東南アジアの越境ECについて徹底解説|市場規模や参入時の注意点を詳しくご紹介

openlogi2023年11月9日  
openlogi2021年7月20日

東南アジアの越境ECについて徹底解説|市場規模や参入時の注意点を詳しくご紹介

東南アジアは近年ECの成長率が高く、世界的にも非常に注目されている市場のひとつです。アジア諸国にも日本製品は人気が高く、越境ECで海外進出を狙うのであれば注目しておきたいエリアであるといえるでしょう。

とはいえ、どのように東南アジアへの越境EC参入を進めれば良いのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、東南アジアの越境ECについて代表的な国々の市場規模や参入時の注意点などを交えながら詳しく解説します。

 

東南アジア各国の越境EC市場規模

東南アジアの中でも、次にご紹介する4つの国々の越境EC市場は特に盛り上がりを見せています。ここでは、各国の越境ECの市場規模をご紹介します。

マレーシア

マレーシアの人口は約3,200万人であり、そのうちの83%にあたる約2,700万人がインターネットを利用していると言われています。インターネット人口と同数程度がSNSを利用していることから、SNSマーケティングも有効な地域です。

マレーシアのEC市場は年々拡大を続けており、2021年~2025年の年間成長率は15%程度に到達すると予測されています。2020年6月時点の推計で2021年のEC市場収益は約55億4,000万ドルであるといわれており、将来性の高い市場です。

今後数年の間に成長率が20~25%に到達する可能性も十分秘めており、これから進出するメリットも大いにあるといえるでしょう。特に人気のECプラットフォームとしてはLazadaやShopeeが挙げられます。

インドネシア

Googleの調査によれば、インドネシアのEC市場は2018年時点で約270億ドルを記録しています。同国の市場は成長著しく、2025年までに現在のおよそ3倍の規模に相当する1,000億ドルにまで拡大するともいわれています。

特にeコマース通販の分野は大きく伸びると予測されており、世界4位にあたる約2億6,000万人もの人口を持つことからも東南アジア最大のEC市場へと成長が期待できるでしょう。

インドネシアではインターネットの普及率は56%とそれほど高くありませんが、一方でモバイル端末の保有率は100%を超えています。つまりインドネシアにおけるインターネット利用はパソコンではなくモバイル端末が中心であり、スマートフォンからのEC利用が今後大きく拡大していくと推測されます。

インドネシアでは時価1,250億円以上で非上場の企業を指す「ユニコーン企業」がデジタル関連だけで4社あることからも、近い将来、爆発的に成長を見せる可能性が高い国のひとつといえるでしょう。

シンガポール

シンガポールは東南アジアの中でもECが活発な国のひとつであり、インターネットの普及に伴って多くのユーザーが買い物を楽しんでいます。国土が狭く高温多湿、降雨も多いなどの悪条件が揃っていることからECと相性が良く、クレジットカードの保有率も高い傾向にあるためにEC市場が発展していると言われています。

東南アジアでも有力なプラットフォームのひとつであるLazadaは、シンガポールで生まれたECモールです。現在では中国のアリババグループが買収により経営権を取得していますが、同社は東南アジア進出の足掛かりを同社を買収することで獲得したかったと見られています。

また、2016年にアリババグループがLazadaを買収した翌年には、Amazonもシンガポール版のローカライズを行って同国に進出しています。

EC市場規模は約30億ドルとまだ金額としてはそれほど高くありませんが、ECを通じて日常的に買い物をするユーザーの年間平均消費額は約1,000ドルであり、まだ伸びしろがあるといえます。経済も発展し続けていることから、将来性のある市場のひとつといえるでしょう。

ベトナム

ベトナムは近年、非常にECが盛んな国であり、2016年~2019年に渡って年率30%の成長を維持し続けています。2019年時点で流通総額が100億ドル(約1兆700億円)を突破し、2020年には150億ドルにも到達したと見られています。

TikiやSendoなどのベトナムで生まれたECプラットフォームの他にShopeeやLazadaなども人気が高く、多くのユーザーがECを通じて商品を購入する習慣があるといえます。SNSからの直接購入も多く、Facebookで企業がユーザー向けに商品を販売するケースもよくあります。

2019年時点でベトナムの人口は9,646万人と規模も十分で、現在でも市場が拡大し続けていることからも、参入の魅力は高いといえます。

東南アジア越境ECの特徴

東南アジア越境ECの特徴として、次の3つが挙げられます。

スマホの普及が急速に加速|インターネット環境の充実

従来はそれほどインターネットが発達していなかった東南アジアにおいて、スマートフォンの普及が急速に加速しています。中にはモバイル端末の保有率が100%を超えている国もあるなど、誰もがスマートフォンを通じて気軽にインターネットに接続できる環境が整ったことから越境ECに触れる機会も増加することとなりました。

東南アジアには成長中のECプラットフォームが数多くあり、それぞれが切磋琢磨しながら高い成長率を維持しています。東南アジア最大のECプラットフォームであるShopeeなどにおいては数ヵ国同時に出店することも可能になっているなど、複数の国に商圏を拡大するチャンスが多いことも魅力のひとつです。

SNSの利用率が高い

東南アジアはSNSの利用率が高く、多くのアクティブユーザーを抱えています。例えばFacebookは東南アジアだけで3.7億人のユーザーを擁していますが、これはFacebookユーザー全体の14%に相当します。

インターネット利用人口に対して80~90%程度のユーザーがFacebookを利用しているともいわれており、SNSによるマーケティング戦略と非常に相性が良いことが見て取れます。

また、インドネシアではInstagramが比較的普及しており、6,300万人のユーザーがいます。ユーザー数は1,200万人程度とそれほど多くはないものの、タイでは企業のSNSマーケティングが盛んであり、よく使われているプラットフォームのひとつとなっています。

コロナ禍の影響によりECの需要が増加

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響で、世界的にECの需要が増加することとなりました。東南アジアも例外ではなく、外出自粛を契機にECを通じたショッピングを楽しむユーザーが激増しています。

東南アジアにおけるEC利用者は2020年に3億人を突破しましたが、この水準は元々2025年に達成されると予測されていた数値でした。コロナ禍の影響で多くの人がECを利用することになったため予想が大幅に前倒しとなったことからも、需要増加が伺い知れます。

ECを利用するユーザーが増えたことで大手企業もECに続々参入するようになり、このことから更にEC市場が拡大するというサイクルが続いています。

アメリカのFacebook社とベイン・アンド・カンパニーの調査によれば、2025年には東南アジアのEC人口は3.4億人に到達する見込みだということです。

東南アジア越境EC成功のポイント

東南アジア越境ECを成功させるためのポイントとして、次の3つが挙げられます。十分な準備を行わずに参入すると思わぬハードルに阻まれることもあるため、順番にステップを踏んでいくことが大切です。

ポイント1:ターゲットを明確に定める

まずは「越境EC進出先の国で誰をターゲットにするのか」を明確に定めることが大切です。国内向けのECにおいてもターゲット選定は非常に重要ですが、越境ECでもターゲット選定は事業開始後の売上を左右する大切なポイントです。

まずは市場をリサーチして、どのような商品やサービスが流行しているのかを把握しトレンドに沿った商材を提供することを意識しましょう。日本国内と現地では売れている商品が全く異なるケースがほとんどであるため、現地の状況を押さえずに国内向けに販売している商品をそのまま海外に輸出しようとしても上手くいかない可能性が高くなります。

まずは「自社の商品のニーズはどこにあるのか」を理解した上でターゲットを選定し、そのターゲットに対してどのようにアプローチしていくかを考えていきましょう。

同じ商品であっても、国によってはターゲットの年齢層が前後する可能性もあります。「日本で40代の女性に売れているから海外でも同じターゲットを設定しよう」といった安易な考え方をするのではなく、1からリサーチして「自社の製品にふさわしいターゲットがどこにあるのか」をしっかりと検討することが重要です。

ポイント2:集客などのプロモーション媒体は慎重に選定する

集客を行う上で、プロモーション媒体の選び方は結果に大きく影響します。ターゲットによって響く媒体が大きく異なるため、選び方を間違えてしまうと設定したターゲットへの訴求効果が十分に得られず、コストだけがかかってしまう可能性があるからです。

ターゲットを選定したら、まずは「そのターゲットが最もよく閲覧する媒体はどれなのか」を考えてみましょう。SNSだけでもTwitterやInstagram、Facebookなど複数あるため、どれを選ぶかによって成果が大きく変動します。

SNSは国によってアクティブユーザーが多い媒体が異なっており、例えば日本はTwitterユーザーが多い傾向にありますが、世界的にはFacebookが圧倒的に使われているSNSです。現地のSNSの動向を掴むことも、マーケティング戦略の成功につながる重要なカギになります。

検索エンジンのSEO対策も現地の傾向に合わせてコンテンツ発信を行っていく必要があるため、対応が難しいようであれば越境ECに強いマーケティング会社などにプロモーションを委託するのも選択肢のひとつです。

ポイント3:ブランディングはターゲットの文化的背景にも着目が必要

国によって生活習慣や言語などが大きく異なるため、ブランディングはターゲットの文化的背景にも着目して進めることが大切です。

例えば、ECサイトはできるだけ進出先の国の言語で制作するのが望ましいでしょう。言葉が分からない国のECサイトで買い物をすることに不安を覚えるユーザーは多いので、慣れ親しんだ言語で自社の商品やサービスの魅力を知ってもらえる環境を作ることは、それだけでユーザーからの信頼度の向上に直結します。

また、国や地域によっては宗教観が商品の売上に大きく影響を与えるケースもあります。特定の宗教が国教とされているような国においては、禁止されている行動や奨励されている行動を把握しておくのもブランディングにプラスに働く可能性があるといえます。

その国ならではの季節の行事や食習慣などが影響して売上を変動させることも十分に考えられるため、あらゆる可能性を想定して進出先の国を理解するように努めましょう。

 

東南アジアの越境ECプラットフォームをご紹介

東南アジアの越境ECへ参入するなら、現地の越境ECプラットフォームを活用すると現地のユーザーを集客しやすくなります。ここでは、東南アジア各国の代表的な越境ECプラットフォームをご紹介します。

Shopee

https://www.shopee.jp/

Shopee(ショッピー)はシンガポールの越境ECモールです。2015年2月の登場時から数年で急成長し、東南アジアでは最も勢いがあるECプラットフォームであるといわれています。サービス開始から僅か1年で流通総額が18億円を突破するなど、怒涛の勢いで成長を続けています。

問い合わせ対応をモールのカスタマーサポートではなく出店している事業者自ら行うのが特徴的で、購入者が直接出品者とコミュニケーションを取れるのがメリットのひとつです。中国の大手ショッピングモールのタオバオにも似たような機能がありますが、Shopeeはシンガポール以外の東南アジア諸国にも同時に商品の販売が可能です。

販売手数料とリスティング手数料が無料であり、コストを最小限に抑えた運営を叶えられることから多くの事業者が出店しています。

Lazada

https://www.lazada.co.th/

Lazadaは東南アジア向けの越境ECプラットフォームです。かつてはラザダグループが運営していましたが、2016年に中国のアリババグループが同社の経営権を獲得して親会社となりました。

タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドネシアの6ヵ国にサービスを提供しており、2030年までにはサービス範囲を3億人にまで拡大していく方針です。

家電やアパレル、日用品など多種多様なジャンルの商品を扱っており、1ヵ国につき3,000店舗以上の出店があるといわれています。訪問者数は1日500万人を突破し、年率20%程度の驚異的な成長率を維持しています

Lazadaには「ローカルアカウント」と「グローバルアカウント」が用意されており、越境ECの出店はグローバルアカウントから行います。複数国に出店する場合は、国別にアカウントを作成しなければならない点には注意が必要です。

【インドネシア】Bukalapak

https://www.bukalapak.com/

Bukalapakは2010年に設立されたインドネシアのECプラットフォームです。開設から10年未満の2019年には月間7,000万人ものアクティブユーザーを獲得し、インドネシア最大のECサイトのひとつとなっています。

2021年8月にはジャカルタで上場しており、インドネシア最大規模のIPO(新規上場株)となりました。2019年の時点で企業の評価額が2,800億円を突破するなど、順調に成長を続けています。

電化製品や自動車、モバイル用品などに強く、さまざまな企業が出店しています。支払い方法が多様であり、世界中のユーザーにリーチしやすいプラットフォームとなっています。

【インドネシア】Tokopedia

https://www.tokopedia.com/

Tokopediaは2009年に設立されたインドネシアのECプラットフォームです。個人の起業家や中小企業向けに特化しており、消費者間取引であるCtoCも可能です。2021年5月まではトコペディアが独立して運営していましたが、その後はオンライン配車サービスのゴジェック社と経営統合して「ゴートゥーグループ」として経営に携わっています。

2017年には中国のアリババグループからも出資を受けており、世界の名だたる企業が同社に出資しています。

家電やキッチン用品、ゲーム、パーティー用品などの他にイスラム教徒向けのファッションなどを取り扱っており、前述のBukalapakとはジャンルの面で比較的明確に差別化されているといえます。

【ベトナム】Tiki

https://tiki.vn/

TikiはベトナムでShopeeに次ぐユーザー数を誇るといわれており、国内では誰もが知る認知度の高いECプラットフォームです。2010年の創業時は英語の本のみを販売するオンライン書店でしたが、現在では「ベトナム版Amazon」とも呼ばれるほどさまざまな商品を販売しています。

元々は5,000ドルの資金で立ち上げられた企業であり、100タイトル程度の英語の本の販売からスタートしています。

2019年2月には「TikiNOW」という「ハノイ市またはホーチミン市に配送予定の15kg以下の商品を2時間以内に配達する」という新サービスを展開するなど、顧客満足度の高いサービスが特徴的です。

【ベトナム】Sendo

https://www.sendo.vn/

Sendoはベトナム最大規模のIT企業であるFPT社が設立したECプラットフォームです。元々はCtoCのみで始まりましたが、現在ではBtoCも扱っています。月間トラフィック数はShopeeに次ぐともいわれており、東南アジアでも大規模なECサイトのひとつと認識されています。

50万人以上の販売者と1,000万店以上の商品が登録されており、アクティブユーザーはベトナム全土で1,200万人を誇るなど、注目度は高いといえるでしょう。

アパレル系の商材が比較的多く取り扱われており、ベトナムでは主流の現金決済にも対応しています。ベトナムのECプラットフォームはハノイ市やホーチミン市のユーザーをターゲットにするケースが主流ですが、Sendoはその他の物流があまり整っていない地域にも進出することでシェアを獲得しています。

東南アジア越境EC参入時の注意点

東南アジア越境ECへ参入する際は、次の3つのポイントを押さえておくことが大切です。

注意点1:ターゲット国に合った商品選定・事業展開を行う

東南アジアに限らず、越境ECで海外進出を検討する際にはターゲット国に合った商品選定や事業展開を行うことが大切です。日本で有効なマーケティング戦略が進出先の国でも有効とは限らないため、現地のニーズを十分に見極めた上で効果的な戦略を立てる必要があるといえます。

日本製品が海外から人気が高いことは事実ですが、だからといって「日本製品だから」というだけの理由では思うような販売には繋がらない可能性が高いでしょう。あらかじめ市場を隅々までリサーチした上で、現地のニーズに合った商品を選定し、現地のユーザーが購入したくなるような販売戦略を取ることが重要です。

例えば東南アジア諸国は国によって文化や宗教観が異なるため、購入されやすい商品とそうでない商品の差が明確になりやすいのが特徴です。「自社の商品は進出先の国でどのように売れるのか」を分析してから参入しなければ、思うように売れずにすぐに撤退しなければならなくなる可能性も否定できません。

また、配送の平均日数は3~5日程度であり、1日延びると10%売上が下がるというデータもあります。スムーズに商品を届けられるように物流を整えることも大切です。

注意点2:関税・禁制品について事前に確認が必要

日本では輸出入が認められている商品であっても、海外では禁制品として輸入が禁止されているケースはよくあります。自社で取り扱っている商品を海外に届けられるかどうかは必ずチェックしておきましょう。

例えばインドネシアでは「中国文字又は中国語による雑誌、印刷物、レコード、録音テープ等」「お守り札」などが禁止されています。日本では当たり前のように見かけるようなものも、進出先の国では取り扱いが難しいことはよくあるため注意が必要です。

また、日本国内への発送はできるものの海外へ送れない荷物もあるため、同様に確認しておきましょう。花火やライター、漂白剤などは日用品として比較的取り扱いやすい商品ですが、海外向けの販売はできないため押さえておくことが大切です。

さらに、輸入品には各国が取り決めた所定の関税がかかります。関税は品目別に数千種類に分かれており、各商品に対して細かく指定されているため、事前に確認しておかなければ想定外の出費となってしまう可能性があります。

国によっても税率は大きく異なるため、複数の国に進出する予定がある場合は扱う商品を慎重に検討しなければなりません。

注意点3:現地に根付いた決済方法を選定する

東南アジアの越境ECに参入する際は、現地に根付いた決済方法を選定することが大切です。東南アジアにおいては銀行口座を開設している人が比較的少ない傾向にあり、クレジットカードの保有率も高くないのが現状です。

特にマレーシアやシンガポールのクレジットカード保有率は10%を切っており、日本のECサイトのようなクレジットカード主体の決済方法を提供するだけではほとんどのユーザーが商品を購入する手立てがない状態になってしまいます。

どれだけ良い商品を用意したとしても、決済する方法がなければユーザーは購入をあきらめざるを得ません。銀行窓口やATMを利用した銀行振込や代金引換、コンビニ支払いなど、クレジットカードや銀行口座を持っていなくても現金で支払えるような決済方法を用意しておく必要があるといえます。

最近では、スマホ決済も東南アジアで広く普及してきています。クレジットカードや銀行口座の保有率が低い一方で、東南アジアの国々のモバイル端末の所有率は非常に高く、スマートフォンで決済ができれば日常生活の多くの場面でスムーズに支払いが可能になるという利点があるからです。

【コラム】越境ECは多くのリソースが必要?

越境ECに参入するには、国内ECよりも多くのリソースが必要になります。自社だけでリソースの確保が難しいようなら、物流業務のアウトソーシングも選択肢のひとつです。

関税や言語など国内ECとは異なる点が多数ある

越境ECは、国内向けのECサイトよりも対応しなければならない業務が数多くあります。現地のトレンドの把握やローカライズされたECサイトの構築、ターゲット国の興味・関心に合わせたマーケティング戦略の立案など、一つひとつの業務を的確にこなさなければ期待通りの売上にはつながりにくいでしょう。

また、海外発送も国内発送に比べて多くの手順を必要とします。発送ラベルやインボイスの作成、海外向けの厳重な梱包作業などは非常に手間がかかるため、物流業務に費やすリソースが増加しやすくなり、基幹業務に割り当てられる時間が減少する可能性は高まります。

さらに、関税への対応は越境EC物流の課題のひとつです。関税はあらゆる商品に設定されており、輸出先の国によっても税率が大きく異なることから正確な把握は非常に困難で、計算方法も複雑になりがちです。

このように越境ECはリソースが嵩みやすく、自社だけで十分なリソースを確保することが難しい場合も多いといえます。

越境EC物流もアウトソーシングが可能

国内向けのEC物流だけでなく、越境EC物流も物流業者に委託可能なケースは多々あります。物流業務に追われて基幹業務やマーケティング業務をこなしきれないと不安を抱いているのであれば、越境EC物流に対応している物流業者に相談してみると良いでしょう。

中には越境EC向けのECサイト構築やグローバルSEO対策、広告運用など、越境ECの成功に必要なノウハウをひと通り提供しているマーケティング支援企業もあるので、自社が必要としているサポート範囲がどの程度なのかを明確にした上で強力を依頼すると高い効果を得やすくなります。

物流業務をプロの専門業者に委託できれば、海外発送に必要不可欠な厳重梱包も自社で行う必要がないため基幹業務だけに専念できます。物流業者によっては発送ラベルの発行やインボイスの作成を代行してくれるケースもあることから、越境EC物流にかかる手間を最小限に抑えることが可能です。

難しい関税の計算を行う必要なく海外へ荷物を発送できる点も魅力的だといえるでしょう。新しい商品の取り扱いが増えても気軽に倉庫へ預けられるので、管理が煩雑になりにくいというメリットもあります。

東南アジアの越境ECは事前のリサーチが必須

成長著しい東南アジアの越境ECは、今後も伸び続けていくことが予測される将来性に富んだ市場です。日本市場は少子高齢化の影響で市場が伸び悩む可能性もあるため、早いうちに世界の有望な市場に進出するのも手段のひとつです。東南アジアの国々にも日本製品は人気が高いため、戦略次第で販路を大きく拡大できる可能性もあるでしょう。

東南アジアへの越境ECを成功させるには、ターゲット選定やプロモーション媒体の選択が重要です。自社の商品やサービスを誰にどのような形で売り込むのかを慎重に検討し、ターゲットに合った方法を選択しましょう。

関税や禁制品を十分にチェックした上で、現地ユーザーが慣れ親しんだ決済方法に対応することも大切です。リサーチを十分に行い、それぞれの国に合った施策を講じることが売上拡大へとつながります。

 

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オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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