フリーロケーションとは|メリットやデメリットなど詳しく解説

2021年1月28日

フリーロケーションとは|メリットやデメリットなど詳しく解説

商品在庫の効率的な運用は、物流作業全体に関わる非常に重要なポイントです。

物流作業において課題を抱えている事業者の方の中には、商品在庫の管理方法を見直すことで課題が解決することもあり、現在商品管理方法の中でも保管スペースを無駄なく活用できるという理由で「フリーロケーション」という管理方法が注目を浴びています。

今回はそのフリーロケーションについて、メリットやデメリットなど詳しく解説いたします。

フリーロケーションと固定ロケーションとの違い

フリーロケーションは、倉庫内の空いている場所に随時商品を保管していく管理方法です。近年、多くの倉庫が取り入れているバーコードとハンディターミナルによる管理方法がこのフリーロケーションと一緒に運用されます。

製品バーコードに対しては入庫日・倉庫内のロケーションの番地・商品名・数量を一括して商品情報を登録し、ラックに設置してある番地バーコードと紐付けを行います。そして出荷するときは、ピッキングリストに番地バーコードを印刷することで、だれでも簡単に荷物をピッキング&出庫処理を行うことができるのです。

このシステムは自動集計され「どこに・何が・いくつある」かをリアルタイムに把握できるため、ピッキングミスの発生を防ぎ、在庫のずれを防ぐことができます。

一方、固定ロケーションはそれぞれの商品ごとに割り振られた場所で保管する管理方法を指します。固定方法は、商品番号順や商品カテゴリー、アルファベット順などさまざまですが、分類したルールごとに区分けされる事が多いため、保管場所が分かりやすいのが特徴です。

このような特質から固定ロケーションは商品がどこに何があるのか覚えやすいため、作業の効率化というメリットがあります。しかし場所が空いているにも関わらず置く場所が固定されているので、保管効率は悪くなってしまうというデメリットがあります。ですが、固定ロケーションはITシステム導入の必要性が低く、運用方法も非常にシンプルであるため、定番で取り扱う商品が多かったり、保管量が安定している倉庫では多く採用されている保管方法になります。

フリーロケーションのメリット

メリット1:倉庫スペースを無駄なく活用できる

フリーロケーションは空いている場所に随時荷物を入れていくため、倉庫の保管スペースを無駄なく効率的に活用できるというメリットがあります。

固定ロケーションの場合は、保管スペースが空いていても場所ごとに何を格納するかが決められています。それゆえに、入庫の時に倉庫の手前に空きスペースがあっても別の荷物を保管することができません。

一方、空いている場所に随時荷物を入れていくフリーロケーションは、商品の在庫がなくなった時点で番地バーコードと紐付けられていた製品バーコード情報を削除します。その結果、新しく入庫してきた商品を速やかに登録ができる状態になっているため、倉庫内のスペースを素早く有効的に活用することができるという利点があります。

フリーロケーションによる管理は、商品数の取り扱いが多い事業者の方や、倉庫スペースに余裕がない方などにオススメの方法です。途中で固定ロケーションの運用から移行するという方も最近は多く見られます。

メリット2:商品の入れ替えをスムーズに行うことができる

固定ロケーションは、商品を保管する際に「棚割り」がされていないと入庫できません。

「棚割り」とは、商品をどこにどれぐらいの数量を入庫するか決める作業で、取扱商品の内容や入庫数を変更する際には、棚割りも再度調整する必要があります。

その分、フリーロケーションの場合は、空いているところに順次入れていく方法ですので、棚割りをする作業は必要ありません。また商品の大幅入れ替えが発生した場合でも、倉庫内の運用に大きな影響がないため、入れ替え作業もスムーズに行うことができます。

フリーロケーションのデメリット

デメリット1:システム構築に投資が必要

フリーロケーションを運用していくために不可欠なのがシステム構築です。「棚割り」などのロケーションごとの管理がない分、情報を一括して管理するためのバーコードやハンディターミナルなどの在庫管理システムを導入しなければ、倉庫内の状況を把握するのが非常に困難になります。

在庫管理システムを導入することで、在庫の増減や商品のステータスを確実に管理することが可能になり、在庫管理ミスなどを防ぐだけでなく、荷物の置き場所のルールを覚える必要がなくなり保管業務が簡素化します。

しかしスムーズな運営環境を整備することができる代わりに、導入にはコストが発生します。導入する各システムにより発生する費用は大きく異なりますが、初期費用だけでなく毎月の運用コストも発生するため、一時的に事業投資が必要であったり、利益とのコストが合わない事態も考えられます。

ですが、現時点で倉庫スペースが不足している方は、新たな倉庫を借りる場合にも費用は必ず発生するため、フリーロケーションに変更した場合の費用対効果と比較して、導入の検討をしてみる必要があるでしょう。

デメリット2:ピッキング効率が下がる可能性

フリーロケーションのデメリットは、保存場所が随時変更されるため商品を探すのは大変に時間がかかり、ピッキング作業の効率が悪くなる可能性があることです。

フリーロケーションは、保管効率を優先して空いているところに順番に荷物を入れていく方法であるため、極端に言えば同じ型番の色違いの商品などでも全く違うところに保管することも考えられます。その場合はいくつかの商品をピッキングするために、大きな倉庫の中を歩き回らなければならないという事態が発生します。

一方、固定ロケーションであれば、型番や商品名で商品を固めているだけでなく、どこに商品を置いてあるかが一定であるので、一度覚えてしまえばピッキング作業は効率化されます。その上、慣れたスタッフが作業を行う場合はさらに生産性も期待できるでしょう。

フリーロケーションだと、万が一ハンディターミナルによるバーコード読み込みによる記録を忘れてしまった場合は、大きな倉庫の中で保管されている場所を探し回らなければいけないというリスクも発生する恐れがあります。

このようなデメリットを解決するために、フリーロケーションで在庫管理する場合であっても、頻繁に入出庫を行う商品や一緒に出荷されやすい商品などは近くのロケーションにあえて固めるなど「作業効率を考えたロケーションをルール付けする」ことも作業効率化への対策の一つとして考える必要があります。

フリーロケーション管理に向いている商材・企業とは

在庫の増減が激しい商材

シーズンによって大きく入出庫量と商品の種類が変わる商材の代表格であるアパレル商品など、受注頻度が安定せずに常に一定数の在庫の確保が必要ない商品はフリーロケーションに適しているとされています。

仮にアパレル商品を固定ロケーションで管理を行う場合には、頻繁に棚割りの変更を行う必要があります。この棚割り作業だけでも多くの作業時間が発生しますが、商品と保管場所が対で紐付ける管理方法のフリーロケーションで管理を行うことで、簡単に管理ができるでしょう。

他にも生産量の変動による在庫の増減が激しい化学原料も、フリーロケーションでの管理に向いているとされている商材の一つです。

消費・賞味期限やロット管理が必要な商材

フリーロケーションで保存する際に、商品を日付別に保管した方がより在庫管理として向いている商材もあります。

使用期限があらかじめ定められている食品や医薬品などがそれらに該当する商材で、フリーロケーションの管理方法を使い、使用期限が近いものを随時手前に配置するなどの工夫を行うことで、先に出荷しなければならないものを漏れなく出荷できるように管理することができます。

製造番号や入庫担当者などの情報を完全に商品と保管ラックで紐付けができるため、管理が煩雑になりやすいロット管理が必要な商材に関しても、入庫した単位で保管管理を行うことが可能です。。

このようにロット管理しなければならない商品をフリーロケーションで管理・運用することで、万が一出庫した商品に不良品が発覚した場合でも同一ロットの商品を追跡しやすくなり、トラブルや被害を最小限に抑えることができるのは大きなメリットであると言えます。

また、サイズが大きく重い荷物を入庫する際には、パレットをフォークリフトで運んで倉庫内で保管をします。そのような大きい商品は当初から一つの棚に収まりきれないものも多いため、最初からフリーロケーションで保管しておいた方が融通が利きやすく、保管に向いている商材とされています。

フリーロケーションはEC事業者やアパレル業界に向いている

フリーロケーションでの管理が向いている商材や業界は、在庫の増減や出入りが激しい業界です。

その代表的な業界として、先程ご紹介したアパレル系だけでなく、EC業界もフリーロケーションでの管理が向いているとされています。

アパレル系の商材やEC事業などは、多くの商品が宅配便で運べる大きさのものがほとんどであり、注文も少量のものが多数を占めます。このような人の手でピッキングできる大きさであるものは、フリーロケーションでの管理が適しているといわれています。

ちなみに大手ECモールのAmazonはフリーロケーションを導入しています。。

【コラム】ダブルトランザクションについて解説

フリーロケーションと固定ロケーションのハイブリッド

フリーロケーションによる管理体制ですが、すべての企業が完璧なフリーロケーションを採用しているわけではありません。ここでは、フリーロケーションと固定ロケーションの良いところを取り入れた「ダブルトランザクション」という管理システムをご紹介します。

「ダブルトランザクション」とは頻繁に出庫を行う商品が集まられたピッキングエリアと、それ以外の荷物の保管エリアをストックエリアとしてゾーニングを行って運用する管理システムのことです。

ピッキングエリアでは効率的な出庫が求められますが、ケース単位などで一定数の商品を保管し、注文が入ったら作業員はピッキングを行います。

一方で商品を保管を実現するストックエリアでは、フリーロケーションで管理を行います。ストックエリアではパレットやケースなどの大きい荷姿で商品の保管を行う代わりに、作業頻度は少なくなるので、ストックエリアの通路幅は狭く設定することでより効率でより隙間のない保管スペースの利用が実現します。

ダブルトランザクションは、ピッキングエリアでの在庫が決まった数量を下回ると、ストックエリアから補充が行われます。つまり固定ロケーションとフリーロケーションの間での倉庫内移動が発生するので、そのための導線と作業スペースの確保が重要となるのです。

このような特徴から、ダブルトランザクションは出荷頻度が高く、なおかつ倉庫内での移動が簡単で一回のオーダーが少ない商材を扱っている商材、つまり製造業で利用される部品関係、ネット通販などの小物雑貨や化粧品を扱うのに適しているとされています。

反対に大型の家具や家電など倉庫内での移動が大変な商材は、ダブルトランザクションには適合しないものとして挙げられます。

このように保管効率と作業効率の両方のメリットを取り入れることができるため、倉庫を管理している多くの事業者がこのダブルトランザクションを採用しています。

自社に合った在庫保管方法を選定しよう

今回ご紹介したフリーロケーション・固定ロケーションは、それぞれメリットとデメリットがある在庫保管方法です。現在、自社で倉庫を上手く活用できていないと感じる方は、費用対効果などを加味しつつ、フリーロケーションなども含めて運用方法を見直してみましょう。

在庫保管は倉庫内の配置だけでなく、管理システム作りが必要不可欠です。そのため、システムまで含めたところまで検討するのであれば、物流システム自体をアウトソーシングするのも一つの手段です。

実際に物流アウトソーシングを行っている会社の中には、商品保管だけでなく発送手続きまで含めた物流作業全体を包括して外注を請け負っている会社もあります。物流作業全体の外注化を行うことで、一気に業務負担が軽減される可能性もありますので、是非一度検討してみてはいかがでしょうか。

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