物流サービスとは|サービスの種類や物流業務の抱えるリスクについて徹底解説

2021年4月22日

物流サービスとは|サービスの種類や物流業務の抱えるリスクについて徹底解説

物流サービスとは、入出庫や検品、梱包、配送など、物流に関わるさまざまな業務を物流事業者が代行するサービスのことです。近年ではEC市場の発展なども手伝って物流サービスの需要は高まりを見せており、サービスを提供する側である物流事業者も増えてきました。

受注や流通加工、在庫管理、国内外への発送など多くのサービスを活用することで、これまで社内で処理していた物流業務から手を離すことができると同時に、業務効率が格段に向上して生産性を高められる可能性は高まります。

今回は、そんな物流サービスの種類や物流業務が抱えているリスクについて分かりやすく解説します。物流サービスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

受注・流通加工サービス

まずは、ユーザーからの注文処理をサポートする「受注業務サービス」と、出荷する商品に加工を施す「流通加工サービス」の2種類のサービスについて詳しく解説します。

受発注の管理システムを提供

物流サービスの大きな業務のひとつに、受発注管理システムの提供があります。受注業務はユーザーからの注文を受けて在庫確認を行い、倉庫への出荷指示を作成するという流れで進んでいきます。スピーディーに受注業務を進めなければ次の段階となる倉庫業務を行うことができず、ユーザーのもとに商品が到着する時期がどんどん遅れていくことでしょう。

受発注業務を手作業で行うとヒューマンエラーが発生しやすく、受注量が増えれば増えるほど業務にかかる手間は膨大になります。そこで、受発注管理に特化したシステムを利用することにより、業務の一部を自動化して効率的に受発注業務を処理できるようになるのです

処理の抜け漏れを防ぎ、出荷指示のミスなどを防止する意味でも、受発注管理システムを導入して作業の効率化を図ることは重要です。

販促加工

販促加工は商品に新たな価値を付加する上で大切な役割を果たします。例えば衣料品の検品・検針を行っていることを示すシールを貼り付けることで、ユーザーは安心して商品を購入・利用できるようになり、信頼性の向上が期待できるでしょう。

商品を販売するにあたってユーザーが価値を感じる加工を施すことで、何もない状態よりも顧客満足度を高められる可能性は高まります

キャンディーやチョコレートのような小さな食品を一定個数袋詰めしたり、小分けにしたりする作業も販促加工に含まれます。アパレル分野でハンガー掛けを行うのもひとつといえるでしょう。

また、商品を梱包する際にギフト用のラッピングを施したり、メッセージカードを封入したりする加工を請け負っている業者もあります。

生産加工

生産加工は、食品の切り分けや組み立てが必要な商品のセット組みなどを行うサービスです。パソコンや家電などの精密機器・家電の組み立てや利用開始前のセットアップなど、さまざまな作業を担ってくれます。

また、専門のスキルを持つ人でなければ扱いにくい反物の巻き直しや裁断を行ってくれるサービスを提供している事業者もあります。

さらに、物流業務のひとつである梱包も生産加工に含まれます。商品の性質によっては特殊な梱包を行わなければならないならないものもあるので、上手く物流サービスを活用することで社内で専用の梱包材を抱えておく必要がなくなるというメリットがあります。

WMS

WMSは日本語で「倉庫管理システム」のことを表しています。入出庫業務や在庫管理などの庫内業務全般をIT技術でデジタル化するサービスであり、倉庫の規模や種類、管理する拠点数などに応じて多種多様なサービスが提供されています。

在庫管理システム

在庫管理システムは、「入庫」「出庫」「棚卸」の3つの業務の管理に特化しているシステムです。入庫は倉庫に届いた荷物を仕分けて倉庫内の保管場所に収める業務のことです。積み荷を降ろして倉庫の棚に商品を追加する際に、入荷数量分の在庫が増えることになります。この増加分の在庫を反映する上で、在庫管理システムが活躍します。

また、出庫業務は入庫と逆に「倉庫に保管されている商品を取り出して梱包し、配送トラックに載せて送り出す作業」のことを指しています。倉庫から商品を取り出す際にも、該当の数量を在庫から引き落とす作業が必要になるでしょう。

倉庫全体の在庫の数を数える「棚卸」は、在庫を適切に管理する上で定期的に行うべき重要な業務のひとつです。人の手で行う場合は倉庫スタッフが一つひとつ手動で数を数えて記録しますが、在庫管理システムでは商品のバーコードをハンディターミナルなどで読み取って数量を記録します。

それぞれの業務はアナログで処理することも不可能ではなく、エクセルなどを活用して手動で管理している企業は未だに多いです。しかし、アナログな管理は手間がかかるだけでなくヒューマンエラーが発生しやすいので、在庫差異の原因になります。

在庫管理システムを活用することで人の手で行わなければならない業務を自動化できることから、在庫管理業務を大幅に自動化できます。

出入庫や商品の管理

出入庫や商品管理を行うにあたって、WMSの導入は業務の効率化に大きく貢献します。前述のように入庫や出庫、棚卸などの業務をスムーズに行うことはもちろん、商品を保管する際にもWMSは活躍します。

倉庫の棚から注文に基づいて商品を取り出す「ピッキング」を効率的に行うには、商品を取りに行く順番が重要です。倉庫内の導線を整備することによって最適なルートで商品を回収できるようになり、一件ごとの処理時間を短縮することができるでしょう

商品の保管場所を決める「ロケーション管理」は、WMSを導入することでシステムが自動的に導線を設計してくれます。システムが示すとおりにピッキング作業を行うだけで、経験が浅いスタッフでも最適なルートで商品を集められるようになり、倉庫内全体で業務を標準化する効果も期待できます。

配送サービス

物流サービスにおける配送は、国内配送、国外配送、冷凍・冷蔵品を配送するコールドチェーンなどがあります。それぞれの特徴について分かりやすく解説します。

国内物流

日本国内のユーザーに商品を発送する国内物流には、トラックに荷物を積み込んで配送する方法や航空便、船便などがあります。国内ではトラック輸送が大部分を占めており、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの大手運送会社と契約してユーザーのもとへ商品を届けるケースが多いでしょう。

配送先のエリアや配送する商品の種類によって適切な配送方法は異なることから、事前にどの配送を採用するのか十分に検討する必要があるといえます。場合によっては自社で配送車を用意する「自社便」によってユーザーに直接商品を届けている事業者もあります。

物流倉庫などに商品を預けている場合は、倉庫が独自に用意した配送車に商品を積み込み、ユーザーに商品を届けるところまで代行しているケースが多いといえます。

国内物流の配送サービスは海外発送に比べると料金が割安に収まる可能性が高いものの、発送元や発送先、商品のサイズなどによって価格が大きく変動します。

ECサイトなどでは基本的にユーザーに送料を負担してもらい、一定金額を上回ると配送料が無料になるなどの規定を設けている事業者が多い傾向にありますが、損益分岐点をしっかりと計算しなければ配送コストが大きな負担になる可能性もあるので注意が必要です。

国外物流

事業の内容によっては、国内だけでなく海外に商品を発送する場合もあるでしょう、ECサイトで海外ユーザー向けに商品を販売する「越境EC」などが広がっている背景もあり、近年では海外発送サービスを提供している物流事業者がも増えてきています。

海外発送を行うには、通関書類の作成やインボイスの発行など国内発送にはない手続きが必要になります。国内向けに事業を営むよりも物流業務には手間がかかる傾向にあり、十分なノウハウがなければ自社物流の実現は難易度が高くなります

海外に商品を発送する手段にも複数の選択肢があり、国際EMSや国際eパケット、DHL、FedEx、航空便、船便などさまざまです。国内発送に比べると商品到着までに長い時間がかかることも多いので、どの手段が最適なのかを事前に検討した上でどの配送方法を採用するのか決定することが大切です。

通関書類やインボイスの発行に関しては、物流倉庫がオプションサービスで代行してくれることもあります。自社で用意するのが難しい場合は、海外発送を書類の作成も含めて代行できる業者を選ぶことをおすすめします。

定温・冷凍・冷蔵品に対応した物流

事業を行うにあたって扱う商品はさまざまであり、通常の温度で管理しても品質に影響が出ない常温商品だけでなく、冷凍・冷蔵品などの温度管理が必要不可欠な商品も数多くあります。冷凍・冷蔵品はそれぞれの商品に適した温度帯の倉庫で管理する必要があるので、常温の倉庫で保管する商品に比べて管理の難易度は高くなります

冷凍・冷蔵品は商品を生産してからユーザーの手元に商品が届くまで、常に同一の温度帯を維持して品質を劣化させないようにしなければなりません。少しでも最適な温度帯を外れると味が落ちたり商品として販売できなくなったりして、廃棄に直結するケースもあるでしょう。

常温倉庫で保管されている商品を扱うものだけでなく、冷凍・冷蔵品のような温度管理が必要な商品を扱う「コールドチェーン」を用意している物流倉庫も最近ではよく見られます。冷凍・冷蔵品の配送サービスが提供されることで商品を高品質で長く保管し続けられるようになり、配送先が遠方であっても自社の商品を届けられます。

温度帯別に管理できる配送サービスを活用することで、これまでは商品の販売が難しかったエリアにも商圏を拡大できる可能性が広がります。

【コラム】フルフィルメントサービスとは

フルフィルメントサービスとは、物流業務全般をサポートする一連のサービスを一括で提供することを指しています。フルフィルメントサービスを上手く活用することで自社の業務を大幅に効率化し、作業負担の軽減やコストの削減を期待できます。

物流を一括で管理・代行

フルフィルメントサービスを利用すると、入庫や出庫、梱包や配送などの物流業務を一括で管理・代行できます。従来は自社で倉庫を所有して商品を管理し、配送業務も輸配送車の手配から自社で行うのが一般的でしたが、最近ではさまざまな事業者が登場したこともあり、フルフィルメントサービスを利用する企業は増えてきています。

倉庫の設備を用意し、高いスキルを持ったスタッフを揃えなければならない自社物流の構築は中小企業や小規模事業者にとってはハードルが高い状況にありました。このことから、物流をすべて任せられるフルフィルメントサービスは使い勝手の良いサービスであるといえます。

特に、最近ではインターネットやモバイル端末の普及によるEC市場の発展により、ECサイトを通じて商品の販売を行う事業者は増加しています。ECサイトを展開する事業者は少数精鋭でショップを運営しているケースも多く、十分な物流品質を維持しながら商品の維持・管理・配送を行うのが難しい場合も多いといえます。

このような場合にフルフィルメントサービスを取り入れることで、業務を効率化すると同時に顧客満足度の高い物流の提供が可能になります

また、フルフィルメントサービスを提供している事業者の中には、入出庫や配送業務だけでなく問い合わせ対応などのカスタマーサービスを含めて委託できる場合もあります。ユーザーからの問い合わせ対応には非常に手間と時間がかかるので、委託によって大きく業務を効率化できる可能性は高いでしょう。

物流業務を一部のみ任せることもできる

物流業務全般をサポートしてくれるフルフィルメントサービスですが、一部の業務のみを任せることも可能です。例えば「商品を保管する場所が不足しているので倉庫に保管しておいてもらいたいが、配送は自社のトラックを使って行いたい」などの要望にも柔軟に対応できるケースが多いといえます。

また、冷凍・冷蔵品などの管理や配送に手間がかかる一部の商品だけをフルフィルメントサービスに任せて、通常の商品は自社で対応するなど、使い方によってさまざまなオペレーションが考えられるでしょう。

不足している部分に取り入れることで自社の業務効率を最大化できるのが、フルフィルメントサービスの最大のメリットであるといえます

中には「越境ECで海外進出したいが、海外配送のための書類作成に手間がかかる」という課題を解消するために海外発送用の荷物のみを委託し、通関書類やインボイスの作成などを代行してもらって海外発送するようなケースもあります。

フルフィルメントサービスを利用するメリット

フルフィルメントサービスを利用するメリットとして、次の3つが挙げられます。自社物流では対応しきれない部分も手広くカバーできるので、上手く活用して自社の負担を軽減するのがおすすめです。

メリット1:売上の変動にも臨機応変に対応可能

物流業務に繁忙期と閑散期が生じるのは一般的で、1年間を通じて常に同じ作業量があるというわけではありません。

そのため、繁忙期と閑散期どちらかに合わせて一定の人員を確保し続けると企業にとってはデメリットが大きいといえます。例えば繁忙期の水準に合わせて作業員を確保すると閑散期に入った時に労働力が余ってしまい、作業に必要としていないスタッフを維持し続けるための人件費がかかり続けることになります。

しかし、閑散期の状態に合わせて最小限のスタッフを抱えておくことにもリスクがあります。少数のスタッフを抱えて業務を行っていると、予想できない波動などで急激に受注量が増加したときに対応しきれず、トラブルに発展する可能性があるでしょう。

繁忙期に差し掛かるにあたって新たなスタッフを採用しようと思っても、すぐに希望するだけの労働力を確保できるとは限りません。本来必要なスタッフを確保できない状態で繁忙期の業務に臨むと、一人ひとりの負担が大きくなって長時間労働を招いたり、配送品質が低下したりする恐れがあります。

フルフィルメントサービスを利用すると、1年の中で変化し続ける受注量にも柔軟に対応でき、突然の売上の変動にも臨機応変に対応できるというメリットがあります

メリット2:業務効率の改善・向上に繋がる

自社物流を構築すると、基本的には社内のスタッフが物流業務を処理することになります。社内に十分なノウハウを持たない状態で高品質な物流業務を提供することは難しく、非効率なオペレーションになってしまう場面も多いでしょう

スムーズに業務を処理できなくなるとリードタイムが伸びたり配送遅延を起こしたりするリスクは上がり、顧客満足度の低下にもつながります。

基本的にユーザーは少しでも配送が速いショップを選ぶ傾向にあり、同じ品質・価格の商品が提供される2つのショップがあった場合は到着日の速い方を選びがちです。その点において、リードタイムが長引くとリピーターを獲得するチャンスを逃したり、別のショップに乗り換えられたりしてしまうかもしれません。

フルフィルメントサービスを活用してプロの手を借りることにより、常に高品質な物流業務を提供できます。十分なスキルやノウハウを持たない事業者でも安定的に品質の高い物流体制を実現できるだけでなく、業務効率が改善して顧客満足度の向上も期待できます。

メリット3:ストア構築や新商品の開発などの基幹業務に注力できる

物流業務を滞りなくこなすためには、社内のリソースの多くを物流業務に割り当てなければなりません。物流業務自体は生産性の高い業務ではありませんが、正確かつ精度の高い処理を行わなければ配送トラブルなどを起こしてしまいユーザーからの信頼を低下させてしまうリスクがあることから、手を抜けない部分であるといえるでしょう。

しかし、中小企業や従業員の少ない事業者においては物流業務に割り当て可能なリソースは限られており、メイン業務と並行して物流業務を処理しなければならないケースも多いでしょう。

メイン業務と物流業務の兼任は非常に重い負担を強いられる傾向にあり、いつしか物流業務に追われて重要性の高い業務を後回しにせざるを得ない状況に陥ることもあります。

時には波動などの影響で急激に物流が増加し、本来は物流を担当していないスタッフまでもが現場に駆り出されることもめずらしくありません。このような状況が続くと事業拡大に取り組めないばかりか、通常業務の品質が低下するリスクもあります。

フルフィルメントサービスを利用することにより、外部業者に物流業務を丸ごと委託できるので、ストア構築や新商品の開発など、社内でより価値の高い基幹業務に注力できる環境を作り出せます。

物流サービスを賢く導入し事業を発展させよう

社内で処理しなければならない物流業務を専門業者に委託することで、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。フルフィルメントサービスは主要業務に集中できる環境をもたらし、事業の拡大に大きく貢献する可能性を秘めているといえるでしょう。

一連の物流業務をすべて任せることもできますが、必要な部分を補う形でフルフィルメントサービスを活用するのも効果的です。自社の状況に合わせて物流サービスを賢く導入し、事業を効率よく発展させていきましょう。

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