メーカー直販とは|メリット・デメリットや事例・成功のポイントを詳しくご紹介

2021年5月7日

メーカー直販とは|メリット・デメリットや事例・成功のポイントを詳しくご紹介

ECの市場拡大が顕著になっている今、既に自社メーカーの商品はあるものの、卸売や小売を通して販売をしているため、新たに直販という販路を開拓したいと考えている事業者様は近年増加傾向にあります。

「メーカー直販」と呼ばれるこの販売手法は、そもそもどのようなものなのか、今一度理解を深めたい事業者様も多いでしょう。今回は、メーカー直販について概要や事例、メリットやデメリットの他、成功のために押さえておきたいポイントまで詳しくご紹介します。

メーカー直販を考えている事業者様はぜひ参考してください。

メーカー直販の概要

メーカー直販についてまずは基礎的な見識を深めていきましょう。

メーカー直販とは

「メーカー直販」とはその名の通り、自社メーカー商品を製造している事業者が直接顧客に商品を販売することを指します。一昔前までは事業者が商品を販売する経路と言えば「問屋に商品を卸す」「実店舗にて直接販売する」といった手法が一般的でした。

しかし、現在はECが急速に普及したことや外出が難しい世界情勢が続いていることもあり、メーカー直販に販路を拡げる事業者様も増加傾向にあります。

もちろん、現在も前者の方法で自社メーカー商品を販売している事業者は多く存在し、メインの販売経路として多く活用されています。また、昔ながらの販売方法により培ってきた知名度やブランドのネームバリューがあることは自社メーカーを持っている事業者ならではの特徴であり、ECからスタートしたD2Cには無いものです。そのため、ECを活用したメーカー直販において大きな強みとなることは間違いないでしょう。

メーカー直販限定の商品を出すなど今までには無い稀少性を出すことも、ECを活用したこの販売手法では可能です。これから更なる売上の増加を狙っている事業者はもちろん、販路を拡げていきたいと考えている事業者にとってもメーカ^直販は魅力的な手段であると言えるでしょう。

メーカー直販の事例

ここではメーカー直販の実際の事例を企業別にご紹介いたします。

NIKE

https://www.nike.com/jp/

NIKEは誰もが知る世界的に有名な企業のひとつです。同社は商品を主に卸を通して販売するといった戦略を以前まではとっていましたが、近年は卸売・小売パートナーを減らしていることからも、メインの販売方法を徐々にD2Cへと移行させているのが伺えます。それに加え、2019年にはAmazonから撤退し、本格的にD2Cへと転換したことは記憶に新しい方も多いでしょう。

メーカー直販に舵を切ったNIKEのデジタル収益は2019年四半期の業績報告によると75%増であり、総収益の3割をも占める結果となっています。

また昨今のコロナ禍で同社は、室内でも行うことができるエクササイズを紹介するとともに、著名人を起用した商品のプロモーションを行い、マーケティングを成功させることで逆境を乗り越えています。

それに加えてNike Liveでは、アプリを通して気軽に質問ができる「Nike Store Chat (LINE)」、足をスキャンすることで最適な商品を見つけられる「Nike Fit(ナイキ フィット)」、手軽に商品の予約や購入ができる「NIKE アプリ・アット・リテール」といった新しい取り組みも行っており、これから益々事業規模が拡大していこうとしている姿勢が伝わります。

既に知名度を誇る同社ですが、メーカー直販へと本格的に参入するに当たっては集客や販促活動にもしっかりと注力していることが伺えます。

土屋鞄製造所

https://tsuchiya-kaban.jp/

職人がひとつひとつの製品を仕上げるその丁寧な手仕事で仕上げられた鞄などの革製品が人気の土屋鞄製造所は、関東や関西といった国内だけでなく台北や香港といった海外にも実店舗を構えています。

国内だけでなく国外にも販路を拡げている同社ですが、ECへ参入したのは2000年のことでした。当初は数年置きにストアリニューアルを行っていましたが、スピード感が求められるEC業界に乗り遅れることなく、お客様へ向けてより良いサービスを提供すべくShopifyを導入しストアを一新しました。それと同時に社内での体制も新たに構成するなどし、ECを本格的に軌道に乗せる手筈を整えています。

商品を直接手に取り、その質やサイズ感をリアルに体感できる実店舗を運営しつつ、全国各地のお客様に商品を届けることのできる販路であるECを同時に運営することで、自社の売上だけでなくブランドの知名度もますます高いものへと成長させることができています。

「ものづくり」にこだわりを持つ同社だからこそ、その魅力を周知するためのマーケティング戦略は必要不可欠だと考えています。土屋鞄製造所の事例からは、その手段としてECを取り入れるというのも方法のひとつとして有効であることが伝わります。

KANAGU STORE

https://kanagu-store.com/

大量生産や使い捨てではなく、職人がひとつひとつ作り上げた丁寧な趣のある商品を取り扱うKANAGU STOREは、1903年に創業したアトムリビンテック株式会社が運営しています。

実店舗の運営も行っている同社の売上は年商100億を越えており、その人気ぶりが伺えます。サイトデザインは洗練されており無駄が無く、商品の説明がとても丁寧であることが特徴です。直接商品を手に取って触る事ができないECストアだからこそ、丁寧な説明があることで商品の雰囲気や質感を知ることができます。

またSNSとの連携も完備しており、購入までの導線が築かれているのも特徴のひとつです。

昔ながらの趣ある商品の雰囲気はそのままに、時代に合わせた販路を開拓している同社だからこそ、多くのお客様へリーチをかけることに成功しているといえるでしょう。

メーカー直販のメリット

ここではメーカー直販のメリットについてご紹介します。

メリット1:ターゲットユーザーを限定することができる

メリット1つ目は「ターゲットユーザーを限定することができる」ことです。

メーカー商品を卸売・小売のルートで販売する場合、幅広い層にリーチをかけることができますが、逆に言えばメーカーの本来狙っていきたいターゲットから外れた層にもアクションを起こしてしまうことになってしまうとも言えます。

一見、多くのユーザーに向けてアプローチするのは良いことのように思えます。しかし、商品にあまり興味がなく目にしたとしても購入までに至らないところへと積極的に行動を起こすことで、売上に繋がらない余計なリソースを割いてしまう結果を招いたり、商品に対して基礎知識がないばかりに余計な問い合わせが増えてしまったりといったデメリットが発生する可能性が高まることが懸念点として存在します。

メーカー直販を行うことでその懸念を払拭し、本来自分たちが狙っていきたかったターゲットユーザーに標準を絞って商品を販売することが可能になります。ターゲットを限定することでコンバージョンに結び付けられる可能性を高めることができるだけでなく、不要な問い合わせを減らすことも望めるため、サポートにかかるコストを減らす効果も望めるでしょう。

メリット2:マーケティングの柔軟性が高い

メリット2つ目は「マーケティングの柔軟性が高い」ことです。

卸や小売店を通して販売を行う場合には直接メーカー自身がユーザーに販売を執り行うわけではないため、必ずしもメーカーが狙った通りのマーケティングができるとは限りません。ですが自社メーカーの直販サイトならば、比較的自由にマーケティングを行うことが可能です。

自社でECストアを立ち上げれば、年齢層や地域といった利用ユーザーの詳細やどの商品が人気なのかといった具体的なデータを得ることも比較的容易にできます。またテスト的に商品を販売して先々の商品販売戦略を練ることも可能です。間に卸や小売店を介すことで簡単に出来なかった部分が、メーカー直販によって解消されるのは大きなメリットと言えるでしょう。

マーケティングの柔軟性が高くなればその分挑戦できることも増えるため、事業を拡げる可能性が高まります。これからさらにメーカーの規模を大きくしていくことを望むのならば、メーカー直販という販路を切り開いていくのもひとつの方法でしょう。

メリット3:価格競争が起こりにくい

メリット3つ目は「価格競争が起こりにくい」ことです。

たくさんの類似商品と並び販売する形態の場合、周りの価格競争に巻き込まれるリスクがあるのは否めません。一方でメーカー直販の場合はECストアをメーカー自身で構えるため、他ストアの干渉を受けにくく価格競争が起こりにくいということがメリットとして挙げられます。

価格競争が起こってしまうと、商品に適性とされる価格からどんどん下がってしまい利益が望めなくなるといったデメリットだけでなく、極端に低い価格によりブランドの価値自体が低く見られてしまう可能性が高まるといったことも考えられます。

適した価格でお客様に商品を提供することは、ブランドイメージの確立にも繋がる重要な要素です。昨今では極端に安い価格にて提供されている商品も数多くありますが、自社メーカーのニーズにそぐわなければ必ずしもその流れに乗る必要はありません。しっかりと自社ならではブランディングを行うことが重要です。

ブランドイメージを維持し価格競争を避けるためにも、メーカー直販は有効な手段であるといえるでしょう。

メーカー直販のデメリット

メーカー直販にはメリットだけでなくデメリットももちろん存在します。しかし、事前に知っておくことで対策を打つことが可能です。この機会にしっかりと把握しておきましょう。

デメリット1:立ち上げにコストがかかる

デメリットの1つ目は「立ち上げにコストがかかる」ことです。

新たにメーカー直販を行う場所・ECを立ち上げるためには、当たり前ですがコストがかかります。サイト立ち上げのための金銭的なコストはもちろんですが、新たなプロジェクトを進めるための人員やリソースといった部分のコストも見逃すことはできません。

新たな販路を開拓するには多くの部分で新たなコストが発生することが予想されますが、販路を拡げることでそれ以上の利益が望める可能性があります。また、メーカー直販のECを立ち上げる方法によりコスト負担は大幅に異なるため、立ち上げ前にしっかりと市場調査をすることが重要になってくるでしょう。

ECサイトの立ち上げは、一昔前まで多額の資金を投入する必要があるハイリスクな挑戦でしたが、現在では限られたコストでも充分本格的なストアを作り上げることができます。自社メーカーのブランドや雰囲気を大切にするのはもちろん必要なことですが、かかるコストも重要な項目のひとつです。

必要な機能を精査して、自社の意向に沿った無駄のないストア作りができる場所・企業を見つけられることができれば、コストを押さえることにも繋がります。そのためにも事前の市場調査並びに自社の予算などの精査は必要不可欠です。新規に立ち上げる事業を成功させるためにも、しっかりとコストと向き合うことが求められます。

デメリット2:認知度を高めなければいけない

デメリットの2つ目は「認知度を高めなければいけない」ことです。

既に認知度を獲得しているメーカーであれば、新たにメーカー直販を開始する際には集客に苦労をすることはないかもしれません。とはいえ、現在持っている認知度だけを頼りにするばかりではこれから先の集客や売上に繋がらない可能性があるため、常に集客や認知ついては高める努力が必要です。

一方、現時点で知名度が低い場合は集客力も低いため、事業を成功させるにはこれから認知度を高めていく必要があります。SNSや広告媒体を利用するなどして、お客様の目に触れる機会を積極的に増やしていきましょう。既に実店舗がある場合にはその店舗から情報を発信するのもひとつの方法です。

メーカー直販のECストアはまずその存在を知ってもらうことが肝心です。ストアがあるということを知ってもらわなければ、見て貰えないだけでなく売上にも繋げることはできません。新たにメーカー直販を開始する時には、卸売や小売とは違った今までとは異なる集客方法や宣伝方法を考える必要があるといえるでしょう。

デメリット3:常に最新の顧客ニーズを把握する必要がある

デメリットの3つ目は「常に最新の顧客ニーズを把握する必要がある」ことです。

時代の流行は常に移り変わっており、その影響はECにも及んでいます。そのため、常に世の中の動向を把握することはもちろん、顧客が求めているニーズもしっかりと認識する必要があるといえるでしょう。

メーカー直販の販売経路であるECでは常に最新の情報を反映していくことが求められます。お客様がストアを見た際に情報が他のストアよりも古かったり操作性が悪かったりすれば、類似商品を扱う便利なストアに流れていってしまう可能性も否めません。またメーカーの商品が既に獲得している顧客のニーズからずれてしまえば、顧客離れにを招く可能性があります。

どの分野にも言えることですが、流行は常に変化していくものです。新たにメーカー直販のECサイトを立ち上げるときには、今まで以上に流行や顧客のニーズの把握に努める必要があるでしょう。

顧客のデータや意見・感想といった必要な情報を集めるために必要な機能は、ECストアのプラットフォームに標準装備されている、もしくはオプションとして用意されていることがほとんどです。欲しい情報に合わせてストアをカスタマイズするのも良いでしょう。

まずは自社メーカーにとってどのような顧客情報を必要なのか、きちんと洗い出してみることをおすすめします。

メーカー直販成功のポイント

メーカー直販を成功させるためにはいくつか押さえておきたいポイントがあります。

ポイント1:卸先・小売先との価格のバランスに注意

卸売や小売を通して既に販売している自社商品を、メーカー直販で販売しようと考えている事業者様も多いのではないでしょうか。その際には価格のバランスに配慮する必要があります。

仮に、商品価格を販売店よりも安く設定してしまえば、販売店との関係性が悪くなり最悪契約を打ち切らなければいけなくなる可能性も考えなければいけません。完全にメーカー直販に切り替えるつもりだとしても、販売店からの評判が悪くなることでそのことがお客様の耳に入り、ブランドの評価が下がってしまうことも考えられます。

これらのトラブルを避けるためには「メーカー直販の際にも販売店と変わらぬ価格で商品を提供する」ことが手段として取られる場合が多く見受けられます。同じ価格なら販売店からもお客様からも違和感を抱かれることは少ないのです。

もし、メーカー直販に付加価値を付けたいのならば、直販ストアでしか得ることができない特典を付けたりメーカー直販のみの商品を販売したりなどするのもひとつの策です。

メーカー直販を新たにスタートする際には、自社とお客様のことばかりを考えて優先するのではなく、卸売や小売先のこともしっかりと念頭に入れることが大切です。

ポイント2:ブランドイメージの確立と認知拡大

メーカー直販で商品を販売する場合は、温度感の高いお客様がストアに訪れることが多いため商品の購入に結びつく可能性が高いと言われています。その温度感の高いお客様に継続的に利用していただくためには、ブランドイメージの確立が必要不可欠です。

仮にブランドのイメージが不確かなものであれば、お客様の印象に残らないばかりか「ブランドが安定しない」といった不安を抱いてしまう原因となり、購買意欲を低下させてしまう可能性も否めません。

メーカー直販のECにおいてリピーターの獲得は課題のひとつです。定期的に購入してくれる顧客を確保することで売上の安定に繋がるだけでなく、その顧客からの口コミによって新規顧客の取得も望めます。新規の顧客が増える分、ブランド認知度が高まると共に利益拡大も期待できるでしょう。

ブランドの認知性を高めるためには顧客の確保やブランドイメージの確立も方法のひとつですが、昨今ではSNSも有効な手段として注目を浴びています。

メーカーのイメージや顧客層により認知度を拡大するために効果的な手段は異なります。自社にとってどの手段が最適なのか、メーカー直販の事業を軌道に乗せるためにもしっかりと検討することをおすすめします。

ポイント3:消費者とのコミュニケーション(SNSやカスタマーサポートなど)

メーカー直販のメリットのひとつに「消費者との距離が近い」ことが挙げられます。メーカー直販は文字通りメーカーとお客様が直にやりとりを行うため、お客様の顧客情報だけでなく商品やストアに対しての意見や使い心地などのリアルな声もすぐに聞くことができます。

情報を得る手段としてはSNSやカスタマーサポートが主に挙げられるでしょう。実際に頂いた反応を元に新商品を開発したりストアを改善したりなど、すぐに行動を起こせばお客様の離脱を防ぐ対策にもなります。

ECの運用は商品の販売だけでなくストアの作成・運営、物流など多岐に渡る業務があるため、なかなかカスタマー対応やSNS運営までリソースを割くことが難しいと懸念している事業者様もいるかもしれません。しかし、ECの業務は外部に委託できるものも存在します。外部に任せられる業務を手放すことで多くのリソースを確保できます。

自社でしか出来ない業務へ注力するために外注を利用するのも方法のひとつです。次のセクションでは物流外注について詳しく記載しているので、良ければ参考にしてください。

【コラム】物流外注は事業拡大に必須?

物流はEC事業において切っても切り離せない密接な関係にあります。では、その業務を外部に委託することと、メーカー直販のEC規模を拡大することには一体どのような影響があるのでしょうか。ここでは物流外注で得られるメリットを中心にご紹介します。

物流業務にかかるリソースは多い

「事業が軌道に乗るまで物流は自社で行おう」と考えている事業者様は多くいます。しかし実際に物流業務を自社で行うとなると早期のうちにリソースがパンクし、発送作業が遅延したり誤配送をしてしまったりなどトラブルが頻繁に起こり、お客様に迷惑をかけてしまうことも考えられます。

事実、このような課題を抱えてから物流を外注する事業者様の数は決して少なくありません。せっかく新規に事業を立ち上げるのならば、アクシデントはなるべく少なくありたいものです。

また、物流はお客様と直接関係のある業務のため、トラブルがあればブランドのイメージに直結してしまうことでイメージの低下を招きかねません。トラブルの発生件数は全体の数からすれば少ないかもしれませんが、ひとつの悪評が大きな波紋を呼ぶこともECでは珍しくないため、意識して気を付けていきたいポイントだとも言えます。

一日のうちに使えるリソースは限られています。限定されたリソースの中で業務を運用するための手段として物流の外注は、真っ先に検討すべき手段のひとつです。課題を抱える前に早めに検討しておくことが望ましいといえるでしょう。

自社で行うよりも外注した方がコストが抑えられる可能性

物流業務はだた上品を梱包して送るだけではありません。商品が破損していないか不良品ではないかを検品したり、在庫を管理したり、伝票を作成したりなど、その業務は細分化されており意外と時間がかかるものです。

確かに、自社で行えばその分のコストは浮くでしょう。しかしリソースが大幅に取られることによりストアの改善やお客様の対応といった基幹業務が疎かになってしまうリスクが高まることも忘れてはいけません。せっかくメーカー直販に着手したのに結果的に事業がうまくいかなかったとなれば本末転倒です。

また、自社で梱包資材を手配したり保管場所を確保するためにもコストが発生します。商品によっては温度や湿度の管理も必要となるでしょう。保管場所にかかる電気代などの光熱費も物流コストのひとつです。仮にSNSでバズるといったことをきっかけに急激に忙しくなれば人手を増強することを余儀なくされ、人材コストが発生する可能性もあります。

物流を外注することで、これらのコストが抑えられる可能性があります。外部に任せられる物流業務は外注業者により異なりますが、自社にとって負担となる業務を一括して任せれば、その分空いたリソースは他の業務に回すことができます。また、急に訪れる繁忙期にも対応してもらうことができるため、こちらが余計な人件費をかける必要もありません。

自社で物流業務を内製化するには時間もコストも多くかかってしまいます。必要なときに必要なだけ利用できる物流外注を利用することで、無駄なコストをかけることなく本来力を入れるべき基幹業務や集客といった重要な部分に集中できるのは、メーカー直販において見逃せないポイントといえるでしょう。

小規模の段階で外注すれば事業拡大時のボトルネックを未然に解消

事業が軌道に乗る前の小規模な段階で物流を外注するのは気が早いと感じるかもしれません。しかし実は早い段階で物流を外注することで得られるメリットは多くあります。

事業規模の小さなうちに物流を外注しておけば、いざ物量が急激に増えたときでも慌てることなく対応可能です。もちろんその他の業務量や問い合わせは比例して増えるでしょう。しかし、多くのリソースを消費する物流業務は既に外注にお任せしてしまっているので、そこに気を回す必要がなく、他の業務に集中して取り組むことが可能な環境が維持できます。

また小さな規模から大きな規模にフェーズが移り変わっていく際には、物流業務の負荷が上がるだけでなく、集客やサイトの構築・新商品の開発などの部分もさらに強化していく必要があります。自社の状況によっては人員編成や業務フローを改変しなければいけないといったことも出てくるでしょう。その必要性が生じた際に、ルーティンワークと化している物流が手を離れていなければ肝心な業務の妨げになり、事業成長のボトルネックとなりかねません。

課題を抱えたときに物流の外注を検討し始めるのはややリスクがあるといえます。検討自体に時間を要しますし、新たに業務体制を構築していくのにも大きな負担が発生します。ある程度余裕のある事業駆け出しの段階で物流の面も外注するなどしてしっかりと整えておけば、このボトルネックとなる事象は防ぐことが可能です。

「自社内で業務を回すのが厳しくなってから」という判断もひとつの選択肢ですが、その選択をする前に今一度、物流外注も検討対象に入れてみてはいかがでしょうか。

メーカー直販はブランディングと集客対策がポイント

既に卸売や小売店にて自社メーカー商品を販売している事業者にとって、メーカー直販という販路はひとつの販路拡大の有効な手段です。メーカー直販は他の業者を挟まない販売方法のためお客様との距離が近く、実際の声をすぐに反映することができるのが魅力の一つと言えます。

ですが、お客様や自社の都合ばかり考えていては、今まで行ってきた卸売・小売販売の関係性が悪化してしまう可能性もあるので、価格や販売方法は慎重に考える必要があります。また、集客やブランディングの方法もメーカー直販ならではの戦略を立てることが求められるので、新規に事業を立ち上げる場合には多くのリソースを確保することが必要でしょう。

そのためにも業務内容の精査は必要不可欠です。今までの自社業務を見直し、メーカー直販をスタートさせる際に負担になりそうな業務は外注するなどして効率性を高めるのが望ましいでしょう。物流はルーティンワークになりがちであり、外部のプロに任せることでリソースが軽減されるだけでなく、業務品質を安定させることもできる業務のひとつです。この機会にぜひ物流外注を検討してみてはいかがでしょうか。

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オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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