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シンガポール発祥のECモールであるLazadaは、数ある東南アジアのECモールの中でも飛躍的に規模を拡大し続けています。越境ECへの参入を検討している方の中には、Lazadaへ出店してみたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Lazadaはシンガポール以外にも東南アジアの複数の国に同時出店できるなど、さまざまな魅力があるECモールです。そこで今回は、Lazadaの概要や出店のメリット、方法や条件などについて徹底解説します。
Lazadaの概要
まずは、LazadaがどのようなECモールなのか概要を分かりやすく解説します。
Lazadaとは|東南アジアで最大級の知名度を持つECモール
Lazadaとは、シンガポール発祥の東南アジア向けの越境ECプラットフォームのことです。サービスイン当初はラザダグループが運営していましたが、2016年からは同社の経営権を獲得した中国のアリババグループが親会社となっています。
現在ではタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドネシアの6ヵ国にサービスを提供しており、東南アジア全域で膨大なユーザーを抱える大手ECモールに成長しました。
多種多様なジャンルの商品を扱っており、家電やアパレル、日用品などさまざまな商品を購入できます。1ヵ国あたり3,000店舗以上の出店があるといわれおり、1日の訪問者数は500万人を突破しています。
利用料金
Lazadaは出店するだけであれば特に利用料金は発生せず、他のECモールによくある出店料はかかりません。新規アカウントを無料で作成して店舗を開設し、販売額に応じて所定の手数料を支払うビジネスモデルを採用しています。
販売手数料の料率は商品のカテゴリーや販売国によって異なるため、出店先の国によって個別に確認する必要があります。特に複数国に同時出店を検討している場合は、それぞれの手数料を把握しておかなければ思わぬ支出につながる可能性があるため注意が必要です。
料率は概ね3~5%程度の間に収まるカテゴリーが多いようですが、状況に応じて都度改正される可能性があることから、出店前に最新の料率を確認しておくと安心です。
Lazadaの成長率|急速に成長中
Lazadaが対象国としている6つの国の人口を合計すると世界3位の広大な市場になることから、越境ECを検討する際にLazadaを選択肢に入れるのは有効であるといえます。特に東南アジアは若年層が多く、ECと親和性が高い人々の人口が多いことから上手く参入できれば大きく販路を拡大できる可能性が高いといえます。
Lazadaはサービス開始当初から年率20%程度の驚異的な成長率で成長を続けており、将来的な目標として2030年までにはサービス範囲を3億人にまで拡大していく方針を掲げています。
2014年のサービス開始から僅か2年後の2016年には流通総額が1,300億円を突破し、それからさらに2年後の2018年までには小売業者の数が4.5倍にまで拡大しました。前述のようにサービス範囲の拡大を目指していることからも、今後さらなる成長が期待できるECモールであるといえるでしょう。
※関連記事:東南アジアの越境ECについて徹底解説|市場規模や参入時の注意点を詳しくご紹介
Lazadaへの出店方法について解説
Lazadaへ出店したいけれど、方法がよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、アカウントの種類や出店条件について詳しくまとめました。
アカウントは2種類
Lazadaのアカウントには1ヵ国だけに出店する「ローカルアカウント」と、複数国に出店する「グローバルアカウント」の2種類があります。
ローカルアカウント
ローカルアカウントは、Lazadaが出展対象としている国のうち1ヵ国にのみ出店する場合に作成するアカウントです。例えばシンガポール版Lazadaに出店が完了すると該当のローカルアカウントでは他の国に出店することができないため、後から他の国に出店したくなったときは新たにアカウントを作成する必要があります。
ただし、ローカルアカウントであっても、Lazadaの担当者が出店状況などを総合的に判断して他国へのプロモーション活動を行ってくれるケースも一部にはあるようです。とはいえ確実ではないため、後から他の国に進出する可能性がある場合は後述のグローバルアカウントを作成しておくと安心です。
グローバルアカウント
グローバルアカウントを利用すると、1つのアカウントを作成するだけで販売対象となっている6ヵ国に出店可能です。東南アジアの複数地域に商品を販売したいと考えている事業者は、こちらのグローバルアカウントを作成することをおすすめします。
ただし、グローバルアカウントの開設は複数国へ出店する関係上、審査基準がローカルアカウントの作成よりも厳しくなる傾向にあります。まだ十分な実績がない場合はローカルアカウントのみの作成が許可される可能性もあることを押さえておきましょう。
出店条件
Lazadaに出店するための条件として、次のようなものがあります。どちらも難しい条件ではありませんが、事前に押さえておくことで準備がスムーズに進められるので、ぜひ概要を把握しておきましょう。
個人出店は不可
Lazadaは基本的に個人出店を受け付けていないECモールです。法人名義のみ申請可能であり、国内で商品を販売している個人がLazadaに出店して同じ商品を販売するような使い方はできないため、個人で出店を検討している場合は法人化を検討する必要があります。
前述のように出店アカウントにはローカルアカウントとグローバルアカウントがありますが、同じ法人であってもグローバルアカウントは限られた企業のみが出店できるため、十分に実績を積んでブランド力が高まった大手企業でなければ出店できないものと考えておいた方が良いでしょう。
したがって、基本的にLazadaで複数国に出店したい場合は販売したい国の数だけアカウントを管理しなければならないといえます。ローカルアカウントは企業名を記入し、身分証の提示や出店ルールの確認などを済ませれば基本的にはどのような法人であってもスムーズに出店が可能です。
Lazada独自の理解テストがある
Lazadaの出店にあたっては、「ストア開設試験」と呼ばれるLazadaが独自に用意した理解度テストの合格が必須条件となります。Lazadaの基本的なルールについて問われる試験となっており、出店資料を熟読して内容を理解していれば難しい内容ではないため、合格率は非常に高くなっています。
無事にストア開設試験に合格できれば、Lazadaへの出店が認められます。登録が完了するまでには出店申請から概ね1週間程度かかるため、出店準備は早めに始めておくと良いでしょう。
特に法人口座を持っていない状態から出店準備を行う場合は、法人口座の審査にも1~2週間程度かかるのが一般的です。Lazadaへの出店審査と合わせて1ヶ月程度かかる可能性が高いので、事前にスケジュールを立ててスムーズに準備を進めましょう。
Lazadaの特徴
Lazadaには出店者側にとってもさまざまなメリットがあります。ここでは、Lazadaの主な4つの特徴をご紹介します。
特徴1:一度商品を登録すれば複数国に同時掲載可能
一般的に、複数のECモールに出店する場合は出店先のECモールごとに商品を個別に登録する必要があります。アイテム数が多ければ多いほど登録や更新の手間がかかるため、管理コストを考えてあまり多くのECモールに出店できずにいるという事業者様も多いでしょう。
古い商品情報のまま放置してしまうと信頼性の低下にもつながるため、ECモールへの出店は管理できる範囲をよく見極める必要があるといえます。特に小規模事業者の場合は、商品管理に割り当てられるリソースが少ないことから販路の拡大が難しいと複数モールへの出店を諦めてしまうケースも多々あります。
しかし、Lazadaは一度商品を登録すれば複数国に同時掲載が可能なので、商品管理の手間を抑えながら最大6ヵ国への同時出店が叶います。自社の商品をさまざまな国のユーザーに手に取ってもらうためには、Lazadaへの出店は有効な選択肢のひとつだといえるでしょう。
特徴2:Lazadaが梱包・配送業務を行ってくれる
Lazadaは梱包・配送のサポートが充実している点も特徴的です。商品を出品する際にあらかじめLazadaの倉庫へ自社の商品を送っておくことで、注文があるとLazadaの倉庫が梱包・配送業務を代行してくれます。自社で物流業務を行う必要がないため、手間を削減しながら越境ECに手軽に参入できるのは魅力です。
越境ECは海外発送を行う必要があることから、国内発送よりも物流業務の手間がかかります。インボイスの発行や関税計算などを行いながらの物流業務は多くのリソースを消費するため、物流体制を万全に整えることが難しい事業者にとってLazadaの代行サービスは使い勝手が良いでしょう。
Lazadaの物流代行は、Amazonが提供しているFBA(フルフィルメントby Amazon)と特徴が似ています。イメージが浮かばない方は、Amazonの商品が倉庫から出荷されるまでの流れを思い浮かべてみると分かりやすいでしょう。
特徴3:カスタマーからの問い合わせはLazadaが対応
Lazadaで販売した商品については、基本的にLazadaのスタッフがカスタマー対応を代行してくれます。自社であらゆるカスタマー対応を行うことは非常に手間がかかるので、Lazadaに代行してもらうことで基幹業務に集中できる環境を構築しやすくなるでしょう。
出品者が売上を回収できなくなることが無いように代金回収や売上の振込まで全てLazadaが担当するので、商品の販売に専念できる安心感が感じられます。クレーム対応や初期不良などのトラブルも全てLazadaの管轄となります。
ただし、商品の詳細についてユーザーから問い合わせがくるケースも時々あります。丁寧に返答することで購入率が向上しやすくなるため、直接自社に問い合わせがあった際はできるだけ返答することをおすすめします。
特徴4:マーケティング手段が豊富に用意されている
Lazadaには豊富なマーケティング手段が用意されており、集客施策を展開しやすいのもポイントです。自社の販売ページへの流入を増やしたり商品の購入率を高めたりするためのさまざまなマーケティング手段を利用できるので、自社に合った方法で積極的なマーケティング活動を行うと良いでしょう。
自社でSNSアカウントを運用していれば連携も可能なので、販売国でユーザー数が多いSNSに登録してSNSマーケティングを行うと相乗効果が期待できます。人気の高いSNSは国によって大きく異なるため、参入前に現地ではどのSNSがよく使われているのかをリサーチしておくとスムーズです。
Lazada出店に強い越境EC支援サービス会社をご紹介
Lazadaへの出店は、自社だけで対応するのが難しいと感じる場面もあるでしょう。そんな時に強い味方になってもらえる、Lazada出店に強い越境EC支援サービス会社をご紹介します。
BeeCruise株式会社
BeeCruise株式会社は、クライアントの越境EC進出をさまざまな側面からサポートするサービスを提供している企業です。インフラ構築サポートやプロモーションサポートなど、進出先の国でスムーズに商品を販売するための環境構築をプロの視点で支援してもらえるので、越境ECが初めての方でも安心して利用できるでしょう。
出店サービスは「Shopee出店サービス」「Lazada出店サービス」「Coupang出店サービス」の3種類が用意されています。
出店にあたって、商品説明やカスタマーサポートは現地に精通したネイティブスタッフが代行してくれます。
商品ページに掲載する商品説明は購入率を左右する重要な要素のひとつですが、越境ECは言語の壁があり、現地に明るいスタッフが自社にいなければ購買意欲を高めるような商品説明を作成しにくいという課題があります。しかし、BeeCruiseによるネイティブスタッフのサポートを受ければ、外国人スタッフを確保する必要はありません。
同社は国内で初めてLazadaの公式認定パートナーに認定された企業であり、Lazadaの出店・運営を熟知しています。越境ECによる海外出店の経験がないクライアントであっても、国内の指定倉庫へ在庫を発送するだけで簡単にLazadaでの販売を実現できます。
株式会社オロ
oRoは「Technology × Creative」をスローガンに掲げて、最先端の技術によって企業が抱える課題を解決するためのソリューションを提供している企業です。
サービスは「クラウドソリューション」と「デジタルトランスフォーメーション」の2つのカテゴリーに分かれており、Lazada出店サポートは「デジタルトランスフォーメーション」の中の「グローバルビジネス支援」に含まれています。
海外進出・商品輸出支援サービスでは、越境ECの進出を検討している国について市場調査やテストマーケティングを行い、調査結果を元に詳細な分析レポートを作成してもらえます。実際に出店を決めたら出店や貿易手続きアドバイス、出店代行も行ってもらえるため、越境ECの出店ノウハウがなくてもLazadaでの販売が可能です。
現地のターゲットに合わせたブランディング構築やマーケティング支援にも対応しているため、より効果的な販売を実現できます。
トゥルーコンサルティング株式会社
https://www.top1-consulting.com/
トゥルーコンサルティング株式会社は、海外進出を検討している企業向けのコンサルティングを行う企業です。クライアントの長所を伸ばすコンサルティングを強みとしており、自社の特色をしっかりと見極めた上で最適な海外進出の方針を提案してもらえるでしょう。
1,000社以上の豊富なコンサルティング実績も魅力であり、個々の状況に合わせて丁寧に経営のアドバイスを行ってくれます。
出店準備のサポートというよりは経営方針へのアドバイスが中心で、「経営計画・事業計画構築プロジェクト」「通販事業 新規参入プロジェクト」「ウェブページ・ウェブマーケティング改善」「定期コンサルティング」「初回の無料ヒアリング&提案」の5つのプランを組み合わせながら売上を高めるためのサポートを依頼できます。
トランスコスモス株式会社
https://www.trans-cosmos.co.jp/
トランスコスモス株式会社は統合マーケティングやコールセンター業務、ビッグデータ解析、BPOサービスなど企業活動を手助けするさまざまなサポートサービスを提供している企業です。
中国、韓国、ASEAN市場の他、欧米・中南米市場向けやオフショアサービスなど、世界の広範囲の国と地域への越境EC進出をサポートしています。進出したい国に合わせてECモールへの出店をサポートするワンストップサービスやコンタクトセンターサービス、デジタルマーケティングサービス、ITアウトソーシングサービスなどを提供しています。
ASEAN市場向けのサポートサービスを依頼することで、Lazadaへの出店準備もサポートが可能です。
【ご紹介】オープンロジは越境ECの物流にも対応
オープンロジでは、越境ECにも万全に対応した物流サービスを提供しています。ここでは、当社のサービスを簡単にご紹介します。
越境ECの物流も商品1点から登録可能
オープンロジでは、越境EC向けの荷物であっても商品1点から登録が可能です。「海外発送する商品はたくさん倉庫に預けないと対応してもらえないのではないか」とご不安に思われている事業者様や、過去に実際に断られてしまった経験をお持ちの方も、ぜひ一度ご相談ください。
取扱量が少ない小規模事業者様やアイテム数を絞り込んで運営している事業者様でも、オープンロジの倉庫なら商品1点からお気軽にご利用いただけます。
国内向けの商品と海外向けの商品の区別はなく、どちらも同じように倉庫内で保管し出荷指示に従って柔軟に発送対応を行いますので、越境EC用の荷物を分けて発送するなどの手間も必要ありません。
事業拡大にもしっかり対応
オープンロジの物流代行サービスは小~大規模まで幅広い事業者様に対応しているため、事業規模の拡大に柔軟に対応いたします。スモールスタートされた事業者様が事業を拡大すると、小規模事業のみに対応している倉庫を選んだ場合は新しい倉庫への移転が必要になる可能性もあります。
しかし、オープンロジなら事業規模の変化に合わせて倉庫運用の規模もスムーズに拡張いたしますので、倉庫移転を心配せずに基幹業務に集中していただけます。
国内外の物流を一括で管理できるため、国内向けの販売をメインに行いながら少しずつ越境ECの事業拡大に取り組んでいただくことも可能です。
料金は使った分だけの従量課金制
オープンロジの物流サービスは「初期費用・固定費0円の完全従量課金制」を採用しています。倉庫を一度も使わなかった月は利用料金を請求いたしませんので、「まだ事業を開始したばかりでアイテム数は少ないけれど、早めにアウトソーシングの準備をしておきたい」とお考えの事業者様には最適です。
取扱量が限られている小規模事業者様や、EC事業を始めたばかりのスタートアップ企業様においては、毎月の固定費用が大きな負担になりやすい環境にあるといえます。しかし、従量課金制なら固定費の負担を心配せずに気軽に倉庫をお使いいただけます。
「越境EC対応が増えてきて手間がかかっているので、外注を検討したい」「国内発送と海外発送を分けて対応するのに手間取っているためアウトソーシングしたい」という方も、まずは一度お問い合わせください。
Lazada出店は東南アジア進出時に知っておきたいモールのひとつ
Lazadaは東南アジアのECモールの中でも最も成長著しいプラットフォームです。これから越境ECによる海外進出を検討しているのであれば、アジアの一大マーケットであるLazadaへの出店はおすすめであるといえます。
Lazadaは最大6ヵ国まで同時出店が可能で、一度商品を登録すれば複数の国で並行して商品の販売ができるのも魅力です。梱包・配送やカスタマーサポートをLazadaのスタッフが代行してくれるため、現地に詳しくない方でも比較的運営しやすいでしょう。
Lazadaにはローカルアカウントとグローバルアカウントが用意されており、まだ事業を始めたばかりであればローカルアカウントのみしか作成できない場合もあります。最初からグローバルアカウントで複数国に出店したいのであれば、越境ECをサポートしてくれる企業に出店代行を依頼することも検討すると良いでしょう。