BtoBのECについて徹底解説|BtoCとの相違点やメリット・デメリットなどをご紹介

2021年3月25日

BtoBのECについて徹底解説|BtoCとの相違点やメリット・デメリットなどをご紹介

国内の消費に占めるEC化率は年々上昇傾向にあり、BtoBビジネスでもECを活用した取引はごく一般的になりつつあります。市場規模の拡大も手伝って、BtoBを対象としたECストアを立ち上げる事業者は今後も増えていくでしょう。

BtoBのECサイトを立ち上げる際は、BtoCビジネスとの違いや独特の商習慣など理解しておきたいポイントがいくつかあります。そこで今回は、ECにおけるBtoBビジネスのBtoCの相違点やメリット、デメリットなどを詳しくご紹介します。

BtoBにおけるECの概要

まずは、BtoBにおけるECの取引形態や市場規模など、概要を簡単に解説します。

ECの取引形態

BtoBのECの取引形態には主にEDIとECサイトの2種類あります。それぞれの方式を詳しく見ていきましょう。

EDI・電子データ交換

EDIは「電子データ交換」を表すElectronic Data Interchangを略した言葉で、企業間の電子データを取引する際に使用されているプロトコル(決められた手順)のことです。一般的には注文データや納品データ、請求データなど、従来は紙でやり取りしていたものを電子データで代替してやり取りすることを指しています

EDIのデータ伝送方法にも「従来型EDI」と「Web-EDI」の2種類あり、従来型EDIは電話回線を、Web-EDIはインターネットを通じてデータ伝送する方法です。かつては従来型EDIが主流でしたが、2024年にはISDNの提供が終了することから現在従来型EDIを利用している事業者は速やかにWeb-EDIへの切り替えが求められています。

EDIは働き方改革による業務効率化が注目される以前から使われてきた技術ですが、主な目的は受発注業務や請求業務を効率化することです。発注のたびにFAXで注文用紙を印刷・送信したり、請求のたびに請求書を印刷して郵送したりする手間を考えると、データの送受信だけで済ませられるのであれば大幅に作業コストを削減できます。

注文を送信する側にとっては数枚の送付であっても、受注する側にとっては複数の取引先から毎日何百枚、何千枚という注文用紙を受け取ることにもなりかねません。そのため、これらを一括でデータ化できるだけでも大幅に生産性が向上します。

ECサイト

ECサイトはBtoCでもよく見られる取引形態で、インターネット上に商品を販売するためのWebページを構築して取引先に商品を提供する方法のことです。一般消費者としてECモールやECサイトから商品を購入した経験は、ECの利用が当たり前になりつつある現代においては誰しも一度はあるのではないでしょうか。

BtoBでもECサイトはよく利用される取引形態ですが、会員登録していたり特定のURLを知っていたりする人以外はアクセスできないクローズドサイトとして運営されるケースが比較的多い傾向にあります。また、BtoC用のプラットフォームとは機能が一部異なっているという違いもよく見られます。

EDIは受発注データや請求データを送受信することを得意としていますが、それ以外の作業には基本的に対応できません。例えば商品一覧から目的の商品を検索して探し出したり、商品写真を見て購入する商品を選んだり、過去の閲覧履歴からおすすめ商品を表示してくれたりする機能はECサイトならではといえるでしょう。

毎回同じものを注文するのであればEDIは操作が簡易的でスムーズな面もありますが、異なる商品を状況に応じて注文するのであれば、情報量の多さや検索の利便性などの面でECサイトに分があるといえます。

市場規模

2019年度のBtoB-ECの市場規模は352兆9,620億円であり、前年比2.5%増という結果になっています。2015年から毎年右肩上がりに成長を続けており、EC化率も前年比+1.5%の31.7%になりました。

業種別に見ると食品製造業は前年に比べて市場規模が9.0%伸長し、EC化率も59.3%と非常に高い割合を記録しています。

EC化率が全体の約3割に迫るBtoB-ECはBtoCやCtoCに比べてもEC化率が高く、EDIやECサイトの活用が進んでいることを示しています。2019年に限ると売上高の拡大よりBtoB-ECの成長率が著しく、今後もこの傾向は続いていくとみられています。

参考:令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)

https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf

BtoBのECサイト構築におすすめのサービスをご紹介

BtoBのECサイトを構築する際は、高機能でありつつ操作感がシンプルで直感的に使えるものを選ぶと便利です。ここでは、おすすめの5つのサービスをご紹介します。

Shopify

https://www.shopify.jp/

Shopifyはカナダ発祥のEC販売のプラットフォームで、世界No.1のシェアを誇る非常に知名度の高いサービスです。

新たにネットショップを開設するために必要な機能は一通り網羅されており、1から作り上げると専門的な知識を必要とするECサイトも、あらかじめ用意されているテンプレートから選択して必要事項を入力するだけで簡単にデザイン性の高いページが出来上がります

世界中で愛用されているプラットフォームだけあって、決済方法の選択肢が豊富なのも嬉しいポイントです。日本国内で主流のクレジットカードはもちろん、コンビニ決済や代引きの他、PayPalなどのインターネット決済も網羅しています。

越境ECによる海外進出を目指している場合でも、175ヶ国で100万人以上のユーザーを抱えるShopifyなら耳慣れない決済サービスにも対応しているので安心です。また、Shopifyは国内では日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の3社と提携しており、配送面でも柔軟な対応が可能になるのも利便性が高いサービスであるといえます。

導入コストも月額29ドルからと気軽に始められる価格帯なので、初めてECサイトを運営する方でも扱いやすいプラットフォームです。

楽楽B2B

https://raku2bb.com/

楽楽B2Bは株式会社ネットショップ支援室が開発・提供するサービスです。BtoBの受発注取引において必要不可欠な取引先別の設定を細かく調整可能で、価格や掛け率の変更をさまざまな方法で設定できるのが魅力のひとつです。取引先別だけでなく商品別や商談別にも掛け率を設定できるので、状況に応じた柔軟なECサイトの運用を叶えられます。

また、楽楽B2Bは他社サービスとの連携が豊富に用意されているというメリットもあり、送り状発行サービスや物流、ERP、決済サービスなどさまざまなプラットフォームとシステム連携して業務を効率化できます。

さらに他社にはあまり見られない特徴として、AI搭載のOCRを活用した注文書の自動読み込み機能を実装していることが挙げられるでしょう

OCR機能は書類などに印字されている文字を読み取って自動的にテキスト化するツールのことです。AIを搭載することで精読率を高めたOCRが注文書の内容を正確に読み取るので、これまでは対応が難しかった複雑性の高い内容でも自動処理が可能になります。

フォーマットは自分で指定しなくても書類を読み取るだけで自動的に最適なものが選ばれるため、様式に合わせて個別に設定する手間も削減できます。

Bカート

https://bcart.jp/

株式会社Daiが提供するBtoB向けサービスのBカートは、導入企業500社以上を誇る実績豊富なASPサービスです。BtoB取引に特化して作られているので独自の商習慣にも対応しており、取扱商品の注文や案内をはじめとした手間のかかる取引を一括で管理できる機能も搭載されています。

導入コストが月額9,800円~と比較的安価なことも支持を集める理由のひとつといえるでしょう。シンプルで直感的な操作が可能なのでECサイトを初めて運営する方でも扱いやすく、多機能すぎないバランスの良さも魅力的です。クローズドサイト機能も用意されているため、取引先に限定した運用もできるようになっています。

他社とのサービス連携も豊富で、掛売の請求代行サービスやクレジットカード決済サービス、物流連携、集客サポート、在庫管理などさまざまな機能と連携して業務をスムーズに進められます。多言語化ソリューションとの連携も可能なので、越境ECを検討している企業でも選びやすいサービスです。

また、APIの公開を実施しているのでデータを外部システムから取得したり更新したりできる点も業務の利便性を高められるポイントといえます。

EC-CUBE 

https://www.ec-cube.net/

株式会社イーシーキューブが開発するEC-CUBEは、オープンソースタイプのネットショップ構築システムです。オープンソースなのでプログラミングの知識は必要になりますが、カスタマイズ性が高く理想通りの機能やデザインを実装できるのが最大の魅力です。EC-CUBEで作られた店舗は35,000店舗を超えており、多くの事業者の支持を獲得しています。

すぐにECサイトの運用を開始できる基本機能は一通り揃っており、シンプルな構成であれば必要最低限のカスタマイズを施すだけで公開できるのも魅力的といえるでしょう。追加したい機能があれば約800個のプラグインの中から自由に選べるので、実装したい機能の実現も思いのままです。

EC-CUBEを利用してECサイトの開発を行っている制作会社は数百社を数えるなど専門家からの信頼も篤いサービスであり、オープンプラットフォームの開発コミュニティが常設されていて疑問点はユーザー同士で質問できる環境も整っています。

クラウド版とダウンロード版の2種類があり、自社の状況に応じて好きな方を選べるので導入環境に左右されにくいのもポイントです。月額6,800円~の安価な価格設定なので、ランニングコストを抑えたい事業者様にもおすすめです。

EC-ORANGE

https://ec-orange.jp/

株式会社エスキュービズムが手がけるEC-ORANGEは、BtoBやBtoCなどの垣根なくさまざまなECサイト構築に対応できるサービスです。中には実店舗とECサイトを連携させるオムニチャネルを実現した例もあるなど、カスタマイズの柔軟性が高いのが特徴です。

EC-ORANGEはECサイトの構築から実際の運用まで一貫したサポートを提供しており、ECサイトの詳しい知識がない事業者でも安心して任せられるのがメリットのひとつといえます。

多くのアクセスが見込まれる大規模なECサイトでも負荷に耐えられる強固なプラットフォームを用意しているので、月間売上が数十億円を超えるようなケースでも安定的にサービスを提供し続けられるでしょう。

急激にアクセスが増加しても比較的サーバーダウンしにくく、1秒間に数百アクセスや1分間に1,300件以上の注文があっても耐えられる仕様になっています。アクセス増加が事前に予測される場合はサーバーリソースを追加しておく対応も可能なことから、安定性を求める方にはおすすめです。

ERPや外部サービスとの連携実績も豊富であり、会計システムや在庫管理システムをはじめとした国内・海外のあらゆるデータ連携を可能にしています。機能追加も容易で、VRコマースなどの最新技術を利用した販売手法にも対応できます。

BtoBのECサイトに必要な機能

BtoBのECサイトには主に4つの機能が備わっている必要があります。それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。

機能1:取引先企業の情報管理

まずは取引先企業の情報を管理できる機能を用意しなければなりません。発行したログインIDやパスワードを取引先別に紐付けたり、取引先の納品先設定を行ったりして一つひとつの取引先に個別の設定を適用できる状態にすることが可能です。

支払いサイトや締日を個別に把握して設定することも大切です。支払いサイトが30日の取引先と60日の取引先では代金の回収サイクルが大きく異なり、マスタ上で誤った設定をしてしまうと、請求書を出力した際に支払い日が間違った状態で印字される可能性があります。

また、一般的なBtoBのECサイトでは最大購入金額の設定も可能な場合が多いといえます。購入上限金額を設定しておき、その金額を超える商品の購入は自動的にエラー表示させる機能です。

取引先一件ずつの情報を綿密に管理することが、BtoBのECサイトを運営するにあたって信頼を獲得する重要な要素になります。情報管理が徹底しているとマーケティング支援ツールと連携してデータ分析やキャンペーン施策の実行にもつなげられるため、行き届いた管理が必要不可欠です。

機能2:クローズドサイト運営

クローズドサイト運営とは、会員登録済みの取引先など限られたユーザーに限定してサイトを公開する運営方法のことです。この運営方法では一般のアクセスはすべて弾かれるため、ログインIDとパスワードを発行している人のみ、もしくは特定のURLを知っているユーザーのみアクセスできるといった手段が取られます。

クローズドサイト運営は取引先と定期的に取引を行う必要がある場合に多用され、基本的には既に取引がある得意先をターゲットとしています。得意先別の情報を管理できるため卸値が得意先ごとに異なったり、販売できる商品を限定したりできるケースが多いでしょう。

BtoBにおいては大口の取引先ほど割引率が高くなりやすいという独自の商習慣があり、取引先別のマスタを持って割引率を変更する必要があります。

クローズドサイト運営は特定の取引先にだけアクセスを認めるため、管理が容易で効率の良いやり取りができ、受注業務の負担を軽くできるのがメリットです。ただし、自社にとって使いやすいECサイトを意識しすぎてしまい、取引先にとって利便性の低いサイト構成になりやすい点には注意が必要です。

機能3:一括注文

BtoBのECサイトでは購入する商品を1点ずつカートに入れると作業効率が悪いため、一括注文機能を用意すると取引先にとって使いやすいサイトになります。

一般的なECサイトでは、商品を購入する際の動作は「商品を検索する→購入する商品の詳細ページを開く→数量を選択する→カートへ入れる→次の商品を検索する」の繰り返しになります。しかし、このロジックでは大量に発注する必要があるBtoBでは時間がかかりすぎてしまいます。

そこであらかじめ商品一覧画面に数量変更メニューとカートへ投入するボタンを設置しておき、個々の商品の数量を設定した後一括でカートに登録できる一括注文機能が活躍します

発注業務は日常的なものなので、できる限りストレスを感じずに購入してもらえる環境を作らなければECサイトを使うことを不便に感じてしまい、従来の電話発注やFAX発注に逆戻りしてしまう可能性も考えられます。いかに取引先にとって利便性の高い導線を用意できるかが、BtoBのECサイトを成功させるカギになります。

他にも商品を検索する際に型番だけでなくフリーワードに対応したり、入力すると関連商品がサジェストされたりする機能は喜ばれやすいでしょう。在庫数を表示しておかなければ発注可否が分からないため、画面一覧に残りの在庫数も忘れずに表示することが大切です。

機能4:取引先別の機能設定

前述のように取引先別に商品単価を変更するなどの対応が必要になるため、BtoBのECサイトでは得意先別にさまざまな項目を設定する機能が用意されていなければなりません

例えば「得意先別商品表示機能」では、得意先によって自社が登録している商品マスタのうちどの商品を購入対象として表示するかを制御できる項目です。A社には商品A、商品C、商品Dを表示し、B社には商品Bと商品Dを表示するといった制御が可能になっている必要があります。

また「得意先別単価表示機能」は、得意先ごとに設定した商品単価を自動的に取引先の発注画面の一覧に表示させる機能のことです。商品Aの単価をA社には100円、B社には130円などのように自動表示させることで、それぞれの取引先はお互いの価格が見えない状態で仕入れができます。

さらに「得意先別決済制御機能」も必要です。これは得意先によって決済方法を制御する機能で、A社はクレジットカードと代引き、B社は掛売のみなど、柔軟な制御が可能になっていなければなりません。

BtoB向けECサイト構築のポイント

BtoB向けECサイトを構築する際は、次の4つのポイントを意識することが大切です。BtoBにはBtoCとは異なる部分がいくつかあるので、BtoB固有の習慣を理解して準備を進めるように心がけましょう。

ポイント1:BtoB向けECサイトのタイプを理解する

BtoB向けのECサイトには主に5つのタイプがあり、どのタイプを採用して運用するかは重要な問題です

1つ目は誰でも訪問できて価格も公開されており、会員登録不要で商品を購入できる「オープンタイプ」です。このタイプはリピーターの獲得を考慮せず、常に新規顧客を獲得することで売上を立てる場合に使われるケースが多いでしょう。ただし、リピーターの重要性が浸透している現在ではあまり使われていません。

続いてBtoBのECサイトでは広く見かける「セミクローズドサイト」があります。会員登録していない訪問者には価格を伏せた商品の一覧など一部のページだけを閲覧可能にしておき、会員登録するとより具体的な情報を閲覧できるタイプのECサイトです。自社に興味があるユーザーを獲得しやすく、リピーターにお得な情報を提供しやすいのが魅力といえます。

セミクローズドよりもさらに閉鎖的な「クローズドサイト」については、前述のように検索結果には表示されず、既存の取引先などに対してIDやパスワードを発行しないと閲覧できないタイプのECサイトです。

また、企業が用意している既存のプラットフォームに出店したり出品したりする「ECモール」と「マーケットプレイス」もBtoBに利用できます。ECモールはショップを開設してそのページで商品を販売しますが、マーケットプレイスでは商品を出品登録して購入してもらう形を取ります。自社で集客しなくても訪問者を集めやすいのが特徴です。

ポイント2:BtoB特有の商習慣を押さえる

BtoBにはBtoCにはみられない独自の商習慣があるため、あらかじめ内容を把握しておくことは重要です。例えば、前述のようにBtoBでは取引先によって卸値や販売する商品が異なることが多いので、システムも取引先ごとに設定できるものが必要になります。

また「掛売」という方法で支払いを行うことが多いのもBtoBの特徴のひとつです。BtoBでは1回あたりの取引額が大きくなりやすいことから、現金で毎回代金を支払うのではなく、当月の購入代金を翌月末や翌々月末にまとめて入金する形で支払う掛売がよく利用されます。

掛売では売上が現金化されるまでに時間がかかるので、キャッシュフローが悪化しないように計画的な資金運用を行うことが重要です。掛売の場合は支払いサイクルに合わせた請求書の発行ができるシステムなどが必要になります。

ポイント3:コストやカスタマイズ性のバランスを見極める

BtoB向けのECサイトを構築する際は、コストやカスタマイズ性のバランスを見極めることが大切です。

さまざまなカスタマイズを加えて取引先にとって便利な機能を数多く用意すると顧客満足度は高まりますが、その分構築費用や管理コストは膨らみます。初期費用だけでなく継続的な運用コストまで考慮した上で、取引先の利便性と自社がかけられるコストのちょうど良い落としどころを探しましょう

一般的に、あらかじめ機能が決まっていてカスタマイズが難しいASPなどのECサイトは比較的安価に利用でき、ある程度の機能が決まっていてカスタマイズもできるパッケージが中程度、1からシステムを作り上げるフルスクラッチが最も高額になる傾向にあります。

ポイント4:物流など外部に委託できる業務は手放す

自社でECサイトのすべての業務を運用するとやらなければならないことが多く、商品開発やマーケティングなどのメイン業務に手が回らなくなる可能性があります。

特に小規模事業者などはそれぞれの業務に十分なリソースを割けないケースも多いので、日々の運用に追われて商品展開がままならないなどの課題が生じることもあるでしょう。

物流など特に手がかかる部分については、外部への委託を検討することも手段のひとつです。ECサイトをスムーズに運用する上で物流は非常に重要ですが、リソースが少ない状態で高品質なサービスを提供することは難しいのも事実です。プロの手を借りて、安定的に高品質な配送を提供できる環境を整えることをおすすめします。

「BtoB」と「BtoC」の相違点

商品を販売するという点では同じでも、BtoBとBtoCでは異なる点がいくつもあります。そこで、BtoBとBtoCの相違点を3つの観点からご紹介します。

顧客

一般消費者を相手にするBtoCとの相違点のひとつは顧客にあります。BtoCは商品を販売する相手は個人であり、商品を閲覧した人が「この商品を購入しよう」と判断すればすぐに購入できます。そのため、その人自身に買いたいと決断させることができれば売上を立てられるでしょう。

しかし、BtoBにおいては商品を購入するまでに社内の複数の担当者がさまざまな商材を比較・検討するプロセスが発生します。担当者レベルで商品の選定が終わっても、部門長をはじめとした決裁権を持つ組織の長が購入を許可しなければ実際の購入には至りません。

BtoCにおいては流行しているものを周りに流されるように購入するケースも少なくありませんが、BtoBでは社内稟議を通して商品を購入することから流行に従ってなんとなく商品を購入するケースはほとんどないといって良いでしょう。

購入の決定には複数の担当者が関わるため、商品を購入してもらうには「なぜこの商品を購入する必要があるのか」「この商品を購入するとどのようなメリットがあるのか」を明確に伝える工夫が必要です。

決済方法

BtoCのECサイトにおいては、商品を購入する際にクレジットカードや銀行振込、代引き、モバイル決済などの決済方法を用意する方法が多いといえます。しかし、BtoBでは代引きやモバイル決済を使うシチュエーションはそれほど多くないでしょう

クレジットカード決済についてはBtoBでも使用されることが多く、特に購入額が少額に留まる小口の取引先においてはよく選ばれる決済方法です。銀行振込は積極的に利用されますが、これは厳密にいうとBtoCにおける銀行振込とは異なります。

BtoCの銀行振込は「注文した商品の合計額を1回ごとに指定の銀行口座に振り込む」という方法を指していますが、BtoBにおける銀行振込は「BtoB向けECサイト構築のポイント」の項でもご紹介した掛売を指すことが多いでしょう。

掛売は支払いを一定期間猶予することになるため、与信を参考に確実に資金回収できる見込みのある企業にしか認めないケースもよくあります。最近では掛払を代行してくれるサービスもあるので、場合によっては利用を検討するのも手段のひとつです。

販売経路・手法

BtoBとBtoCでは販売経路や販売手法も異なるケースが多いといえます。一般的に、BtoCでは一般消費者が購入した商品を使用することを想定して販売されます。つまり、「販売者→一般消費者」の流れを想定しており、そこから先の販売経路は特に想定されていません。

しかし、BtoBでは購入した商品を自社で使用するだけでなく「企業から仕入れた商品を一般消費者に販売する」という販売経路が存在します。このような例はBtoBの中でも「BtoBtoC」と呼ばれており、BtoCとは異なります。

そのため、BtoBのECサイトの中には「購入した商品を自社で使用する企業向けのECサイト(直販型)」と「商品を仕入れ目的で購入して一般消費者に販売するためのECサイト(再版型)」の2種類が存在するのが特徴です。

さらに販路管理もBtoBとBtoCでは差があります。ここまでお伝えしてきたように、BtoCでは基本的にユーザーによって販売する商品や価格を詳細に変更することはないといえます。

一方のBtoBでは取引先ごとに掛け率や販売品目を柔軟に変更する必要があり、ECサイトの運用方法もオープンタイプ、セミクローズドサイト、クローズドサイトなど多岐に渡ります。BtoCでもオープンタイプやセミクローズドサイトはめずらしくありませんが、クローズドサイトはBtoB特有の販売手法といえるでしょう。

BtoB向けECサイトのメリット・デメリット

ここでは、BtoB向けECサイトのメリットやデメリットについて解説します。

メリット1:業務効率向上

BtoB向けECサイトを構築することで、業務効率化を図れるというメリットがあります。

電話受注やFAX発注は人の手で注文を確認して販売管理システムなどに受注情報を入力しなければならないため、確認漏れなどによるヒューマンエラーが発生しやすい状況にあるといえるでしょう。

例えばFAXで送られてきた注文書の行数を一行読み飛ばして登録してしまい誤出荷を発生させたり、電話受注の際に聞き間違えて他の商品をメモしてしまったりするなど、取引先からのクレームに直結するミスも考えられます。

ヒューマンエラーを防止するためには確認作業を徹底するなどの対策が考えられますが、チェック体制を強化するほど工数は膨らむでしょう。人件費の増大につながると同時に、従業員の負担も大きくなります。

ECサイトを利用して受注確認や出荷指示の作成をシステム化することで、受信したデータが自動的に受注情報として登録されるようになるので作業の正確性を高めて業務の効率化も実現できます。中には倉庫への出荷指示まで自動的に作成できるシステムもあることから、受注業務をほとんど自動化できるケースも多いでしょう。

メリット2:リソースの削減

従来のようなアナログの発注方法を採用していると、電話やメールを通じて商品の価格や詳細情報、在庫数などの問い合わせ対応を行わなければならず、対応工数が膨らみやすくなります。

取引先が多ければ多いほど工数は増加し、いつ連絡が来るか分からない連絡に備えて従業員も常に備えておかなければならないので、メイン業務に集中できなくなる可能性もあるでしょう。

ECサイトを準備しておくことで必要な情報を取引先が個々のタイミングでECサイト上から確認できるようになり、問い合わせ対応にかかる工数を削減できるのもメリットのひとつです。空いたリソースは自社の重要な業務に割り当てられるようになるため、生産性の向上も期待できます。

デメリット1:新たなコストが発生

構築方法にもよりますが、ECサイトを開設するには一定のコストがかかります。電話発注やFAX受注であればかからない新たなコストが発生するのはBtoB向けECサイトを開設するデメリットのひとつといえるでしょう。構築にかかる初期費用だけでなく、運用を継続するためのランニングコストも無視できない部分です。

ECサイトを開設するのであれば、あらかじめ費用対効果を十分に検証して自社にとってメリットがあることを確認した上で導入を決めることが大切です。効果があいまいな状態で導入すると費用だけがかかり続けてしまい、コストが見合わなくなって結局アナログな受注方法に戻さざるを得ないなどの失敗が起こるケースもあるので注意が必要です。

また、せっかくコストをかけてECサイトを用意したのに取引先になかなか利用してもらえないなどの問題が発生するケースもあります。多機能化しすぎると操作が複雑になったりコストがかかりすぎたりする可能性もありますが、コストとのバランスを見ながら取引先にとって使いやすいECサイトを設計することも大切です。

デメリット2:顧客サポートなど他業務が増える

これまで電話発注やFAX受注を採用していた既存の取引先にECサイトの利用を打診すると、好意的な回答をもらえないケースがあります。

既に他の取引先との間でECサイトを通じた発注を行っている場合は、発注のイメージを掴めておりインターネット環境を整えるのも難しくないことから比較的スムーズに導入を受け入れてもらえる可能性が高いといえます。

一方で、難色を示される場合は従業員がパソコンを使うことに不慣れなスタッフばかりでECサイトを使用した発注に不安を抱えていたり、費用対効果に疑問を持っていたりといった原因が背景に存在しているケースが多いでしょう。

そのような取引先に対しては作業手順を詳しく記したマニュアルを作成して配布したり、取引先を集めて導入効果の説明会やデモ画面を使った操作説明を実施するなどの手厚いサポートが必要になります。他にも変更に伴う業務フローの策定や取引先との調整などさまざまな業務が発生するため、導入までに他業務が増えるというデメリットがあります。

BtoBサイトの事例をご紹介

最後に、国内で有名な3つのBtoBのECサイトの事例についてご紹介します。

モノタロウ

https://www.monotaro.com/

モノタロウはBtoBを対象として工業用の間接資材を販売するECサイトです。商品数の多さが何よりの魅力であり、総アイテム数は1,800万点を超える品揃えの豊富さで多くのリピーターを獲得しています。モノタロウ自身のプライベートブランドも展開しており、35万点ほどの商品を安価に提供することで支持を高めています。

モノタロウのECサイトはカテゴリーが見やすく目的の商品を探しやすい設計になっているのが特徴です。トップページ左側または中央にカテゴリーが詳細に分かれた状態でリンクが設置されていることから目当ての商品にたどり着きやすく、購入までの過程をスムーズに進められます。

「クイックオーダーシステム」という便利な注文機能を採用しており、商品カタログの注文コードと数量を入力するだけですぐに注文できるので、ストレスなく決済を完了できるのもメリットのひとつです。

また、シーズンに応じた人気商品の特集を行ったり在庫限りの特売商品を紹介したりと情報提供も豊富で、定期的に訪れたいと思わせる工夫が詰まっています。

カスタマーサポートはECサイト上の問い合わせフォームや電話、チャットが用意されています。当日15時までに注文すると最短で翌日出荷(土日祝除く)されるなど、スピーディーな出荷対応も嬉しいポイントです。支払いも銀行振込やクレジットカード決済の他に、口座振替や定期振込など多くの種類に対応しています。

FUJIEI toB SUPPLY(旧:BtoB にくらす)

http://www.fujiei-tobs.jp/

 

FUJIEI toB SUPPLYは株式会社藤栄が運営する、BtoBのセミクローズド方式を採用した生活用品全般を販売するECサイトです。以前はBtoBにくらすという名称で運営されていましたが、現在は「FUJIEI toB SUPPLY」に名称変更されています。

同ECサイトはトップページがシンプルで見やすい設計になっており、ブランド、シリーズ、アウトレットの3種類に分かれているのが特徴です。カテゴリーを選択すると商品の一覧が右側に表示されるので、ワンクリックでさまざまな商品を見比べられてストレスの少ない購入を実現できるでしょう。

欲しい商品が見つかったら商品情報ページを開いて「カートに入れる」をクリックするタイプなので、購入要領は一般的なBtoCのECサイトに近いといえます。欲しい商品をカートに入れ終えたら注文画面に進み、決済を実行するという流れで購入を完了できます。

決済方法はBtoCでよく採用されている先払い型の銀行振込とクレジットカード決済、Paidという後払いシステムに対応しています。

ニトムズ

https://www.nitoms.com/

ニトムズは医療用品や衛生用品、清掃用品、文房具などの日用品をBtoBを対象に販売しているECサイトです。「コロコロ」の名称で知られる清掃用粘着テープなどを数多く扱っており、中には自社のプライベートブランドもあります。STALOGY、decolfa、Colorfullなどのブランドはニトムズの自社製品です。

ニトムズの中でもサイトは2種類に分かれており、小売店向けのページではブランド別に商品を閲覧できるようになっています。注文は小ロットから可能で、掛売も利用できるので大口の注文でも安心です

もうひとつのサイトは病院やオフィス、工場を対象としており、ブランドごとではなく商品を使用するシチュエーション別にカテゴライズされているのが特徴です。BtoBだけでなくBtoC用のヘルスケア用品の販売ページも用意されているなど一般消費者向けの側面も持ち合わせており、BtoCのECサイトのように24時間いつでも商品を購入できます。

掛売の他にもクレジットカードや先払いのPay-easyに対応しており、複数の決済方法の中から選べるのもポイントです。

BtoBならではのECサイトの特徴を押さえて事業を成功させよう

ECの市場規模が年々拡大している現代において、ECを効果的に活用したBtoB取引は利便性や業務効率を大幅に向上させられる可能性がある手段だといえます。EC化率は今後も高まっていくことが予想されるため、早い段階でEC化に取り組むことをおすすめします。

独自の商習慣を持つBtoBでECサイトを構築するには、取引先ごとの設定や一括注文などBtoCにはない機能を用意しなければなりません。サイトのタイプもさまざまなので、自社に合ったものをコストと機能のバランスを見ながら選びましょう。

ECサイトの運営には手間がかかることから、場合によっては物流などの外注できる業務をアウトソーシングするのも手段のひとつです。BtoBならではのECサイトの特徴を押さえて計画的な準備を行うことが、事業を成功させる最大のポイントです。

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