飲食店がEC事業に参入する方法・メリット・デメリットなどを詳しくご紹介

openlogi2024年4月2日  
openlogi2022年1月25日

飲食店がEC事業に参入する方法・メリット・デメリットなどを詳しくご紹介

目次

近年では、実店舗を経営する飲食店がEC事業に参入するケースが増えてきています。全国各地に自社の商品を販売できるため、販路の拡大を見据えてこれからEC事業への進出を検討している方も多いのではないでしょうか。

飲食店がEC事業に参入する際は、事前にメリットとデメリットを押さえておくことが大切です。そこで今回は、飲食店がEC事業に参入する方法やメリット、デメリットなどについて詳しくご紹介します。

食品ECの拡大状況

食品ECは、近年大きく拡大を続けている市場です。ここでは、食品ECの拡大状況や市場規模について解説します。

コロナ前から拡大している傾向

食品EC市場は、2020年初頭に発生した新型コロナウイルスの影響を市場が受ける前から緩やかに成長し続けている傾向にあります。

近年ではインターネットやスマートフォンの普及が著しく、誰もが気軽にECサイトを通じて商品を購入する習慣が根付いてきており、この習慣が食品EC市場にも波及してきている結果といえます。一人一台自分専用の端末を持ち、いつでもどこからでも商品を購入できる環境が整ったことは、EC市場そのものに多大な影響を与えています。

以前は「食品をインターネットで購入することには不安がある」という人も少なくありませんでしたが、物流環境の整備や企業努力などによって少しずつ不安を抱く人が少なくなってきています。

この結果、インターネット上で気軽に食品を購入する人が増えていることも食品EC市場の成長を後押ししている要因のひとつです。

ECの市場規模

食品ECの市場は、コロナ後に拡大が加速しているもののコロナ前から拡大傾向にあります。

2018年度の食品、飲料、酒類の市場規模が1兆6,919億円だったことに対して2019年度の食品、飲料、酒類の市場規模は1兆8,233億円となっており、1年間で約1,300億円程度の市場を拡大しています。全てのEC市場の中でも食品ECはとりわけ広大な市場規模を誇っており、多くの事業者がEC市場に参入していることが分かります。

さらに、コロナ禍を迎えた2020年度には、食品EC市場は2兆2,086億円にまで急速に拡大しています。これは約20%もの伸び率であり、前年度の伸び率からみると驚異的な数値であるといえるでしょう。

コロナ禍においては消費者が気軽に外出できない状況が続いたことから、ECを通じて食品を購入する人々が一気に増加したことがこのような結果を招いている要因といえます。外出することなく食品を調達できるだけでなく、遠方に旅行に行く代わりに全国各地の名産品を取り寄せる「お取り寄せ需要」も食品ECの市場拡大に拍車をかけました。

とはいえ食品ECは広大な市場であるにもかかわらず、全体に占めるEC化率はまだまだ低いのが現状です。2018年度の時点で2.64%だったEC化率は2019年度に2.89%、2020年度には3.31%と伸び続けているものの、全体から見ると実店舗で食品を購入したいと考えている消費者が多いことが見て取れます。

飲食店がECに参入するメリット

飲食店がECに参入するメリットには、次のようなものがあります。

メリット1:売上の増加が見込める

飲食店がECに参入するメリットのひとつに、「売上の増加が見込める」というものがあります。前述のようにコロナ禍の影響もあり、元々拡大を続けていた食品EC市場は急速な伸び率を見せていることから、需要が増加している現在の状態は飲食店がEC市場に飛び込む絶好のチャンスであるといえるでしょう。

「アフターコロナ」という言葉も生まれているように、コロナ禍が落ち着いた後も実店舗に元の需要は当面戻らないのではないかともいわれています。需要が実店舗からオンラインに移り変わっている以上、現段階ではまだまだ低い食品分野のEC化率も少しずつ高まっていくとみられるため、売上の拡大を目指すにあたって食品ECへの参入は効果的です。

メリット2:販路を拡大できる

販路を拡大できることも、飲食店がECに参入するメリットといえます。実店舗の商圏は店舗を構えている場所から一定の範囲内に限られており、都心では数百メートル、郊外においては2~3km程度であるといわれています。

実店舗の場合は限られた商圏内で自社の商品を購入してくれる顧客を集めて売上を立てなければなりませんが、商圏が限られている以上集客できる顧客の数にも限界があります。

しかし、EC市場であれば実店舗のように距離の制約を受けずに自社の商品を販売できます。日本国内の離れた地域に自社の商品を自由自在に販売できるため、上手く集客できれば販路を大きく拡大できる可能性は高まるでしょう。

日本国内だけでなく、世界に商圏を拡大することも夢ではありません。近年では物流の発展によって越境ECに参入する事業者も増加しており、従来よりも気軽に海外に進出できるようになっていることから、世界に目を向けるのも手段のひとつといえます。

メリット3:時間・人材を有効に活用できる

食品ECへの参入によって、限られた時間や人材を有効活用できるというメリットもあります。一般的に、飲食店は1日の中でランチとディナーの2回のピークタイムがあるといわれています。そのため実店舗の場合は一定のサイクルで忙しい時間帯が訪れますが、ECストアは基本的に必ず忙しくなるピークタイムというものがありません。

実店舗の飲食店を運営しながらピークタイムを避けてECストアの更新作業を行うことができるので、無駄のない作業が可能になります。

ピークタイムを終えると来客がまばらになって時間を持て余してしまうという店舗では、空いた時間に待機する従業員のリソースが浮いてしまいがちです。しかし、この空き時間を使ってECストアの整備をすることができれば、これまでは店舗内で待機するしかなかった従業員の空きリソースを効率的に活用できます。

飲食店がECに参入するデメリット

飲食店のEC参入にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもいくつかあります。ここでは、代表的な3つのデメリットをご紹介します。

デメリット1:競合が多く価格競争に巻き込まれやすい

年々拡大を続けていることもあり、EC市場には非常に多くの事業者が参入しています。自社と同じような商品を取り扱っている事業者が市場に数多く出店していると、その分だけ競合他社が増えることになり、価格競争に巻き込まれやすいというデメリットが発生します。

性質の似たような商品を取り扱っている事業者が複数あるとき、消費者は「少しでも安いストアで購入しよう」という意識を持つ可能性が高くなります。どのストアで購入しても同じような効果が期待できる商品を手に入れられるのであれば、差別化できる部分が価格しかなくなるために起こりがちな現象といえるでしょう。

一旦価格競争に巻き込まれ始めると、少しでも他社より安い価格に設定して自社の商品を選んでもらおうとするサイクルが出来上がるため、価格競争はますます激化します。このような価格競争のスパイラルに巻き込まれるリスクは、EC参入のデメリットといえます。

デメリット2:新システム導入など新たなコスト発生の可能性

ECに新規参入するにあたって、ECサイトの構築や決済システムの導入、物流の整備など新たなコストが発生する可能性があります。

実店舗のみの経営であれば支払いは最低でも店舗のレジで金銭の授受を行うだけで完結しますが、ECサイトで商品を購入してもらうためにはクレジットカードや銀行振込、コンビニ決済など、現金がなくても支払える手段を確立しなければなりません。

システムの導入にはサーバーや決済端末などのハードウェアを購入する初期費用や、毎月のシステム利用料・手数料をはじめとした月額費用などさまざまなコストがかかるため、ECへ参入する際はどのようなコストがかかるのかを明らかにしておく必要があります。

参考:飲食業界の業務の効率化・コスト削減なら、oneplatがおすすめです。

デメリット3:実店舗ならではの利点を生かすことが難しい

既に実店舗を構えている飲食店がECに新規参入するにあたって、実店舗ならではの利点を活かすことが難しい点はデメリットのひとつといえます。

実店舗を構える飲食店は「食事の美味しさ」の他にも「くつろげる空間」「店舗の雰囲気」などの店舗が独自に持つ強みを押し出して集客することができますが、ECストアの場合はサイトの魅力や販売している商品のブランド力のみが重視されることになります。

あらかじめ実店舗のブランドが顧客に十分に認知されていて、「このお店の商品なら購入したい」と思われている状態でなければ、オンラインで販売している食品の魅力は伝わりにくく売上が伸びにくいという部分は食品ECに参入するにあたって考慮すべきであるといえます。

飲食店がECを開始するまでの流れを解説

一般的に、飲食店がECを開始するまでには次のような手順で準備を行うケースが多いといえます。

STEP1:販売する商品を選定する

まずは実店舗で提供しているメニューなども振り返りながら「ECストアでどのような商品を販売するのか」を選定します。

実店舗で料理を提供する場合とは異なり、ECストアで購入された商品を顧客の手元に届けるためには梱包や発送にかかる費用のほか、決済システムを利用するためにかかる決済手数料なども必要です。そのため、実店舗で料理を提供する場合に比べて商品単価を高めに設定しなければ利益を上げられない可能性もあるという点には注意が必要です。

また、誰でも同じ味を再現できるように、できるだけ手軽に調理しやすい商品を選ぶのも食品ECのポイントといえます。「実店舗では美味しかったのにECストアで購入した商品は思っていた味と違った」ということが起こらないように工夫しましょう。

STEP2:保健所の認可を取得する

ECストアで扱う商品を決定したら、管轄の保健所に内容を相談して取得しなければならない許認可を押さえておく必要があります。許認可の中にも販売業系と製造業系があり、販売業系の許認可の取得は比較的単純ですが、製造業系の許認可は追加の工事や設備導入などが必要になる可能性もあるため注意が必要です。

また、食品に関連する販売を行うにあたっては、必ず「食品衛生責任者」を配置しなければならないという規定もあります。食品衛生責任者の資格は所定の講習会を受講することによって取得できるため、ある程度時間に余裕を持って準備を進めることが大切です。

STEP3:食品ラベルの作成

食品ECを展開するにあたって、販売する商品に食品ラベルを貼り付ける必要が生じます。「食品表示法」という法律によって定められており、扱う食品の種類によって表示しなければならない項目は異なるため、自社の食品に必要な表示内容を事前に確認しておきましょう。

食品成分表示や賞味期限、消費期限などの表示内容が代表的ですが、この中でも賞味期限や消費期限を決めるためには外部機関に対して生菌検査を依頼する必要もあります。

STEP4:ECサイトを構築する

販売する商品を決めて食品ラベルの用意が済んだら、実際に商品を販売するためのECサイトを構築します。ECサイト上に商品情報を掲載し、カートや決済システムを整備して初めて訪問してきたユーザーが商品を購入できるようになるため、ECサイトの構築は非常に重要です。

ECサイトの構築方法にもさまざまな種類があり、どの方法が適しているかは事業者の規模などによっても異なります。

最も手軽に構築できる方法は外部企業が開発したASPサービスを利用することであり、ログインIDとパスワードを発行してもらうだけですぐに自社のECサイトを構築できるサービスが揃っています。ただし、ASPサービスは比較的小規模な事業者に適しており、ある程度販売量が見込める場合はパッケージやオープンソースを検討した方が良い場合もあるでしょう。

パッケージはECサイトの運営に必要な機能を1本にまとめたもので、オープンソースはECサイトの運営に関わるさまざまな機能のソースコードが公開されているものです。パッケージはカスタマイズの柔軟性が高く、オープンソースはカスタマイズの難易度が高めにはなりますが、無料で利用できるという強みがあります。

STEP5:ECサイトに集客する

ECサイトを構築できたら、訪問者を増やすための集客を行います。まだECサイトを立ち上げたばかりの頃は認知度も低く、十分な流入が期待しにくい状態にあるため、SEO対策や広告出稿、SNS運用など、複数の集客施策を組み合わせて認知度を拡大していく必要があります。

集客が十分にできていないと商品がどれほど魅力的であっても購入者は増えないため、まずは適切な集客を行って流入を増やすことが大切です。ただし、集客施策はすぐに効果が出ないものも多いため、中長期的な視点で計画的に施策を打ち出していくことも重要になります。

飲食店がECに参入する際のポイント

飲食店がECに参入する際は、次の3つのポイントを意識して参入準備を進めることが大切です。

ポイント1:EC参入時に追加で必要な許認可を要確認

飲食店のEC参入にはさまざまな許認可が必要になるケースが多いため、自社の商品を販売するためにはどのような許認可を取得しなければならないのかをよく確認しておく必要があります。前述のとおり食品を扱う場合は「食品衛生責任者」の配置が必須となりますが、他にも食品を販売するために「食品衛生法に基づく営業許可」を取得しなければなりません。

「食品衛生法に基づく営業許可」は、調理業、製造業、処理業、販売業でそれぞれ細分化された合計34の業種を営む場合に必ず必要になるため、自社の商品が当てはまっているかどうかをチェックしておきましょう。

許可を得ずにECサイトで商品を販売すると法律違反で処罰の対象となる恐れもあるため、違反していないかどうかを必ず確かめた上で営業を開始することが大切です。

ただし、一部のケースにおいては営業許可を取得しなくてもECサイトで食品の販売が可能です。例えばあらかじめ許可を受けた施設でパックに入った商品を販売するケースや、缶ジュースやペットボトルなどの密封された商品をそのまま販売するケースなどでは、特別な許認可を得ることなくECサイトで取り扱いが可能です。

ポイント2:ECならではのコスト構造を事前に学ぶ

ECならではのコスト構造をあらかじめ学んでおくのも、事業を開始した後で資金繰りに悩まずに済むためのポイントです。実店舗では事前に食材を仕入れて料理したものをお客様に提供することで対価を得ますが、ECサイトの販売サイクルは実店舗とは大きく異なります。

そもそもECサイトを運営するためにはECサイトの構築が必要であり、そのための初期費用や月額費用がかかります。まだ十分に売上を立てられるかどうかがはっきりしない段階から支出が発生するため、一時的に資金繰りが悪化する可能性も考慮してコストをできるだけ抑えたり、手元の資金を多めに用意しておくなどの工夫が必要です。

また、EC事業を始めたばかりの段階では、自社のECサイトの存在を認知しているユーザーは少ないため、認知拡大のために集客を行わなければなりません。SNSアカウントの運用やSEO対策、広告の出稿などさまざまな方法がありますが、集客施策を打ち出すためにも一定のコストやリソースを必要とします。

このことからも、ECで利益を上げるためには事前にある程度まとまったコストをかけて準備を進める必要があることが分かります。事業を開始してすぐに利益を確保できると考えていると、なかなか売上を立てられずに資金繰りが悪化し事業の継続に支障をきたす可能性もあるため注意が必要です。

併せて読みたい:コーヒー豆研究所 | コーヒー豆の販売に許可は必要!?

ポイント3:集客やリピーター対策も怠らない

前述のように、ECサイトの認知度を高めて訪問者を増やすためには集客が必要不可欠です。どれほど良い商品を揃えていたとしても、ECサイトの存在を知ってもらえていなければ購入するかどうかの判断をしてもらえる段階にも進むことができません。

検索順位を高めるために自社メディアを運営したり、魅力的な画像や動画で広告を制作して企業の広告枠に出稿したりして、少しでも自社の存在を認知してもらえる機会を増やしましょう。

また、訪問者が増えてきて自社の商品を購入してくれるユーザーが増えてきた後は、リピーター対策を講じることも大切です。ECサイトの売上は新規顧客か既存顧客のどちらかによって立てられるものですが、仮に新規顧客のみで目標の売上を達成しようとすると、毎月新たな顧客を探さなければなりません。

例えば毎月1,000個の販売目標を1,000人の新規顧客で達成するのは大変な労力を必要としますが、あらかじめ300人のリピーターを確保できていれば、その月の新規顧客は700人で目標を達成できます。

リピーターの獲得には、リピーター向けのクーポンの発行や会員システムによる囲い込みなどが効果的です。「何度も購入するとお得になる」と感じさせる仕組みづくりで、リピーターによる売上を確保しましょう。

併せて読みたい:「OTOMOmagazine(オトモマガジン)」 飲食店をはじめとした店舗運営の情報メディア

飲食店ECの成功事例

ここからは、飲食店ECの成功事例を2つご紹介します。

つばめグリル

https://www.tsubame-grill.co.jp/

つばめグリルは株式会社つばめが運営するハンバーグステーキ店で、現在ではECにも参入して自社製品を販売しています。オンラインストアがオープンしたのは2021年1月のことですが、開設当初は大量の注文が入って一時的にオーダーをストップしたほどの人気を集めて人々の間で話題となりました。

つばめグリルでは「保存料や化学調味料を使用しない」「国産の食材を利用する」という2つのこだわりを持って実店舗を展開していますが、このこだわりはオンラインショップで販売している商品にも反映されています。

実店舗と同様に保存料や化学調味料は使用しておらず、国産の食材を利用して調理した料理を迅速に冷凍・販売し、美味しく新鮮な状態でお客様に届けることを心がけています。このような理由から賞味期限は比較的短い1ヶ月半に設定されており、自宅に商品が届いてからなるべく早いうちに消費する必要があるのもポイントです。

実店舗としても人気の高いつばめグリルですが、その美味しさを簡単な調理で自宅でも手軽に再現できる点が、オンラインストアの人気を高めている理由のひとつといえるでしょう。

サラベス

https://shop.sarabethsrestaurants.jp/

サラベスは、株式会社WDI JAPANが手がけるニューヨークレストランです。同社はコロナ禍をきっかけにオンラインストアをオープンし、世界的にサラベスを有名にするきっかけとなった「フルーツスプレッド」という甘さ控えめのジャムや、サラベスのロゴマークがあしらわれたマグカップ・トートバッグなどのオリジナルグッズを展開しています。

現在、サラベスは国内に4店舗(東京3店舗、愛知1店舗)の実店舗を構えていますが、これまでにも実店舗でオリジナル商品の販売を行っていました。

従来はお店で食事をしたユーザーがオリジナルグッズの主な購買層でしたが、コロナ禍によって気軽に実店舗へ来店できない状況が続く中で、自宅でもサラベスのグッズを気軽に購入できるようにとオンラインストアを開設したそうです。

オンラインストアで購入できる商品のラインナップは少しずつ拡大されており、2021年4月からは「NYチーズケーキ」や「ベルベッティークリームトマトスープ」など、実店舗でも提供されている人気メニューも販売開始されています。

さらには自宅用以外にギフトとしても使いやすい、大容量のフルーツスプレッドなども販売されており、さまざまな用途でサラベスの買い物を楽しめるようになっています。

飲食店のECにも活用できるモール・プラットフォームをご紹介

飲食店がEC事業を始めるには、企業が運営するECモールへ出店するかECプラットフォームを利用して自社ECを立ち上げるかのどちらかを選ぶ必要があります。ここでは、飲食店のECにも活用できるモールやプラットフォームをご紹介します。

イエトソト

https://ietosoto.jp/

イエトソトは、サントリーマーケティング&コマース株式会社が運営する飲食店に特化したECモールです。飲料を扱うサントリー系列の会社が運営しているだけあって、「お家で店飲みの時間をつくるためのさまざまな商品や情報を届ける場所」というコンセプトのもとにさまざまな飲食店が出店しています。

おつまみ、肉料理、和食、スイーツなどの複数のカテゴリーが設けられており、各カテゴリーに家飲みのお供になる食品が掲載されていて、気になった商品はその場で購入することも可能です。例えば「中華」のカテゴリーには餃子や角煮など、お酒のアテにぴったりの商品が数多く掲載されています。

カテゴリーだけでなくお店から絞り込んだり価格から絞り込んだりすることも可能になっており、その日の気分や予算など、柔軟な条件に合わせて商品を見つけられるのも強みです。

楽天市場

https://www.rakuten.co.jp/?l-id=top_pv_005

楽天市場は、楽天株式会社が運営する日本国内大手のECモールです。会員IDは国内で1億人を突破しているといわれており、AmazonやYahoo!ショッピングなどと並んで知名度も売上も高いモールであるといえるでしょう。

楽天市場では定期的に「お買い物マラソン」などのモール全体を挙げたキャンペーンを行っており、複数ショップを買い回ると貰えるポイントが増えていくといったお得な要素で多くのユーザーの需要を喚起することでユーザーの囲い込みに成功しています。

また、楽天グループは楽天ブックスや楽天モバイル、楽天証券、楽天ひかりなどのさまざまなサービスを運営しており、あらゆるサービスが楽天IDによって紐付けられて共通のポイントシステムが採用されています。このことも、楽天がユーザーの囲い込みに強い理由のひとつといえます。

出店の際は商品ページの形がある程度決まっているため、後述する自社ECに比べるとECサイトの運営が初めてでも比較的スムーズに出店できる点もメリットです。

Shopify

https://www.shopify.jp/

Shopifyはカナダ発祥のECプラットフォームであり、高機能でデザイン性の高い自社ECサイトを手軽に制作できます。世界でもシェアNo.1を誇り、日本でも多くのECサイトがShopifyによって制作・運営されていて信頼性は高いといえます。

前述の「イエトソト」「楽天市場」はECモールであるのに対して、「Shopify」と後述の「BASE」は自社独自のECサイトを構築する自社ECとなっています。

自社ECはECモールに比べると構築に手間がかかりますが、モール自体のテンプレートに縛られる必要がないため表現の自由度が高く、自社ブランドに基づいたデザインを実現できるというメリットがあります。

Shopifyは決済にも強く、PayPalを利用して世界200ヵ国以上の国と地域の通貨で支払いを行うこともできるため、越境ECを検討している事業者にもおすすめです。

BASE

https://thebase.in/

BASEは国産のECプラットフォームであり、ネットショップ開業実績4年連続No.1の実績を持っています。ショップ開設数は150万店舗を突破しており、国産であることからサポートなども全て日本語で対応してもらえるのが強みといえます。

豊富なデザインテンプレートから自社のイメージに近いものを選んで簡単な設定を行うだけで、機能性が高いECサイトを手軽に開設できます。HTML編集にも対応しているので、専門的なスキルがある方なら、さらに高度なカスタマイズを行うことも可能です。

デザインテンプレートは無料のものも数多く用意されていますが、「BASE デザインマーケット 」からデザイナーが制作した有料の高品質なデザインテーマを購入することもできます。Appsと呼ばれる拡張機能が豊富であり、簡単かつ独自性の高いECサイトを構築できます。

【コラム】物流を外注すればリソースに大きな負担なくECを開始できる

EC事業にはさまざまな業務があり、中でも物流は大きな負担になりやすい部分です。しかし物流を外注すれば、リソースに大きな負担をかけることなくEC事業をスタートできます。

物流品質は自社のイメージに直結している

物流品質は、自社のブランドイメージにも直結します。例えば梱包が十分ではない状態で商品を出荷してしまい、配送の途中で傷がついたり破損したりした状態でお客様に届いてしまうと、「配送が適当なショップ」としてブランドイメージにも傷が付いてしまいます

商品の品質を保ったままきれいな状態でお客様に商品を届けるためには、高い物流品質を備えた物流業務が必要不可欠です。また、お客様が届いた商品を開封したときに、商品が衝撃から守られるための梱包を施されていないと、大切に扱われていないような印象を与えてしまうでしょう。「このブランドはユーザーを大切にしていない」と思われてしまい、お客様からの信頼が大きく低下する恐れがあります。

このように、物流品質の低下はブランドイメージの低下を招いてしまうケースが非常に多いため、クオリティの高い物流を提供することはEC事業の中でも非常に重要な要素であるといえます。

物流の乱れはブランドイメージの低下につながることを十分に意識して、ブランドイメージを損わないような高品質な物流体制を整えることが求められます。

梱包の状態以外に配送の早さやカスタマーサービスの丁寧さなども顧客からの信頼に大きく関わるため、さまざまな部分に配慮して物流体制を構築するには物流外注を取り入れてプロの手を借りる方法が効果的です。

物流業務はリソースの負担が大きい業務

物流業務は、EC事業の中でも非常にリソースの負担が大きい業務です。事業を始めたばかりで受注量が少ない段階では、基幹業務と並行して物流業務を担当することもできますが、事業が拡大してくると基幹業務に手が回らない状態になってしまう事業者は多いものです。

物流品質を保ちながら基幹業務も万全の状態で行うには、膨大なリソースが必要になります。しかしEC事業は少数精鋭で運営されるケースが非常に多く、十分なリソースを確保するのが難しい場合も多いでしょう。

物流を外注することで、手間のかかる物流業務から解放されて、基幹業務に割り当てるリソースを確保できるようになります。プロが効率的に物流業務を行うため、急激に受注量が増えたとしても柔軟に対応し、物流品質も維持し続けられます。

温度帯・賞味期限管理可能な物流サービスを利用しよう

食品には温度帯や賞味期限管理が必要な商品が多く、自社だけで商品に合わせた温度帯管理や賞味期限管理を行うのは手間もコストもかかります。

物流外注なら、温度帯管理や賞味期限管理を行ってくれる業者も選べるため、自社は商品の販売や集客に注力できます。

温度帯管理や賞味期限管理は商品の品質にも直結する部分であり、適切な管理が為されないと品質を大きく損なったり、期限切れの商品を販売してお客様からの信頼を損ったりする可能性があります。外注を検討することによって、そのようなトラブルを最小限に抑えられます。

ECに新規参入する際には事前リサーチと集客対策がポイント

実店舗を経営する飲食店がEC事業に参入することで、店舗を構えている限られた商圏だけでなく、日本全国や世界に商圏を拡大できるチャンスが広がります。ピークタイムを外れると余剰になりやすい時間や人材などのリソースも有効活用できるため、業務効率を向上させるきっかけにもなるでしょう。

飲食店がEC事業に参入するためには、必要な許認可を漏れなく取得しておかなければならないため、事前に十分なリサーチを行った上で参入準備を行いましょう。ECと実店舗の収益構造は異なるため、仕組みを理解しておくことも大切です。

EC事業はやらなければならないことが多いため、特に手のかかる物流業務は外注も検討すると良いでしょう。今回ご紹介した手順も参考にしながら、ぜひEC事業への参入にチャレンジしてみてください。

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オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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