OMOとは?意味や事例、オムニチャネルとのマーケティング戦略の違いを解説

2021年3月30日

OMOとは?意味や事例、オムニチャネルとのマーケティング戦略の違いを解説

EC業務に携わる方であれば必ず抑えておきたい用語が「OMO」という言葉です。OMOはインターネットを使った施策が主流となった現在、大きな注目を浴びているマーケティング戦略の一つと言われています。

今回の記事ではOMOについての概要はもちろんのこと、同じくマーケティング戦略の一つであるオムニチャネルと違いについて詳しく解説します。

OMOとは|オンラインとオフラインのが融合したマーケティング

OMOとは「Online Merges with Offline」を略した言葉で、オンラインとオフラインの情報を融合させてマーケティングに活用する手法のことを指します。OMOは2017年に元GoogleチャイナCEOである李開復によって提唱された概念です。

これまでは一般的にはオンラインとオフラインは別の世界であるという認識をされていました。しかしスマートフォンなどのモバイル機器の発達だけでなく、IoTを掲載したスマート家電などテクノロジーの発展により、これまでオフラインしかなかったものにもオンラインがどんどん浸透しています。そのような背景もあり、いわゆるユーザー体験がより重要視されるようになってきました。

このような状況に合わせて、さまざまな施策を仕掛けていくのがOMOマーケティングです。OMOマーケティングは、お客様目線でお客様の体験重視となるため従来のマーケティング手法とは視点が異なります。つまり「自社製品・サービスを通じてよりよい顧客体験を提供する」施策が必要となるのです。

このOMOが進んでいるといわれるのが中国です。スマートフォンでの電子決済が一般化しているだけでなく、中国はすべての情報がスマートフォンと個人IDと紐付いているとされ、スマートフォンさえあれば何でも完結する社会とされています。中国の巨大IT企業である「アリババ」や「テンセント」などは、OMOにより力を入れたサービス展開を数多く展開している企業の一つです。

O2Oとは|店舗からネット、ネットから店舗へ誘導するマーケティング

OMOの前に主流であったマーケティングの概念として「O2O」があります。O2Oとは「Online to Offline」の略称でオンラインの情報からオフラインの購買へ誘導するようなマーケティング手法のことをいいます。

つまりインターネットやSNS上で情報提供を行い、その後店舗へ導線を導いていくような施策となります。OMOとの違いは「インターネットとそれ以外」を完全に分けて考えている点です。具体的にO2Oで行う施策としては、インターネット上で限定クーポンを提供して、実店舗で使用できるようにしたり、SNSでモデルなどが着用した洋服などを発信し、店舗への来店を促すなどの手法があります。

O2Oのメリットは「顧客の動きの検証がしやすい」ことが挙げられます。例えば、インターネット限定クーポンを発行したときには、そのクーポンを使って来店された顧客数をカウントするだけで利用者数が簡単に把握できるため、情報分析などの知識がなくても効果が把握しやすいというメリットがあるのです。

O2Oがさらに段階的に進化した形がOMOであり、この後紹介するオムニチャネルもこのO2Oも併用しながら行うマーケティングアプローチとされています。

オムニチャネルとは|多角的な販売・流通チャネルからのアプローチ

オムニチャネルとは、実店舗やインターネットはもちろんのこと、カタログやDM、コールセンター、SNSなどの複数の販売チャネルと流通チャネルを取りまとめ、顧客と多くのポイントで接点を持ちながらアプローチをしていく販売戦略です。

オムニチャネルは会員情報や在庫情報はすべて一元管理されます。このときに顧客側が購買ポイントを意識することなく「前回はECで購入したけど、今回は実店舗で購入しよう」とするなど、自分が好きな場所で購入できるというメリットがあります。オムニチャネルは化粧品やスーパーなどの小売業界が主に導入している販売戦略でもあります。

OMOとの大きな違いは「オムニチャネルは企業目線の施策である」ということです。複数の販売チャネルを顧客情報や顧客情報を取りまとめ、どの経路・媒体でも同じ商品を購入できるために、情報の一元化によるデータベース管理や運用方法になります。

今では当たり前に感じますが、店舗とECサイト両方で会員ポイントが貯まるようになったのも、このようなオムニチャンネルで情報を一元化している結果といえます。企業側としても購買場所に関係なく、購入データが集められるようになりました。

つまりオムニチャンネルは、企業目線で顧客情報・行動すべての接点の境をなくし、多くの流通チャネルを提供する販売戦略となります。

戦略的OMOマーケティングのメリット3選

データを使った顧客分析

OMOが急速に進んだ理由として、スマートフォンなどのモバイルデバイスの普及も関係しています。これらのモバイルデバイスを通じて場所と時間を選ばずにデータを取得することが可能なのです。

そのデータを活用することにより、最適なタイミングでプロモーションやマーケティングを提供できるだけでなく、顧客目線での問題が発生した時はこれまでに無いスピードで改善すること望めます。

自社ホームページ内やアプリなどを活用して購入情報や店舗とのやりとりや行動データを蓄積していくことで、貴重な顧客データになります。が可能です。それらをその他の顧客データと掛け合わせることで、より深い顧客分析が可能になる重要なデータとなるのです。

これらのデータが蓄積されることで、顧客好みの商品をオススメとして広告表示させ確度の高いリピーターにリーチできるだけでなく、顧客側から見ても自分の好きなサービスを新たに提案してくれる形となるので、お互いにメリットが得られるでしょう。

顧客満足度で選んでもらうブランドに

ただサービスを提供するだけでなく、顧客満足度を重視するのがOMOの特徴のの一つです。データを分析し「どんな体験を提供したら顧客が喜ぶか」を前提にマーケティング戦略を立てます。

実例をあげると、中国の大手保険会社「平安(PINGAN)保険」が提供している医療健康アプリ「グッドドクター」というものがあります。これはアプリを通じて医療機関を予約できたり、オンライン診療が受けられるものです。

このアプリをリリースした背景には中国では病院の情報が整備されていなかったり、医療情報への不信感、そして大手病院の診察時間に偏った結果、待ち時間が長期化するなど多くの問題が起きていました。利用料は無料で、保険会社のユーザーではない人でも利用できます。ドクターは無料相談が可能な方から有料の方まで含まれますが、またウォーキングするとポイントが貯まり、ポイントに応じてサービスが受けれたり景品交換なども可能です。

ユーザー側のメリットとしては、体の調子が悪いユーザーが待ち時間なく診療が受けれるだけでなく、直接病院に行きたい場合もアプリから診療予約が可能です。そしてこれまで不透明だった医者や病院の評判もアプリ内で見ることができます。

企業側からの視点で見ると、ユーザーの情報がデータベース化されるので、一人一人のユーザーに適した営業ができるという部分がメリットであるといえるでしょう。

人気を示す数字として、このアプリを通じて毎日37万人の人が受診をしており、処方箋を出して薬を配達するサービスまで展開するなど、さらなる発展を遂げています。

このようにOMOはブランド名や価格だけでなく、顧客の悩みなどに応じてこれまでに経験したことのない価値を提供する商品開発が必要となるのです。

顧客体験を購買行動へのシームレス化

購買行動へのシームレス化もOMOの大きなメリットになります。例えば、これまで新幹線や飛行機に乗る場合を考えても、インターネットや窓口で予約を行い、当日はチケットを駅の窓口で発行したり、バーコードを印刷するなどの手順が必要でした。しかし、ここ数年でアプリで乗りたい時間のチケットの予約や決済のアプリ内で行い、当日もアプリ内のeチケットで乗車できるなど、購買行動のシームレス化が加速しています。

台湾では電動バイクのシェアリングシステムが発達しており、台北市とその周辺であればどこでも乗り捨てが可能であり、バイクの場所の検索や貸出から返却そして料金決済まで事前に情報を登録したアプリ内で完結するようなサービスです。気軽に移動できるという使いやすさだけでなく、UIもシンプルで簡単に使えることから現在人気を博しています。

このようなストレスのない、快適なサービス体験を提供できることで、顧客は商品に対してポジティブなイメージを持つことになります。これらの「良い顧客体験」を与えることで、商品やサービスのファンになってくれることが期待できるのです。

OMOマーケティングの手法3ポイント

データベースの連携で個人に基づいた分析

OMOマーケティングを行う上で大量のデータを取得しますが、ただ取得するだけでは宝の持ち腐れになってしまいます。その膨大なデータを読み取り分析できる体制も重要でしょう。

データを素早く分析して、スピーディーに自社サービスに反映させることはOMOマーケティングが主流になることが予想される今、求められる技術のひとつです。

データを顧客一人一人に反映させるまでの社内の体制作りは、OMOマーケティングを行う上での大きなポイントです。顧客との接点も近年マルチチャネル化によって増えていきますので、チャネルごとに素早くデータを反映させることも必要となるでしょう。

マルチチャネルで体験と購入の統合(x Commerce)

オンラインとオフラインの境目がなくなるOMOマーケティングでは、多様な手段で商品を体験・購入できるようにマルチチャネルを提供する必要があります。

特に多くの人がスマートフォンを持っている現代において、デジタル媒体は身近なものとなっています。そのため顧客は実店舗やECサイトを覗いているときだけでなく、あらゆる場面において購入意欲を刺激できる機会が豊富にあるということが言えます可。

これらの機会を逃さないために取り組むのが「x Commerce(クロスコマース)」と呼ばれる体験した後に生まれた衝動をそのまま購買へつなげる戦略です。

実際に行われた事例として、若い女性をターゲットにしたファッションショーである「東京ガールズコレクション」では、2019年に開催したときにECサイトと連動した「ステージ動画コマース」を採用し、実際に目の前のモデルが着ている洋服をリアルタイムで見て購入ができるような試みを実施しています。これ以外にもSNSに投稿された写真をタップするだけで購入できるようなシステムなど、より便利なシステムがすでにさまざまなところで導入されています。

アフターデジタル前提のUX(顧客体験)

OMOマーケティングをする上で、「アフターデジタル」という言葉は押さえておきたいところです。アフターデジタルとは、「オフラインとオンラインの境目がなくなり生活がデジタルに包括される」ことを指します。

つまり生活の中にすべてオンラインが浸透し、活用する時代がすぐに訪れようとしているのです。オンライン決済など既に一部そのような動きが活発化していますが、今後はアフターデジタル前提のユーザーエクスペリエンス(UX)、つまり顧客体験を念頭に置いて設計をする必要があるといえるでしょう。

OMOの事例:データを活かして独自の価値を提供する

Alibaba|中国のOMO

中国の大手企業「Alibaba(アリババ)」はECモール「Alibaba.com」「タオバオ(Taobao)」の運営や中国版YouTubeの「YOUKU(优酷)」、そして国内トップシェアを誇る電子マネー「Alipay(アリペイ)」などを展開する中国のデジタル化にも大きく貢献した企業の一つです。AlibabaはOMOによるマーケティング施策を多く取り入れていることでも有名です。

その一つに運営する「盒馬鮮生」というスーパーマーケットがあります。食品にそれぞれバーコードが付いているため、店内での決済は提供されている専用アプリによって決済が完了します。

アプリ内には動画でレシピなども提供され、その料理を作りたいと思ったらまとめて食材が購入できるだけでなく、自宅が店舗から3キロ以内であれば30分以内に配達してくれるサービスも提供しているため、シームレスな買い物体験が可能です。

さらに、一時期食品偽造問題などで食に対する不信感が広まった中国において、アプリ内で店舗内で売られている商品にはQRコードをスマートフォンで読み込むと産地など生産者が確認できる仕組みを作るなど、安心して買い物できる環境もデジタルで整えています。

店内にいけすを設置し、泳いでいる魚をそのまま持ち帰ることができたり、店舗で食材を調理してくれるなど、エンターテイメント性もあるとなっています。顧客体験と食の安全を兼ね備えた新たな消費体験を提供しているといえるでしょう。

ウォルマート|アメリカのOMO

アメリカの小売り最大手「ウォルマート」は、しのぎを削るライバル外車に対抗するためOMOマーケティングに多額の資金を投入し、成功を収めている事例です。

その施策の一つが、顧客が探しているアイテムを素早く見つけられるように店舗のストアマップ機能をアプリに導入したことです。ウォルマートでは、クリスマスやブラックフライデーなどの大きなイベントのときに、店舗のレイアウトが変更になることが多々あります。また、初めて訪れる店舗でも商品を探すために時間がかかる点が、顧客にとっては「マイナスポイント」でした。

このような顧客からみて不便に思うポイントを解決することで、快適な顧客体験を経験できるだけでなく、働く従業員にとっても案内する手間が省け、さらにはアプリを通じてどのような商品に興味を持っているかのデータ収集ができるため、双方にメリットがあるといえます。

これとは別に、ウォルマートではAIカメラを活用した「IRL」という最先端技術を集めた小型店舗もオープンさせています。店内に設置されたセンサーやカメラを活用して店内の情報を収集し、そのデータは在庫管理に活用され、従業員は最適なタイミングで商品を補充することができます。加えて、顧客から見ても商品の鮮度に対して安心して買い物をすることができます。

BEAMS|日本のOMO

日本におけるOMOマーケティングで成功を収めている事例に、セレクトショップ「BEAMS」が行った施策があります。

これまで実店舗とECサイトの顧客データや在庫データをバラバラに管理していたものを、BEAMSは2016年に統合し、顧客管理・在庫データの一元化を行いました。

その結果、顧客一人一人の購入情報を把握することができるようになり、店舗での細やかな接客だけでなく、ターゲティング広告やメルマガ配信など、より細やかなマーケティングも実現させることに成功し、これと同時期にオフィシャルサイトとオンラインショップの統合も行いました。

これだけでなく、アパレル商品ならではのサービスも展開。店頭スタッフのコーディネートをブログや動画で投稿するなどのコンテンツ発信を行った結果、スタッフ投稿コンテンツからの購入が大きく増加するなどの結果を得ました。

それに加えて「購入する前に商品を直接確かめた上で購入したい」という顧客ニーズを実現するために、事前にオンライン上で商品を選定し、色とサイズも伝えた上で最寄り店舗で試着できるサービスなどを導入しています。まさにOMOマーケティングによって顧客がよりよい体験ができるサービスを提供し、成功した戦略といえるでしょう。

【ご紹介】OMOの在庫管理なら、オープンロジにお任せ

2020年から5Gの利用が始まり、人々がインターネットと日常がより密接になる時代が始まるといわています。そのような時代背景の中でOMOによるマーケティング手法は、より活発化することが予想されます。顧客目線のマーケティング手法であるOMO導入により、顧客目線で何ができるかを考えると自ずと自社の方向性ややるべき内容が見えてくるものでしょう。

物流業務でいえば、実店舗とECサイトの顧客情報や在庫情報の一元化などはOMOを成功させるために重要なポイントとなる可能性があります。

オープンロジでは物流業務全体に関わるシステム、オペレーション、サービスを一貫して提供しているプラットフォームを提供しています。商品の受注から配送まではもちろんのこと、在庫管理もオンライン環境さえあれば管理が可能です。

複数の媒体・経路での商品の販売・管理を行っている場合でも、ストレスなく在庫の一元管理を実現することができるでしょう。それだけでなく、働く従業員の働きやすさも向上や、正確な在庫管理環境を整えることで、顧客満足度も向上が望めます。OMOの推進を検討されているのであれば、オープンロジによる在庫管理の一元化も一緒に検討してみてはいかがでしょうか。

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