リードタイムとは?意味や種類から短縮方法、納期との違いなども解説

2021年3月5日

リードタイムとは?意味や種類から短縮方法、納期との違いなども解説

商品を生産してからユーザーの手元に商品が届くまでの期間を表す「リードタイム」は、少しでも短い方が望ましいとされています。しかし、どのようにリードタイムを縮小すれば良いのか分からないという方も多いでしょう。

リードタイムを縮小するためには、商品企画や原材料の調達、商品生産工程から配送に至るまでのさまざまな工程を効率化することが大切です。そこで今回は、リードタイムの概要や種類、短縮方法や納期との違いなどについて詳しく解説します。

リードタイムとは?|物流のオペレーション改善として使われる指標

まずは「リードタイム」とはどのような意味なのかについて解説します。

リードタイムの意味について

リードタイムとは、商品を仕入先に発注したり工場で生産を開始したりしてから配送先へ納品するまでの時間のことを指しています。事業者によってリードタイムの定義は多少異なりますが、広義には「物流業務の各工程のスタートからゴールまで」を表すこともあります。

リードタイムを短縮することでユーザーのもとへスムーズに商品を届けられるようになり、配送までにかかるスピードが速まって顧客満足度の向上につながります。

同じ商品を扱っていて価格もまったく同じ2つのショップがあったとすると、ユーザーは少しでも商品が早く届く方のショップを選択する可能性が高いでしょう。

自社のリードタイムを縮めて他社と差別化できれば、リピーターを獲得できるかもしれません。反対に、他社の方がリードタイムが短いと乗り換えられてしまうリスクもあるため、スムーズに配送できる環境を整えることは大切です。

リードタイムを短縮するためにはあらかじめ在庫を持っておく方法がありますが、長期間売れないことによる廃棄リスクも増加します。しかし、在庫が少なすぎると注文が入ってから発注しなければならず、リードタイムが長くなって顧客満足度の低下につながりやすくなります。在庫リスクを最小限に抑えつつ、リードタイムも極力短くできるような物流体制を構築することが重要です。

納期とリードタイムの違いについて

リードタイムと納期は似たような意味の言葉として使われがちですが、厳密には違いがあります。「納期」は商品やサービスの納品期限のことを表しており、例えば「〇月〇日まで納品」などのように期限日を記載するケースが多いといえます。

一方で、リードタイムは商品の発注や生産から納品完了までの期間を示すため、「〇日間」というように日数を用いて表します

例えばリードタイムが5日間の商品の場合、発注した時点から5日程度で商品がユーザーのもとに届きます。納期が3月31日であれば3月31日までにユーザーのもとに必ず商品が届きますが、具体的に何日に届くかまでは明示しません。その日までに届けば良いので、3月29日や3月30日に配送が完了することも起こり得ます。

また、「10日程度でお届け」のような表記であればリードタイムが10日前後、「クリスマスイブまでにお届け」のように特定の日を指す表現の場合は納期がその日までという意味合いで使われます。

リードタイムの重要性|ネットショップの普及により必然性が高まる

ネットショップが普及してインターネットを通じた買い物が一般的になったことから、ユーザーの手元にどれだけ商品を早く届けられるかは非常に重要な意味を持つようになりました。

「実店舗に行かなくても商品を手に入れられる」というメリットがあるネットショップを使うユーザーの中には、商品の配送を急いでいる人も少なくありません。ECモールに出店しているショップの中から、当日出荷を受け付けているショップを探して商品を注文した経験がある方も多いのではないでしょうか。

「実店舗に行く時間はないけど、どうしても明日この商品が欲しい」というニーズを持つユーザーにとって、リードタイムが短いことは何よりも魅力的です。

一般的には商品の価格が安価な方がユーザーには好まれますが「どうしても今すぐ購入したい」というニーズが「安価に購入したい」という思いを上回れば、価格競争力が高くなくても商品が売れることもあります。それほどに、ネットショップにおけるリードタイムの短縮は重要だといえるでしょう。

近年はそのようなユーザーニーズに応えるために各社がリードタイムの短縮に注力していることから、対策を怠っている企業は競合企業に対する競争力が低下してしまう可能性もあります。

リードタイムを縮小するメリット

リードタイムを縮小するメリットとして、次の3つが挙げられます。自社の売上をアップさせて顧客満足度も向上させるためにも、積極的にリードタイムの短縮に取り組むことが大切です。

収益向上

リードタイムが短いということは、より多くの注文を処理できるということでもあります。例えばリードタイムが5日間の商品Aを注文が入るたびに発注して売り切る場合、1ヶ月間に30日稼働している倉庫では理論上月内に6回転が可能です。しかし、リードタイムを3日間に縮小できれば1ヶ月間で10回転できるようになります。

もちろん、実際には在庫を持っておいて倉庫から出庫する形で運用するケースが多いことから、必ずしも理論値どおりになるわけではありませんが、リードタイムが短いほど多くの注文を処理できるということに変わりはありません。

より多くの注文を処理できれば、それだけ受け付けられる注文の数が増加して収益の向上にもつながります。キャパシティの問題で1ヶ月に1,000個までしか発送できない商品がリードタイムを短縮して1,500個にまで処理できるようになれば、売上は単純に1.5倍にまで跳ね上がります。

また、在庫の回転が速いと需要が変化してもスムーズに対応できるようになるため、急激な注文数の増加があっても欠品による販売機会を逃す可能性が低くなります。

他社との差別化、売上アップ

前述のリードタイムの重要性の項でも軽く触れましたが、リードタイムが短いことは他社との差別化につながります。一般的には早く届けば届くほどユーザーはショップに対して価値を感じる傾向にあるといえるでしょう。同じ商品が2日で届くショップと4日で届くショップがある場合、2日で届く方のショップを選ぶユーザーの割合が高いといえます。

「このショップはいつも商品を素早く届けてくれる」と認識されれば、一回きりの注文ではなくリピーターになって定期的に商品を注文してくれるようになるかもしれません。安定的な売上を上げ続けることが重要なECサイトにとってはリピーターの存在は非常に貴重なものであり、売上アップにもつながります。

ただし、リードタイムが短いだけでなく配送の品質も維持することは重要です。どれだけユーザーのもとに商品が届くのが早くても、破損していたり初期不良があったりするとクレームの原因になり、返品・交換対応のコストも発生します。あくまでも品質を十分に担保した上でリードタイムも短くすることが顧客満足度の向上につながります。

さらに、配送だけでなくユーザーからの問い合わせがあった場合にもスムーズに対応することが大切です。購入を検討しているユーザーからの問い合わせへの回答が遅れるほど、そのユーザーの注文は遅くなってリードタイムは長期化します。迅速な回答はショップへの信頼にも直結するため、できるだけ早い段階で返信しましょう。

過剰在庫の減少でキャッシュフロー改善に

リードタイムが短くなると倉庫内の在庫を常に最小限に抑えられるので、人件費や作業スペースなどの保管コストを削減できます。過剰在庫は倉庫作業の煩雑化を招いてヒューマンエラーの発生率を高めるリスクがあるので、常に適正在庫を維持して作業しやすい環境を整えることが大切です。

保管が長期化して劣化すると廃棄しなければならない可能性もあるので、できるだけ早いサイクルで出荷できる状態を作り上げるのが理想といえるでしょう。

また、倉庫内の在庫は注文が入って出荷されることで初めて売上になるため、保管されている最中は厳密に言えばコストを発生させているだけに過ぎないともいえます。在庫の回転率が高まると在庫が現金化されるペースが速まってキャッシュフローの改善にもつながり、健全な企業運営を実現できるでしょう。

リードタイムを縮小するデメリット

リードタイムを短縮するとさまざまなメリットがありますが、次の2つのデメリットが発生しやすくなる点には注意が必要です。

品質の維持

現場全体が「とにかく早く納品しなければ」という意識にとらわれるあまり、配送品質が低下しやすいのはデメリットのひとつです。早くピッキングしなければと焦って注文とは異なる商品をピッキングしてしまったり、少しでも早く配送しようとして梱包が雑になったりすると、ユーザーからのクレームにつながります。

リードタイムの短縮を計画する際は、とにかく期間を短くすることだけを考えるのではなく「品質を落とさずに短縮できる期間はどのくらいか」を十分に検討することが大切です。自社の物流スタッフのスキルやリソースなどを把握した上で、無理のない見直しを行いましょう。

もし自社で物流を担うよりも外注した方がリードタイム短縮できそうであれば、外注を活用するのも手段のひとつです。物流品質を維持することは自社の信頼低下を防止し、クレーム対応にかかる時間やコストを発生させないためにも必要不可欠といえます。

物流を維持するためには多大なリソースを必要とし、スタッフの採用コストや教育コストもかかります。外注の選択肢も考慮に入れつつ、自社にとって最善の方法を選びましょう。

小ロット生産がリスクに

一度に大量の商品を生産しないようにして、入出庫をスムーズにできる体制を整えるとリードタイムを縮小して回転率を高めつつ適正在庫を維持できます。しかし、何らかの原因で通常通りの入荷が難しくなった時にすぐに欠品を招いてしまい、販売機会の大幅な損失につながるリスクもあります。

仕入先が倒産して営業を継続できなくなったり、災害に巻き込まれて一時的に休業せざるを得なくなったりする想定外のトラブルはいつ起こるか分かりません。自社の工場で商品を生産している場合でも材料を調達できなくなったり、工場が災害に見舞われたりするケースは考えられます。

また、在庫を最小限に抑える方法を取っているケースでは、需要の急激な増加があった場合に対応できないというデメリットもあります。本来であれば需要の増加は企業にとって大きなビジネスチャンスですが、欠品で対応できなければせっかくの販売機会を逃してしまいかねません。

SNSなどで注目された商品は、在庫があればその場で注文してもらえる可能性は高くなりますが、欠品していると「品切れしているから今度注文しよう」と思ったまま商品の存在自体を忘れてしまうことは多いものです。在庫リスクを抑える取り組みを継続しつつ、リードタイムもできる限り短くできる適切なバランスを維持することが大切だと言えるでしょう。

リードタイムの種類|4つの種類とそれぞれの短縮方法

一言でリードタイムといっても、大きく4つの種類に分けられます。それぞれの工程で短縮できる部分を見つけて対応することが、全体のリードタイムの短縮につながります。

開発リードタイム

開発リードタイムは「新商品を企画してコンセプトを決定してから、実際に商品として完成させるまでの期間」のことです。新商品を形にするためにはどのような技術を用いるのか、どの素材を利用してどこの向上で生産するのか、原材料の調達はどこから行うのかなどを決める工程も開発リードタイムに含みます。

開発リードタイムを短縮するメリットは、トレンドに合わせた商品を世に送り出せることにあります。トレンドに乗って流行している商品を開発しようと思っても、商品化するまでに時間がかかってしまうと販売を開始した時点でトレンドが過ぎ去ってしまう可能性は少なくありません。最適なタイミングで販売するためには、開発リードタイムを短くすることが重要であるといえるでしょう。

ただし、やみくもに開発リードタイムを短くしようとすると人件費や工数の増大につながり、デメリットの方が上回る可能性もあります。仕入先を変更したり、開発工程に優先順位を付けたりすることで対応できないか検討してみることをおすすめします。

また、扱っている商品の素材を共通化することで仕入れを簡略化し、全体の工数の短縮につなげる方法もあります。

調達リードタイム

調達リードタイムとは、商品企画の際に定めた材料を仕入れ先から調達して、工場などに納入できるようにするための状態を整える期間のことです。自社で素材を生産する場合は生産して検品する工程がそのまま調達リードタイムになりますが、外部から調達する場合は発注して自社に到着し、検品するまでの時間が調達リードタイムになるでしょう。

外部からの調達は事前にリードタイムがどのくらいになるのか十分に調査しておくことが大切です。国内であれば運搬にはそれほど長い時間はかからないケースが多いものの、海外からの取り寄せであればある程度長い期間がかかる可能性もあります。

素材の調達に時間がかかると生産にも遅れが生じて、全体のリードタイムが大きく伸びる原因になるため注意が必要です。

調達リードタイムの短縮は自社の努力だけでは改善が難しいケースも多いので、素材の仕入先にリードタイムを短縮できないか交渉したり、改善点があれば提案したりすることも検討しましょう。自社で素材を生産する場合は、生産工程を見直すことで改善できる可能性があります。

生産リードタイム

素材をひと通り調達出来たら、商品の生産を開始します。生産リードタイムとは、工場で商品の生産が始まってから予定数の生産が完了するまでの期間を指しています。

生産リードタイムは実際に商品を生産している時間だけでなく、素材の調達を待って生産ラインを一時的に停止している時間などもすべて含まれるのが一般的です。調達リードタイム同様に、自社の工場だけですべての生産工程を自社で完結させるケースと外注先の工場で一部の生産を行うケースに分かれます。

生産リードタイムは実作業時間を短縮することも重要ですが、滞留時間をいかに短縮できるかがカギになります。生産のための十分な素材をストックしたり、生産途中の仕掛在庫を最適に管理したりすることが大切です。

工場の人員を増やすことである程度生産スピードを工場させられる可能性はありますが、やみくもに人員を増やすだけでなく、適材適所の配置も意識しましょう。配置を見直して適切な割り振りを行うことで生産リードタイムが大きく短縮する可能性もあります。

また、生産設備を最新のものに切り替えることによって、生産力が上がってリードタイムを短縮させられるかもしれません。生産計画が適切であるかどうかも適宜見直しながら一つひとつの工程の短縮を図りましょう。

配送リードタイム

配送リードタイムは「商品の生産完了後、配送先(ユーザー)に商品が届くまでの期間」です。ECサイトのユーザーに注文から到着までの目安の期間を知らせる際は、配送リードタイムを表示するケースが一般的です。

注文完了後倉庫へかけられた出荷指示をもとにピッキングが行われて商品を検品・梱包し、トラックに積み込んで配送するまでの一連の流れで進められるため、倉庫内のスタッフだけでなく輸配送業者など多くの人の手を必要とする工程です。

配送リードタイムを短縮するには倉庫管理を最適化してピッキングをスムーズに進められる導線を整えたり、検品・梱包等の作業効率を向上させたりする方法があります。予算をある程度かけられるのであれば、WMS(倉庫管理システム)の導入を検討するのも良いでしょう。

また、配送ルートを見直して効率的に商品を届けられるようにすることも重要です。配送は荷主や配送先の都合で待機時間が発生するケースもあるため、この時間をいかに短縮できるかもリードタイムを短くするためには重要であるといえます。ハンディーターミナルの導入で検品時間を圧縮したり、配送管理システムを用いて積み下ろしを効率化したりする方法が有効です。

【ご紹介】配送リードタイムの縮小ならオープンロジにお任せ

配送リードタイムの縮小は顧客満足度を向上させてユーザーの信頼を得るために重要であることをお伝えしてきました。しかし、各工程のリードタイムの短縮は決して簡単ではなく、特に配送リードタイムは配送拠点の都合などもあるため簡単に解決できない場合も多いでしょう。

オープンロジでは提携倉庫を活用して商品の在庫を全国の複数の倉庫に分散して保管し、スピーディーな出荷を実現する出荷代行サービスを提供しています。本州、四国、九州への最短翌日配送を実現できるので、配送リードタイムの短縮にお悩みの方にはおすすめです。

一般的に配送距離が長くなればなるほど配送リードタイムは長くなり、配送コストも高くなる傾向にあります。在庫の保管拠点を複数に分散することにより、各配送先への配送距離を短縮してリードタイムの短縮だけでなくコストの削減も実現できます。

自社で物流を管理すると物流スタッフの採用や配送車両の手配などやらなければならないことが数多くあり、必要なリソースも大きくなりがちです。上手く外注を取り入れることで、手間とコストを削減しつつ配送リードタイムも短縮できます。物流業務の効率化をお考えなら、ぜひオープンロジにご相談ください。

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