Amazonで商品を販売する方法とは|出品方法やコストについて徹底解説

2021年6月2日

Amazonで商品を販売する方法とは|出品方法やコストについて徹底解説

世界でも有数の巨大ECモールであるAmazonは、認知度がそれほど高くない事業者であっても多くのユーザーに自社の商品を見つけてもらえる可能性があります。EC事業を展開するにあたって、Amazonへの出品を検討している方もいるのではないでしょうか。

出品の際は、Amazonの出品用のアカウントを作成して運用していくことになります。そこで今回は、Amazonで商品を販売するための出品方法や、かかるコストなどについて詳しく解説します。

Amazonで出品する方法

Amazonで商品を出品するには、出品プランを選択して出品用のアカウントを作成してから、実際に商品を出品します。ここでは、出品するための方法を具体的に解説します。

手順1:出品プランを選択する

まずはAmazonで出品するための出品プランを選択します。出品プランには「小口出品」と「大口出品」の2種類ありますが、一般的には大口出品を選択します

小口出品は1ヶ月あたり49点までの商品を出品する場合に適しているプランで、商品を1点出品するごとに100円+販売手数料の費用が発生します。Amazonに出品する頻度がそれほど高くなかったり、広告を出稿したりする必要がない場合のみ小口出品を利用します。

大口出品は、月額4,900円+販売手数料でAmazonマーケットプレイスのすべての機能を利用できます。毎月49品以上の商品を販売したり、広告や出品ツールを利用したりしたい場合はこちらを選択しましょう。

手順2:Amazon出品用アカウントを作成する

出品プランを選択したら、Amazon出品用のアカウントを作成する必要があります。Amazonのアカウント登録ページ(https://services.amazon.co.jp/)にアクセスすると、右上に「さっそく始める」というボタンがあるのでクリックします。

「出品用アカウントでログイン」というページが表示されたら、ページの下の方にある「Amazonアカウントを作成」をクリックするとアカウント情報登録ページが表示されるので、必要事項を入力して「次へ」をクリックしましょう。

入力したメールアドレス宛に確認コードが届くので、案内に従って「アカウントを作成」をクリックすると、Amazon出品用のアカウントを作成できます。

手順3:商品を追加

既にAmazonで販売されている商品であれば、商品を検索して手軽に出品できます。しかし、まだAmazonで販売されていない商品を販売したいのであれば、セラーセントラル画面から商品を追加する必要があります

セラーセントラルの「在庫」メニューにある「商品登録」をクリックされると、「Amazonで販売されていない商品を追加します」というボタンがあるので、クリックして新規登録画面を開きましょう。商品の追加に必要な情報は次のとおりです。

  • 製品コード(JANコード等)
  • 出品する商品の情報(コンディション、数量、価格、配送方法等)
  • 出品する商品の詳細(商品名、画像、商品説明等)
  • 検索キーワード
  • メーカー情報

以上の情報は、事前に用意しておくとスムーズです。必要な情報を入力できたら、出品する商品のカテゴリーを選択して「変更内容を保存」ボタンをクリックします。すべての操作が完了すると、概ね15分程度で商品がAmazon上に登録されます。

手順4:集客

Amazonの大口出品プランを利用している事業者は、「Amazonスポンサープロダクト」というAmazonの中で表示されるリスティング広告を出稿できます。広告を掲載するためには「該当のカテゴリーに商品を1つ以上出品している」「ショッピングカートボックス獲得の対象になっている」という2点を満たしている必要があります

Amazonスポンサープロダクトを利用すると、ユーザーが商品を検索した際に、キーワードに近い商品として自社の商品の広告を掲載してくれます。ユーザーは既に興味を持っているキーワードを検索しているため、自社の商品に興味を持ちやすい状態になっており、集客に大きく貢献してくれるでしょう。

広告がクリックされると広告料金が発生する仕組みになっており、あらかじめ予算も設定できることから効果的に広告費を運用できるというメリットもあります。

手順5:商品を発送

実際に商品が注文されたら、商品の発送に移ります。自社で商品を発送する方法もありますが、Amazonが用意している「FBA」という物流サービスを利用する方法もあります(別途利用料が必要)。

FBAはAmazonの倉庫に自社の商品を送り、ユーザーへの商品の発送をAmazonが代行してくれる仕組みです。Amazonプライムに加入している人にはスピーディーな商品配送が可能になり、カスタマーサポートも24時間365日可能になるなどのメリットがあるため、利用している事業者も多いサービスです。

手順6:レビューを集める

Amazonで商品を購入してくれたユーザーから購入後のレビューを集めることは、自社の商品の品質や安全性を示して他のユーザーの購入意欲を促すためにも重要です。さまざまな手を尽くして、商品に対するレビューを獲得しましょう。

レビューを集める方法としてよく用いられているのは、購入後のフォローメールが挙げられるでしょう。商品を購入してくれたユーザーに対して一定の期間が経過した後に「商品のご購入ありがとうございました。よろしければ感想をお聞かせください」などの内容でAmazonのレビューへ誘導する方法です。

また、Amazonには「Amazon VINE」という機能もあり、よくレビューを書いているユーザーに対して無料でサンプルを渡してレビューしてもらうという方法もあります。自社に合った方法を駆使してレビューを集め、自社のブランドの価値を向上させましょう。

出品にかかる費用を解説

Amazonの出品にかかる費用は、大口出品プランを契約するための月額費用だけではありません。販売手数料や配送料などを念頭に置いて準備を進めなければ、コスト面で大きな負担になる場合もあるので注意が必要です。

販売手数料

Amazonでは、大口出品であっても小口出品であっても商品の販売額に応じて販売手数料を支払う仕組みになっています。販売手数料の金額は商品のジャンルに応じてさまざまな料率が設定されており、すべての商品が一律というわけではありません

また、どの範囲に対して料率がかかるのかもジャンルによって異なるので注意が必要です。例えば本やCD、DVDなどのメディア商品は本体価格に所定の料率を乗じた金額がAmazonに支払う販売手数料となりますが、メディア商品以外は配送料やギフト包装料などもすべて含んだ金額に対して所定の料率がかけられます。

扱っている商品にもよりますが、概ね8~15%程度の割合に収まることが多いようです。一見すると高額にも見えますが、国内の他の大手ECモールは販売手数料が設定されていても他の部分で費用がかかる場合があるので、飛び抜けて高額というわけではありません。

配送料

大口出品の場合は、重量課金制、商品個数制、購入金額制のうちどれか1つの計算方法が個別に設定されます。また、梱包が特殊な場合であれば、商品によって個別の配送料金を設定するケースもあります。

重量課金制は、「配送1件ごと」の配送料と「1kgあたりの重量」の配送料を合計した金額が配送料となります。商品個数制は「配送1件ごと」の金額と「商品1点ごと」の金額を合計します。

購入金額制の場合は、1注文あたりの購入金額に応じて配送料が変動する方式です。お届け先の住所によって異なる配送料を設定することも可能なので、どれが自社に適しているのかを見極めた上で選択すると良いでしょう。

その他有料オプション

その他の有料オプションを契約する場合は、それぞれの所定の利用料金や手数料がかかります。代表的な有料オプションはAmazonの倉庫を利用する出荷代行サービスのFBAや広告出稿費用、ビジネスプランをサポートしてくれる有料アカウント機能などがあります

また、200万件を超える大量の商品を出品する場合は大量出品手数料がかかり、一度決済を済ませた商品について返品を受け付ける場合は、500円または販売手数料の20%のどちらか金額の小さい方を採用して返品手数料が必要になります。

Amazonで事業を成功させるポイント

Amazonで事業を成功させるためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。やみくもに運用するだけではなかなかユーザーに自社の商品を見つけてもらうことは難しいので、計画的な運用を心がけましょう。

ポイント1:出品時に販売戦略を明確に立てる

出品の際に、販売戦略を明確に立てることが大切です。初めてEC事業を行う際は、自社のコンセプトを明確にするところからスタートしましょう。ユーザーに対してどのような商品を提供したいのかを考えた上で、できるだけ詳細なコンセプトを決めることが、ターゲットの設定や商品の選定に重要な役割を果たします

逆に、コンセプトが曖昧なままショップを運営すると明確にターゲットを絞り切れず、ユーザーから見ても何を提供しているショップなのかが分かりにくくなって客足が遠のいてしまう原因になるので注意が必要です。

コンセプトを設定できたら、コンセプトに沿ったターゲットを設定します。例えば「最近健康に気を遣い始めた女性のために健康食品を提供するショップ」であれば、健康について考え始める30~40代女性などが考えられるでしょう。ターゲットはできるだけ細かく設定することで、商品の選定やマーケティング戦略も具体性がアップします。

ターゲットを絞り込めたら、ターゲットが欲しくなるような商品を選定します。このように、コンセプトがすべての土台となるため、最初の工程をおろそかにせずに時間をかけて策定すると良いでしょう。

どのくらいの期間でいくつ商品を販売する、などの販売目標も併せて立てておくと、販売戦略をより具体的なスケジュールに落とし込みやすくなります。

ポイント2:集客対策を行う

販売戦略を立てたら、戦略に沿った集客対策を行わなければなりません。AmazonなどのECモールはモール自体の集客力を使えるため、自社ECに比べると集客しやすい傾向にありますが、まったく対策をしないと競合他社の製品の中に埋もれてしまいます。

Amazonの検索結果の上位に表示させるためのSEO対策を行うことが、Amazon内の集客対策の中では重要になります。商品名や在庫の有無、各商品ページの表示回数などが商品の検索順位に影響するといわれているため、まずは出品する商品の情報を充実させて、在庫をしっかりと確保しましょう。

また、FBAを利用しているとAmazonにおける表示の優先度は高まるといわれています。Amazonの倉庫に在庫があるかどうかが判断基準となっている側面があり、オプション契約にはなりますが、可能であればFBAを利用すると集客対策としては効果が高いでしょう

また、Amazon以外のサイトでリスティング広告を出稿して、Amazon内の商品ページに誘導するという方法もあります。しかしコスト面を考えると、広告を出稿する際は十分に費用対効果を検証して有用であると判断した場合にのみ出稿するのが望ましいといえます。

ポイント3:カスタマーレビューなどからデータを収集する

商品を販売した後は、商品ページに寄せられたカスタマーレビューなどからデータを収集して、さらに改善に努めることが大切です。販売しただけで満足していると、顧客満足度が低下していることに気がつけなかったり、改善できる部分があるにも関わらず見落としてしまったりするので注意が必要です

カスタマーレビューには、ユーザーによってさまざまな意見が寄せられます。商品自体の使いやすさや有用性の評価をしてくれるユーザーだけでなく、配送や梱包への感想を書いてくれるユーザーもいるでしょう。

感じ方はそれぞれ異なるので、カスタマーレビューですべてを判断できるわけではありません。しかし、レビューの数が多く集まれば、一定の傾向は見えてくるはずです。自社の課題がどこにあるのか、さらに伸ばしていくべき部分がどこなのかを見極めるためにも、前述の方法なども参考にしながらカスタマーレビューを集めましょう。

AmazonFBAとは

AmazonFBAは、ここまでにも軽くお伝えしたように、Amazonが物流業務を代行してくれるフルフィルメントサービスです。オプションとして用意されているこのサービスは有料ではありますが、カスタマーサポートも含めて提供してもらえる便利なサービスなので、利用を検討しておくことをおすすめします。

FBAとは|Amazonが提供するフルフィルメントサービス

FBAは「フルフィルメント By Amazon」の略称であり、Amazonが提供しているフルフィルメントサービスのことです。フルフィルメントとは、ECサイトで商品の注文が入ってからユーザーに商品が届くまでの一連の業務を指しています。

自社で生産した商品をAmazonの倉庫に納品することで、Amazonの商品ページから商品が注文されると出荷業務全般を代行してくれます。自社で商品を発送する手間を削減できるので、特に小規模事業者などでは恩恵を受けやすいサービスであるといえるでしょう。

FBAを利用する際は、Amazonの出品アカウントを作成している状態で、Amazonが指定する方法に基づいて商品を納品します。納品された商品はAmazonが梱包や発送を行い、24時間365日対応しているのが最大のメリットです。一般的な事業者では24時間365日の対応は難しいため、FBAを利用することで大幅なリードタイムの縮小を実現できるでしょう。

また「FBAマルチチャネルサービス」を利用すると、Amazonの外で販売している自社の商品の物流代行も行ってくれます。複数のモールや自社ECを展開している場合でも、FBAに物流を一本化できます。

カスタマーサポートも提供

FBAでは、カスタマーサポートも併せて提供しています。FBAを利用して出品した商品については、Amazonがすべての出荷やカスタマーサポートを代行するため、自社で対応を行う必要がなくなります。

商品を購入したユーザーからの問い合わせだけでなく、返金や返品処理もAmazonの専属のカスタマーサービスチームに管理してもらえるので、サポートをすべてAmazonに任せて自社のスタッフはメイン業務に集中できます

FBAを利用していれば基本料金内で利用できるので、特別な追加費用が発生しないのもメリットのひとつです。しかし、服やファッション小物、シューズ、バッグなどの特定のカテゴリーの商品については別途追加料金が発生する場合もあるので注意しましょう。また、FBAマルチチャネルサービスの場合は自社でカスタマーサービス対応を行う必要があります。

大幅なリソースの軽減に貢献

FBAはAmazonが所有するFBAの専用倉庫に納品するだけで、Amazonがユーザーに対する出荷業務をすべて代行してくれます。そのため、社内の物流にかけるリソースを大幅に削減でき、商品の生産や新規企画、マーケティングなどの生産性の高い業務に集中できる環境を整えられます

EC事業においては、物流は非常に負担が重くなりやすい業務のひとつです。特に小規模事業者では最初の頃はスムーズに対応できていたとしても、事業が拡大するにしたがって増え続ける注文に対応しきれなくなり、配送遅延を招いたりメイン業務が停滞したりする危険性があります。

Amazonでの商品販売をメインにするのであれば、FBAを利用して出荷業務をAmazonに任せることで物流の問題を一気に解消できます。他のプラットフォームで商品を販売している場合でも、FBAマルチチャネルサービスを活用することで物流の負担を大幅に削減できるでしょう。

24時間365日の出荷対応とカスタマーサポートは、自社ではなかなか対応できない部分であり、FBAの大きな魅力です。大幅なリソースの軽減とともにリードタイムの縮小や顧客満足度の向上も図れるので、ある程度の出荷量が予測される場合は契約しておくことをおすすめします。

【ご紹介】オープンロジではFBA納品も対応可能

フルフィルメントサービスを提供しているオープンロジでは、FBA納品にも対応しています。最後に、当社のサービスについて簡単にご紹介します。

複数のモール利用時の物流を一元管理

複数のモールでECサイトを運営している場合、一般的にはそれぞれのモールから受注データをダウンロードして内容を確認し、自社のシステムに内容を新規登録しなければなりません。各ECサイトの情報を個別に管理しなければならないので管理が煩雑になり、ヒューマンエラーも起こりやすい環境にあるといえるでしょう。

オープンロジが提供しているクラウド型のASPサービスでは、API連携による受注データの取り込みに対応しています

この機能を活用することにより、複数のモールを利用している場合でも物流の一元管理が可能です。ひとつの画面上ですべてのモールの受注データを処理できるので、倉庫への出荷指示まで物流を自動化し、物流にかける時間を大幅に短縮できます。

流通加工もカスタマイズ可能

オープンロジではさまざまな流通加工サービスをご用意していますので、事業者様ごとの状況に応じて柔軟なカスタマイズが可能です。

商品のセット組みやパーツの組み立てなどにも対応しているため、商品の形状が特殊であってもまずは一度ご相談ください。プロのスタッフの技術と小規模~大規模まで対応できる設備で、お客様に寄り添った最大限に効率的な運用をご提案いたします

独自資材の制作も行っており、自社のロゴを使用した資材などを利用したいとお考えの事業者様のご要望にも物流業務を含めて一気通貫で対応できます。複数の業者と連携を取る必要がないため、資材制作にかかる工数を短縮でき、負担の少ない運用を可能にします。

商品1点から登録OK!

商品の数量が少ないからと、物流のアウトソーシングを諦めてしまう事業者様も少なくありません。しかし、早い段階から外注化して物流に対する不安を解消しておくことは、今後の事業成長のためにも重要です。

オープンロジは商品1点から登録できて、初期費用・固定費用0円の完全従量課金制を採用しています。使わなかった月には料金をご請求いたしませんので、注文数がそれほど多くない事業者様でも安心してお使いいただけます。

商品の出荷指示を行うクラウド型のASPサービスは利用料金0円でご提供しますので、システムにかかるコストも抑えられます。既に完成されたサービスを登録してお使いいただく形式なので、初期の開発費用なども不要でご利用いただけます。

Amazonでの販売は集客対策と販売戦略が大切

Amazonは日本国内でも有数の巨大ECモールであり、EC事業が初めてであっても商品を手に取ってもらえるチャンスが大いに広がっています。とはいえ、十分な集客対策と販売戦略を準備して販売に臨まなければなかなか結果が出ないこともあるので、あらかじめ対策を練ってから商品を出品しましょう。

Amazonがオプションサービスとして用意しているFBAは、物流を大幅に効率化しつつ、24時間365日の出荷とカスタマーサポートを可能にしてくれる利便性の高いサービスです。Amazon内のSEO対策にも効果的だといわれているので、Amazonの出品をメインにする場合は契約しておくと良いでしょう。

オープンロジでも、FBAの納品に対応しています。物流の効率化をご検討の際は、商品1点からでも登録可能な当社までぜひお気軽にご相談ください。

オープンロジロゴ

オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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各種お役立ち資料もご用意していますので、物流の構築を検討中の方はぜひお役立てください。