EC決済システムとは|詳細やメリット・選定時のポイントについて解説

2021年2月15日

EC決済システムとは|詳細やメリット・選定時のポイントについて解説

ECショップで商品を購入する際にどのような決済方法に対応しているかは、ユーザーにとって購入を判断する重要な材料のひとつです。決済機能を導入したいと考えているものの、具体的にはどのような決済手段を利用すればよいのか迷っているという方もいるのではないでしょうか。

電子決済が普及している背景もあり、決済方法の選択肢は多岐にわたります。そこで今回はEC決済システムの詳細やそれぞれの手段のメリット、決済システムを選定する際のポイントなどについて解説します。

ECへの決済システムの接続方法

代表的な決済システムの接続方式には4種類あり、それぞれ特徴が異なります。自社に最適な方法を選ぶためにも、まずは各接続方式について詳しく解説します。

トークン型

トークン型は「JavaScript型」とも呼ばれており、JavaScriptというプログラミング言語で作成したプログラムを利用して決済する方法です。ECストアの決済画面内の「クレジットカード情報を入力する部分」に決済代行会社が持つプログラムを組み込むことでデータが伝送される仕組みになっています。

「トークン」とは「クレジットカードの情報をデジタルデータに変換するためのパラメータ(変数)」を表しており、クレジットカード情報を一旦トークンに置き換えてからデータの伝送を行います。

クレジットカード情報がECストアのサーバーを通過すると情報漏えいのリスクがありますが、トークン型では事業者のサーバーは経由せずに直接決済代行会社のサーバーを通るため、ECストア内にクレジットカード情報を持たずに決済を完了できるというメリットがあります。

トークン型は自社のECストアに決済機能を実装したいと考えているものの、情報漏えいのリスクをなるべく抑えてセキュリティを高めたい方に向いています。また、画面遷移の回数が少ないため、ユーザーの決済の手間を減らしたい場合にも役立つでしょう。

具体的な決済フローは次のとおりです。

  1. ユーザーがECストアで注文情報を入力し、決済ページでクレジットカード情報を入力する
  2. 入力されたクレジットカード情報に基づいて決済代行会社がトークンを生成し、ECストアに返す
  3. ECストアからクレジットカード会社に決済情報を送信する(決済代行会社のサーバーを経由し、事業者のサーバーは経由しない)
  4. クレジットカード会社から決済代行会社のサーバーはを経由して決済結果が事業者に送信される
  5. 決済が完了し、ユーザーへ商品が発送される

データ伝送型

データ伝送型は「API型」とも呼ばれており、事業者が所有するSSL対応サーバーを利用してクレジットカード情報を決済代行会社に伝送する方法です。SSLとは暗号化の方式のひとつで、改ざんなどを防止する役割があります。

API型は決済代行会社の決済ページに遷移せず、ECストア内で決済処理を行えるため、オリジナルのページデザインを実現できるのがメリットです。カスタマイズ性の高い決済を実現したいのであれば、おすすめの方法といえるでしょう。専用のサーバーを利用するため、大量の注文を処理しなければならない事業者にも向いています。

決済ページに遷移する必要がないので、決済処理を完了させるまでの動作を最小限に抑えて離脱率を低下させられる効果もあります。決済の途中で購入を諦めてしまうケースは案外多く、画面遷移の回数を少なく済ませられるのは魅力的です。

具体的な決済フローは次のとおりです。

  1. ユーザーが事業者の準備した決済ページでクレジットカード情報を入力し、事業者のSSL対応サーバーを経由して決済データを送信する
  2. クレジットカード会社などに決済代行会社のサーバーを経由して決済データが届く
  3. 決済代行会社のサーバーを経由して決済結果がクレジットカード会社などから事業者に送信される
  4. 決済が完了し、ユーザーへ商品が発送される

リンク型

リンク型は「画面遷移型」と呼ばれる方法で、決済代行会社が提供する決済専用ページで決済処理を実行します。あらかじめ決済代行会社が準備している決済ページを利用するため、システムの構築費用を最小限に抑えられるのが特徴です

また、ユーザーがクレジットカード情報を入力するのは決済代行会社のサーバー上に存在するページなので、事業者側のサーバーでクレジットカード情報を扱わなくても良いというメリットもあります。

事業者が所有するサーバー上で決済処理を行う場合、セキュリティが十分に高められていないと決済処理の最中にクレジットカード情報が盗み取られるなどのリスクがあります。決済代行会社のページには厳重なセキュリティ対策が講じられているため、情報漏えいのリスクを格段に小さくできるでしょう。

「コストはなるべく抑えたいけれど、セキュリティも心配」という方にとってはリンク型が心強い味方になります。決済ページへのリンクもボタンやURLなどの形で設置できるため、ユーザーにとっても違和感が少ない状態で利用できます。

具体的な決済フローは次のとおりです。

  1. ユーザーが決済代行会社の決済ページに遷移してクレジットカード情報を入力し、決済代行会社のサーバーを経由して決済データを送信する
  2. クレジットカード会社などに決済代行会社のサーバーを経由して決済データが届く
  3. 決済代行会社のサーバーを経由して決済結果がクレジットカード会社などから事業者に送信される
  4. 決済が完了し、ユーザーへ商品が発送される

メールリンク型

メールリンク型とは、ユーザーが注文を完了した後に決済代行会社などを通じて登録したメールアドレス宛に決済用のURLを送信し、リンク内から決済手続きを行う方法です。

メール内のリンクを利用して決済するためECストアの改修が不要であり、決済システムの改修費用をかけたくない場合などに効果が高い方法といえるでしょう。また、事前予約や見積などその場で決済を完了するのが難しい販売方法を採用しているケースでは、支払い情報が確定してから決済を行わなければならないため、メールリンク型が有効です。

ECストアだけでなく電話注文を受け付けているなど、複数の注文方法がある事業者も支払いをひとつの窓口に集約できるため利便性が高いでしょう。自社のサーバーを持たずに運用できるのがメールリンク型の最大の特徴ともいえます。

Eメールの他にもスマートフォンのSMSを利用する方法や、決済画面に接続するQRコードの発行によって決済手続きを行う方法もあります。

具体的な決済フローは次のとおりです。

利用の流れ

  1. ユーザーが注文情報を入力し、登録されたメールアドレス宛に決済代行会社から決済ページの案内メールを送信する
  2. ユーザーは届いたメールに記載されているURLに遷移し、内容を確認してクレジットカード情報を入力する
  3. クレジットカード会社などに決済代行会社のサーバーを経由して決済データが届く
  4. 決済代行会社のサーバーを経由して決済結果がクレジットカード会社などから事業者に送信される
  5. 決済が完了し、ユーザーへ商品が発送される

ECの決済方法の種類と各方法のメリット・デメリット

決済方法にはさまざまな種類があり、メリットやデメリットもそれぞれ存在します。一般的には複数の決済方法を組み合わせて用意するケースが多いため、各方法のメリットとデメリットについて広い知識を身に着けておきましょう。

クレジットカード

クレジットカード決済は、ECストアにおいては近年主流になっている決済方法です。最近では現金を持たずに生活する人も以前に比べて増えており、JCBが発表した「クレジットカードに関する総合調査(2019年度)」によれば、クレジットカードを利用している業種として「オンラインショッピング」が35%を占めており、「スーパーマーケット」の32%を上回って1位となっています。

1世帯あたりの生活費に占めるクレジットカードの割合も約4割となっており、クレジットカードは日常生活に欠かせない存在になっているといえるでしょう。

クレジットカードはその場で決済が完了するため、機会損失を最小限に抑えられるというメリットがあります。銀行振込やコンビニエンスストアの収納代行などでは注文から支払いまでにタイムラグがあり、ユーザーが直接入金するため未回収のリスクが生じます。しかしクレジットカードであればクレジットカード会社からの入金となるため、未回収の懸念は少なくなります。

一方でクレジットカード決済の導入には所定の審査を通過しなければならず、導入に時間がかかりやすいというデメリットもあります。クレジットカード情報を扱うためセキュリティ対策も万全にする必要があるので、システム構築のコストが発生する場合もあるでしょう。

電子マネー

電子マネーは交通系ICのモバイルSuicaなどに代表される決済方法で、あらかじめ指定した金額を現金やクレジットカードを通じてチャージした上で使用する「プリペイド方式」と、クレジットカードなどで即時決済を行い、後から利用した分の代金をクレジットカードの請求時に支払う「ポストペイ方式」の2種類があります。

プリペイド方式ではコンビニや駅に設置されている機械などを通じて現金でチャージすることも可能ですが、ポストペイ方式では実質的にクレジットカード決済と同じ意味合いを持つ決済方法であるともいえるでしょう。

電子マネーはプリペイド方式であれば残高から即時引き落としを行うため、未回収のリスクを抱えずに注文を受け付けられるというメリットがあります。クレジットカードを持たずに利用できるため、気軽に利用できるのもポイントです。

一方で、チャージ済みの金額しか利用できないことから一回あたりの購入額が小さくなりやすいというデメリットもあります。また、ポストペイ方式ではクレジットカードを利用するため不正利用を防止するためのセキュリティ対策も必要です。

自動引き落とし

自動引き落としは「口座振替」と呼ばれることもある、ユーザーが登録した銀行などの口座から代金を自動で引き落とす決済方法です。一定周期で自動的に支払いを行う必要がある商品に向いており、定期購入などに利便性が高い手法といえるでしょう。公共料金や携帯電話の通信料などにもよく使われる方法です。

ECストア内の登録情報管理ページや口座振替依頼書などで登録を行うケースが多く、登録が完了すると該当の口座から毎回自動的に代金が引き落とされます。ユーザーは毎回自分で振り込みを行ったりコンビニへ出向いて支払いを行ったりする必要がなくなるため、事業者にとっては未回収のリスクを軽減できるというメリットがあります。

また、自動引き落としは銀行振込とは異なるため、手数料がかからないというコスト面でのメリットもあります。1回あたりの手数料は微々たるものであっても積み重なると大きな金額になるため、ユーザーにとっても嬉しいポイントです。

しかし、最初に口座振替の登録を行わなければならないので手続きがやや煩雑になるというデメリットも存在します。口座振替の登録には銀行の審査が必要になるため、書類の正確性が重視される点は注意しなければなりません。

ネットバンク

ネットバンクとはインターネット上で取引を完了できる銀行のことで、一般的な銀行とは異なり実店舗を持たないという特徴があります。このネットバンクを通じてECサイトの購入代金を支払う方法も決済方法のひとつとしてよく用いられます。

ネットバンクはすべての手続きをオンライン上で行うため、銀行の窓口に行かなくても代金の支払いを行えるのが最大のメリットです。銀行は営業時間が限られており、昼間の時間帯に働いている社会人などではなかなか行く時間が取れないケースも少なくありませんが、ネットバンクならインターネットに接続できる環境が整っていれば24時間いつでも振込処理が可能になります。

また、振込手数料が一般的な銀行に比べて割安であるというメリットもあります。毎回振込手数料を負担すると最終的には大きな金額になるため、何度も振込を行う人であればあるほど差は大きく感じられるでしょう。ネットバンクの種類によっては一定の条件を満たすと振込手数料が無料になる場合もあります。

とはいえ、ネットバンクをすべてのユーザーが持っているとは限らないので、使用率を考えると導入コストが割高になる可能性も考えられるでしょう。コストパフォーマンスも十分に考慮した上で導入の可否を判断することも大切です。

携帯キャリア決済

誰もがスマートフォンを所有する時代になり、以前に比べて浸透しつつある決済方法のひとつが携帯キャリア決済です。各ユーザーが利用している通信キャリアが月々の通信料と合算してECストアなどでの購入代金を請求する方法です。

日本国内の通信キャリアはドコモ、au、ソフトバンクの3社が有名ですが、3社ともそれぞれ独自の携帯キャリア決済を用意しています。注文時に各通信キャリアの電話番号やユーザーIDなどを利用して注文者情報を紐づけて、毎月の通信料と合算するという仕組みです。

携帯キャリア決済ではキャリアが一旦ECストアにユーザーの購入代金を支払い、後から通信料の請求とともに代金を回収する形をとるため、クレジットカード決済と同様未回収のリスクが低い決済方法です。スマートフォンがあればどこからでも使えるため、対応しているユーザーが多いのも魅力的といえるでしょう。

一方で、各キャリアによって利用限度額が設定されているというデメリットもあります。10万円程度の上限が設けられているのが一般的であり、家電や家具などをはじめとした高額商品を商材にしているECストアでは利用しにくい面も否めません。

その他オンライン決済以外の方法

上記でご紹介した決済方法の他に、オンライン決済以外の方法も未だ多く使われています。代表的な4つの決済方法を見ていきましょう。

代金引換

代金引換はユーザーが配送業者から商品を受け取る際に商品の代金を支払う決済方法で、配送業者が代金を一時的に立て替えてECストアに支払う形になります。

クレジットカードを所有していないユーザーや、ECストアでクレジットカードを利用したくないユーザーにとっては気軽に使いやすい決済方法のひとつです。若年層や高齢者などで銀行振込やコンビニ決済等、自分で支払いに行かなければならない決済手段を避けたいと考えるユーザーにも利便性の高い決済方法といえるでしょう。

入金確認の必要がないため、注文が入った段階で発送処理に移れるのも事業者にとってはメリットの大きい部分といえます。代金を支払わなければ商品を受け取れないため、未回収のリスクも低い決済方法です。

一方で、代引き手数料が比較的高額であるというデメリットもあります。所定の手数料がかかる銀行振込などと比較しても負担が大きくなりやすいので、事業者が支払うのであれば注意が必要です。また、単身世帯の女性などには安全上のリスクを懸念して積極的に利用されない傾向があります。

銀行振込

銀行振込も根強い人気がある支払い方法のひとつです。クレジットカード決済やコンビニ決済が浸透していない頃には銀行振込が多く使われていたため、今でも馴染みがある方は多いでしょう。事業者が定めた期日までに指定口座に代金を振り込み、入金確認が取れたら商品の発送を開始する流れが一般的です。

クレジットカードを所持していなかったり、クレジットカード情報をECストアで入力したくないと感じていたりするユーザーの需要に応えられるというメリットがあります。若年層などをターゲットにしたECストアではクレジットカードの所有率が低い可能性もあるため、銀行振込が喜ばれる場面もあるでしょう。

また、クレジットカード決済の導入には審査が必要になり、コンビニ決済では決済代行サービスを用意しなければなりませんが、銀行振込は振込先の口座を用意するだけで実施できます。導入のハードルが低いのも銀行振込のメリットといえるでしょう。

ただし、入金確認までには一定のタイムラグが発生する点には注意が必要です。各銀行が定めた伝送時刻にならないと入金データが反映されないため、即時性のある決済方法に比べると商品の発送が遅くなりやすいというデメリットがあります。

銀行の営業時間が限られていることや、振込手数料を事業者もしくはユーザーのどちらかが負担しなければならないという点も人によってはデメリットになる可能性があるでしょう。

払込票

商品の注文があったユーザーに対して支払い手続きを行うためのバーコードが印刷された「払込票」と呼ばれる伝票を送付し、郵便局やコンビニなどで代金を支払ってもらう決済方法です。中には払込票を郵送せず、案内された画面を印刷してもらう方法を取るケースもあります。

払込票は公共料金や税金の支払いなどにも用いられるため、比較的どのような層にも馴染みのある決済方法だといえるでしょう。注文が入った段階で商品の配送作業に移り、梱包した商品と一緒に払込票を送付することもできるため、物流業務がスムーズになるというメリットがあります

また、郵便局とコンビニのどちらも近くにないという地域はそれほど多くないため、地域を選ばずに使えるのもポイントです。

一方で、注文のたびに払込票を送付する手間が発生するというデメリットも抱えています。また、ユーザーに印刷してもらうタイプであれば、ユーザーが手間だと感じる場合もあるでしょう。郵送した払込票を紛失した際は再発行が必要になるため、代金回収までの期間が長期化しやすいのが難点です。

コンビニ決済

全国各地に広く店舗を構えるコンビニで代金を支払えるコンビニ決済は、ユーザーにも非常に人気の高い決済方法のひとつです。クレジットカードを持たない人が次に選ぶ決済方法はコンビニ決済であるともいわれており、対応していると多くのユーザーの取りこぼしを防げる可能性が高まります。

コンビニ決済は代金を支払った時点で商品を発送する場合もあれば、先に商品が発送してから支払いを求める場合もあります。そのため、前払い方式を選択すれば未回収のリスクを軽減できるのはメリットといえるでしょう。

また、支払い完了から入金確認までの時間が早いのもコンビニ決済の特徴で、早ければ数分のうちに、長くても1時間程度で支払い情報の確認が可能です。コンビニがある地域なら24時間ユーザーの好きなタイミングで支払えるので、支払い忘れなどによる機会損失の軽減につながります。

デメリットとしては、前払いを採用すると入金確認が取れるまで商品の発送作業を開始できないという点が挙げられるでしょう。せっかく商品を確保しても支払期限を過ぎて自動キャンセルになり、物流業務の負担が増す結果に終わることも考えられます。

また、コンビニが周囲にない地域のユーザーにとっては非常に不便に感じられる可能性があることも意識しておくと良いでしょう。

決済システム選定時のポイント

決済システムを選定する際は、自社のユーザーが必要としているかを十分に検討した上で費用面や運用面も含めてベストな決済システムを選定することが大切です。ここでは、決済システム選定時の4つのポイントを解説します。

自社ストアの利用ユーザーが欲している決済方法を導入する

なんとなく決済システムを選ぶのではなく、自社ストアを利用しているユーザーがどのような決済方法を求めているのかを十分にリサーチした上で、適切な決済方法を導入しましょう。

最近ではECストアの決済方法はクレジットカードが主流になりつつありますが、例えば10代~20代の若年層をターゲットにしたECストアならクレジットカードを所有していないユーザーの割合が多くなることも考えられます。このようなケースでは、銀行振込やコンビニ収納代行などに対応していると決済方法が原因でユーザーの離脱を招きにくくなるでしょう。

50代や60代など年齢層が高めのECストアであれば、クレジットカードの利用率が高くモバイル決済などは利用者が少ないなどの傾向があるかもしれません。ECストアによってどの決済方法を導入するのがベストかは大きく異なるため、自社の状況を分析して適した決済方法を選択することが重要です。

運営しているECストアに合うシステムを導入する

できるだけ多くの決済システムに対応しているのが理想ではありますが、決済方法の種類だけが充実していても効率の良い運用は難しいため、運営しているECストアに適したシステムかどうかを十分に検討しましょう。

例えば「リピート通販」や「サブスクリプション」と呼ばれる販売形態では、同じユーザーが定期的に何度も同じ商品やサービスを自動的に購入するため、毎回自分で決済しなくて済むようにするための仕組みが必要です。具体的には「更新時期が来たら自動的に登録済みのクレジットカードで決済する」などの機能が備わっているシステムを選ばなければならないでしょう。

もちろん、決済以外の機能も自社に必要なものが揃っているかどうかも大切なポイントです。詳細な分析機能が用意されているシステムであれば、ユーザーの注文の傾向から大々的にキャンペーンを実施する商品を選んだり、自社ストアに多く訪れている年代の関心を集められそうな商品を仕入れたりすることも可能です。

特定のアクションを取ったユーザーや商品を注文してくれたユーザーに対して自動的にメールを送信できる機能などが用意されているシステムもあるため、「自社のECストアに最適な機能を持ったシステムはどれなのか」をしっかりと見極めましょう。

導入費用だけでなくランニングコストも見据えて選定する

決済システムを選定する際、つい導入費用が安いシステムを優先的に選ぼうとしてしまいがちですが、ランニングコストにも目を向けて選定することが重要です。導入時にかかる費用を安く抑えられたとしても、数年後の総額で見ると大幅に差が出る場合がよくあるからです。

例として、初期費用が30万円で月額費用が2万円のシステムと、初期費用が5万円で月額費用が3万円のシステムを5年間使う場合の総額を計算してみましょう。

  • 初期費用が30万円で月額費用が2万円のシステムの場合
    初期費用30万円+(月額費用2万円×60ヵ月)=5年総額150万円
  • 初期費用が5万円で月額費用が3万円のシステムの場合
    初期費用5万円+(月額費用3万円×60ヵ月)=5年総額185万円

この例の場合、5年間で35万円の差が付く結果となりました。初期費用だけに注目すると6倍もの差があるため、安い方を選びたくなる方も多いでしょう。しかし、実際にはランニングコストの差が総額を決定づける大きな要素であり、全体をしっかりと見据えてシステムを選定することが重要といえます

決済会社が信頼できるか見極める

システムそのものの機能性や対応している決済方法に注目することも大切ではありますが、「決済会社が信頼できるかどうか」も見極める必要があります。

決済システムはすぐに自社に代金が支払われるわけではなく、「ユーザーから収納代行会社や決済会社に対して代金が支払われ、その代金から手数料を差し引いた金額が事業者のもとに支払われる」という流れをたどるため、信頼できる決済会社を選ばなければ支払い遅延や未回収などのトラブルにつながりかねません

可能性としては低いものの、ごく小規模な事業者であれば破たんして回収の目途が立たなくなってしまうことも起こり得ます。キャッシュフローを良好な状態にしておかなければECサイトの運用にも支障をきたし、最悪の場合は事業の継続に影響がないとも限りません。

決済会社選びによくある失敗として「手数料の安さだけを重視して選んでしまう」というものがあります。確かに決済する件数や金額が多ければ多いほど、手数料が安い事業者と高い事業者では支払額に大きな差が出ます。コスト削減の観点から、少しでも手数料が安い決済会社を選びたいと考えるのも当然といえるでしょう。

しかし手数料を削減したいからといって安易に決済会社を選んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクもあります。事前に信頼に値するかどうかを十分に精査して決済会社を選定しましょう。

【コラム】決済方法は複数導入した方が良い?

さまざまな決済方法があるため、何種類程度の決済方法に対応した方が良いのか迷っているという方も多いでしょう。基本的には選択肢が多いほどユーザーにとっては利便性が高まりますが、管理が煩雑になるなどの販売者側のデメリットも存在するため、利便性とコストのバランスを見極めることが大切です。

リーチできる客層を拡げることができる

多くの決済方法に対応すればするほど、リーチできる客層を拡げられるというメリットがあります。例えばクレジットカードのみに対応しているECストアであれば「商品は魅力的だけど、クレジットカードを持っていないから購入できない」というユーザーが出てくる可能性は否めません。

このケースでは商品自体は魅力的で購入したいと感じているため、銀行振込や代金引換、モバイル決済など他の方法に対応できていれば機会損失を防げたでしょう。複数の決済方法に対応していないことで、データ上には表面化しにくい潜在顧客を逃している可能性は常に付きまといます

また、クレジットカードを所持していても「初めて買い物するお店だからクレジットカード情報を提供したくない」と考えるユーザーも中にはいます。このような場合は、Paypal決済などに対応していれば安心してユーザーに購入してもらえるでしょう。

ユーザーの考え方は千差万別であり、すべてのケースに当てはまる正解は残念ながらありません。しかし決済方法が限られていると間口を狭めてしまうことは事実なので、可能であれば最低でも2~3種類の決済方法に対応するのが望ましいでしょう。

決済方法の管理が大変・コストが発生する

対応する決済方法を増やすほどユーザーの利便性は上がりますが、管理の手間とコストは増大します。決済方法によって複数のシステムを導入したり、決済方法別に手数料を管理したり、複数の代行業者とやり取りしなければならないこともあるでしょう。

管理が煩雑になりすぎて物流業務に支障をきたしてしまい、出荷遅延などを招く結果になればユーザーの信頼を低下させてしまいます。ユーザーにとって便利なECストアを作ろうとした結果、かえって顧客満足度を低下させる原因にもなりかねないので、決済方法の種類は管理できる範囲にとどめましょう

決済方法を増やすとシステムの利用料金も増えるため、売上とコストが見合わなくなる可能性も想定できます。「決済システムにかけられる予算はいくらなのか」をあらかじめ定めた上で、「予算の範囲内で実現できる決済方法はどれなのか」を明確にすることが大切です。

決済方法について知り自社に合った決済方法を導入しよう

電子決済が普及した現在ではさまざまな決済方法が登場しているため、どの決済方法に対応するのかを自社の状況に応じて選択しなければなりません。多くの決済方法に対応するほどコストもかかるため、ユーザーの利便性と自社がかけられるコストのバランスを見極めた上で双方にとってメリットのある形を目指すことが大切です。

決済システムを選定する際は、決済方法だけでなく自社のECストアを運用しやすいシステムかどうかも忘れずに検討しましょう。初期費用が安価だからといって安易に選ぶと、ランニングコストが高額になる可能性もあるため注意が必要です。

信頼できない代行会社を選んでしまうと、思わぬトラブルに見舞われるケースもあります。信頼して任せられる業者かどうかもしっかりと確認して、安全かつ利便性の高い運用を目指しましょう。

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