3定管理とは|実施方法やメリットなどを詳しくご紹介

2021年6月24日

3定管理とは|実施方法やメリットなどを詳しくご紹介

3定管理は物流現場や製造現場など、人が手を動かして行う作業で頻繁に使われる備品に対して、紛失防止や在庫を探す無駄な時間を減らす有効な管理方法です。。「定位」「定品」「定量」の3つ「定」を指して、3定管理といわれています。今回の記事では、3定管理の実施方法や導入するメリットなどを詳しくご紹介します。

3定管理とは|「定位」「定品」「定量」

定位

3定管理における「定位(ていい)」とは、物を置くためにあらかじめ定められた位置のことであり、そのためには事前に物の置く場所を決める必要があります。資材や備品を常に配置する場所を決め、その物品の「家」とすることで、「どこに」置くのかを定めることを目的としています。

定位を決めるポイントは、ただ単に場所を決めるだけでなく、誰でも分かるような形で明確に置く場所を表示することです。「あの棚に置く」という大まかな決め方でなく「あの棚の上から何番目のラックの右側に置く」といったように絞って場所を特定する事で、物の位置を分かりやすく示します。

定位の場所が分かりやすくなるように、あらかじめ倉庫の全体エリアマップを作成したり、棚が設置してある場合はすべての棚に対して棚割表の作成を行うこともあります。定位が決まったらネームプレートを作成し、棚に貼り付けて固定するなど工夫を施すことで、誰でもその定位を理解することができるでしょう。

その他にも、スポンジなどを物の形にくり抜き、そこにはめて収納する「形跡管理」や、養生テープなどで区画範囲を決める方法、フォークリフトやパレットなどの大型備品に対しては倉庫の床自体にラインを引いて駐車場のように明示する方法など、定位の設置方法は置く物品の種類や倉庫の環境に応じて多種多様です。

別の観点として、「使用頻度が高い物を取り出しやすいところに配置する」など他の配慮も必要となる場合もあるでしょう。

定位を設定するときには「どこに何を収納すれば良いのか」を、広域的な視点で考えて整備をすることが大切といえます。

定品

「定品(ていひん)」とは、決まったところに戻す商品そのものを指します。定品を決めるときには、その場所に「なにを」置かなければならないのかが明確にするためには、ただやみくもに置く物を決めるのではなく、作業場所や作業工程などを鑑みて決めることが大切です。

例えば、梱包を行うときには資材のみに限定するなど、工夫して定品を考えることで、ピッキング作業や梱包時などシチュエーションに応じて必要な備品だけで整えられた環境を作り出すことができます。

「なぜこれがここに置く必要があるのか」という理由がしっかり定められてていると、「何を置けば良いのか」をスムーズに決定でき、従業員全体に定品の習慣を付けることができるでしょう。

定量

「定量(ていりょう)」とは、適切な量をあらかじめ決めておくことを指します。定量を守ることで、余計な備品や資材があふれて作業スペースが圧迫されたり、作業効率が落ちることを防ぐ効果が期待できます。適切に運用するためには使用頻度なども鑑みて「どれぐらいの量を置くのか」を検証する必要があります。

定量を定めた結果作業スペースに溢れたものは、倉庫などのバックヤードで管理し、不足したら、すぐに補充するといったルールで運用します。そうすることで、乱雑になりがちな作業スペースを常に整えておくことができるだけでなく、在庫管理ミスによる備品の欠品を防ぐこともできるため、、余計なアクシデントの防止に繋がります。

3定管理の対象物

3定管理を行う具体的な物としては、台車や工具類などの倉庫で使用する備品類を対象とする場合が多いです。

特にカッターやはさみなどの刃物類はお客様に発送する商品に誤って混入してしまえばクレームへ発展する可能性があるため、厳重な管理体制が必要です。。

またハンディターミナルや、ハンドル台車、板台車などの台車類も倉庫の中で快適に作業ができるように環境を整えるためには、3定管理で置き場所を定めるのが望ましいとされています。使用頻度が少ない工具類なども、いざ使うときにすぐ見つけられるように3定管理で管理したほうがよいでしょう。

3定管理のメリット

メリット1:商品の異物混入を防ぐ

3定管理を用いて常に物が正しい場所に置き管理をすることで、商品への異物混入を防ぐことができます。

異物混入は企業の信用を失う重大なミスとなるだけでなく、それが原因でお客様へ慰謝料などの損害賠償金を支払うケースも考えられます。このような事態を防ぐためにも3定管理を用いて異物混入を防ぐのは、企業運営においてのリスクマネジメント施策の一つといえるでしょう。

メリット2:作業効率が上がる

大きい倉庫で作業を行う場合は備品の置いてある場所が作業場より離れていたり、どこにあるのか分からない状態だと、余計な時間が小規模の倉庫に比べてさらに嵩んでしまいます。また作業途中に備品等が必要になった場合には作業が途中で止まってしまうので、業務の質が落ちてしまうことも想定できます。

3定管理を導入し適切に物を配置することで、取りに行ったり探したりといった無駄な行動時間を削減することができるため、生産性のアップが期待できます。

加えて無駄な時間がかからなくなることから、長期的で見ればコスト面でも改善が期待できるともいえるでしょう。

メリット3:紛失などの異常に気付きやすい

1日の仕事が終わったあとに定めた場所に備品が揃っているかを確認するようルールを決めることで、物が紛失していたり必要な量が足りないといった異常事態にいち早く気付くことができます。

工具や部品などの紛失は大きな事故に繋がる可能性があります。1日の仕事が終わったあとに定めた場所に備品が揃っているかを確認するルールを決めることで、物が紛失していたり必要な量が足りないといった異常事態にいち早く気付くことができるでしょう。

また定量の観点から見ても、「どれぐらいの量になったら在庫を購入するのか」が正確なタイミングで判断できるため、備品購入時に買い過ぎを防ぐことも期待できます。

3定管理を行うことで、紛失などの異常に気付くことができるだけでなく在庫切れやトラブルに対して最短で対応することができるのもメリットであるといえるでしょう。

3定管理の事例

トヨタ

 http://toyota.jp

3定管理を徹底している会社として有名な例が、日本を代表する自動車メーカーである「トヨタ自動車」です。トヨタではこの3定管理に加えて「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」など意味する「5S」を含めた「5S3定」の管理システムを運用しています。これらの管理方法は「トヨタ式生産方式」の一つとして紹介されており、関連した書籍が多く出版されるなど世界中の企業が模範とする管理方法として知られています。

トヨタは、あらゆる無駄を「付加価値を高めない各種現象や結果」と定義付けており、無駄をなくすための施策として5S3定の管理体制を徹底しています。また無駄の削減や生産管理の向上という目的だけでなく、スタッフの安全性の確保という観点も含まれており、多くの製造業の現場でトヨタ式生産方式は運用例として参考にされている管理方法です。

関通

https://www.kantsu.com

大阪や首都圏を中心に大手物流倉庫・アウトソーシングサービスを提供している「関通」も3定管理を導入して管理している会社の一つです。

関通では、自社内で毎月行われる毎月環境整備点検のチェック項目に入れるほど3定管理を重要視しており、社内で運用を徹底しています。

3定管理を行っているものは物流作業で頻繁に使われるテープやカッターはもちろんのこと、ゴミ箱や消火器までに渡り、厳密な管理体制の下、運用を行っています。

そのような自社での経験を活かして、実際に運用している倉庫を見ながら倉庫改善のノウハウを学ぶことができるセミナー「学べる倉庫見学会」を毎月開催しているだけでなく、YouTubeでも3定管理に関する発信を行うなど、外部に対してもノウハウを積極的に公開しています。

3定管理のポイント

ポイント1:見てすぐ分かりやすい表記にする

3定管理においては物を置くスペースは誰でも分かりやすい環境に整備することが必要です。

そのためにはルール決めはもちろんのこと、物の配置場所自体を分かりやすくする工夫も必要になります。

例えば、養生テープで置くスペースを示したり、名前シールなどでそこに配置したい物品の名前を記載して、誰もが一目で見て「そこにこの物を置く」と分かるような工夫が求められます。

あまり一般的に馴染みのない備品や工具については、その物自体も名前を明確にすると良いでしょう。備品自体に名前を記載したテープ貼るというのも一つ方法です。

細かい物を管理する場合は収納ケースを準備するだけでなく、そのケースを色分けしたり、透明で見やすい小物入れなどを使ってさらに壁へ貼り付けるのも良い方法です。このように、より物の配置が分かりやすい環境を作り出すだけでなく、なくさないようにする収納の工夫も大切です。

3定管理で大事なのは「必ずその場所に物が定量で管理されている」ということです。分かりやすいように、使う備品にあわせた「マイホーム」を構築するイメージでスペースを確保しましょう。

ポイント2:ルールは定期的に改善を行う

3定管理の管理方法は、道具の使う頻度や場面によって適切に配置を決めていくことが求められます。そのため運用していく上でより効率的な方法が見つかったときや、倉庫内のレイアウトが変わった場合には、管理ルールの改善が必要です。

現場で3定管理のルールを改善には、働くスタッフの声を定期的に聞きとることが有効でしょう。「もっとこうすればより日々の業務がスムーズになる」など現場でしか分からない意見を聞き入れることで、現状に合った3定管理を取り入れることができます。定期的にルール改善を行うことで、実際に作業を行うスタッフの作業効率が上がり、働く環境の改善にも繋がります。一度決まったルールに縛られることなく、定期的に見直しを図っていきましょう。

ポイント3:スタッフへの周知を徹底する

3定管理を適切に運用していくには、現場のスタッフが3定管理を習慣化しないと意味がありません。そのためには、誰でも分かるようなルール設定や周知を徹底をする必要があります。

配置転換や職場に新人が入ってきた場合などは、ルールが浸透していなければミスが発生しやすくなったり、運用が上手く回らなくなるため、トラブルに繋がってしまうケースが想定されます。

3定管理はスタッフ全員で運用する必要があり、1人がルールを守らないことで管理体制が崩れてしまう恐れがあるでしょう。

このような事態を防ぐためにも、倉庫内で働くスタッフに「なぜ3定管理が必要か」理解してもらうのも重要なポイントといえます。

現場スタッフにたいしての丁寧な教育はもちろんのこと、ルール変更があった場合にはこまめなアナウンスを心がけるようにしましょう。

【コラム】「5定管理」と「6定管理」

5定管理

「定位」「定品」「定量」を定めた3定管理にプラスして、「定時」「定高」を加えた管理方法を5定管理といいますます。「定時」は定められた時間を意味するもので「定高」は定められた高さを指し、3定に比べるとさらに厳密な管理体制といえるでしょう。

「定時」を定める目的としては、道具の出しっぱなしや戻し忘れを防ぐことが挙げられます。、定時の運用例としては、倉庫内の清掃の時間を定めるケースや、「期限までに使用しない場合は捨てる」などといった捨てるタイミングも決めるケースなどがあります。このように定時を定めることによって、乱雑になりがちな倉庫内の環境を整え、美しい作業スペースの維持できるのです。

「定高」は高さを定める物であり、「作業するときに取り出しやすい高さ」や「安全な高さ」を定めるという役割があります。時に、倉庫内では荷物や使っていないパレットをスペース確保するために山積みにしているケースが見受けられます。しかし倉庫内の安全面の観点でいうと、高く積み上げた荷物やパレットなどの備品が倒れたり、必要なものを取り出すときに時間がかかる可能性があり、適切な運用とはいえません。

このような事態を防ぐために、あらかじめ積み上げる高さ・定高を定めることで、安全で効率的な作業環境を構築することができるのです。

6定管理

5定管理に加えて、さらにものを置く方向を定める「定方向」まで含める「6定管理」という管理方法もあります。     

このように5定管理や6定管理が導入された背景としては、無人搬送車(AGV)などのロボットが積極的に倉庫内作業で活用されてきたことがひとつの理由と言われています。

倉庫や工場内で実働で働く人が減っている一方、導入した機械を上手く活用するにはスペースの確保やスタッフと機械が一緒に働く環境を整備する必要があります。5定管理よりも更にルールを追加した6定管理を導入することで業務体制・作業環境を厳密に整え、生産性を最大化することが期待できます。

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3定管理はルール改善とスタッフ周知が重要

3定管理では誰が見ても在庫の状態がよく分かり、誰でもスムーズに備品等が利用できる状態が求められ、定期的なルール改善はもちろんのこと、スタッフへの周知徹底、そしてスタッフ全員がその管理方法が必要である理由をきちんと認識することが大事なポイントとなります。

管理体制を徹底することによって、作業に関わる全員のスタッフが気持ちよく働くことができる環境作り整備することができるでしょう。

3定管理の体制を導入する際には、自社の倉庫内ではどのような管理体制を実践するべきかを洗い出すことで、携わるスタッフ全員がよ納得できる安定した運用体制の構築が期待できるでしょう。

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