越境ECとは|基礎知識から事例・メリット・注意点など詳しく解説

2021年7月13日

越境ECとは|基礎知識から事例・メリット・注意点など詳しく解説

インターネットを通じて現地以外のネットショップから商品を購入するケースは増えており、日本にいながら海外のショップで商品を購入したり、海外のユーザーが日本のショップで商品を購入したりする「越境EC」はめずらしい光景ではなくなりました。

最近では越境ECの市場規模が年々拡大し続けており、中国や米国からの日本製品の購入額は数千億~兆単位の大規模なものになってきています。これからのマーケットとして期待されている東南アジア諸国でも、いくつかの有力なプラットフォームが登場しています。

越境ECは海外に販路を拡大するチャンスでもあるため、進出を検討しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、越境ECの基礎知識や成功事例、海外に進出するメリットや注意点などについて詳しく解説します。

越境ECの市場規模|年々拡大中

越境ECの市場規模は、発展し続ける国内のEC市場にも負けないほどの速度で年々拡大を続けています。世界のEC市場も驚異的な成長率で伸び続けており、今後も大きな売上につながる可能性を秘めている分野だといえるでしょう。

ここでは、日本の越境ECの市場規模について解説します。

インバウンド消費にも迫る勢い

越境ECは年々市場規模を拡大し続けており、2019年に中国国内から日本の越境ECによって商品が購入された金額は1兆8,184億円、アメリカ国内から購入された金額は9,457億円となっています。

2020年の新型コロナウイルス感染症の影響によりインバウンドは落ち込みを見せることが予想されているものの、それまでは日本国内のインバウンド消費も伸び続けており、2019年には世界全体からの訪問者による消費の合計で4兆8,113億円を記録しています。

越境ECの日本からの購入金額は中国とアメリカからだけでも3兆円に迫ることから、今後も順調に伸び続けていけばインバウンド消費にも匹敵するほどの市場になる可能性は高いといえるでしょう。

対中国越境ECの現在

中国越境ECは、中国国内からの購入(日本→中国への輸出)と日本国内からの購入(中国→日本への輸入)ともに伸長していますが、中国は日本国内からの輸出額の方が圧倒的に多く、2019年には中国への輸出額が前述の1兆8,184億円であるのに対して、中国からの輸入額はわずか271億円に留まっています。

2022年には中国からの輸入額が2兆5,144億円にも伸びると予測されており、ますます越境ECが活況になっている事実がうかがえます。日本国内にいながら中国市場に商品やサービスを売り込みたい事業者にとっては、市場が拡がり続けているといえるでしょう。

※関連記事:中国越境ECとは|概要や市場規模、事業参入の方法など詳しく解説

対アメリカ越境ECの現在

アメリカの越境ECに関しても、アメリカからの輸入額に比べてアメリカへの輸出額が大幅に上回っているという結果が表れています。

2019年のアメリカからの日本の輸入額が2,604億円であるのに対して、日本からのアメリカの輸出額は9,457億円に達しています。とはいえ、中国と日本の越境ECの関係に比べると、やや開きは少ないといえるでしょう。

アメリカからの輸出額の伸長率は中国への輸出額の伸長率に比べると比較的緩やかではあるものの、2022年には1兆3,925億円にまで増加すると推定されており、こちらも今後さらに発展が期待できる分野であるといえます

※参考:平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)

越境EC拡大の理由

越境ECが拡大している背景には、次の3つの理由があります。誰もがインターネットに接続できる環境とコスト面の利点から、越境ECは着実に市場を拡大しているといえます。

理由1:スマートフォンの普及

インターネットが少しずつ人々の生活に浸透しつつある10~20年前の時代には、自宅のパソコンなどからインターネットに接続する人が多いものでした。

それゆえユーザーの絶対数が少ないために今ほどECサイトから買い物を楽しめる環境が充実しておらず、日常の買い物は実店舗を訪れて必要なものを購入するのが一般的だったといえます。

しかし、近年ではスマートフォンが急速に普及し、誰もが自分専用のスマートフォンを所有するようになりました。インターネットにいつでも手軽に接続できる環境が整い、思い立ったタイミングで世界中のECサイトから商品を購入する行動は当たり前のものになっています。

このような背景から、スマートフォンの普及が越境EC拡大の理由のひとつになっているるといえるでしょう。

理由2:低コストで事業を立上可能

越境ECは自社のECサイトと販売用の商品、商品を保管するためのスペースさえ用意できれば事業を開始できます。実店舗のように土地や建物を用意する必要もなく、運営スタッフも最低1名いればスモールスタートが可能です。

事業を開始するための資金が心もとない場合であっても、低コストで立ち上げられるのは越境ECのメリットといえるでしょう。

越境ECは「世界中のどこにいてもインターネット上で商品を購入できる」というユーザー側のメリットだけでなく、「日本にいながら低コストで海外に販路を見出せる」という事業者側のメリットも大きいといえます。

理由3:海外顧客のリピート購入の増加

観光で日本を訪問した海外顧客は、日本で家電や日用品、アパレル製品などを購入して帰国するケースが非常に多いものとして知られますが、帰国した後に購入した製品を気に入って越境EC経由でリピート購入するというパターンが増加しています。

一度気に入った商品を何度も購入し続ける顧客は少なくないため、帰国後の海外顧客のリピート購入によって越境EC市場が拡大している側面は大いにあるでしょう。

近年では世界情勢などの影響によって気軽に海外へ渡航できない状況が続いていることもあり、海外から越境ECで商品を購入する海外顧客も増加しています。越境ECの存在によって今までは日本に訪問することでしか購入できなかった商品を気軽に購入できるようになったことは、事業者と顧客の双方にメリットをもたらしています。

越境EC立ち上げ方法

越境ECを立ち上げる方法には、主にECモールへの出店と自社ECの構築の2種類あります。それぞれの方法に対して複数のプラットフォームがあるため、自社に合った方法を選択することが大切です。

方法1:ECモール

ECモールは、企業が用意した出店用のプラットフォームに出店申し込みを行って商品を販売する方法です。国内ではAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどが有名ですが、海外にも著名なECモールがいくつかあります。

Shopee

https://www.shopee.jp/

Shopee(ショッピー)はシンガポール発祥の越境ECモールです。2015年2月にサービスインしてから数年で急激に成長しており、東南アジアで勢いづいているECプラットフォームのひとつです。

Shopeeの特徴は、一般的によく見られるECモールのようにモールのスタッフがカスタマー対応を行うのではなく、購入者がショップに対して直接質問や問い合わせを投げかけられる点にあります。中国で人気を集めているアリババグループのタオバオにも似た機能がありますが、Shopeeはショップと直接コミュニケーションを図れるためスムーズに疑問を解消しやすいというメリットがあります。

また、Shopeeではシンガポール以南の複数の東南アジア諸国に同時に商品を販売できるため、商圏が拡がりやすいのは嬉しいポイントです。

販売手数料とリスティング手数料がかからないため、出店費用や販売コストを抑えたい事業者にはぴったりだといえるでしょう。出店料が無料であることからひとまず出店しておこうと考えるショップも多く、それによって事業者数や取り扱いアイテム数が拡大し、商品を購入するユーザーも増えるという良いサイクルが作られています。

Amazon.com

https://www.amazon.com/

Amazon.comはアメリカ発祥のECモールで、ECが発展しているアメリカにおいて約50%ものシェアを誇っています。日本版にローカライズもされており、日常的にAmazonを使って買い物をするという方も多いのではないでしょうか。

アメリカの人口の2人に1人は有料会員に加入しているという調査結果もあるほど、アメリカに暮らす人々の間でAmazonは生活に根付いています。

利用者の多さによる圧倒的な地名度の高さとアイテム数の多さが魅力で、認知度がほとんどない状態で越境ECへの進出を検討しているのであればAmazonの知名度を活用して集客するのも手段のひとつです。

アカウント登録は現在のところ英語で行わなければなりませんが、日本版のアカウントを持っていれば複数の国のマーケットプレイスに同時登録することも可能です。出品画面は日本語に対応しているため、国内の販売と同じ感覚で利用できるでしょう。

大口出品の月額費用は39.99ドル(税抜)となっており、日本と同様に販売額に応じたシステム手数料が加算されます。

天猫国際

https://www.tmall.com/

天猫(T-Mall)は中国を代表する巨大企業のアリババグループが運営しているECモールで、ECが世界の中でも浸透している中国において最大のモールです。中国国内のEC取引額の半分以上がT-Mallであるともいわれており、あらゆる商品が日常的に購入されています

越境EC進出の際は、海外企業向けに用意されている「天猫国際」というプラットフォームを利用する必要があります。中国企業向けに用意されている「天猫」には出店できないため、出店申し込みを行うプラットフォームを間違えないように注意しましょう。

同社が運営しているタオバオも同様ですが、天猫や天猫国際は偽物の出品を防止するために出店基準が比較的高めに設定されています。審査基準を突破するためには十分な準備を行う必要があるため、必要書類や許可などを事前に確認しておくことが大切です。

中国においては日本製の食料品や化粧品、アパレル製品、家電製品などが人気を集めているため、出店できれば売上の拡大やブランド力の向上につながりやすくなるでしょう。

eBay

https://www.ebay.co.jp/

eBayが誕生したのは1995年のことで、ECサイトという分類では比較的老舗のプラットフォームといえます。アメリカでサービスを開始したeBayは、立ち上げ当初はCtoCをメインとしたフリーマーケットでしたが、現状はBtoBやBtoCにも積極的に活用されています。

海外からの越境EC進出も盛んに行われており、世界中の企業が取り扱うさまざまな商品がeBay上に集まります。

アクティブユーザーは世界に約1.8億人ほどいるといわれており、世界のいくつかの国ではAmazonのような巨大ECモールよりもシェアが高い国もあります。カナダやドイツ、イギリス、フランス、オーストラリアなどではeBayがよく利用されていることから、進出先の国によってはeBayの出店を最優先に検討するのもおすすめです。

かつては併設されているオンラインオークションの利用が目立ちましたが、近年では事業者が商品を自由に出品できるマーケットプレイスの比率が高まっており、出品された商品を購入する目的で訪れるユーザーがメインとなっています。

海外からの輸入を目的に商品をリサーチするユーザーも目立つプラットフォームなので、上手く活用することで売上を上げられるでしょう。

Lazada(ラザダ)

https://www.lazada.co.th/

Lazadaは東南アジアをターゲットとした越境ECプラットフォームです。かつては別会社によって運営されていましたが、2016年以降は中国で天猫やタオバオを運営するアリババグループが親会社となって運営が継続されいます。

現在はサービスの対象となっているのはタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドネシアの6ヶ国で、2030年を目途に3億人へのサービス範囲拡大を目指しています。

取り扱っているジャンルは多岐に渡り、日用品からアパレル、家電など幅広いため、比較的日本国内の企業も出店しやすいでしょう。Lazada全体への訪問者数は1日500万人以上ともいわれており、売上上位にランクインしているショップの売上は1日1,000アイテムを超えています。

Lazadaは「ローカルアカウント」と「グローバルアカウント」が用意されており、越境ECで出店する場合はグローバルアカウントを作成しなければなりません。またそれぞれの国によってアカウントが分かれており、出店する国の数だけ新たにアカウントを作成して管理しなければならない点には注意が必要です。

なお、出店にあたって初期費用や月額費用は発生しませんが、取り扱う商品のジャンルによっては2%程度の販売手数料がかかります。

方法2:ECプラットフォーム

ショップを出店するもうひとつの方法は、ECプラットフォームを使用して自社オリジナルのECサイトを構築することです。ECプラットフォームはモールとは異なり集客を自分たちで行わなければなりませんが、独自性を押し出しやすく、他社との差別化がしやすいのが特徴です。

越境ECに対応するのであれば、次の3つのプラットフォームがおすすめです。

Shopify

https://www.shopify.jp/

Shopifyはカナダに拠点を置く世界シェアNo.1のECプラットフォームです。国内外のネットショップの構築に対応しており、175もの国と地域で利用されている実績があることから、多くの企業に選ばれていて安心感が高いといえるでしょう。

気に入ったデザインを選ぶだけで高機能なECサイトの機能を実装できるため、初心者の方でも簡単に越境EC対応サイトを構築できます。テンプレートの数は100種類を超えているため、お気に入りのデザインが見つかる可能性も高いでしょう。

HTMLのカスタマイズも可能なので、専門知識があればオリジナリティのあるショップを構築することもできます。多くの企業によってShopifyをより便利にするためのアプリが開発されているなど、拡張性の高さは魅力です。

料金形態はベーシックプラン、スタンダードプラン、プレミアムプラン3種類が用意されており、ベーシックプランなら1ヶ月あたり29ドルから利用できます。コストを抑えやすいので、まずは使ってみたいという方にもおすすめです。ビジネスが軌道に乗ってきたら、他のに移行して販売手数料を抑える方法も有効でしょう。

BASE

https://thebase.in/

BASEは2012年にサービスを開始した国産のECプラットフォームで、初期費用と月額費用がかからず販売手数料のみで利用できるのが魅力です。国内企業からの支持を多く集めており、国産なので完全日本語対応なのも嬉しいポイントといえるでしょう。

公開して商品が売れるまでは料金がかからないため、「ビジネスを始めるのはまだ先だけれど先にショップの形を作っておきたい」という場合にもおすすめです。

テンプレートから選択するだけでECサイトの運用に必要な基本機能を実装できるため、難しい知識がなくてもストアが構築できると同時に、カスタマイズの知識があれば自由度の高いデザインも可能です。

ただし、月間の販売金額に応じて「販売手数料3%+決済手数料3.6%+40円」の手数料を支払わなければならない点には注意が必要です。他のプラットフォームの水準と比較するとやや高めに設定されているため、売上額が大きいのであれば他の出店方法を検討するのもひとつの手段です。

月額費用は基本的に無料ですが、BASEのロゴを非表示にするなど、一部のオプションは有料となっています。

STORES

https://stores.jp/

管理画面を直感的に操作しやすいSTORESは、初心者の方にも優しいECプラットフォームのひとつです。プロの視点でECサイト開設の相談にも乗ってもらえるため、何から始めていいのか分からない方でも確実に開業への準備を進められます。

一方で、HTMLのカスタマイズには対応しておらず、テンプレートを選ぶ形でショップを作るのが基本となるので、自由度の高い機能を求めている方には向いていない可能性があります。。

加えて月額0円のフリープランでは一部の機能が使用できないため、全ての機能を利用したいのであれば、月額1,980円のスタンダードプランを利用を検討する必要があるでしょう。

販売手数料はフリープランで5.0%と前述のBASEよりも安価なので、コストを抑えたい場合にも選択肢に入れたいストアといえます。なお、スタンダードプランであれば販売手数料は3.6%に引き下げられます。

越境EC成功事例をご紹介

越境ECというと「日本から海外へ商品を販売する」ビジネススタイルを想像しがちですが、「海外から日本へ商品を販売する」形で成功している企業もあり、その姿はさまざまです。ここでは、越境ECの3つの成功事例をご紹介します。

Koala Sleep Japan 株式会社

https://jp.koala.com/

Koala Sleep Japanはオンラインに特化したベッドマットレスの開発・販売を行っています。元々はオーストラリア発祥の同社ですが、国内で十分な実績を積み重ねた上で海外進出に踏み切り、2017年を機に海外から日本への越境ECによって日本進出をスタートさせました。

同社では日本人の睡眠の質を改善するというミッションを掲げて日本への進出を果たしたものの、日本とのつながりが無かったために提携倉庫などを持っておらず、万全の体制で越境ECを開始するためには物流パートナーを探す必要がありました。

そこで同社は日本事業における物流パートナーにオープンロジを選び、元々創業以来Shopifyで構築していたECサイトとAPI連携によって物流業務の自動化を実現して作業時間の短縮と作業ミスの削減を実現したのです。

API連携によるデータの自動取り込みを実装する前は、担当者が受注作業を1件ずつ手作業で行っていたために、1日8時間もの作業時間を必要としていました。しかし、今では1日1時間程度の作業に収まっています。

Bay Trade Japan

https://chefknivesjapan.com/

Bay Trade Japanでは、日本の精巧な技術を駆使した洗練されたデザインの日本包丁を海外ユーザー向けに販売しています。販路には自社ECではなく大手ECモールを選択しており、ターゲットは北米やヨーロッパ、アジア圏など世界各地に拡がっています。

販路が広範囲にまたがることから手作業で管理することは難しく、同社では複数モールの受注・在庫をまとめて管理するための機能を必要としていました。そこで、ネクストエンジンとオープンロジを導入して両者を連携させ、業務の効率化を図ることによって越境ECを成功に導きました。

複数のECモールに出店していることから在庫管理が煩雑になり、まずは2018年に在庫管理の課題を解決するためにネクストエンジンを導入しています。続いて、物流業務の負担を軽減するためにオープンロジを物流パートナーに選択しました。

海外発送に国際eパケットを選択できる点と、システムの直感的な操作を魅力に感じて導入したオープンロジにより、同社は物流業務から解放されてECサイトの作り込みに注力できるようになるという成果が上がっています。

SAMURAI STORE

https://www.samurai-store.com/

SAMURAI STOREでは、甲冑をはじめとした刀剣類を国内外に向けて販売しています。世界中にファンが多く、ECサイトに並ぶ数十万円~数百万円の商品が売れることは同社にとって日常的な出来事です。

元々同社の代表がeBayで働いており、退社を機に個人事業主としてさまざまな商品を仕入れ販売するうちに甲冑と出会い、メインの商材として扱うようになっていったといいます。

越境ECには2002年から進出しており、PayPalを活用して世界各国の電子決済サービスに対応することによってどのような国のユーザーであっても気軽に決済を完了できる環境を整えています。

越境ECサイトとして培ってきた約20年の実績を活かして、現在では同社自らが越境ECサイト制作サービスを提供するまでになっています。販売実績は70ヶ国を超えており、2017年にはルイーズスクエア社と事業合併して、東京都内に実店舗を構えるまでに成長しました。

越境ECのメリット・デメリット

越境ECにはメリットとデメリットがあるため、どちらも知った上でリスクを最小限に抑えて利益を最大化できるように準備を進めることが大切です。ここでは、越境ECのメリットとデメリットについて解説します。

メリット1:販路を拡大できる

越境ECの最も大きなメリットのひとつとして上げられるのは、販路を拡大できる可能性が高いという点です。日本国内をターゲットにする場合は、最大でも日本の約1億2,000万人の人口までしかリーチすることはできません。

日本は世界の中でも中国、米国、イギリスに続いてEC市場が発展しており、市場規模としては比較的大きいものの、少子高齢化による人口減少によって需要は先細りになる可能性が高いといわれています。現在はEC市場が発展途上のためまだまだ拡大の余地がありますが、市場が成熟していくにつれて新たな需要を見出すのが難しくなっていくでしょう。

一方、中国や米国は今も日本を上回る勢いで高いEC成長率を維持しており、東南アジアは人口が増えていて今後さらなる躍進が期待される市場のひとつです。他にも、世界に目を向けると成長の可能性を秘めたマーケットが数多くあります。

越境ECによってリーチできる人口を増やすことにより、今まで自社の商品やサービスを知らなかった顧客と接触できる機会も増加し、販路の拡大につながりやすくなるでしょう。また、国内ではそれほど人気が高くない商品のジャンルも、海外では需要が高い可能性があります。

メリット2:低リスクで海外展開が可能

実店舗のみでビジネスを営む企業が海外展開しようとすると、進出先の国の市場調査やフィールドワークによるリサーチ、土地の確保、店舗の建設などやらなければならないことは数多くあります。現地調査のためにはスタッフが現地に渡航しなければならない場面も出てくるため、交通費だけでも多額のコストがかかるでしょう。

さらに、現地進出にあたって現地法人を立ち上げたり、スタッフを常駐させたりする必要も出てきます。

土地を確保して店舗を建設したものの、思うように売上につながらなければ大規模な赤字を抱えてしまう可能性も否定できません。万が一経営が上手く行かなかった場合、店舗を畳むためにもそれなりの費用が発生します。

しかし、越境ECであれば日本に拠点を置いたまま海外の顧客に商品を販売できるため、非常に低リスクで海外展開が可能になります。

顧客はECサイトとインターネット環境さえあれば世界中のどこからでも気軽に商品を購入できることから、商品そのものと保管用のスペースさえ用意すれば気軽に海外進出を果たせるのは越境ECの何よりもメリットといえるでしょう。

デメリット1:言語・風習が異なる

最近では翻訳サイトなどの精度も向上しており、異国の言葉であってもある程度の意味を理解することはできますが、言葉が分からない国のネットショップで買い物するのは怖いと感じる人も少なくありません。

越境ECは日本にいながら商品を販売できるビジネスではありますが、相手にする顧客は海外に暮らす人々です。したがって、現地の言語や風習は日本とは大きく異なるということを理解していなければ進出に苦労する可能性も十分にあるでしょう。

デメリット2:配送料や諸手数料が高い

越境ECは海外に荷物を発送しなければならないことから、国内向けに比べると配送料や諸手数料が高くなりやすいというデメリットがあることも忘れてはいけません。発送先の国によっても異なりますが、日本から離れた地域であるほど、また配送リードタイムが短い配送方法であるほど配送料は高額になる傾向にあります。

他にも受取人となる注文者に関税を負担してもらわなければならない可能性があるなど、国内向けとは異なるコストが発生しやすいため、あらかじめ配送にかかるコストを試算してから物流の準備を整えることが大切です。

越境EC事業開始前に知っておきたいお役立ち企業をご紹介

越境ECの事業を始める前に、物流やECサイト構築など運用をサポートしてくれるお役立ち企業を押さえておくことをおすすめします。上手く力を借りることで、越境ECの運営をスムーズかつ省力化できる可能性が高まります。

オープンロジ

https://service.openlogi.com/

オープンロジは、これまでに9,000以上ものユーザーとの取引実績を持つ、国内でも最大規模のフルフィルメントサービスを取り扱う物流業者です。

豊富な実績と充実の設備でクライアントに合わせた柔軟な物流サービスを構築し、実際の運用までサポートします。これまでお手伝いしてきたさまざまな業種や業態の企業の導入事例があるので、ご興味のある方はぜひ参考にご覧ください。

越境ECは海外発送に手間やコストがかかることがネックになりやすいため、物流の問題を解決できないために海外進出を諦めてしまう事業者様も少なくありません。しかし、オープンロジなら越境EC用の海外発送にも対応しており、簡単な出荷指示だけでスムーズに海外へ荷物を発送できます。

料金形態は完全従量課金制を採用していることから、使った分だけの費用しか発生しないのもメリットのひとつです。

海外発送には日本郵便のEMSや国際eパケットや、民間の運送業者であるDHLといったクーリエを使えるため、コストを抑えたい荷物や急ぎの荷物にも対応しています。オープンロジ独自の料金設定を用意しているため、通常のルートで発送するよりも発送料金を安価に抑えられるでしょう。

世界へボカン

https://www.s-bokan.com/

世界へボカン株式会社は、越境EC進出を全面的にサポートする海外WEBマーケティングに特化した企業です。ECプラットフォームの中でも越境ECに強いShopifyを使った越境ECサイト構築や、進出先の国に合わせたグローバル戦略の立案、Webサイト改善コンサルティングなどをトータルでサポートしてもらえます。

英語圏のSEO対策やリスティング広告の運用は専門知識がないと難しい場面も数多くありますが、同社にはプロフェッショナルな経験を持ったスタッフが在籍しているため、専門知識がなくても現地に合わせた本格的なマーケティングを行えます。

海外ユーザー向けの越境ECの構築には、商品ページの「魅力が伝わりやすい英語力」も重要です。しかし、実際には日本語で作成したページを翻訳サイトで翻訳しただけの対応に留まるケースも多く、「売れる商品ページ」を現地の言葉で作るのは難しいといえるでしょう。

しかし、同社ではクライアントが取り扱っている商品情報を機械的に英訳するだけでなく、マーケティングの一環として「商品価値を正しく伝える英文コピーライティング」を意識したサイト作りを行うのが特徴的です。サイト構築から運用に至るまで、「売れる方法」を追及した戦略設計を意識したサポートが魅力といえます。

飛躍

https://hiyaku-inc.com/

飛躍はShopifyを用いた海外向けの越境ECサイト構築をメイン業務にしながら、コンサルティングや運用サポートサービスをトータルで提供している企業です。業種や業態に応じた柔軟な運用方法を設計してもらえるため、越境ECの経験がない企業でも安心して任せられます。

同社はShopifyの公式パートナーにも選定されており、「越境ECに強いサイト」を意識したサイト構築を行ってくれます。さまざまな連携サービスとデータ連携するためのモジュール開発やツール設定も社内開発で進めるため、立ち上げから運用開始まで一気通貫で最適化されたショップを開設できます。

ECサイトの完成後も、必要であれば運用代行の経験を活かして「売れる設計」を軸にしたShopifyのカスタマイズも依頼できます。ユーザーに響きやすい導線を実現しながら、運用担当者がストレスなく運用できるようなショップを構築してもらえるため、運用にかかる工数も削減できるでしょう。

越境ECで気を付けておきたいこと

越境ECに進出する際に注意したい点は、どのようなターゲットに訴求するかという点や取り扱う商品の選定だけではありません。

現地の法律や関税なども十分に理解しておかなければ、想定外のコストがかかったり法令違反による罰則の対象になったりするリスクもあるため、次の5つの注意点を十分に確認しておきましょう。

関税

関税とは、他国から極端に安価な商品が流入することによって国内産業に致命的なダメージを与えることを避けるために、国内の商品と価格のバランスを取るために存在している税金のことです。商品を他国から輸入する際には、各国が定めた関税率に応じて関税を支払わなければなりません。

関税率は国によって大幅に異なるため、あらかじめ越境EC進出先の国ではどの程度の関税がかかるのかを調べておく必要があります。関税は原則的に商品を受け取る人が支払う決まりがあるため、あらかじめ所定の関税がかかる可能性を顧客に対して伝えておくことで受け取り拒否などのトラブルを避けられます。

中には輸入だけでなく、輸出に対して関税を課している国もあります。日本では輸出関税をかけていませんが、例えば「海外に生産拠点を設けてそこから直接他の国へ商品を輸出する場合」などでは輸出関税の対象となる可能性があるため、輸出関税も意識しておくと良いでしょう。

とはいえ、全ての商品に関税がかかっているわけではなく、無税に指定されている商品も一部存在します。各国の関税に関する規定を必ず確認して、自社が扱う予定の商品が関税の対象になるかどうかを把握しておくことが大切です。

配送時間・送料

越境ECでは、一般的に国内向けの配送に比べて配送時間が長くなるケースがほとんどです。さらに、送料も国内への発送より高額になる傾向にあるといえます。そのため、進出を予定している国へ商品を配送するにはどのくらいの時間がかかるのかをあらかじめ把握し、適切なリードタイムを顧客に伝える必要があります。

配送手段によっても配送時間は大きく異なるため、送料とのバランスを見ながら自社に合ったものを選ぶことが重要です。例えば日本郵便のEMSなどが海外発送にはよく用いられますが、配送を急ぐ場合は海外の民間運送会社であるDHLやFedEXなどが使われるケースもあります。

到着を急いでいないのであれば、国際eパケットなどの到着に比較的時間を要するものの送料を割安に抑えられる配送方法を利用するのも選択肢のひとつです。

現地の法制度

進出先の国が変われば、法律も大きく変わります。したがって、越境ECに進出する際は現地の法制度を十分に理解しておくことが大切です。

例えば中国のEC市場に参入するためには、所定の許可を取得してECサイトのよく見える部分に取得した許可についての記載を行わなければなりません。この工程を怠ると法律違反になって罰せられたり営業許可が取り消されたりする可能性もあるため、慎重に現地の規定を確認することが大切です。

また、日本国内でもECに関する法制度は随時変化していくように、海外の法制度も常に同じというわけではありません。現地の政治状況を常に把握し、柔軟に対応できるよう体制を整えておきましょう。

取扱商品|商品によっては規制がかかる可能性

日本では問題なく販売できる商品だったとしても、進出先の国では商品によって規制がかかることも考えられます。扱ってはならない商品を販売して法律違反になってしまうことを防ぐためにも、自社の商品が進出先の国で販売可能かどうかを十分に確認しましょう。

販売自体は可能であっても、現地の手続きを踏んで許可を取得しなければならない可能性もあります。特に化粧品や医薬品、食品などは規制に該当しやすいジャンルであるため、これらの商品を扱う予定がある場合は注意して現地のルールをチェックしておくことが大切です。

例えば越境ECのターゲット国として人気の中国では、化粧品に対して厳しい規制がかかっています。中国国内においても化粧品は人気が高く、日本製品を求めるユーザーも多いことから進出を検討する事業者も多い傾向にありますが、規制の内容をよく確認して現地のルールに則った形で出店する必要があります。

決済方法|現地に合った方法の選択が必要

ECサイトの決済方法は、進出先の国によっても浸透している手段が異なります。例えば日本ではクレジットカードや銀行振込、代金引換などが主流ですが、一方で世界の多くの国々では代金引換は取り扱われていないなど、日本で当たり前の決済手段が海外では使われていないといったケースはよくあります。

まずは現地でどのような決済方法が用いられているのかを調査し、現地に合った方法を選択することが大切です。

多くのユーザーが使っている決済方法に対応していなければ、商品が魅力的でも購入する手段がないために売上が伸びないことも考えられます。

専用の決済手段を用意するのが難しい場合は、Shopifyなどの現地の豊富な決済手段に対応したプラットフォームを利用したり、PayPalのように世界各国の支払い方法に対応した決済サービスを使ったりする方法も検討すると良いでしょう。

越境ECは事前の情報収集がカギ

海外のユーザーに向けて商品を販売する越境ECは、、今後さらに拡大を続けていくと見られています。巨大市場の中国や米国とも取引が多い日本のEC市場で越境ECに進出すれば、大幅な販路の拡大を実現できる可能性は十分にあるでしょう。

越境ECへの進出を検討しているのであれば、事前に十分な情報収集を行うことが成功のカギになります。現地の法律や関税に関する規定、規制がかかっている商品や最新トレンドなど、さまざまな情報を押さえた上でアプローチすることが大切です。

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