ECサイトを運営する上で、欠かせないのがEC物流倉庫です。
例えば事業拡大を考えていたり、需要が急増したりと、ECサイト運営を行う中で物流倉庫・物流業務に悩みや課題を抱えることも。
そんな時におすすめなのが、EC物流倉庫の委託利用です。EC物流倉庫の管理にはコストがもちろんかかるため、委託となるとどの程度の料金がかかるのかは気になるところでしょう。
今回はEC物流倉庫を委託する場合にかかる費用はどの程度なのか、その相場やコストを抑えるポイントをご紹介します。
目次
1. EC物流倉庫とは?
EC物流倉庫とは、EC事業において商品の入庫・検品から保管・在庫管理、ピッキング、梱包、出荷といった一連の物流業務を代行する、EC事業に特化した倉庫のことです。
近年、インターネットでの買い物は当たり前となっており、EC需要は年々増加しています。
EC事業を行う企業では需要増加に伴い出荷量が増えていることで、商品の保管や管理、出荷といった物流業務は自社で対応するには負担が大きいケースもあり、EC物流倉庫への外部委託で効率的なEC運営が可能になるでしょう。
EC物流倉庫への委託を検討するきっかけは色々ありますが、目安となるタイミングとしては、出荷件数の増加により他業務に手が回っていないと感じたときです。
自社の規模やリソースを考えて、不足を感じたら委託をおすすめします。
1-1. EC物流倉庫の種類
EC物流倉庫は、そのサービスの対応範囲によって次の3つの種類に分けられます。
- 商品の保管・在庫管理から梱包・出荷といった物流業務~カスタマーサポートや返品対応まで幅広く対応しているサービス
- 冷蔵・冷凍などの温度管理や医薬品特化・アパレルの流通加工を得意とする倉庫など、特定の業種に特化したサービス
- 電化製品の組み立てや木材などの素材加工といったより特殊な倉庫内での作業に対応しているサービス
物流業務の負担軽減という点で広く需要があるのが、1つ目の幅広い業務に対応しているEC物流倉庫ですね。
また、EC物流倉庫はBtoCの出荷がメイン業務となるため、BtoB中心の一般物流倉庫と異なるいくつかの特徴もあります。
小ロット・多品種に対応できる
個人消費者向けのEC事業では多くの商品を取り扱っており、また1人あたりの注文数も少ないため、EC物流倉庫では小ロット・多品種の管理・発送に対応できます。
様々な流通加工に対応できる
顧客満足度を高めリピートしてもらうことやマーケティングによる顧客拡大が重要なEC事業では、ギフトラッピング・メッセージカードなどの顧客のニーズに沿った流通加工や、マーケティングのためのチラシの同梱といった、出荷梱包時の付加価値の付与が大切です。
迅速な配送
こちらも顧客満足度向上のため、物流システム活用やオペレーション化などにより迅速な配送を重視するのもEC物流倉庫の特徴です。
2. EC物流倉庫を利用するメリット
EC物流倉庫の利用には、次のような様々なメリットがあります。
- リソースを他の重要業務に割ける
- ノウハウを持ったプロに任せられる
- 在庫管理がよりスムーズになる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1. リソースを他の重要業務に割ける
EC事業の成長にはもちろん質の高い物流業務も大切ですが、新商品企画やマーケティング、販売促進など、他にも重要業務は多くあります。
前述のように物流業務をEC物流倉庫に委託することで、物流業務にかかっていた時間や人的リソースを他の業務に割けるようになり、結果的に事業成長につながるでしょう。
2-2. ノウハウを持ったプロに任せられる
出荷数の急増などに自社の限られた人的リソースで物流業務に対応しなければならない場合、1人1人への負担が大きくなり、ミスも起きやすくなります。
かといって急に人員を確保するのも難しく、新たに人を雇うと教育にもコストと時間がかかるでしょう。
EC物流倉庫への委託ではノウハウを持ったプロに物流業務を任せられるため、作業の効率化と出荷品質の向上が期待できます。
また、現代ではEC物流倉庫でも自動化技術やITシステムが活用されていることが多く、それによりさらにミスの減少と時間短縮が可能です。
2-3. 在庫管理がよりスムーズになる
多くのEC物流倉庫では、倉庫内の在庫管理・受注管理にもシステムが活用されています。
そのため入庫時の在庫数から注文数・返品数まで正確にリアルタイムで把握でき、過剰在庫や欠品を防げます。また、その後の受注ミスや誤配送の防止にもつながります。
3. EC物流倉庫の主な料金形態

EC物流倉庫への委託を考えたとき、気になるのがその料金です。
EC物流倉庫の料金の内訳は、大きく「固定料金」と「従量料金」の2つに分かれます。
3-1. 固定料金
固定料金に主に含まれるのは、以下の通りです。
- 基本料金
- 業務管理料
- 倉庫保管料金
これらは、月ごとの支払い時に基本料として毎月固定で請求される、もしくは契約時に初期費用として支払うもので、業務管理料は基本料金に含まれる場合もあります。
費用はもちろんサービスごとにも異なるほか、倉庫保管料では一坪単位やパレット・ラック単位など、その倉庫や取り扱う商品によっても利用料の算出方法が異なります。
3-2. 従量料金
従量料金に含まれる費用としては、主に以下が挙げられます。
- 入庫料金
- 人件費
- 梱包料金
- 出荷料金
これらは、倉庫の利用状況や出荷数など、条件によって変動します。
4. EC物流倉庫の費用相場
では実際に、EC物流倉庫の費用相場を詳しい内訳ごとにご紹介します。
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内訳 |
費用相場 |
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基本料金 |
基本料金:2万円~5万円 /月 業務管理料:1万円~5万円 /月 |
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倉庫保管料金 |
3,000円~1万円 /月(坪単価) |
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入庫料金 |
10円~50円 /個 |
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梱包料金 |
ピッキング費用:10円~50円 /個 梱包料金:100円~300円/個 |
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出荷料金 |
400円~1,200円/個 |
4-1. 基本料金
固定費に分類される基本料金には、物流システムを利用するためのシステム利用料や、商品管理・セキュリティにかかる費用などの業務管理料が含まれます。
システム利用料の相場は月約2万円〜5万円、業務管理料の相場は月約1万円~5万円ほどです。
これらの金額は、委託するサービスはもちろん、扱う商品の種類や量によって変わるでしょう。
4-2. 倉庫保管料金
倉庫保管料金とは、倉庫・倉庫内のスペースの利用料金です。
坪単位での貸し出しの場合には、相場は月約3,000円〜1万円ほどです。
基本的に立地によって変動が見られ、首都圏など流通量の多いエリアになればなるほど高い傾向にあります。
船便が活用できる沿岸部や、高速道路の活用できるエリアなど配送に便利な立地では特に高額です。
また、多くの場合冷蔵・冷凍対応の倉庫など特殊な商品を扱う倉庫では費用が高くなります。
4-3. 入庫料金
ここからは、従量料金に含まれる費用です。
入庫料金とは、商品を倉庫に入庫する際にかかる費用です。
こちらは商品の数によって変動するもので、相場としては1個あたり10円〜50円ほどになります。
商品によっても多少異なり、大型のリフトカーを使用しなければ入庫できない場合や、入庫時に検品が必要な場合には追加費用が発生するケースもあります。
検品は数量の確認など簡単なものであれば1個あたり10〜20円程度で行えますが、通電確認など作業が必要なものでは1個あたり80円〜100円程度かかるでしょう。
4-4. 梱包料金
出荷準備となるピッキング・梱包も、基本的に1個単位の変動費用となります。
注文された商品を倉庫から探し集めるピッキングは1個あたり10円〜50円ほどです。
倉庫内の保管量・移動距離によっては相場を超えることもあります。
梱包料金は、1個あたり100円〜300円ほどとされます。
こちらも梱包のサイズなどで変動することもあり、また、ギフトラッピングなどのオプションの有無やワレモノのような特殊な商品では追加料金がかかります。
4-5. 出荷料金
出荷料金は、梱包した商品を発送する際にかかる料金です。
発送料金は荷物の大きさと重さ、届ける距離、また配送業者によって異なるため、相場も1個あたり400円〜1,200円ほどと幅があります。
EC物流倉庫サービスを提供する代行業者の多くは配送業者と大口の特殊契約を交わしているため、小規模なECサイトが個別契約を行うより発送料金を抑えられるでしょう。
4-6. 料金モデル例
EC物流倉庫の料金体系は利用するサービスによっても異なるため、ここでは、例として、オープンロジの料金モデルをご紹介します。
オープンロジでは、初期費用・固定費が完全無料、物流状況・配送サイズによって「倉庫利用料(入荷料+保管費)+配送料金」だけで利用できる完全従量課金制になっています。
例えば先ほどの相場から算出すると、固定費は安くても計3万3,000円から、高ければ10万円以上かかることもあります。
オープンロジではこれらの金額が必要なく、利用した分だけの支払いになるため、コストを抑えた効率的な倉庫利用が可能です。
従量課金制はEC事業で多い小ロットでのご利用や繁忙期など季節によって出荷量・売り上げの差が大きいという場合にも柔軟に対応でき、また、例えばEC物流倉庫利用の検討中や、事業拡大に向けてテスト運用したい、といった場合でも、コストを最小限に抑えて体験できるのが従量課金制の強みになります。
5. 物流にかかるコストを抑えるポイント
EC物流倉庫への委託費用はもちろん、自社で対応する場合でも人件費や設備費、光熱費、配送料など、物流業務には様々なコストがかかります。
EC物流倉庫を活用して効率的な物流業務を叶えつつ物流にかかるコストを抑えるために、次の2つのポイントを意識しましょう。
5-1. 在庫管理を適切に行う
まず重要なのが、在庫管理を適切に行い、倉庫の使用スペースを抑えることです。
倉庫保管料や業務管理料は利用しているスペースや商品の量で変わってくるため、無駄に多く在庫を抱えていないか、デッドスペースはないか確認しましょう。
在庫がギリギリで急な需要増などに応えられないのは本末転倒ですので、日々の出荷数や在庫量の増減をもとに予測し、最適な数を考えましょう。
また、そもそも倉庫サイズが自社の物流状況に合っているか、在庫数と利用面積のバランスを見直すのも大切です。
特に大量の在庫を保管している場合、在庫管理が徹底されていないと帳票上と実際の数が合わないことも。そうなれば帳票のデータをもとに、無駄にスペースを借りていることもあり得ます。
倉庫サイズが合っていないと感じたら、移転を検討するのもコスト削減につながります。
5-2. 自社に合った物流倉庫を選ぶ
自社に合ったEC物流倉庫サービスを選ぶのも、コスト削減には重要です。
規模がそれほど大きくないEC事業者や、月によって大きく出荷数の変動があるEC事業者では、固定制のサービスよりも、基本料金無料・従量課金制のサービスを利用した方が無駄がなく、トータルのコストが抑えられます。
価格の安さだけで委託するEC物流倉庫を選ぶとサービスの質が悪い・オプションでの追加料金で結果的に高くついたなど後悔することもあります。
複数社から見積もりをとって、自社に合ったサービスが適切な料金体系で利用できるところを選びましょう。
比較検討の際は、次のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 実績や対応の品質・発送までのスピード
- 流通加工の可否や柔軟性
- 自社とEC物流倉庫側との連携・共有のしやすさ
- 返品交換対応やカスタマーサポートなどの対応可否
これらは、各社のサイトや問い合わせ対応などで確認できます。
6. 物流倉庫移転・移管はオープンロジで!
EC事業を行う中で、
「保管・出荷の要件に合った倉庫が見つからない」
「倉庫のキャパシティが不足している」
「事業拡大を検討している」
「物流コストの見直しがしたい」
など、現状のEC物流倉庫に対する悩みを抱えており、他倉庫への移転・移管を考えている方は、ぜひオープンロジのEC物流代行サービスにお任せください。
豊富な倉庫移転支援の実績を持つオープンロジでは、倉庫移転を成功に導くため、お客様のEC物流倉庫における課題抽出・改善提案を行い、移転計画の策定から新倉庫でのオペレーション構築、移転後の物流代行サポートまで、柔軟に倉庫移転・物流業務のお手伝いをいたします。
食品の冷蔵・冷凍対応からアパレル、化粧品、大型商品のコンテナ荷下ろしまで、幅広い商品に対応可能。全国の豊富な倉庫ネットワークから、ご要望に合った倉庫をご提案します。
梱包方法や連携ショップなどオープンロジからの確認事項にお答えいただくだけで、倉庫移転後すぐに、次のような様々な特徴を持つEC物流代行サービスをご利用いただけます。
- 倉庫管理システムによる効率的な入荷~出荷作業
- 複数拠点を活用したスピーディで低コストな配送
- 出荷・在庫管理データの可視化による在庫適正化・コスト削減
- 大量の入出荷やセット組み、ラッピングなど出荷時の流通加工といった柔軟な対応
また、返品対応や越境EC向けの海外発送まで、幅広いサービスのご提供が可能です。
オープンロジのサービスは、初期費用・固定費無料の従量課金制で利用できます。
本格的に倉庫を移転する前に、お試し利用として数点の物流業務代行からでもぜひお気軽にご体験ください。
まとめ
今回の記事では、効率的なECサイト運営において欠かせないEC物流倉庫について、その種類と利用のメリットとともに、気になる費用相場やコストを抑えるポイントを詳しくご紹介しました。
外部のEC物流倉庫を活用することは、効率化や顧客満足度向上とともに、今後の事業成長にも大きく役立ちます。
更なる自社の発展のためには、より質が高く、適切なコストで企業のニーズに沿ったサービスを選定することが大切です。
自社のニーズに応えられるEC物流倉庫・物流代行サービスをお探しの方は、ぜひオープンロジにお気軽にご相談ください。
記事監修者紹介
有田 秀夫(ありた ひでお)
某大手物流企業にて業務設計や法人営業を経験後、老舗通販物流企業にて20年近く数多くのクライアントの物流課題を解決に導いてきた物流のプロ。
現職のオープンロジではその経験を活かし、物流ネットワーク開発に携わっている。



