は少なくありません。
ECストアはWebマーケティングを行うことが多いことから、広告やSNS上の拡散などがきっかけで急激に注文量が増加するケースも見られます。この「波動」と呼ばれる現象が起こると、社内のあらゆるスタッフを集めて対応しなければならなくなるでしょう。
物流に追われてメイン業務に集中できなくなると、新規商品の企画開発やマーケティング業務などが滞り、事業拡大の壁となってしまいかねません。アウトソーシングによって物流業務を社内から切り離すと、メイン業務に割り当てるリソースを確保できます。
早期の段階で外注しておけば事業成長の妨げを事前に解消できる
「コストもかかるし、社内で対応できているうちは外注を検討する必要はない」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、事業が拡大しつつある状態においては既に物流業務がひっ迫しているケースが多く、日々の対応に追われながら外注先を探すのは非常に労力を必要とします。
物流によって社内のリソースが少しずつ不足してきていることに気がついたら、早めにアウトソーシングを活用して外部に物流を切り離すことをおすすめします。可能であれば、まだ取り扱う商品の種類や個数が少ないうちから外注化しておくと、いざ注文が増加したときに慌てずに済むでしょう。
あらかじめ外注しておくことで、物流に対応しきれないからと新規商品の取り扱いを諦めたり、物流業務に追われて他の業務が疎かになったりするリスクを回避できます。
事業成長の妨げになりかねない物流の問題ですが、事業立ち上げ時から対策しておけば、例え急激に注文量が増加したとしても物流を気にせずに事業拡大に舵を切り続けられます。
カスタマイズ性の高いShopifyだからこそ構築依頼先は慎重に選定しよう
Shopifyはカスタマイズ性が高く、さまざまな制作会社が専門的にECストアの構築を請け負っています。しかし、カスタマイズ性が高いからこそ個々の独自性が出やすい面もあるので、構築を依頼する先は慎重に選定しましょう。
事業規模が拡大するとともにリソースは不足がちになるので、ストア構築と併せて、物流業務の運用方法をあらかじめ考慮しておくことも大切です。Shopifyと連携できる物流業者も多くあるため、外注を検討するのもおすすめです。
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