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在庫管理はECやネットショップで課題となっている事業者様が多く、他の業務と比べて後回しにされがちです。しかし在庫管理こそEC・ネットショップを運営していく上で最も大切な部分です。
今回は在庫管理についてなぜ重要視されているのか詳しく解説します。また在庫管理の業務内容や在庫管理を行うことで得られるメリットについても詳しくご紹介します。在庫管理をする際の参考にしてください。
在庫管理が重要視される理由|在庫管理は売上とリンクしている
ここでは在庫管理業務が重要視される理由を詳しくご紹介します。
在庫管理をすべき理由:その1|在庫は売上に直結している
在庫は売れれば直接利益につながります。在庫を明確に管理することで安定した売上を保つことができます。反対に在庫管理が疎かでれば、保管していた商品が知らぬ間に劣化するなどして販売機会を損失し、売上を悪化させる事態を招きます。
このように在庫と売上は直結しているため、会社を経営する上で在庫管理は事業の要となります。つい後回しにしてしまいがちな在庫管理ですが、このような側面があるので重要視している企業は多いです。
在庫管理をしっかりしておくことで現状どのくらいの商品数があり、どの程度の個数が毎月売れているのか商品在庫の状況や動きを明確に把握することが可能です。在庫の数量や動きを追うことで商品の欠品や過剰在庫を防ぐことができます。
在庫管理をすべき理由:その2|在庫管理を徹底することでコストを抑えることができる
在庫管理業務は多岐に渡るため業務はシンプルでも工程が複雑です。そのため在庫管理に割かなければならない時間は意外と多くEC事業者やネットショップ経営者の負担は大きいです。
また作業工程が多いことで在庫管理業務に充てる従業員の数も必要なため、コスト面でも負担がかかります。業務規模が拡大すればするほど負担が高まるのも在庫管理業務の特徴です。
在庫管理業務とは|作業の一連の流れを知ろう
在庫管理の業務内容は多岐に渡り、事業の規模が大きくなることに比例して業務にかかる時間やコストも大きくなります。在庫管理にかかる業務負担はなるべく削減したいところです。
在庫管理を見直すためには具体的な業務内容を理解することが必要となります。ここでは在庫管理業務についての一連の流れを詳しくご紹介します。
入庫作業
在庫管理業務で一番はじめに行う作業が入庫作業です。
この作業は在庫管理の中でも重要な作業であり、入庫作業を的確に行わないと在庫管理業務がスムーズに機能しません。入庫作業は細心の注意を払って行いましょう。
入庫作業は「荷受」「検品作業」「保管」「在庫データ反映」の4つの手順があります。
荷受
荷受は在庫として保管する商品を受け取ることを指します。
作業自体は単純ですので短時間で完了させるのが望ましいです。そのため商品を受け取った後の置き場所は常にしっかりと整理整頓しておきスペースを確保しておくことが大切です。
検品作業
検品作業は商品に不具合はないか、数量は合っているかなど商品を状態や個数を確認する作業です。
事業者側の不備がなくとも輸送中の衝撃でキズがついてしまったり、手配側のミスで個数がそろっていなかったりする可能性があります。入庫作業の段階で確認することでお客様に不良品を発送してしまうミスを防ぐことにも繋がります。
また保管のタイミングで不良品が発覚すれば配送業者や手配側の過失であると証明できますが、時間が経ってしまうと経年劣化と判断されてしまう場合もあります。
保管
検品が完了後保管を行います。保管はカテゴリーごとに分けて行うことが基本です。仕入先別、商品の特性、出荷する頻度など細かい条件を照らし合わせて商品の保管場所を決めましょう。
また商品の置き場所ごとに番号などを付けて場所を把握しやすくすることも重要です。取り扱っている商品が多い場合、分かりやすく商品を配置しておかないと、ピッキング時に時間がかかります。
在庫データ反映
「荷受」「検品作業」「保管」すべての作業が完了したら、在庫データを反映させます。
入庫作業の流れは以上ですが、この作業にミスがあれば後の作業に響きます。在庫管理の始めの作業である入庫作業は、ミスなく行うことが大切です。
出庫作業
お客様から注文が入り必要な商品を保管していた場所から取り出して発送するまでの一連の作業を出庫作業といいます。
大まかな流れは、「ピッキング」「検品作業」「梱包・発送」「在庫データ反映」の順です。
ピッキング
ピッキングは保管してある場所から必要な商品を適切な個数取ってくる作業です。
入庫作業が適切に行われていれば、このピッキング作業はスムーズに行うことができます。しかし、入庫作業が煩雑に行われていればピッキング作業に無駄な作業時間がかかります。
検品作業
ピッキングが終わったら次は検品作業です。
入庫時にも行った作業ですが、この時点でも再度行います。なぜなら保管している期間に商品の劣化が進んでいたり破損している可能性があるからです。もしこのタイミングで問題のある商品が見つかった場合は、在庫データに反映させることを忘れてはいけません。
梱包・発送
梱包・発送の作業は在庫管理とはあまり関係ない作業です。しかし梱包の状態はお客様の満足度に直接つながる箇所のため、丁寧な作業が必要です。
梱包・発送作業をのクオリティが低いと、お客様の手元に届くまでに商品が破損したり、梱包時に商品外装にキズや汚れがつく可能性があります。届いた商品に不備あるとお客様にマイナスの印象を与えます。また、商品の状態や梱包自体が悪いとクレームに繋がる可能性が高いです。
在庫データ反映
「ピッキング」「検品作業」「梱包・発送」の一連の作業が完了したら、在庫データをツールに反映させます。この最後の作業は入庫作業と同様です。
棚卸|在庫管理を正確に行うためには必須の作業
棚卸を行うことで在庫の販売数と残数の把握ができます。また具体的な商材の流れを知ることで今後の売上に生かすことができます。ここでは棚卸作業についてご説明します。
棚卸作業には「帳簿棚卸」「実地棚卸」の2種類があります。
帳簿棚卸
帳簿棚卸は入庫・出庫が行われるタイミングでその都度行われるデータ入力のことを指します。
毎日行われる在庫データ反映ですが、入力漏れやミスによって実際の商品数とデータ上の数字に差異が生じることがあります。そのため棚卸は帳簿棚卸だけでなく、定期的な実地棚卸も必要になります。
実地棚卸
実地棚卸とは保管されている商品の個数とデータに入力されている数値が合っているかを目視で確かめる作業です。保管している商品数が少なければ大変な作業ではありません。しかし保管在庫数が多いほど実地棚卸は多くの労力を要します。
しかし定期的に実地棚卸を行うことで在庫の状況を明確に把握することができ、軽微なミスもすぐに修正可能です。
実地棚卸をする際には一旦入庫・出庫作業をストップさせてから行うことをオススメします。棚卸中に在庫が変動してしまうと、せっかく棚卸をしても正確な状況を把握することが難しい場合があります。
関連記事:棚卸とは|棚卸の詳細や方法、メリットやハードルなど詳しくご紹介
在庫管理のよくある課題|管理体制や人為的ミスの発生
在庫管理業務が課題となっている事業者様は多いです。では一体どのような点が課題となっているのでしょうか。ここでは、在庫管理業務のよくある課題をピックアップして詳しくご紹介します。
課題1:適切な管理体制がとれていない
在庫管理のよくある課題1つめは、適切な管理体制がとれていないことです。
在庫管理が上手くいかない事業者様は、そもそも在庫管理の体制自体がきちんと整っていない場合が多いです。
在庫管理において問題が生じたとき、いち早く原因だと疑われるのは現場の従業員です。しかし問題点を探っていくと、実は管理体制そのものが整備されていないことが原因である場合が多いのです。
日々の在庫管理体制をしっかり把握しておくことで、事業の状態に見合った在庫管理方法をとることができます。もし在庫管理がうまくいかないと感じているなら、管理体制を見直してみることをオススメします。
課題2:人為的ミスが多くなりがち
在庫管理のよくある課題2つめは、人為的ミスが多くなりがちなことです。在庫管理の作業は機械ではなく人間が行うため、人為的ミスは避けられません。
在庫数が多いと目が行き届かずミスを見落としがちです。たとえ軽微なミスだとしても、放っておくことで大きなミスへと発展してしまう可能性もあります。
例えば、入庫・出庫のデータをうっかり二重入力してしまう、作業ミスでデータや在庫の実際数量に差異が出るなどのミスが在庫管理では起こりがちです。このような人為的ミスは可能な限り削減していく努力が必要です。
人為的ミスは事前に対応策をたてることが可能です。
不適切な在庫管理の状態が続いてしまうと売上が下がったりなど、経営にも影響が出てくることが予想されます。在庫管理上の人為的ミスはなるべく早期に対策を立てましょう。
課題3:在庫の品質が保たれない・把握できていない
在庫管理のよくある課題3つめは、保管している在庫の品質が保たれない・把握できていないことです。
在庫は保管している間にも温度や湿度などの影響によって劣化が進んでいきます。そのため個数や場所を管理するだけでなく、商品の状態を確認することも大切です。
在庫管理体制が整っていないと在庫の状態を把握できない状況が生まれます。この問題が長期化すると業務に支障をきたすため販売機会を逃し、売上の低迷につながりかねません。
この課題が見えてきたときには迅速に適切な管理体制を構築する必要があるでしょう。
適切な在庫管理で得られるメリット|コスト削減や生産性の向上が見込める
在庫管理は適切に行うことでたくさんのメリットを得ることができます。ここでは適切な在庫管理で得ることのできるメリットについて詳しくご紹介します。
メリット1:管理費を抑えることができる
適切な在庫管理で得られるメリット1つめは、管理費を抑えられることです。
在庫管理は業務量が多いので人件費や管理費などのコストが多くかかります。そのため在庫管理の体制がしっかりと整備されていないと無駄なコストを見逃してしまうでしょう。
在庫管理業務の内容や体制を見直しきちんと整えることで、無駄な人件費や倉庫代・光熱費などを極力省くことに繋がります。
メリット2:欠品を防ぐことができる
適切な在庫管理で得られるメリット2つめは、欠品を防げることです。
お客様が商品を欲しているのに商品が欠品していれば、せっかくの販売機会を逃すことになります。商品の欠品を防ぐ点においても在庫管理は有効なため、適切に行いましょう。
メリット3:在庫を適量に保つことができる
適切な在庫管理で得られるメリット3つめは、在庫を適量に保てることです。
在庫を欠品させることも問題ですが、余剰在庫を抱えてしまうのも大きな問題です。長期間在庫を抱えることで商品が経年劣化してしまうだけでなく、倉庫のスペースも圧迫します。また余分な在庫の管理をすることで人件費の負担も大きくなります。
在庫は適した個数の範囲で管理していくことが大切です。
メリット4:スペースを確保することができる
適切な在庫管理で得られるメリット4つめは、スペースを確保することができることです。
在庫管理の状況が分かればどのくらいのスペースが必要か、空きスペースはこのくらいあった方が良いのか状況を把握することが可能です。
在庫管理を行い倉庫のスペースにある程度の余裕を持たせておくことで、急な在庫変動があったときにもすぐに対応することができます。また無駄なスペースが無くなるため、管理費や光熱費など余計な経費を削減することにもなります。
メリット5:生産性を向上させることができる
適切な在庫管理で得られるメリット5つめは、生産性を向上させること可能なことです。
在庫管理は規模が大きくなれば負担も大きくなります。在庫管理を適切に行うことでその業務に割く余計な時間や人件費・光熱費や管理費を削減することが可能です。結果、他の業務に予算を回したり経営に注力することができ、生産性を上げることが望めるでしょう。
在庫管理方法を確立するには|在庫管理はシンプルかつ効率的に行うことが大切
これから在庫管理方法を今一度見直したい、今からしっかりと確立していきたいと考えたとき、在庫管理方法についてどのように検討を始めたら良いのか、いくつかのポイントを知っておくことが大切です。
ここでは、在庫管理方法の確立に役立つ重要なポイントをご紹介します。
明確なルールを作る
在庫管理は明確なルールを作ることが大切です。ルールは誰にでも伝わるような具体的かつ分かりやすいものにしましょう。
ルールを作ることで業務に携わったときの落とし込みの時間を削減することができるだけでなく、従業員同士の共有がしやすく社内の風通しがよくなります。また明確なルールがあれば、分からないまま作業を進めてしまったり、自己判断で行うなどの作業ミスを防ぐこともできます。
今後事業のフェーズが変わり在庫管理業務の見直しが必要になった場合、しっかりとしたルールがあれば見直しもスムーズにできるでしょう。
棚卸をこまめに行う
棚卸は手間のかかる業務ですが、こまめに行う方が在庫管理を適切に行うことができます。
棚卸の作業頻度を短期間にすることで、在庫の差異や保管状態、倉庫スペースの使用状況などに問題が生じていたとしてもすぐに対応することが可能です。
棚卸の作業を行うまでの期間が長くなってしまうと、問題点に気付くまでの時間が遅くなります。問題の発見までに時間を要せば、どこで狂ってしまったのか分からなくなり、誤差自体が大きくなってしまうこともあります。
在庫管理を確実に行い無駄な時間を費やしたりミスを早期発見するためにも、棚卸はなるべくこまめに行いましょう。
在庫管理システムの導入
EC事業やネットショップを立ち上げたばかりの頃は規模が小さいため、商品在庫の管理はホワイトボードやExcelなどを使用したアナログな方法で行っていても問題はないでしょう。しかし規模が大きくなるにつれてアナログな手法では在庫管理が負担になってきます。
このような問題を抱えないためにも規模が小さなうちから在庫管理システムを利用することをオススメします。
在庫管理システムを使用することで在庫管理の効率がアナログな手段も格段に上がります。またシステムを利用することで作業が明確化され、ミスを減らすこともできるでしょう。
【オープンロジのご紹介】在庫管理を含めた物流全般は自動化が可能
在庫管理の業務は事業を経営していく上でとても大切な業務です。しかし在庫管理は工数が多く、時間をたくさん割く必要があるため、今の経営体制で在庫管理業務に注力するのは難しいと悩む事業者様もいるでしょう。
オープンロジでは在庫管理を含めた物流業務全般をすべて自動化することが可能です。ここからはオープンロジのご紹介をします。
EC事業やネットショップ運営での物流業務を自動化
EC事業やネットショップを運営し始めた最初の頃は規模も小さいため、在庫管理業務を自社で行っても負担と感じる事業者様も少ないです。しかし、事業が軌道に乗り始め規模が大きくなれば物量も増えていきます。すると、自社の倉庫ではスペースが足りなくなったり、在庫管理への手が回らなく後回しになってしまったりなど徐々に課題点が生まれてきます。
オープンロジではEC事業やネットショップ運営での在庫管理や発送業務を含めた物流業務をすべて自動化することが可能です。
業務軽減により他の基幹業務に注力できる
在庫管理や発送などの業務はEC事業、ネットショップを運営していく上で欠かすことができないものですが、業績が上がってきてるときこそ経営などの他業務に力を入れたいものです。物流業務を他社に任せることで、これからの経営方針を考えたり基幹業務に集中して取り組むことができる時間を作り出すことができます。
また、外部に委託することで社内で在庫管理をするよりも人件費や管理費などを削減できる可能性があります。オープンロジでは商品1点から対応することが可能なため、小規模のEC・ネットショップ事業者様でも利用することが可能です。
システム利用料・固定費なしの従量課金制
オープンロジのサービスは初期費用やシステム利用料などの固定費は無料です。また、料金も保管料は1日0.2円〜、配送料金につきましたは370円〜であり、使用した分だけ料金をお支払いいただきます。そのため、EC事業やネットショップ運営を始めたばかりの事業者様でも気軽にご利用いただくことが可能です。
なお、送料につきましても全国一律(沖縄・離島を除く)の配送料金設定のため、倉庫の立地を気にすることなくご利用いただけます。全国にパートナー倉庫を保有しているという点はオープンロジの強みといえるでしょう。
在庫管理を自動化して業務の軽減を図ろう!
今回は在庫管理について詳しくご紹介しました。EC事業やネットショップを経営していく中で在庫管理業務は売上が好調になるほど負担が大きくなるものの顕在化しないため、つい後回しにしてしまいがちの業務です。
しかし後回しにしても良いことはなく、商品在庫に差異が出てしまうなど後々問題が大きくなり大変な事態を招きかねません。事業をしっかりと経営していくためにも、早期に在庫管理の体制を確立させることが重要です。問題や課題点が発生する前にきちんと在庫管理と向き合い、見直しを図ることをオススメします。