Eコマースとは|概要やメリット・デメリットなど詳しく解説

openlogi2023年11月9日  
openlogi2021年2月25日

Eコマースとは|概要やメリット・デメリットなど詳しく解説

インターネットが普及し、誰もがスマートフォンなどのモバイル端末を持つようになった現代では、企業や一般消費者によるEコマースの利用が当たり前のものとなりました。とはいえ、Eコマースとはどのようなものなのかよく分からないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。

Eコマースは今後も拡大を続けていくことが見込まれており、これからでも参入の魅力は十分な市場です。そこで今回はEコマースの概要や、活用するメリットとデメリットについて解説します。

Eコマースの概要

まずは、Eコマースの概要について詳しく解説します。

Eコマースとは

Eコマースとは「Electronic Commerce」から取られた略称で、「インターネットを通じて商品やサービスの売買を行うこと」を指しています。商品やサービスにはECサイトで購入するような目に見える製品だけではなく、金融や保険商品、広告、輸送など幅広いジャンルの取引が含まれます。

Eコマースは主に「BtoB」「BtoC」「CtoB」「CtoC」の4種類に分けられます。BtoBは企業から企業へ商品を販売することであり、仕入れサイトなどが代表的だといえるでしょう。BtoCは企業が一般消費者に商品を販売することで、ECモールなどに出店されている商品をユーザーが購入するのもBtoCに含まれます。

CtoBは一般消費者から企業への取引であり、4つの中では事例はそれほど多くありませんが、インターネット上の中古品買取サービスなどが該当します。CtoCは企業が介在しない一般消費者同士の取引で、オークションやフリマアプリなどが挙げられます。

市場規模

近年、日本国内におけるEコマースの市場規模は右肩上がりに拡大しています。スマートフォンやタブレットが普及して一般消費者がECサイトなどで買い物をすることが当たり前になったことで、Eコマースの需要が総じて高まっていることが大きな要因のひとつといえるでしょう。

経済産業省が取りまとめた2019年のデータによれば、2010年度に7兆7,880億円だったEC市場規模は2018年度には17兆9,845億円にものぼり、10年に満たない期間で2倍以上に急成長しています。

成長率も毎年安定的に5%を超えており、だんだんと国内の販売に占めるEC販売の割合も高まっています。

商品の販売だけでなく、今やホテルの宿泊予約や飛行機などの移動手段の予約もインターネットを通じて行うのが一般的になっており、EC市場は今後もますます拡大していくとみられています

EDI(電子情報交換)・Mコマース・実店舗との相違点とは

Eコマースと混同しやすい概念として、EDIやMコマースがあります。そこで、実店舗も含めてEコマースとそれぞれの違いについて分かりやすく解説します。

EDI(電子情報交換)

EDIは企業間の電子情報交換サービスで、「注文データや納品データ、請求データなどの企業と企業が取引を行うためのデータ」をやり取りする目的で利用されます。

従来であれば紙の注文書に注文内容を記載してFAXしていたものを電子化したり、請求書をPDFで送信したりするなどの使い方が代表的です。EDIは紙で行われていた処理を効率化するために考案されたデータ伝送方法であり、最近ではWebブラウザを利用してデータをやり取りする「Web-EDI方式」が主流です。

EDIを利用するためには何らかのEDIシステムを導入する必要があるため、少数の取引にはあまり向いていません。大量の取引を行う大手企業ではEDIの利用は一般的になりましたが、月の発注件数が数十件程度の取引であれば、電話受注やFAXを併用している企業もまだ多くあるのが現状です。

Mコマース

Mコマースとは「Mobile Commerce」の略称で、「Eコマースの中でスマートフォンやタブレットを通じて行われる取引」のことを指しています。つまり、Mコマースも広義にはEコマースの一種であるといえるでしょう。最近では誰もが1人1台スマートフォンを所有する時代になったことから、MコマースはEコマース以上に注目を集めている分野といえるかもしれません。

Mコマースは「いつでも、どこでも買い物ができる」のが最も大きなメリットであり、インターネット回線がなくても携帯電話回線やWi-Fi環境があればECサイトへの接続が可能です。

Eコマースよりもますます簡単にインターネット上での買い物を楽しめることから、Mコマースという概念を知らない人でも知らずのうちに利用している人は多いといえます。

Mコマースに対応したECサイトを製作するためには、パソコンで表示した時とは別にスマートフォンで接続した時でも見やすい画面を設計する必要があります。その点ではEコマースよりリソースが必要になる部分もありますが、Mコマースの市場規模は非常に魅力的であり、手間をかけても参入する価値のある分野です。

実店舗

実店舗は従来型の「物理的に店舗を構えてお客様に足を運んでもらい、商品を販売する」販売手法のことです。実店舗は営業時間が限られている、常にスタッフがいないと運営がままならないなどの制約もありますが、実際に商品を手に取って購入を判断できる点においては他の販売手法よりも優れています。

ECサイトでは商品の紹介方法を工夫しなければサイズ感や質感などが伝わりにくい面もありますが、実店舗ではさまざまな角度から商品を吟味できるため、「届いてみたら想像と違った」というECサイトのミスマッチのような現象は比較的起こりにくいでしょう。

また、アパレルなどでは販売スタッフがいるため、商品の購入を相談できるというメリットもあります。どのような商品を選べば分からないときでもECサイトは相談相手がいないため、自己判断をせざるを得ない状況に置かれてしまいますが、実店舗ならすぐにサポートを求められるでしょう。

Eコマースの種類

Eコマースの種類には実にさまざまな種類があるため、企業の状況に応じて適切な方法で運営する必要があります。ここでは、代表的なEコマースの種類をまとめてご紹介します。

自社サイト

Eコマースの代表的な手段として、自社で独自ドメインを取得してサイトを運営する方法があります。ECサイトを構築する方法によって3種類に分かれるため、それぞれの方法について解説します。

ASP

ASPは「Application Service Provider」の頭文字を取った言葉で、ネットワークを通じてサービスを提供する事業者のことを表しています。Eコマースに限らず、販売管理や財務システムなど、ASPにはさまざまなサービスが存在します。

Eコマースに関連するASPサービスはECカートや出荷・配送システム、決済サービスなどが代表的で、Eコマース事業を営むために必要な機能はひと通り用意されています。著名なASPとして挙げられるのは「Shopify」や「BASE」「STORES」などであり、日本国内に限らず世界中で利用されているサービスです。

ASPのメリットはすでに事業者が用意しているサービスを利用するため初期コストが安価で、比較的すぐに利用を開始できるという点にあります。システムのアップデートは事業者側が実施するため、利用者は常に最新の状態で利用できる点も魅力のひとつといえるでしょう。

ただし、ASPは事業者が提供するプラットフォームに依存するため、大規模なカスタマイズは難しいというデメリットもあります。コストをなるべく抑えたい比較的小規模な事業者に向いている方法であるといえるでしょう。

パッケージ

大部分の機能がパッケージ化された状態で提供されているものの、企業のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるのがパッケージの最大の特徴です。ASPでは自社の運用に合わない事業者が、オリジナルの機能を追加したい場合などにはパッケージがよく利用されます。

システムを1から作り上げる必要がないため開発範囲を限定できることから、フルスクラッチに比べて導入費用を抑えやすいのが特徴です。

業務フローの見直しだけでは対応しきれないものの、すべての機能を1から作るほどの予算をかけられない中~大規模サイトに向いているといえるでしょう。代表的なパッケージには「ECcube」や「EC-ORANGE」「コマース21」などが挙げられます。

一方で、中長期的な利用の場合は総額のコストが高くなりやすい側面もあります。最低でも数百万円の予算を予定しておく必要があることに加えて、システムが陳腐化しやすいため定期的な開発が必要になるという点にも注意が必要です。

フルスクラッチ

既存の機能が用意されているASPやパッケージとは異なり、システムを1からすべてオリジナルで作り上げるのがフルスクラッチです。自社の運用に完全に合致したシステムを作り上げられるため、使い勝手は他の方法よりも格段に良いといえるでしょう。

反面、3つの方法の中では最もコストがかかります。ある程度まとまった年商がなければ費用対効果が低くなる可能性が高いため、大規模な事業者でなければフルスクラッチを実現するのは難しいかもしれません。

また、フルスクラッチは自由度が高いからこそ無駄な機能を実装してしまいやすいという側面がある、という点を十分に意識しておく必要があるでしょう。フルスクラッチはあらかじめ自社の業務を洗い出した上で必要な機能を検討し、ベンダーに開発を依頼するプロセスが発生します。

そのため、必要十分な機能を検討できていないと利用し始めた段階で機能の不足に気がついたり、必要のない機能を実装して複雑になってしまったりというトラブルが起こるリスクも考えられます。

ショッピングモール

ショッピングモールは企業が運営するECモールに出店者として登録し、ECモール内のショップで商品を販売する方法です。国内の有名なECモールとしては「楽天市場」や「Wowma!」などが挙げられるでしょう。

ショッピングモールの最大のメリットは集客力で、自社でECサイトを運営する場合に比べると、それほど認知度が高くない企業でも自社の商品を見つけてもらえる可能性が高まります。自社のECサイトを十分な売上が立つまで成長させるのは手間と時間がかかるため、ショッピングモールの集客力は企業にとって魅力的です。

ただし、複数の企業が同じショッピングモールに出店することから競合が多いというデメリットも抱えています。同じページに商品が並ぶために他社との差別化が難しく、価格を下げることで販売を増やそうとするあまり、他社との価格競争に巻き込まれやすいという点では注意が必要です。

また、顧客データや売上データを蓄積してデータ分析を行いたい企業にとっては、データを取得できないショッピングモールはあまり向いていないといえます。

マーケットプレイス

マーケットプレイスは「Amazonにおけるショッピングモール」であり、Amazon内に事業者が出店して商品を販売する手法のことです。商品を手軽に出品できて自由度が高く、配送やカスタマーサポートをAmazonに一任できて手離れが良いので、事業者にとっては利便性の高いECモールだといえるでしょう。

商品の出品が完了すれば、決済手続きなどはすべてAmazonを介して行われるため、面倒な決済システムの準備や送料計算などは必要ありません。FBAというAmazonのフルフィルメントサービスを使うことで24時間365日の配送やサポート対応ができるのは非常に魅力的です。

一方で、販売額に応じてさまざまな手数料がかかるというデメリットもあります。手数料率は品目によって異なりますが、高いものでは10%程度になり、さらに複数の手数料が課せられる商品もあるため、事前に詳細を確認しておくことが大切です。

Eコマースの業務内容詳細

一言でEコマースといっても、その業務内容は多岐に渡ります。ここでは、詳しい業務内容をまとめて見ていきましょう。

サイトの制作・更新

商品を販売するECサイトの制作と更新作業は、ECサイトの業務の中でも重要性の高い業務のひとつです。「どのような商品をどのようなターゲット層に販売するか」を入念に設計した上で、コンセプトに基づいたECサイトを制作することで、自社のブランド力の向上を図ることが重要になります。

ECサイトは制作しただけで終わるのではなく、運用開始後も定期的に更新作業を行わなければなりません。どのように商品を配置すればユーザーが情報を把握しやすいのか、購入しやすいサイトの導線など、さまざまな部分に気を配り、改善点が見つかればその都度更新していく必要があります。

その点では、ECサイトは制作よりも更新の方が手間もコストもかかる作業であるといえるでしょう。

集客・販促

ECサイトを立ち上げても、ユーザーが訪れてくれなければ商品の販売機会も訪れません。そのため、自社のECサイトに訪問客を呼び込むための集客施策は必要不可欠です

すでに実店舗などを展開している企業であればチラシなどのオフライン広告も活用できますが、まだ知名度のない企業であれば、SEO対策やインターネット広告などを活用して認知度の向上を図るのが一般的です。

集客と並行して販促活動も行う必要があります。販促活動は自社の展開する商品をより多くの人に認知してもらい、購入に結び付けるための施策のことで、SNSや動画広告、リスティング広告などを用いて商品の紹介を行うなどの方法が考えられるでしょう。

集客と販促のどちらが欠けても十分な売上を期待することは難しいため、ある程度の予算と時間をかけて集中的に取り組むことが重要であるといえます。

マーチャンダイジング

商品やサービスを販売するにあたって、「どのような手法で販売するのか」「価格設定はいくらにするのか」などを具体的に設定する業務がマーチャンダイジングです。日本語で「商品化計画」と呼ばれる場合もあります。

マーチャンダイジングというと抽象的に感じられる人も多いかもしれませんが、本質的には「ECサイトの基本となる販売手法や価格設定を管理する業務」と捉えると分かりやすいでしょう。

マーチャンダイジングの基本となる項目は5つあり、「ユーザーの期待に応えるためにどのような商品を提供するのか」「その商品をどこから仕入れるのか」「どのタイミングで仕入れて、いつ販売するのか」「仕入れる数はいくつにするのか」「商品をいくらで販売するのか」を決めることで、競合他社との差別化を図ったり、価格競争力を向上させたりします。

問い合わせ・サポート対応

商品やサービスを販売する以上は、ユーザーからの問い合わせやトラブル対応などが発生する可能性が常に付きまといます。そのため、ECサイトにも問い合わせやサポート対応は必要不可欠です。

例えば破損などの配送トラブルが起こった際に、すぐに返品・交換対応が受け付けられないと、ユーザーは不満を抱えて顧客満足度を低下させ、二度と自社のECサイトを使わなくなってしまうかもしれません。それどころかサポート対応の品質が悪いと口コミが広がり、他のユーザーの離脱を招いてしまう可能性もあります。

トラブルを起こさない社内体制を整えることが先決ではありますが、いざという時のための万全のサポート体制を構築することは、企業の信頼を維持し、高める上で非常に重要です

ささげを含めた商品管理

新しく仕入れた商品を販売するためには、ECサイト上に商品を登録する作業が発生します。ささげ業務と呼ばれる「撮影」「採寸」「原稿」の3つの業務はユーザーに分かりやすい商品情報を提供して売上を向上させる上でも重要なので、スムーズかつ高品質な商品管理を行える体制を整える必要があります

ECサイトで商品を購入する際は、実際に商品を手に取って確認することが難しいため、商品画像や商品の情報を伝える説明文は想像以上に重要です。もし十分なノウハウが自社にないのであれば、外注を検討するのも選択肢のひとつといえるでしょう。

倉庫での在庫管理も商品管理に含まれており、一言で「商品管理」といっても、物流を巻き込んださまざまな部分に関わってくるため対応範囲は大規模になるケースが多いといえます。

受発注管理

ユーザーからの注文を処理して、倉庫に出荷指示を出すまでの受発注処理もEコマースの業務のひとつです。

一般的な受発注処理においては、ユーザーがECサイトで商品を注文するとECサイトを運営している企業の受発注システムにデータが送信され、担当者が内容を確認して倉庫への出荷指示を作成します。

出荷指示データが倉庫に送信されると倉庫で注文内容に基づいたピッキングが行われ、梱包されてトラックに積み込まれた商品が配送されるという流れになります。

最近では受発注管理の手間を少しでも削減するために、複数の販売ルートの注文を一元管理して受発注処理を自動的に処理するECカートなども登場しています。

その他総合業務

ここまでご紹介してきた業務以外にも、Eコマースに関わる業務はさまざまです。新規商品の企画や顧客データの分析業務などもその他の業務に入りますが、売上を向上させたり、顧客満足度を高めたりするためには重要な業務です。

また、商材によってはアフターフォローが必要になるケースもあるでしょう。マーケティング業務の一環として、ユーザーの行動に合わせて段階的にメールを配信する「ステップメール」などを実施している企業もあります。

上記でご紹介してきた内容はあくまでもEコマースの基盤となる必要不可欠な業務であり、企業の状況や方針によっても業務内容は異なります。Eコマースを始める際は、自社にはどのような業務が必要なのか十分に洗い出すことが大切です

Eコマースのメリット

Eコマースには、実店舗とは異なるさまざまなメリットがあります。ここでは、Eコマースの代表的な3つのメリットについて解説します。

メリット1:販路をどこまでも拡大できる

例えば自社の商品を全国各地のユーザーに届けたいと思ったとき、実店舗であれば物理的な問題が立ちはだかるため、全国展開するのは簡単なことではありません。各都道府県の集客が見込める地域を調べて物件を購入し、その土地に合わせたマーケティング活動を行って自社の店舗が浸透するまでには、大変な労力を必要とするでしょう。

また、海外展開を考えている場合は言葉の壁などもあり、現地調査と店舗展開にはさらなる労力を必要とします。海外支社を立ち上げてスタッフを送り込むなど、さまざまな戦略が必要になるでしょう。

しかし、Eコマースなら物理的な壁がなくなるため、国内の全国各地や世界中の人々に自社の商品を届けることが可能になります。配送のための物流拠点を設ける必要はありますが、一部の地域に集約して全国各地や世界中に配送することもできるため、配送業務にもそれほど手間はかからないといえます。

最近では越境ECも一般的になり、海外のECサイトで商品を購入するのはめずらしいことではなくなっています。インターネットに接続できる環境さえあれば誰でも自社のECサイトを閲覧できるEコマースは、販路はどこまでも拡大できる可能性を秘めているといえるでしょう。

メリット2:顧客データや商品売上傾向など得られるデータが潤沢

Eコマースでは、自社の商品やサービスに興味・関心を抱いているユーザーのデータを豊富に取得できるというメリットがあります。

例えばECサイトに訪問するユーザーの性別や年齢層、購入する商品の傾向はもちろん、何時に訪問するユーザーが多いのか、時期によって売れやすい商品は何かなど、さまざまな角度から細かいデータを入手可能です。

最近ではあらゆる企業でビッグデータが広く活用されるようになってきましたが、ECサイトにおいても、顧客データや商品の売上データは今後の売上向上のために重要な情報源となります

よく売れている商品のキャンペーン施策を実施してさらなる商品の認知度向上を目指したり、ECサイトに多く訪れている年代にリーチできる新商品を投入したり、データを十分に活用することは、今やECサイトを発展させるために必要不可欠であるといえるでしょう。

最近では分析機能が付いているECカートなどもさまざまな事業者から提供されているため、専門的な知識がなくても簡単に顧客データを扱える環境が整いつつあります。実店舗に比べて豊富なデータを入手しやすいEコマースは、マーケティング活動を行いやすい販売手法であるといえます。

メリット3:24時間休むことなく運営できる

実店舗はスタッフが働かなければ運営を維持することができないため、基本的には営業時間が定められており、営業終了から翌営業日の営業開始時間までのインターバルが発生します。営業を終えてお店を閉めても後片付けやその日の売上の精算などの事務処理が発生するため、売上にならない時間も少なからず人件費がかかっているといえるでしょう。

ユーザーは店舗が開いている時間でなければ買い物ができないことから「今すぐほしいものがあるけど、今日はいつものお店が開いていないから別のお店に買いに行こう」というシチュエーションは決して少なくありません。商品を購入したい時に店舗が開いていない日が何度も続き、自然と足が遠のいてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

一方で、ECサイトはインターネットに接続できる環境があれば24時間いつでも運営し続けられるので、機会損失を最小限に抑えられます。ユーザーは自分のライフスタイルに合わせて自由な時間に買い物ができるため、お店が開いていないことにストレスを感じる必要がありません。

店舗に実際に商品を陳列しているわけではないため、商品を並べ直したり翌日に備えて品出しをしたりする必要もなく、いつでも商品が整然と並べられた状態で販売できるのもメリットのひとつです。

Eコマースのデメリット

Eコマースにはメリットもありますが、いくつかのデメリットも存在します。どちらの側面も十分に理解した上で、Eコマースへの進出を検討することが大切です。

デメリット1:集客が困難

すでに実店舗を持っており、ある程度の知名度がある大手企業などがEコマースの分野に進出したのであれば、実店舗やチラシ、自社のホームページなどの媒体を活用して宣伝することで最初からある程度の集客は期待できるでしょう。

しかし、Eコマースを活用しようと考える大部分の企業は知名度の低いスタートアップ企業や小規模組織であり、Eコマースで新たなストアを立ち上げても、すぐに十分な売上を立てられるだけのユーザーを集めるのは難しいといえます

自社のECサイトに十分な集客がなければ、ユーザーに商品を購入してもらう段階にも到達することができません。このように、Eコマースは集客が難しいというデメリットが考えられます。

Eコマースで十分なアクセスを集めるためには、検索サイトの順位を上げるための「SEO対策」や、検索サイトでキーワードを検索した際にユーザーが興味・関心を持ちそうな広告を表示する「リスティング広告」などを活用する必要があります。これらを効率よく実施するためには専門的な知識が必須であり、対応できる人材がいない場合は専門業者に委託することを検討しなければなりません。

デメリット2:競合が多く価格競争が激しい

ECサイトは1つのモールに同じ商品を出品するため、複数の商品が1ページに並ぶと簡単に価格を比較できる状態になってしまいます。ユーザーは「同じ商品を買うなら少しでも安い方が良い」と考えるため、販売側も商品の品質やブランドの価値を伝えて購入したいと思わせるのではなく、少しでも価格を安くして売上を確保しようとする傾向にあります。

結果的に価格を下げることでしかユーザーは商品を購入しなくなり、競合他社との価格競争のスパイラルに陥ってしまうというデメリットが考えられるでしょう。

価格競争に巻き込まれないようにするためにはモールへの出店ではなく自社のECサイトを立ち上げて自社のブランド力を高めるなど、他社との価格比較が行われにくい状況を作り出すことが重要になります。

扱う商品に付加価値を持たせてブランド力を高め、価格の安さだけに価値を求められない状況を作り出さなければ、いつまでも価格競争から脱することは難しくなってしまいます。自社のECサイトは集客に時間がかかるため、最初はECモールなどと並行して運営する必要が生じる面もありますが、十分に育てば大きな利益をもたらす可能性を秘めています。

デメリット3:ストア利用者とのコミュニケーションが難しい

実店舗での買い物であれば、ユーザーは店舗のスタッフと直接やり取りをして商品を購入するかどうかを判断できます。例えばアパレル業界などでは顕著ですが、店舗に入ると待機していたスタッフに声をかけると、すぐに購入する商品について相談に応じもらえるでしょう。

一方でEコマースでは、ストア利用者とのコミュニケーションはカスタマーセンターに電話をしたり、ストアに記載されているお問い合わせ用のメールアドレスにメールを送ったりする手間がかかります。電話はカスタマーセンターが混み合っていてすぐに繋がらないケースも多く、メールはすぐに返信が返ってくるとは限りません。

最近ではチャットボット(あらかじめ質問への回答をストア側が登録しておき、ユーザーが入力した質問にリアルタイムで回答できるようにするシステムのこと)などを活用して極力リアルタイム性を持たせているストアもありますが、それでもストア利用者とのコミュニケーションが十分であるとは言い切れません。

このように、ストア利用者とのコミュニケーションが実店舗よりも難しい点については、Eコマースのデメリットのひとつと考えられるでしょう。

Eコマース事業成功のポイント

Eコマース事業を成功させるためのポイントは、いかにユーザーの視点に立って運営できるかにかかっています。具体的に注意したい4つのポイントをご紹介しましょう。

ポイント1:ユーザー目線に立った運営を心がける

自社が売り込みたい商品のアピールも大切なことではありますが、「ユーザーは何を求めているのか」を常に考えながら運営することが何よりも重要です。さまざまなデータを分析してユーザーが何を期待して自社のECサイトを訪れているのかを導き出し、その期待に応えられるような商品やサービスを提供する必要があります。

例えば「同業他社でも同じ商品を扱っているが、このECサイトはとにかく配送が早い」という部分に価値を感じているユーザーであれば、配送が滞ると利用する価値を感じなくなって離脱してしまうかもしれません。

「他のショップにはないめずらしい商品を購入したい」と感じているユーザーにとっては、訪れるたびに新鮮さを感じさせるラインナップであることを期待しているでしょう。

また「ユーザー目線のサポート対応」もEコマース事業を成功させるためには大切です。実店舗と比べてユーザーと自社のコミュニケーションの機会が少なくなりがちなEコマースだからこそ、一件ごとの対応を迅速かつ丁寧に行い、顧客満足度の高いサポートを実現する必要があるといえるでしょう。

ポイント2:SEOなどの集客対策を強化する

Eコマース事業を成功させる上で「どのくらい自社のECサイトに集客できているか」は非常に重要であるといえます。

ECサイトの売上は、単純な計算に直すと「商品を購入してくれたユーザーの数 × ユーザー1人あたりの平均購入単価」で表すことができますが、一般的には集客が多ければ多いほど売上も比例して伸びていく傾向にあります

例えばECサイトを訪れたユーザーのうち10%が毎回2,000円の商品を購入すると仮定した場合、1日に1,000人のユーザーが訪れるECサイトの1ヶ月の売上は次のとおりです。

100人(購入者数)×2,000円(平均購入単価)=200,000円

これが、1日に10,000人のユーザーが訪れるECサイトでは次のように変わります。

1,000人(購入者数)×2,000円(平均購入単価)=2,000,000円

実際にはさまざまな要素が絡み合うため、単純に売上が10倍になるとは限りませんが、理論上は訪問者数が増えれば増えるほど売上は伸びていく傾向にあるといえるでしょう。SEO対策などを強化して、積極的に自社に集客することが大切です。

ポイント3:現状に満足せず常にバージョンアップしていく

ECサイトを立ち上げた状態で満足するのではなく、常に新しい商品を仕入れたり、キャンペーン施策を打ち出したりして、バージョンアップを続けていくことが重要です。最初の頃は訪れていたユーザーも目新しさを感じてくれているかもしれませんが、ずっと同じ内容が続くと興味が薄れてしまい、離脱率を高める原因になります

訪れるたびに新たな特集が組まれていたり、コラムが更新されていたりするなど「ユーザーがECサイトを訪れるメリット」を継続的に提供することで、興味・関心を長くひきつけることが可能になります。

ECサイト自体の使い勝手の良さも定期的に評価して、常に更新していくと良いでしょう。顧客データや売上データを精査していると、「決済ページまで進むユーザーは多いものの、そこからの離脱率が高い」など、商品以外の何らかの問題による購入機会の損失に気がつくことがあります。その部分を積極的に修正することで、購入率を高めて売上の拡大につなげられる可能性があるからです。

ポイント4:外部委託を上手く利用する

ECサイトを運営するためには多大なリソースを必要とするため、すべての業務を自社で担うのは難しいと感じられることもあるでしょう。そんな時は外部委託を上手く活用して、自社の負担を軽くするのも手段のひとつです。

物流業務や商品登録のためのささげ業務、SEOをはじめとした集客対策など、外部業者に委託できる部分は実は数多くあります。

「委託コストがかかるから自社で処理した方が良いのではないか」と考える方も中にはいるかもしれません。しかし、プロに任せることでヒューマンエラーを最小限にとどめて高品質な運営を可能にする外部委託は、見た目のコスト以上の価値を生み出すことも多いものです。

特に物流においては自社で倉庫やスタッフを確保すると、莫大な初期投資が必要になります。Eコマース事業はスモールスタートするケースも多いため、外部委託を検討するとスムーズです。

Eコマースは今もこれからも期待できる市場

Eコマースの市場規模は10年に満たない月日のうちに2倍の規模に成長し、今後も成長を続けていくとみられています。このように将来的にも成長を期待できる市場であり、これから参入するメリットは十分にあるといえるでしょう。

自社サイトやECモールなど出店の方法はさまざまですが、自社にとってどの選択肢が最適なのかを十分に検討して参入方法を決定することが大切です。実店舗と違ってコミュニケーションが希薄になりやすい側面もあるため、ユーザー目線に立った運営を心がけましょう。

ECサイトの運営にはさまざまな業務があるゆえに、すべての業務を自社で担うのは難しく感じられる場面もあるでしょう。そんな時は外部委託を上手く利用して、高品質な運営を維持することも大切です。

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オープンロジマガジン 編集部

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