ロケーション管理とは|管理方法やメリット・課題点などを解説

2021年2月26日

ロケーション管理とは|管理方法やメリット・課題点などを解説

倉庫に保管している在庫を効率よくピッキングして出荷するためには、ロケーション管理を徹底して最短の導線を組み上げるのが効果的です。しかし、日々の業務が忙しくロケーション管理にはなかなか手を付けられないという方も多いのではないでしょうか。

ロケーション管理にも複数の種類があるため、自社に合った方法を選ぶことが大切です。そこで今回はロケーションの管理方法やメリット、課題点などについて分かりやすく解説します。

ロケーションとは

ロケーションとは日本語で「配置」「場所」などの意味を持つ言葉であり、倉庫業務におけるロケーション管理は「在庫を保管する場所の管理」という意味合いで使われます。

倉庫内での保管場所

倉庫内に保管している商品を出荷する際は、各在庫の保管場所までスタッフが商品を取りに行く「ピッキング」を行う必要があります。ロケーション管理は「倉庫内のどこに在庫を配置するか」を管理することによって、ピッキング業務をはじめとした物流業務を効率化することが目的です。

ロケーション管理のメリット

ロケーション管理が徹底されていることにより、次の2点のメリットを受けられます。1件あたりの作業時間の差は微々たるものでも、積み重ねると大きな差になるため意識的に取り組むことが大切です。

メリット1:作業効率の向上

ロケーション管理を行うことによって、作業効率は大幅に向上します。もし倉庫内の複数箇所に同じ商品が置かれていたら、ピッキングの際にどちらの保管場所に商品を取りに行けば良いのか迷ってしまうでしょう。1つの商品が1つの場所に保管されていれば、スタッフ全員が同じ場所に商品を取りに行けます。(あえて複数の場所に同じ商品を保管する手法もあります)

また、同じカテゴリーの商品が遠い場所に置かれていると在庫管理がしにくく、検品の際に倉庫内を歩き回らなければならなくなることもあるでしょう。同じカテゴリーの商品を発送する場合にピッキングの効率も悪くなり、梱包に移るまでの時間が余計に長くかかることも考えられます。系統の似通っている商品を近くに配置することにより、在庫管理の手間を削減できます。

ピッキングの効率化は倉庫業務をスムーズに進める上で大切です。例えば1回の注文に対してピッキングにかかる時間が平均3分(180秒)だとすると、2.5分(150秒)に短縮できるだけで30秒もの作業時間を削減できます。1日あたり100件同じ作業を繰り返す場合、その差は50分(3,000秒)にもなることから、作業時間の短縮がどれほど重要なのかが見て取れます。

メリット2:商品を探すことが無くなる

倉庫内の商品の保管場所が決められていないと、どこに何があるのか分からずに商品を探し回らなければなりません。

経験豊富な熟練のスタッフであればロケーション管理がされていなくても効率的にピッキングを行うこともできますが、まだ業務を始めたばかりの新人スタッフや短期のアルバイト・パートであれば経験則から効率よく業務を進めることは難しいでしょう。

あらかじめ倉庫内のどの位置にどの商品を保管するのか割り振ることでどこに何があるのかが明確になり、倉庫内を歩き回る必要がなくなります。スタッフのスキルによって作業時間に差が出にくくなるため、業務を平準化できるのもロケーション管理のメリットのひとつです。

ロケーション管理方法

ロケーション管理の代表的な手法には次のようなものがあります。倉庫によっても適した方法は異なるため、自社の運用に適した方法を選択することが大切です。

固定ロケーション

固定ロケーションは「商品の配置場所が完全に固定されている」ロケーション管理方法です。例えば商品Aは倉庫内のABブロック、商品Bは倉庫内のBCブロックなど、あらかじめ決められた位置に商品を保管します。

ロケーション管理を行う場合、一般的には固定ロケーションを選択する事業者が多いでしょう。商品ごとの配置場所が最初から定まっているため、ピッキングの際も該当の場所を探しに行くだけで簡単に商品を見つけられます。特に扱っている商品の種類がそれほど多くない場合は固定ロケーションを選ぶと効率が良いといえます。

ただし、一度決めた配置場所を変更できないため、商品の種類や点数が増えてくると広い倉庫に移転したり別の倉庫を新たに契約したりしなければならないケースもあります。倉庫のスペースを効率よく活用したいのであれば、他の方法を選択した方がスムーズに運用できるかもしれません。

フリーロケーション

フリーロケーションは、商品の場所を固定せずに「倉庫内の空きスペースに次々と商品を入庫する」方法のことです。固定ロケーションではあらかじめ商品の保管場所を決めておきますが、フリーロケーションでは空いたスペースに商品を配置するためその時々で商品の保管場所が異なります。

フリーロケーションでは入庫のたびに「どこに在庫を保管するか」を決めなければならないため、保管場所を管理するためのロケーション管理システムが必要です。導入費用や設備投資費用はかかりますが、システムが自動で管理してくれるので手動で作業しなければならない部分を自動化でき、結果的にコストダウンにつながるケースも多いといえます。

一方で、フリーロケーションは同じ商品でも2箇所以上の場所に保管される可能性があります。倉庫内のスペースを効率的に活用できるというメリットはありますが、ピッキングの導線が間延びしてしまうリスクも抱えています。

ダブルトランザクション

ダブルトランザクションは固定ロケーションとフリーロケーションのハイブリッドで、どちらのメリットも取り入れてさらに在庫管理の効率を高めた方法です。入庫の際にはフリーロケーションを採用して空いている場所に商品を保管し、ピッキングを行う際はあらかじめ決められた場所に商品を取りに行きます。

具体的には倉庫内を「ピッキングエリア」と「在庫保管エリア」の2種類に分けておき、ピッキングエリアは固定ロケーション方式で運用して、在庫保管エリアに補充用の在庫をフリーロケーション方式で入庫します。ピッキングエリアに必要最小限の在庫を配置しておき、随時在庫保管エリアから在庫を継ぎ足していくようなイメージで運用されるのが一般的です。

単一の運用に比べると導線が複雑になるようにも見えますが、ロケーション管理システムを活用して自動化することで常に最適な導線を確保できます。ダブルトランザクションの採用によって「素早く入庫して効率的にピッキングする」ことが可能になるため、最近では導入する企業も増えてきている方法です。

平置き

平置きはパレットなどに載せた状態で商品を倉庫の床面に並べて保管する方法です。直接商品を床に置くため、境界線がわかりやすいように床面にテープなどを利用して直に線を引くのが一般的です。

他の方法と比較すると倉庫の面積を十分に用意しなければならないことから、業務効率はそれほど良いとはいえません。ですが棚に収まらない大きなサイズの商品や重量のある商品には用いられるケースが多いです。

人の手で運搬が困難な商品に適用されることの多いロケーション管理方法なので、商品の運搬もフォークリフトなどで行われるケースが多いでしょう。平置きはフォークリフトに乗ったまま倉庫作業を行えるのがメリットであり、パレットに載せた荷物をそのまま扱えます。

平置き倉庫専用の倉庫管理システムの中には無線LANと連携して商品情報を識別できたり、フォークリフトに端末を搭載して在庫情報やロケーション情報を管理したりするものも存在します。

ラック保管

ラック保管は文字通り商品をラックに入庫する方法です。縦の空間を使えるため、平置きに比べるとスペースを効率よく使えます。ラックの一段ごとにロケーションを割り振って商品の保管場所を決めるのが一般的で、ピッキングの際に移動距離が短くなることからより短い時間で商品を取りに行けるのがメリットです。

ラック保管を1つの独立した保管方法と考えるよりは、最初に「平置き」か「ラック保管」のどちらかを選択し、その上で「固定ロケーション」「フリーロケーション」「ダブルトランザクション」の3種類のロケーション管理方法からどれか1つを採用する、と考えると分かりやすいでしょう。平置きであっても3種類のうちどのロケーション管理を採用することはあり得ます。

ラック保管は商品と保管位置をデータで紐付けしやすく、ラック自体に業務を効率化する仕掛が施されているものもあります。例えば移動式のラックやスタッカークレーンが付属したラックなどが代表的です。

ロケーション管理の課題点

ロケーション管理を行うことで倉庫作業を効率化できますが、運用上の課題もいくつかあります。代表的な2つの課題を見ていきましょう。

課題1:作業と保管の効率を保つのが困難

ロケーション管理は業務効率を大幅に効率化できる有効な手段ではありますが、作業と保管の効率を保ち続けるのが難しいという課題があります。導入の際は運用に関わるスタッフ全員に周知を徹底する必要がありますが、人の手で業務を進める以上、長く業務を続けるうちに本来の運用からずれた作業手順で業務を進める人が現れる可能性は捨てきれません。

また、固定ロケーションを採用した場合は事業の拡大に伴って商品が増えるたびに倉庫のスペースが広くなり、ピッキングしなければならない範囲が広がります。フリーロケーションの場合も運用から時間が経つごとに同じ商品が倉庫内のあちこちに散らばる可能性が高く、どこから商品を取り出せばよいのか分からなくなってしまうリスクが高まるでしょう。

このような問題は倉庫管理システムなどを導入して自動化することである程度解決できますが、システム化するコストをかけられない小規模な企業では導入が難しいという欠点もあります。

課題2:ロケーション体制を変更する度に効率が落ちてしまう

ロケーション管理の体制を変更すると、新しい体制に慣れるまでは倉庫作業スタッフの効率が著しく落ちるリスクがあるといえます。何度もロケーション体制を一新すると現場の混乱を招くため、自社にとって最も効率のよい方法をなるべく早い段階で見極めて統一することが重要であるといえるでしょう。

特に固定ロケーションからフリーロケーションへの変更にあたっては、それまで決まった場所に商品を取りに行っていた運用から商品の位置がその都度変わる運用に変更されるため、最初はピッキングに非常に時間がかかることも考慮しておきましょう。

フリーロケーション方式にはシステムを導入するため、最終的には十分に業務を効率化できると考えられますが、システム自体に不慣れなスタッフも少なくないことから事前に十分な周知や教育を行う機会を設けることが大切です。

反対に、これまでフリーロケーションで管理していた倉庫を固定ロケーションに変更すると導入までの準備が非常に煩雑になる可能性があります。フリーロケーションでは倉庫内の複数の場所に同じ商品が保管されているケースは十分に考えられることから、さまざまな場所に散らばった商品を一箇所に集約する作業が発生するでしょう。

作業の途中で在庫数が合わなくなるなどのトラブルが発生することもあるため、体制変更の作業には慎重に取り組む必要があります。

ロケーション管理のポイント

ここでは、ロケーション管理を行う上で意識したい4つのポイントについて解説します。

適切な方法を要検討

ロケーション管理を始める前に、自社にとってどのロケーション管理方法が適切なのかを十分に検討する必要があります

商品の種類や在庫数がそれほど多くないのであれば、固定ロケーションを選ぶことで十分に効率の良い倉庫運用が可能になるでしょう。小規模な倉庫ではコストの兼ね合いでシステムを導入しないアナログな管理を選択するケースが多いため、フリーロケーションを採用してしまうと、どこに何が置かれているのか分からなくなって業務が破綻するおそれがあります。

取り扱う商品の種類や在庫数が最初から多かったり徐々に増えてきている場合は、スペースの効率も考えてフリーロケーションの採用も検討する必要があります。

倉庫のスペースを十分に確保できるのであれば固定ロケーションを継続しても問題があるわけではありませんが、スペースの有効活用が必要な状況であればフリーロケーションを検討すると良いでしょう。

理想的には固定ロケーションとフリーロケーションのメリットを兼ね備えたダブルトランザクションを導入し、システムでロケーションを管理して最適な導線を導き出すのが最も効率のよい手法であるといえます。

出荷の頻度が高い商品の置き場所は工夫する

出荷の頻度が低い商品をピッキングの開始位置から近い場所に置いても、ほとんどの場合は横を素通りして他の商品を取りに行くことになってしまいます。倉庫の保管場所は近い位置に出荷の頻度が高い商品を指定し、遠い場所に普段はあまり動かない商品を指定するのが効果的です。

在庫をスムーズに取り出せることも重要ですが、ピッキングのスタート位置から目的の商品が近いか遠いかでも作業時間は大きく変動します。例えば商品の注文が1点だけの場合、その商品のピッキングにかかる時間が近い位置なら10秒、遠い位置なら30秒であれば、1商品だけでその差は20秒にもなります。

一つひとつの作業を短縮することが全体の業務を素早く進めることにもつながるため、数秒~数十秒の差だからといって放置せずに少しでも効率の良い方法を模索し続けることが大切です。

類似商品は離して保管

類似商品が近い位置に保管されていると、ピッキングミスを引き起こす原因になります。例えばコスメ用品の外見が同じ色違いの商品や長さが違う部品など、見た目で見分けにくい商品が隣接していると誤って手に取ってしまい、そのまま出荷してしまうというミスが起こる可能性は格段に高まるでしょう。

ロケーションを決める際は商品の外見が似ている商品をできるだけ離して保管し、ヒューマンエラーが起こりにくい環境を整えることが大切です。

ただし、それでもピッキングミスが発生してしまうことはあるでしょう。物流業務においては梱包などの発送準備を行った後、注文内容と倉庫から取り出した商品に相違がないか確かめる出荷検品業務を行います。その際にハンディターミナルなどのシステムを導入するのもミスを減らす手段としては有効です。

ハンディターミナルでバーコードをスキャンするだけで注文内容とピッキングした商品が合っているかどうかを判断できるので、ミスの減少に大きく貢献します。

在庫管理システムを導入

手作業で倉庫内の在庫を管理しようとすると、膨大な手間と時間がかかります。熟練の倉庫スタッフであればスムーズに作業できるかもしれませんが、不慣れであったり経験が浅いスタッフが在籍したりしている場合、業務効率が悪化してしまうことはどうしても避けられないでしょう。

また、人の手で最適なロケーション管理を行うことは非常に難しく、Excelなどを利用して倉庫内のロケーションを決めると場所が変動した際や新たな商品が入庫した際にその都度内容を書き換える手間がかかるというデメリットもあります。

手動で管理されているファイルは常に最新の状態になっているとは限らず、管理用のExcelシートが古い情報のままになっていて、ピッキングに向かってみると別の商品が置かれていた、などのトラブルが発生するケースもあるでしょう。

在庫管理システムを導入することで倉庫内のスペースを効率的に活用したロケーション管理を自動的に行えるだけでなく、ピッキングの最適な導線も示してくれるため、簡単に効率のよいロケーション管理を実現できます。

システムが示すとおりに作業を進めるだけでスムーズなピッキングができるので、経験の浅いスタッフでも効率よく業務を行えます。

【ご紹介】オープンロジでは提携倉庫を募集しています

オープンロジでは、荷主様の荷物をお引き受けいただける提携倉庫を募集しています。案件の管理にはオープンロジが用意するプラットフォームをお使いいただくため、荷主様とのマッチングだけでなく業務の効率化もはかれます。

空きスペースをEC倉庫に活用

オープンロジはECサイトなどを運営している荷主様が、スマートフォンやPCのブラウザを通じて物流業務を外注できるプラットフォームを提供しています。倉庫業者様はオープンロジの提携倉庫になっていただくことにより、倉庫を求めている荷主様と効率よくマッチングを行えます。

提供するプラットフォームはクラウド型で、アカウントを登録するだけで簡単にご利用いただけます。登録から最短2週間で提携倉庫としての準備が完了し、荷主様からの荷物をお引き受け可能です。

1棚からでも提携できるため「まとまったスペースはないけど、この空きスペースは勿体ないから誰かに使ってほしい」とお考えの方でも低コストでEC倉庫業務をスタートできます。

マッチングは倉庫業者様の人員や空きスペースの状況も考慮しながら、オープンロジの約8,000社との取引実績を活かしてマッチする案件をご紹介します。

荷主様の運用調整や請求業務などもオープンロジが一括で行いますので、提携業者様には倉庫業務のみに集中していただけます。荷主様の与信がネックで直接倉庫を貸すのが難しいという業者様でも、倉庫業務以外の部分はオープンロジにお任せください。

立ち上げはオープンロジが全面サポート

EC倉庫の立ち上げはオープンロジが全面的にサポートを行うので、初めての方でも安心です。EC倉庫を始めたいと考えているものの十分なノウハウを持たない業者様や、難しいことはよく分からないけれど余っているスペースを有効活用したいと考えている業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

オープンロジのクラウド型倉庫管理システムをご利用頂くことで、既存業務の効率化も同時に推し進められるのも魅力です。

一般的な倉庫管理システムは、ヒアリングから始まり要件定義や開発に数ヶ月以上かかるケースが多いといえます。なるべく早く倉庫業務を始めたいと思っても、準備が整うまでに長い時間を要して思い通りの経営ができない状況に陥ることはよくあるでしょう。

しかし、オープンロジではすでに完成している共通のシステムをご利用いただくため、システム調整のために長い時間をかける必要がありません。1つのアカウントで複数の荷主様からの案件を管理できるため、管理が煩雑化してミスが起こるリスクも大きく下げられます。

適切なロケーションで効率良く商品を管理しよう

ロケーション管理を行うことで、ピッキングの効率が格段に向上します。倉庫業務は一件ごとの対応をどれだけスムーズにできるかによって全体の業務時間に大きな差が出るため、適切なロケーションを設定して効率よく商品を管理できる環境を整えましょう。

ロケーション管理には固定ロケーションやフリーロケーションなど複数の方法がありますが、自社にはどの方法が適しているのかをよく検討した上で運用を開始することが大切です。途中でロケーションを変更すると運用効率が大幅に低下するため、できるだけ早い段階で自社のスタイルを確立できるように準備しましょう。

オープンロジでは荷主様の荷物を引き受けていただける事業者様を募集しています。立ち上げも全面的にサポートいたしますので、EC倉庫を始めたいとお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。

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