越境ECの決済方法とは|概要や決済方法の詳細から選定する際のポイントまで詳しくご紹介

openlogi2023年11月9日  
openlogi2020年2月7日

越境ECの決済方法とは|概要や決済方法の詳細から選定する際のポイントまで詳しくご紹介

越境ECを始めるときに課題となる部分が決済方法という事業者様も多いでしょう。越境ECは国を跨いだ取引のため、対象国に合わせた決済方法を選定する必要があります。決済方法は多数あるため、適切なものを選定するためには一層深い知識が必要です。

今回は越境ECの決済方法について、決済方法の詳細や選定する際のポイントなどを詳しくご紹介します。越境ECの決済方法に迷った時の参考にしてください。

越境ECの概要

越境ECを始めるためには、初めに越境ECについて基本を知る必要があります。
ここでは越境ECの概要について詳しくご紹介します。

越境ECとは|国境を越えた電子商取引

越境ECとは国境をまたいで行う電子商取引のことを指します。国際的なやりとりのため、関税や決済方法など国内のEC事業とは勝手が違うところがたくさんあり、課題も多く発生します。

国内ECとは違う課題点がある越境ECですが、事前にしっかりと知識を習得しておけばハードルにつまずくことなく事業を開始することも可能でしょう。

海外の消費者をターゲットに行う越境ECはハードルが高い、国内よりもリスキーな事業というイメージを持っている人も少なくありません。しかし国内で行っていたEC事業をさらに拡大していきたいと考えたとき、越境ECは有効な手段のひとつといえます。

越境ECのメリット・ハードル

国境を越えて取引を行う越境ECには、越境EC特有のメリットやハードルが存在します。
ここでは越境ECの代表的なメリットとハードルをご紹介します。

メリット|コストを押さえて海外進出が可能

越境ECは他の海外進出の方法と比べると、大幅にコストを押さえて海外進出をすることが可能です。少し前までは海外進出の方法といえば、現地に実店舗を構えることが当たり前でした。

しかしこの方法は費用や新たな人材の確保など莫大なコストがかかってしまうため、大企業でないと実現は厳しいものです。しかし越境ECならば大幅にコストを押さえることが可能なため、小規模の事業者様でも比較的容易に海外進出が実現できます。

ハードル|対象国に合わせた対応が必要

越境EC事業を始めることは、メリットばかりでなくもちろんハードルも存在します。越境EC事業においてのハードルとは、対象国に合わせた対応が必要なことです。

国内ではなくターゲットは海外であるため、言語や荷物の輸送方法、通関の問題、対象国の規制・法律など、国内ECとは違った点が数多くあります。これらひとつひとつを事前にクリアしておかないと、越境ECを始めたときにつまづいてしまう原因になります。

越境ECを始める前に、想定できる課題点は全てクリアしておくことが肝心です。

越境ECの市場規模

越境EC事業を始める前に気になるポイントといえば市場規模です。
ここでは越境ECの市場規模についてご紹介します。

越境ECの市場規模は年々拡大傾向にあります。越境ECといえば、日本国内ではまだ浸透していない印象が強いでしょう。しかしアメリカや中国では、既に越境ECを利用している消費者が多く存在します。

また各国インターネット環境などのインフラが充実してきていることも影響しており、これからさらに越境EC市場は拡大すると予想されています。

関連記事:
越境ECとは|越境ECの基本や市場規模、メリットやデメリットなどを詳しくご紹介

越境ECの決済方法|利用されている決済手段を紹介

越境ECに使用されている決済方法はたくさんあります。ですが自社の対象国としている国に適した決済方法を選択しなければ、越境ECを成功させることは難しいでしょう。

商品が魅力的でも決済方法が消費者のニーズに合っていなければ、売上に繋げることはできません。決済方法は自社と対象国双方に見合った方法を選ぶ必要があります。

ここでは越境ECの決済方法のなかでも主に利用されている決済手段について詳しくご紹介します。

クレジットカード

越境ECの決済方法1つめは、クレジットカードです。

越境ECでもっとも利用されている決済方法のひとつがクレジットカード決済です。クレジットカードの支払いは利便性が高く、すぐに決済が下りるため、料金が未回収になる心配が極めて低いことが特徴のひとつです。

EC事業者側にチャージバックのリスクはあるものの、クレジットカードで決済された注文は他の決済方法に比べて比較的キャンセルされることが少ないのが特徴です。そのため越境EC事業に取り組むときには、ぜひ取り入れたい決済方法のひとつでしょう。

PayPalなどの第三者を介した支払システム

越境ECの決済方法2つめは、PayPalなどの第三者を介した支払システムです。

この支払方法は日本では聞き慣れないかもしれません。しかし海外、特に中国では越境EC利用時に高頻度で使用されている支払方法のひとつです。そのため越境ECの決済方法として積極的に取り入れていきたい方法です。

PayPalのメリットのひとつは海外のクレジットカードにも対応しているところです。

自社で越境ECを行う場合、クレジットカード決済をすぐに導入できない事業者様も多いです。しかしPayPalなら手続きが比較的簡単なため、手軽に導入することが可能です。

デビットカード

越境ECの決済方法3つめは、デビットカードです。

デビットカードとは、使用した直後に口座からお金が即座に引き落とされる支払方法です。使った瞬間に口座からお金が引き落とされるため、クレジットカードや他の支払い方のようについ使いすぎてしまうという心配がありません。

デビットカードの利用率は日本や中国では高くありません。しかしアメリカでの利用率は高めです。アメリカを対象国として越境ECを行おうと考えている事業者様は、決済方法のひとつとして採用を考えたい方法のひとつです。

電子マネー

越境ECの決済方法4つめは、電子マネーです。

電子マネーとはよくクレジットカード決済と混同されがちですが、似て非なるものです。電子マネーはクレジットカードや現金を使用してお金をチャージしてから使用します。

電子マネーを使うためのカードを作るときには審査が不要です。そのためクレジットカードよりも比較的気軽に作る事ができるカードなのです。こちらの支払方法もうっかり使いすぎてしまう心配が少ない支払方法といえます。

利用されている割合は低いですが、支払方法の選択肢を増やすために検討する対象に入れても良い支払方法でしょう。

ネットバンキングや銀行・店舗からの振込

越境ECの決済方法5つめは、ネットバンキングや店舗からの振込です。

銀行振込は日本で馴染みのある方法のひとつです。またネットバンキングや店舗からの振込方法は中国の消費者にも比較的馴染みのある方法として親しまれてします。

銀行振込や店舗からの振込はその場所が営業していなければ振り込む事はできません。しかしネットバンキングの場合24時間振込が可能です。

こちらの決済方法も利用されている割合は低いでしょう。しかし支払方法の選択肢を増やして顧客を逃がさないための手段として、使用を検討する対象に入れても良い支払方法です。

代金引換

越境ECの決済方法6つめは、代金引換です。

代金引換は日本では馴染みのある支払方法ですが、海外での使用頻度は低めです。越境ECにおいての決済方法はクレジットカードやPayPalなどのキャッシュレス決済が多く使用されています。

対象国によっては代金引換の需要が高い国もあります。

例えば発展途上国などの国では、クレジットカードがまだ普及していない国があります。その場合、現金振り込みや代金引換の手段が無いと、越境ECを使用して買い物をすることは難しいでしょう。

決済方法は自社が対象とする国の市場・情勢についてしっかりと調べて決済方法を選定することが肝心です。

各国の決済手段の傾向

越境ECの対象国としてアメリカや中国、近隣の台湾を視野に入れて検討している事業者様も多いです。ここでは各国の決済手段の傾向を詳しくご紹介します。

アメリカ・中国・台湾を対象国とした越境ECを検討している事業者様は、ぜひ参考にしてください。

出典:平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書

中国|Alipayや銀聯カードが主流

越境ECが盛んに行われている中国では、Alipayや銀聯カードが決済方法ではよく使用されています。
ここでは、この2つの決済方法に注目してご紹介します。

Alipay

Alipayはアリババグループが経営する会社から提供されている決済サービスのことを指します。PayPalと同じく第三者を介した支払システムであり、中国では多くの消費者が使用している決済方法として有名です。クレジットカードよりもAlipayやPayPalの方が中国では普及しているといえます。

銀聯カード

銀聯カードはいわゆるデビットカードの機能を有しているカードのことを指します。昨今ではAlipayやクレジットカードの利用率が高く、銀聯カードの印象が中国では薄くなってきている印象があります。しかし使用している人はいまだに多いため、決済方法のひとつとして取り入れておきたい方法です。

参考URL:
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2017/12/a93c240657c03189.html

アメリカ|クレジットカードが主流だがPayPalなどの電子決済も普及

アメリカで主流とされている決済方法はクレジットカードです。アメリカでの決済方法の傾向を見てみると、クレジットカードの利用が他の決済方法と比べて圧倒的に高いということが分かります。

その他の決済方法としてはデビットカード、その次にPayPalなどの第三者支払サービスがあります。どれも電子決済に特化しており、セキュリティー面に安心感を感じられる点が共通します。反対に代金引換や店舗振込などの利用率は低めです。

アメリカを対象国として視野に入れている事業者様は、決済方法にクレジットカードを導入することを強くオススメします。

台湾|クレジットカードの利用が多い

台湾は日本と物理的に距離が近いため、越境EC進出の足がかりに向いている国のひとつです。また、日本商品の人気が高く親日家も多いため、需要が望めるところも魅力だといえます。

越境ECの対象国として魅力がある台湾で好まれている支払方法はクレジットカードです。また、銀行振込の需要も高いだけでなく、代金引換コンビニ振込など、多種多様な支払方法が利用されているところも特徴的です。

越境ECで台湾を対象国とするときにはクレジットカードも欠かせません。しかし、他の支払方法についても要件等する必要があるでしょう。

関連記事:
台湾越境ECとは|台湾を対象国とした越境ECについてメリットや市場規模など詳しくご紹介

決済手段を選ぶポイント

越境ECの決済方法が重要であることが分かっていても、どのようなポイントを押さえて決済方法を選定したら良いのか分からなければ、適切な決済方法を選定することは難しいです。決済手段を選ぶポイントはいくつか存在します。

ここでは決済手段を選ぶポイントを詳しくご紹介します。決済方法を決定する前にポイントをしっかりと押さえておきましょう。

対象国に適した決済手段を選定する

決済手段を選ぶポイント1つめは、対象国に適した決済手段を選定することです。

商品がいくら魅力的でも、決済手段を選択するときに自分の使いたいものが無い場合、消費者はその商品の購入を諦めてしまう可能性が高いです。このようなカゴ落ち現象を防ぐためにも、対象国にいる消費者に合わせた決済手段を選定する必要があります。

対象国によって適した決済手段は大きく異なります。そのため決済手段を決める前に必ず事前の調査が必要です。決済手段を選定する前に、その対象国の消費者が越境ECを利用する時に使用している決済方法を、しっかりとリサーチするようにしましょう。

自社に見合った方法を選ぶ

決済手段を選ぶポイント2つめは、自社に見合った方法を選ぶことです。

対象国に適した決済手段を選ぶのも、もちろん大切です。しかし自社にとって負担が大きい決済方法にしてしまうと、越境EC事業自体が頓挫してしまう恐れがあります。決済方法によってはコストが大きくかかるものもあります。

対象国で使用されている決済手段を調べたら、自社で使用することに無理はないか支払方法の詳細をしっかりと調べましょう。自社の状況に見合った決済手段を選ぶことで、無理なく越境ECを運営していくことが可能です。

決済代行サービスを利用する時は信頼できるサービス会社を見極める

決済手段を選ぶポイント3つめは、決済代行サービスを利用する時は信頼できるサービス会社を見極めることです。

ここでは見極めるときに押さえておきたいポイントについてご説明します。

サービスの手厚さ

決済代行サービスを選定するときに注目したいポイントにサービス内容の手厚さがあります。サービスのなかでも特に消費者への対応が手厚い会社をチョイスしたいところです。

コンビニ支払や銀行振込など、決済方法によっては人的ミスがどうしても発生してしまう可能性がある方法もあります。その時、適切かつ迅速な対応をしてくれる決済代行サービスでなければ、サービス会社だけでなく、その業務を委託した自社も大きく信頼を失う可能性があります。

大切な業務を任せるからには、しっかりとサービスが整った会社を選定することを意識しましょう。

セキュリティーの強さ

決済代行サービスを選定するときにはセキュリティー面にも注目しておくことが大切です。

セキュリティーが甘ければお客様の個人情報が守られなかったり、自社の情報も漏洩しかねません。決済代行サービスを利用するからには、セキュリティーは強固である必要があります。

セキュリティーレベルは非公開である会社がほとんどです。そのため、セキュリティーにどの程度のコストをかけているのかを担当者に問い合わせてみましょう。コストが大きければ、その分セキュリティーに力を入れているひとつの指標として参考にすることが可能です。

対象国に合わせた決済方法を選定しよう!

越境ECで利用されている決済方法は多数あります。すべての決済方法を取り入れるのは無理があるため、自社やECサイトで取扱可能な方法を選定しなければなりません。越境ECでは対象国に合わせた決済方法を選ぶ必要があります。

決済を代行業者に任せるという方法もあります。
決済業務を他社に任せることで業務コストの軽減に繋がるのがメリットのひとつです。決済代行業者を利用するときには信頼できる業者を選びましょう。

ECは商品を購入したくても決済方法が意にそぐわない場合、購入を断念する消費者が多くいます。こういったカゴ落ちを防ぐためにも、決済方法の選定は重要な要所のひとつです。決済方法は慎重に選定しましょう。

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オープンロジマガジン 編集部

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