食品サブスクとは|メリットやデメリット、サービス事例などをご紹介

食品サブスクとは|メリットやデメリット、サービス事例などをご紹介

目次

定期的に利用料金を支払ってサービスを利用する「サブスクリプション型ビジネス」は、売上を安定させやすいビジネスモデルとしてEC事業者の間で注目を集めています。食品業界でも多くのサービスが登場しており、食品サブスクを始めてみたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

食品サブスクに参入するなら、事前にメリットやデメリットを知っておくことが大切です。そこで今回は、食品サブスクのメリットやデメリット、サービス事例などについて分かりやすくご紹介します。

食品サブスクとは

食品サブスクとは「食品をメイン商材としたサブスクリプションサービス」のことです。サブスクリプションサービスとは一定周期でユーザーに利用料金を請求し、その対価として特定のサービスを提供するビジネスモデルのことです。「サブスク」という略称で呼ばれることから食品を扱ったサブスクリプションサービスのことを「食品サブスク」と呼んでいます。

食品サブスクで食品が届く頻度はサービスによって多種多様で、毎月1回届くものもあれば、年に4回や不定期、もしくは複数の選択肢の中からユーザー側が届く頻度を自由に選択できるものまでさまざまです。

ジャンルも生鮮食品やお菓子、飲料、健康食品やサプリなど多岐にわたっており、今や多くの事業者が自社の商材を活用してユーザーの興味を引く食品サブスクサービスを展開しています。

食品サブスクに参入する事業者が増えた背景には、EC業界やサブスクリプション型ビジネスモデルの発展が挙げられます。

インターネットやスマートフォンの普及によって誰もが気軽にECを利用するようになっただけでなく、音楽や動画をはじめとした多くのサブスクリプション型ビジネスが成功するようになったことから、食品業界でもサブスクリプションサービスを提供するようになりました。

食品サブスクのメリット

事業者側が食品サブスクを提供するメリットにはさまざまなものがありますが、特に代表的なメリットとして挙げられるのは次の3つです。

メリット1:売上を安定させやすい

食品サブスクのメリットのひとつとして「売上を安定させやすい」という点が挙げられます。

サブスクリプションサービスではない通常の販売で売上目標を達成するためには、毎月0の状態から新たに目標の個数をユーザーに購入してもらうための戦略を考える必要があります。例えば毎月100個販売する目標を立てているなら、100人のユーザーに新たに購入してもらうための施策を打ち出さなければなりません。

しかし、食品サブスクでは契約済みのユーザーが一定周期ごとに必ず利用料金を支払うため、毎月決まった売上を確保した状態で目標への販売をスタートさせることができます。

例えば前述のように100個の販売目標を立てている場合でも、食品サブスクで30人契約済みなら新たに購入してもらわなければならない顧客を70人探すだけで目標を達成できます。このように、毎月の売上を最初からある程度確保した状態でスタートできるため、食品サブスクは売上を安定させやすいといわれています。

メリット2:入荷量の変動が少ない

食品サブスクには「入荷量の変動が少ない」というメリットもあります。前述のように、食品サブスクは毎月契約済みのユーザーについては売上を確保した状態でスタートできます。これはつまり「契約済みのユーザーの人数分は商品を入荷することが確定している」ということでもあります。

食品サブスクではない通常販売の場合、新たにどれだけ商品が売れるかどうかを見極めるのは難しく、予測していた需要よりも入荷量が少なくなったり多くなったりすることは少なくありません。入荷量が少なければ欠品となって機会損失につながり、多すぎれば過剰生産となって商品の劣化や廃棄リスクの増大に直結します。

しかし、食品サブスクであれば契約が続いている以上は必ず契約人数分の需要は発生するため、ある程度入荷量を見極めやすくなり、機会損失や廃棄リスクを軽減できます。

メリット3:割引でお得感をアピールできる

食品サブスクを提供している多くの事業者は、「食品サブスクを契約すれば割引価格で商品を購入できる」というお得感をアピールすることによって新規ユーザーの獲得につなげています。

例えば「サブスク契約2回目以降のお届けは通常価格から15%OFF」などの特典があると、定期的に購入しているユーザーは「サブスクの方がお得だな」と判断し、食品サブスクを契約してもらえる可能性は高くなります。

食品サブスクを契約することによって事業者にとってはユーザーの取りこぼしを防いで売上を安定させる効果が期待できるとともに、ユーザー側にとっては毎月の買い忘れが無くなって安価に購入できるため、事業者とユーザーの双方にとってメリットがあるビジネスモデルであるといえるでしょう。

食品サブスクのデメリット

多くのメリットがある一方で、食品サブスクにはいくつかのデメリットもあります。ここでは、食品サブスクのデメリットについて解説します。

デメリット1:定期購入に対応したシステム構築が必須

食品サブスクサービスを提供する場合は、通常のECとは異なる定期購入に対応したシステム構築が必須となります。毎月あるいは定期的に同じ商品をユーザーの購入確認を行うことなく販売するためには、契約者の会員情報を管理して自動的にクレジットカードの引き落としを行うための仕組みが必要になるからです。

定期購入ではない一般的なECサイトを構築するためのシステムは、こうした自動的な引き落としや会員一人ひとりの定期購入の頻度などの詳細な顧客情報管理に対応できないのが一般的です。

そのため、食品サブスクを検討しているのであればあらかじめシステムも食品サブスクに対応したものを選定する必要がある点には注意が必要です。

デメリット2:解約は大幅な売上減少に直結する

食品サブスクには売上を安定させやすいというメリットがある一方で、解約が大幅な売り上げ減少に直結しやすいというデメリットも持っています。

例えば商品Aの毎月の販売目標を300個に設定しているとして、食品サブスクサービスで毎月150人の契約がある場合は新規の売上は150個で済みます。しかし何らかの原因で50人がサブスクサービスを解約すると、毎月の売上が100個しか確保されていない状態になってしまうため、販売目標を達成するためには200個の売上が必要になります。

とはいえすぐに解約をカバーできるだけの売上を確保することは難しく、結果的に大きな売り上げ減少につながり、すぐに元の売上を取り戻せないケースも多いでしょう。食品サブスクを行うのであれば、契約中のユーザーに解約されないようにするための工夫が必要不可欠です。

デメリット3:先行投資が必要になる

食品サブスクに限らず、サブスクリプション型のビジネスモデルは契約してくれるユーザーがいなければ売上にはつながらないため、サービス開始当初は大きな売上を上げることができません。

そのため、サービスを構築するための費用は先行投資となり、サービス開始後の利用料金によって回収しなければならないということになります。つまり食品サブスクを始めるにあたってサービスを構築できるだけの資金と、売上が立たなくても事業を継続できる体力がなければ事業の継続が難しくなる可能性があります。

「食品サブスクはすぐに売上につながるとは限らない」ことを念頭に置いておかなければ、経営が苦しくなってすぐに撤退しなければならなくなるリスクがある点には注意が必要です。

食品サブスクサービスの種類

食品サブスクサービスにはさまざまな種類がありますが、主なものとしては次の4種類が挙げられます。自社が展開したい食品サブスクがどの種類なのかを明確にしておくだけでも、具体的な戦略を考案する際の手助けになります。

食品類

食品サブスクの代表的な種類としては「食品類」が挙げられます。食品類とは肉や魚、野菜などの生鮮食品や惣菜、パン・パスタなどの主食などを指しています。一口に「食品」といってもさまざまな種類があるため範囲は広く、さまざまな事業者によってサービスが展開されています。

例えば新鮮な野菜を毎月届けてくれる野菜のサブスクサービスや、ダイエット・健康維持に役立つ栄養価の高いパンやパスタ、他にも毎週献立を提案してくれるミールキットなどが代表的です。健康や美容の観点だけでなく、日々の暮らしを便利にするサービスなど、目的に合わせて選べます。

飲料類

飲料類にも、コーヒーやワイン、日本酒、ペットボトル飲料などさまざまなサブスクサービスが存在します。毎月多様な産地で生産されたコーヒーを配送してもらえたり、ソムリエが選んだワインを届けてもらったりすることで、日頃あまり触れることがない飲料に出会える可能性が広がるでしょう。

中には希少品にこだわっていて、自分ではなかなか手に入れることが難しい商品を届けてもらえるものもあります。ペットボトル飲料では、駅の自販機で毎月一定の本数分自由に飲料を購入できるサブスクサービスなども用意されており、飲料だけでもさまざまな事業者がオリジナリティあふれるサブスクサービスを展開しています。

お菓子・フルーツ

お菓子・フルーツの分野では、メーカーが生産している商品の中から毎月ランダムで届けてもらえるサブスクサービスが多いといえます。中には契約前にユーザーの好みを入力して診断を行い、結果に基づいてパーソナライズされたお菓子を送ってもらえるサービスなどもあります。

飲料同様に、自分ひとりではあまり購入する機会がないめずらしいお菓子やフルーツにも出会えるため、普段食べることがないお菓子を体験してみたい方にもおすすめです。

健康食品・サプリ

最近では、健康食品やサプリメントのサブスクサービスも登場しています。毎月30日分のパーソナライズされたサプリメントを届けてもらえるサービスは、ユーザーの悩みや体質に合わせて定額内で自由にサプリメントを組み合わせられるので、効果的に身体にアプローチできます。

健康に対する意識が高いユーザーに上手くリーチしやすい、比較的狭い分野に特化したサブスクサービスといえるでしょう。健康食品やサプリメントは規定容量を飲み続けると必ず消費するものなので、サブスクサービスとは親和性が高いといえます。

食品サブスク事業を始める際のポイント

これから食品サブスク事業を始めるのであれば、次の3つのポイントを意識して準備を進めることが大切です。

ポイント1:サービスのコンセプトを明確にする

事業を開始する前に、サービスのコンセプトを明確にしましょう。コンセプトがぶれていると参入する市場やターゲットを適切に選ぶことができず、どのターゲット層にも刺さりにくく売上を上げられないサービスになってしまう可能性があります。

サブスクサービスは単に商品を提供するだけでなく、「体験してもらう」側面が強いサービスなので、「このサブスクサービスによってどのような体験をユーザーに与えたいのか」を考えてみることをおすすめします。

自社の商品をユーザーに繰り返し体験してもらうことによってどのような体験や効果を提供したいのかを考えることで、コンセプトが定まり、どのような市場やターゲットにアプローチすれば良いのかが明確になってきます。

ポイント2:市場調査とターゲット選定を丁寧に行う

コンセプトを決めた後は、具体的な参入先となる市場調査とターゲット選定を行うことになります。この際、市場調査とターゲット選定は丁寧に行うことが重要です。

販売する商品を「どの市場の誰に向けて売り込むか」によって、売上は大きく変動します。見当違いのターゲットに対してアプローチしても、上手く響かずに終わってしまう可能性が非常に高いため、「自社の商品を必要としているユーザーに届ける」ことを意識しましょう。

例えば「健康維持に関心を持ち始めている40代女性向けのサプリメント」を、「健康には不安がないが美容に関心が高い20代女性」に訴求したとしても、目的が異なるため高い成果は期待できません。このような事例を踏まえて、自社の商品をどの市場に売り込めば最も売上が高まるのかをよく検討する必要があります。

ポイント3:顧客ニーズに合わせてサービスを継続的に改善する

サブスクサービスの提供を開始した後も、ニーズに合わせて継続的にサービスを改善していくことが求められます。

サブスクサービスは体験型のサービスであるという性質上、毎回同じ内容の商品を提供し続けるだけでは顧客に飽きられてしまう可能性が高くなります。そこで毎月異なる商品を届けたり特別なキャンペーンを行ったりして、顧客の関心を失わないための工夫が必要になります。

また、日頃からアンケート調査などを活用してサービスへの不満点や改善点などを募り、顧客が使いやすいようにサービスそのものを改善していく施策も必要です。

例えば「商品は魅力的だがWebサイトが使いにくい」などの要望が多い場合は、Webサイトの改善に早急に着手する必要があるでしょう。小さなポイントを見逃さずに改善し続けることで、顧客満足度が向上し、ユーザーの解約率を下げられます。

食品類の食品サブスクサービス事例

ここでは、食品類の食品サブスクサービス事例をご紹介します。

ISETAN DOOR

https://isetandoor.mistore.jp/OtameshiTouroku.lp.trial–z_c_ex__html.htm?SESSIONISNEW=TRUEID&mi2=7749

ISETAN DOORは、デパートの伊勢丹新宿店が提供している食品サブスクサービスです。伊勢丹のバイヤーが選りすぐった食材を定期的に自宅に届けてくれるサービスで、大切な日のおもてなしに使える料理から日々の食卓に欠かせない食材まで幅広く配送してもらえるのが特徴です。

伊勢丹は創業から135年の歴史を誇るブランド力で多くのユーザーから認知されていることもあり、確かな信頼と実績から食品サブスクも順調に利用者を増やしています。

初回限定おためしセットとして約6,000円相当の商品が67%オフの1,980円(送料無料)で販売されるなど、新規ユーザー獲得のための施策も充実しています。

おためしセットが気に入ったユーザーは「ISETAN Weekly DOOR」に入会することによって、伊勢丹の食のエキスパートが提案する週替わりのメニューに基づいたミールキットを配達してもらうことが可能になります。

BASE FOOD

https://basefood.co.jp/

BASE FOODは「完全食」をテーマにしたパンやパスタを提供している食品ECブランドで、毎月決まった量のパンやパスタが自宅に届くサブスクリプション型のサービスを提供しています。 

26種のビタミンやミネラル、 たんぱく質、 食物繊維など、健康に配慮した栄養素がたっぷり詰まっており、健康志向のユーザーが手軽に栄養を摂取できる食品として人気を集めています。

主力商品は「BASE BREAD」と「BASE PASTA」の2種類で、「パン8食セット」「クッキー&パン10食セット」「パスタ&パン12食セット」の3種類のサブスクサービスから好みのものを選択可能です。

継続コースは初回20%OFFで購入でき、その後も2回目以降は10%OFFになるなど、継続的に購入し続けるとお得であることをアピールしてサブスクの利用者を増やすための工夫を施しています。「BASE BREAD」と「BASE PASTA」にもそれぞれ複数のラインナップが展開されており、ユーザーの味の好みに合わせた美味しさも重視しているのが特徴的です。

dミールキット

https://mealkit.dmkt-sp.jp/OtameshiTouroku.lp.g6–top–top-shinki_domo__html.htm?SESSIONISNEW=TRUEID&mi2=7749

dミールキットは、NTTドコモが展開している食品サブスクサービスです。初めて利用する人のためにミールキット2種類と便利な食材を詰め合わせた約4,000円相当の商品を1,980円で購入できるキャンペーンを実施しており、他の食品サブスクサービス同様にお試しで使いやすい施策を講じています。

「最短5分で主菜と副菜の2品が完成する」という手軽さをポイントのひとつにしており、忙しくても自炊をして栄養バランスの取れた料理を食べたいと考えているユーザーの需要に応えています。届けられる献立は管理栄養士が監修しており、あらかじめ主菜と副菜をセットで提案されるため組み合わせに悩むこともありません。

また、dミールキットで商品を購入すると100円で1ポイントのdポイントが付与されることから、他のNTTドコモのサービスを利用する人にとってはさらにお得感を感じられるサービスとなっています。

野菜を楽しむスープ食

https://www.wellness-dining.co.jp/soup/

野菜を楽しむスープ食は、ウェルネスダイニングが提供している食品サブスクサービスです。全国宅配に対応した野菜入りの冷凍スープを届けてもらえるサービスで、野菜不足や塩分の摂りすぎが気になる方から支持を集めています。届いた冷凍スープはレンジでチンするだけで簡単に食べられるため、忙しい毎日でも手軽に野菜を摂取できます。

1食で1/2日分の野菜が摂れて15種類以上の野菜が入っているため、複数種類の野菜をバランス良く摂りたいと考えている方にもおすすめです。

12種類のメニューが用意されていて飽きが来にくいように工夫されており、バラエティー豊富なメニューが利用者の解約を防止するきっかけにもなっているといえるでしょう。

注文の間隔を細かく指定できるのが特徴で、1日~30日の間で1日単位で自由に配送間隔をユーザー側が指定できます。

飲料類の食品サブスクサービス事例

続いて、飲料類の食品サブスクサービス事例を4つご紹介します。

PostCoffee

https://postcoffee.co/

PostCoffeeは、コーヒーを専門とした食品サブスクサービスです。年間150種類以上のラインナップの中からユーザーの好みに合わせてパーソナライズされたコーヒーボックスを届けてもらえるので、出会ったことのないさまざまなコーヒーを飲みたい方から支持を集めています。

3種類(約45g)×3杯分ずつから始められて送料無料で1,480円(税抜)~という手軽な価格帯も魅力で、使わない月にはスキップも可能です。豆の挽き方も好みに合わせて多種多様で、豆のままからハンドドリップ用、フレンチプレス用、コーヒーバッグなど全部で7種類から選べます。

届いたコーヒーを評価する「フィードバック」や飲みたいコーヒーをリクエストできる制度を活用することによって、どんどん自分の好みに合ったコーヒーにカスタマイズされていくのが楽しみのひとつです。

パーソナルスムージー

https://green-spoon.jp/

パーソナルスムージーは、ユーザー一人ひとりの体質や生活習慣に合わせて必要な栄養素を摂れるスムージーを届けてくれる食品サブスクサービスです。野菜を中心に200種類以上の食材・フルーツ・スーパーフードから最適な材料を組み合わせて、自分だけのオリジナルスムージーを配送してもらえるオリジナリティが人気の秘密です。

スムージー以外にもスープやホットサラダなどが用意されており、冷凍された状態でカップに詰められて毎月配送されてきます。

Webサイト上でパーソナルテストを受けて簡単な質問に答えるだけで自分に合った野菜を把握でき、その結果に基づいてスムージーやスープなどの数種類のカップを選んで自分だけのオーダーボックスを制作して注文すると、その内容の商品が自宅に届く仕組みです。

定期便は8個、12個、20個から選べるため、自分の生活スタイルに合ったプランを組み立てやすいのもポイントです。

Firadis WINE CLUB

https://firadis.net/

Firadis WINE CLUBはワインを販売しているECサイトで、単品でワインを購入できる他に「おまかせ定期コース」としてサブスクリプション型のサービスも提供しています。

大きく分けて「月替り定期コース」と「年間定期コース」の2種類があり、月替わりコースは1ヶ月から気軽に利用できて解約や停止も自由で5種類のプランが用意されています。一方、年間定期コースは途中解約ができない12ヶ月連続配送で、12か月に渡りテーマ別のワイン比較試飲を行うというコンセプトの体験型サブスクとなっています。

飲んだことがないワインを定期的に楽しみたい人は月替わり定期コース、ワインについて飲みながら楽しく学びたい人は年間定期コースと、目的に合わせたプランを用意することによってユーザーのさまざまな需要をカバーしています。

価格も月5,000円~20,000円と予算に合わせて選べるなど、広いユーザー層を獲得しやすいプラン設定となっています。

saketaku

https://www.saketaku.com/

saketakuは「美味しさ」と「希少性」にこだわり抜いてプロが選んだ日本酒を定期的に自宅に届けてくれる食品サブスクサービスです。

全国1.5万種類から選んでもらえるため飽きが来にくく、「次はどんな日本酒が届けられるのだろう」と思いながら次回の配送を待つ楽しみがユーザー側に生まれます。種類の豊富さをアピールポイントのひとつとして効果的に活用している食品サブスクサービスといえるでしょう。

利用者は送料無料で、月額6,578円から契約できます。日本酒だけでなくおつまみや日本酒グッズも一緒に届けてもらえるので、届いてすぐに飲み始められる手軽さも魅力のひとつです。

初回で不安な人のためのお試しサービスも用意されており、サービスの内容に満足できなかった場合は全額返金保証が用意されているのも安心です。また、いつでも届けてもらう本数を変更可能でスキップも自由なので、「今月はあまり自宅で飲む機会がない」という場合はその月だけ利用しないなど、使い方も柔軟に設定できます。

お菓子・フルーツの食品サブスクサービス事例

お菓子やフルーツにも食品サブスクサービスは存在します。前項に続いて、こちらでも4つのサービスをご紹介します。

snaq.me

https://snaq.me/

snaq.meは、毎月変わる100種類以上のおやつの中から8つの食べきりサイズの小袋が届くお菓子のサブスクサービスです。全てのおやつに人口添加物やショートニング、白砂糖を使っていない点がこだわりで、「体に優しいおやつ」を毎月何が届くか楽しみながら味わえます。

まずはWebサイト上で「おやつ診断」を行うことで、好みや届けてほしくない食材の情報などを入力してパーソナライズされたおやつ情報が完成します。その情報に基づいてsnaq.meに申し込むと、毎月おやつ診断の情報をもとにおやつが届けられるという仕組みです。

おやつはポストに配送されるため、忙しくてなかなか対面で受け取れないという方でも気軽に利用できるのはポイントのひとつです。食べたおやつに関する評価制度や、届けてほしいおやつのリクエスト制度も用意されており、利用するたびに自分に合ったおやつが届くようになるのも魅力といえます。

カカオツアー

https://mini-mal.tokyo/products/100000000102

カカオツアーは、「Minimal」というチョコレート専門店のチョコレートサブスクサービスです。毎月選りすぐりのチョコレートの中から産地や種類が異なるチョコレートが届くので、何が届くのかを待つ楽しみがあります。

産地は世界で60か国以上にものぼるため、これまで食べたことがないさまざまなチョコレートにワクワク感が魅力です。フレーバーは20種類以上用意されており、毎月税込3,800円で3枚のチョコレートが届きます。届くチョコレートはその時の一押しなので、旬の味を味わえるのも嬉しいポイントです。

2回目以降も価格は据え置きとなりますが、3回以上サブスクサービスを利用したユーザーは送料無料になるなどリピーターにとってお得な特典を用意しており、解約率を下げるための工夫が為されています。とはいえ当月の19日までに申し出ることでいつでも解約可能で、縛り期間などもないので気軽に利用できます。

天使のお菓子箱

https://www.morinaga.co.jp/direct-store/products/list.php?category_id=173

天使のお菓子箱は、森永製菓によるお菓子のサブスクサービスです。森永の人気商品を詰め合わせたセットが届くサービスで、森永製菓を代表する「エンゼル」の箱に入っているところも特別感を演出しています。

「毎月変わるセット」と「定番商品セット」の2種類が用意されており、毎月変わるセットでは森永ミルクキャラメル、おっとっと、森永ビスケット、ベイク、ハイチュウをはじめとした、同社の人気商品や新商品などを毎月バラエティ豊かに届けてもらえます。何が届くのか楽しめる点が、こちらのプランの魅力といえるでしょう。

一方の定番商品セットは、春夏、秋冬で決まった内容の商品が届く定番商品の詰め合わせセットです。森永製菓の商品を定期的に購入している方にとっては、定番の内容を10%OFFの税込1,620円で購入できるお得感を感じられます。定番商品セットでは、限定グッズのキョロちゃんティッシュを貰えるのも森永製菓のファンにとってはポイントのひとつです。

Pint Club

https://hioicecream.com/pintclub/

Pint Clubはアイスクリームの食品サブスクサービスで、毎月季節のフレーバーを楽しめるようにさまざまなアイスクリームを自宅に配送してくれます。パイントサイズの大きなアイスクリームを2つ届けてもらえるので、1人や2人、大勢のパーティーなど多様なシチュエーションに利用できるのもユーザー層を拡げやすいポイントとなっています。

スキップは自由なので「今月は利用せず、来月から再開したい」などの要望も気軽に実現できます。価格はパイントサイズ2個入りで税込3,240円で、毎月1回お届けと3回お届けのどちらかから選択できます。たくさん食べたい方は3回お届けを契約すれば、月6個のアイスクリームを楽しめます。

サブスクサービス自体の送料は無料で、サブスクサービスを利用しているユーザーはPint Club以外の商品に使えるクーポンを利用するとその会計の送料から200円割引になるなどの特典も魅力的です。

健康食品・サプリの食品サブスクサービス事例

最後に、健康食品・サプリの食品サブスクサービス事例をご紹介します。

サプスク

https://supsc.jp/

サプスクはオーダーメイドサプリのサブスクサービスで、ユーザーが必要としている要素に合わせて自由に配合を変えられるのが特徴です。25種類のサプリメントの中から自由に4種類選んで、30日分を月額2,980円(税込3,218円/送料無料)で届けてもらうことができます。

サプリメントを入れ替えたいときはWeb上から簡単に作業ができるので、「来月は別のサプリメントを試してみたい」などの要望も気軽に反映できるのが魅力です。

初回購入は67%OFFの980円(税込1,058円)に割引されるなど、まずは初めてみたいユーザー向けのハードルを下げるための工夫も凝らされています。また、サプスク専用アプリをインストールして利用するとポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント=1円で利用できるお得な制度もあります。

パーソナルワン

https://www.fancl.co.jp/healthy/personalone/index.html

パーソナルワンは、ファンケルが提供しているサプリメントのサブスクサービスです。尿検査と食習慣、生活習慣から一人ひとりにマッチしたサプリを導き出し、パーソナライズされたオーダーメイドのサプリメントを提供してくれます。パーソナライズのためのWebアンケートは医師監修のもとに作成されていることから、精度が高い結果を導き出せます。

提供されるサプリメントは全てファンケルの自社工場で受注生産しており、体に摂り入れる商品だからこその信頼性の高さもポイントです。サプリメント選びに困ったときはいつでも専門のカウンセラーによるサポートを受けられるのも魅力といえるでしょう。

パーソナルワンでは「ベースサプリ」と「健康悩み対策サプリ」の2種類を組み合わせて届けられており、ベースサプリで身体の基本機能を整えることによって一人ひとりの健康に悩みにアプローチするサプリメントの効果を引き上げます。

継続利用するたびに貰えるポイントの比率が高まっていき、20回目以降は利用金額の最大20%のポイントが貯まります。

FUJIMI

https://fujimi.me/

FUJIMIはパーソナライズサプリとパーソナライズフェイスマスク、パーソナライズプロテインを扱うサブスクサービスです。それぞれの製品は単体で購入することも可能ですが、定期購入にすることで価格が20%程度安価になるのが特徴です。

Webサイト上で美容分析などの診断を行い、自分に合ったサプリやフェイスマスク、プロテインを診断した後でそれぞれの商品を購入すると、自分だけのオーダーメイド商品が自宅に届きます。

サプリメントは1ヶ月30包、フェイスマスクは1箱6枚、プロテインは1箱30袋単位で購入が可能です。どれも定期的に消費するものなので、同社の製品が気に入ったユーザーにとっては安価に購入できる定期購入が魅力といえます。

【コラム】食品サブスクの物流業務はアウトソーシングが便利

食品サブスクの物流業務には、アウトソーシングを活用するのがおすすめです。なぜアウトソーシングがおすすめなのか、その理由を解説します。

物流業務には多くのリソースが必要

物流業務は、EC事業の中でも非常にリソースの負担が大きい業務だといわれています。まだ事業を開始したばかりで受注量が限定的な段階なら、基幹業務と並行して物流業務を担当することも不可能ではないでしょう。しかし、事業が拡大してくると物流業務に追われ、基幹業務に手が回らない状態になってしまう悩みを抱える事業者は増えてきます。

物流品質を高水準に保ちながら基幹業務を回し続けるためには、膨大なリソースを確保しなければなりません。とはいえEC事業は少数精鋭で運営しているケースが多いという実情もあり、物流のために新たなスタッフを何名も迎え入れるのは難しいこともよくあります。

物流をアウトソーシングすることで、大量のリソースが必要な物流業務をまとめて物流会社に任せられます。プロが効率的に物流業務を行うため、予期しない波動によって受注量が増えたとしてもすぐに対応が可能であり、物流品質も高い水準を維持し続けられます。

重要業務に集中できる環境を整えられる

物流業務にリソースを取られてしまうと、社内の重要業務に回せるリソースが減少します。新商品の企画やキャンペーンの実施、既存商品の改善施策など、EC事業者にとって取り組まなければならない重要業務は数多くありますが、かといって物流業務を疎かにすることはできません。

物流業務をあらかじめアウトソーシングしておけば、物流業務にかかっていたリソースを全て物流会社に任せて、自社は重要業務に集中できる環境を整えられます。物流業務に追われて取り組めていなかった重要業務に向き合う時間を確保することで、さらなる販路の拡大や事業展開も実現できます。

物流コストの削減につながる可能性もある

自社物流は多額のコストがかかるため、アウトソーシングを検討した方がコストを抑えられる可能性も大いにあります。自社で新たな物流体制を構築するためには、保管スペースとなる倉庫を借りるための費用や設備投資のための費用、物流スタッフに支払う人件費など、多様なコストがかかります。

また、一度採用したスタッフは簡単に増減することが難しく、閑散期であっても必要以上の人員を維持し続けるために人件費が無駄になりやすいというデメリットもあります。

物流のアウトソーシングなら、繁忙期と閑散期に合わせて物流会社が柔軟に人員を調整して運用するため、人件費を最適化できます。さらに物流業者が所有する倉庫や設備を利用できるため、自社で設備投資を行う必要がないことも、コストを削減できる理由です。

食品サブスクはニーズを捉えたサービス設計が重要

さまざまな分野でサービスが展開されてきているサブスクサービスですが、近年では食品サブスクも多様な事業者が参入を始めています。売上の安定性が高くさまざまな施策を打ち出しやすい点が魅力のサブスクリプション型ビジネスは、うまく取り入れることで大きく事業を拡大させるチャンスになるでしょう。

ただし、食品サブスクにもいくつかのデメリットはあるため、事前にメリットとデメリットを押さえた上で事業への参入を検討することが大切です。メリットばかりを期待しているとデメリットへの対策が不十分な状態で参入することになり、思わぬコストがかかったりトラブルに見舞われたりする可能性があるからです。

特に物流については事前によく検討しておくことをおすすめします。自社だけで物流を構築するのではなく、物流会社にアウトソーシングするのも選択肢のひとつです。

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オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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