テレコ出荷とは|発生要因や注意点をご紹介

openlogi2023年12月15日  
openlogi2021年6月17日

テレコ出荷とは|発生要因や注意点をご紹介

物流作業を行う場面でよく発生するミスの1つとして「テレコ出荷」が挙げられます。テレコ出荷が起こることで、さまざまな弊害が起こることから、事前に防げる環境を整えることが大事とされています。

今回はテレコ出荷について、発生要因や注意点、防止するためのポイントなどを詳しくご紹介します。

テレコの詳細

テレコとは|出荷先をあべこべに間違えてしまうこと

物流業界で「テレコ」とは、出荷先を逆に間違えてしまうことを指す言葉です。テレコという言葉そのものに「入れ違い」「食い違い」「あべこべ」という意味があり、物流現場以外でも物事の順番が入れ替わっている場合や、一つの物が互い違いに交互で繰り返す場面などで使われます。元々の語源は歌舞伎の用語に由来される言葉であり、関西地方では方言として一般的に使われる言葉といわれています。

物流作業で起こるテレコを具体的に述べると、AさんとBさんに送付する荷物をAさんのところへBさんの荷物を、BさんのところにAさんの荷物を送ってしまう配送ミスを「テレコ出荷」と指します。テレコ出荷は実際にお客様の元に荷物が届き、箱を開封した後に発覚することがほとんどで、お客様へ本来の商品のお届けが遅くなってしまうなど、大きな影響が与える作業ミスになります。

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テレコ発生による影響とは

顧客情報の漏洩

通常ネットショッピングで購入した荷物の中には、納品書が入っています。そのためテレコで全く関係ないお客様に荷物が届いた場合は、その荷物の中に知らないお客様の名前や住所など大事なお客様の個人情報が第三者に流出することになります。

個人情報とは、名前や住所など個人を識別できるものとされています。個人情報を把握している業者は法律により、個人情報取扱業者となります。そのような個人情報取扱業者が顧客情報を漏洩させてしまったら、最悪の場合刑事上の罰則や民事上の損害賠償責任が問われる可能性があります。

このように個人情報を扱う上で、テレコが発生した影響として法的罰則を受ける可能性があるということは、物流業務を取り扱う上であらかじめ認識しておく必要があります。

会社・ブランドの信用低下

テレコが発生することによってお客様へ間違った商品をお届けしてしまった場合は、お客様が希望していた日に荷物を届けることができないという状況が発生します。お客様の立場で考えると、せっかく楽しみにしていた商品が届いたはずなのに、箱を開けたときに異なる物が入っていたことでがっかりした気持ちになるのは容易に想像できます。

テレコで間違って届いた商品はもしかしたら誰かへのプレゼントだったり、届いた翌日から絶対に必要な商品だからこそ素早く手に入るネットショッピングで購入した可能性が考えられます。そのような状況で自分が購入した商品と異なるものが届いた場合は、「もう二度とそのブランドや会社では購入しない」と一気にマイナスイメージを与える可能性も高くなるでしょう。

それだけでなく、テレコで届いた商品をお客様から返送してもらわなければならないこともあります。その場合はお客様に負担を掛けることになりますので、より一層お客様にマイナスなイメージを与えてしまいます。

このように、単なる1回のテレコだけでも会社やブランドの信用低下や購買意欲の消滅などネガティブな方向に繋がりかねません。そしてテレコが発生したこと自体を自社のサイトなどに口コミとして記入されることで、1人の顧客だけでなくそれを見た他のお客様の購買意欲を削ぐ可能性も考えられます。

その結果、ショップ全体の今後の売上に悪影響を及ぼす可能性もありますので、テレコは防止対策を念入りに行う必要があるのです。

在庫差異が発生する

在庫差異とは現在ある商品数と帳簿上の商品数が異なることです。これらは数量違いのテレコが起こるると、数が合わなくなってしまうため在庫差異が発生してしまいます。

在庫差異が起こることで、お客様から注文が来ているのに在庫がないため商品を売ることができない事態が発生し、売上の機会損失に繋がってしまいます。

それだけでなく、テレコによる在庫差異が発生しているにも関わらず、在庫の修正を怠った場合は在庫の不一致が発生するため、在庫の差異が出る原因を探る作業が必要となります。最悪の場合、在庫の確認をするためにすべての倉庫内の荷物を棚卸する必要があるため、営業を止めるか営業時間外に棚卸作業を行う必要があり、それには多くのリソースと人件費などのコストもかかります。

したがって、テレコによる在庫差異は本当は必要のない時間を割かなければならなくなるため、大きな負担となる可能性が高いのです。

テレコが発生する理由

理由1:ピッキングミス

ピッキングミスとは、お客様からの受注データに基づいて作成したピッキング伝票にて商品を取り出すときに、倉庫から異なる数量や商品をピッキングしてしまうことです。

ピッキングは、紙で出力した伝票を見ながら人が動いて作業を行っている倉庫も多く、どうしても人為的なミスが起こりやすい場面となります。特にサイズや色違いなど種類が多い商品を扱っている業種では、発生しやすいミスとされています。

またピッキング間違いが起こる理由として「ピッキング慣れ」も挙げられます。これは、いつも同じ数しか出ない商品であっても、時々いつもと異なる数量などのピッキングの指示が出ることがあります。そのようなときに「ピッキング慣れ」からいつもの個数でピッキングしてしまう可能性が高くなるのです。このように数量間違いは、特にピッキングミスで発生しやすいとされています。

理由2:伝票の貼り付けミス

きちんとピッキングを行っていたにも関わらず、送り状の貼り間違えミスが原因でテレコが発生することがあります。伝票の貼り付けミスによるテレコは、単に発送ミスだけでなく表に記載されている住所や電話番号など個人情報の流出にも繋がる重大なミスといえます。

伝票の貼り付けミスが起こる要因として、ピッキングなどの出荷準備と伝票の準備の作業担当者が異なるなど、違う人が作業することで発生する可能性が高いミスとなります。

それだけでなく、EC事業を運用する中でいきなり多くの受注が入った場合に、少ない人数で複数のピッキング作業を行う場面もあるかと思います。しかし、このような場面では伝票の貼り付けミスなど、テレコが起こりやすい状況といえるでしょう。

本来であれば、伝票と出荷商品の照合作業などが必要になりますが、そのような作業をすべての注文で行う場合は、リソースも時間も必要となります。

そのような点から伝票の貼り付けミスを防ぐためには、1件ごとにピッキングから伝票の貼り付けまで行い、終わってから次に進む「1件完結」で作業を進めていくことが、防止策として有効とされています。

テレコを防止するためのポイント

ポイント1:発生原因は複合的であることを認識する

テレコが発生する原因は、1つだけでなくいくつものミスが原因で複合的に起こるものとされています。

よくあるテレコの原因の1つとして「ピッキングミス」が挙げられます。しかし、この背景には小ロットで多種多様な商品を扱っていることで倉庫内の配置効率が悪かったり、倉庫内が乱雑になっていることも想定されています。またピッキングを行う棚番号自体もわかりにくい可能性もあるでしょう。

それだけでなく、近年多くの倉庫で課題となっているのピッキング要員の人手不足です。人手が不足すると1人あたりの負担が大きくなるため、どうしてもミスが発生してしまいがちです。お客様へのサービスという面で見ても、自社の規模に見合っていない配送ルールの設定などにより、ピッキング要員だけでなく物流作業に携わる人たち全員に大きな負担を掛けている可能性もあります。

倉庫の運用システムが、未だにアナログのやり方で運用を行っている場合であれば、人のミスをデジタルでカバーできる環境作りが整っていなかったり、物流作業のマニュアルが整備されていないこともあるでしょう。さらに、整備されていてもきちんと手順通りに運用されていななければテレコが発生する要員となります。

このように1つのテレコの原因を探っていくことで、発生原因が芋ずる式にいくつも上がってくることはよくあることです。つまり「何か1つの要因を取り除けばテレコが解決する」ということは考えにくいのです。

その上で、テレコの原因を探るため、実際に作業現場で何が起こっているかを作業担当者にヒアリングを行うことで、課題を浮き彫りにすることが重要となります。

具体的には、普段の作業で疑問に感じることなど些細なことでもいいので、現場の声を丁寧にヒアリングすることで、テレコの改善策となるヒントが得られるはずです。

ポイント2:ヒューマンエラーで片付けずに防止策を検討する

テレコ出荷が起こる根本的な原因として「ヒューマンエラー」が挙げられます。物流作業は多くの場合が実際に人が手を動かして作業を行うため、どうしてもヒューマンエラーが置きやすい環境にあるからです。

これらのヒューマンエラーはいくらマニュアル化や社員教育も大事ですが、物流作業はどうしても人が関わる作業であるため、ヒューマンエラーをゼロにすることは不可能に近いと考えるべきです。したがって、防止策としてシステムなどの導入するなどして、作業工程や作業環境など大きな視点での改善を検討することをおすすめします。

その中でも「在庫管理システム」はピッキング作業での事故を防ぐとされています。特に、1つずつのピッキングを行う「個別ピッキング」を導入している場合は、ピッキング作業自体だけでなく、作業終了後ピッキングリストや納品書、送り状、商品もすべてまとめて管理すること自体がテレコ防止のためには重要とされています。

ピッキング作業自体にシステムを導入し、ピッキング時にバーコードや二次元コードを読み込むことで、目視や思い込みによるピッキングミスを防ぐことが可能になります。ピッキングの時だけでなく、テレコが起こってしまった後の在庫差異もシステムで管理していることで、どこで原因が発生したのかがすぐに分かります。

このようにシステムを導入すれば、体系的かつ効率的に物流作業で生じる細やかなミスを解消することが可能になるのです。

【ご紹介】オープンロジでは提携倉庫様にWMSシステムを提供しています

出典:https://service.openlogi.com

すぐに利用できるクラウド型WMSシステムを提供

物流アウトソーシングサービスを提供しているオープンロジでは、提携倉庫様に日々の物流業務をより効率的に運用することができるクラウド型のWMSシステム(倉庫管理システム)を提供しています。

WMSは倉庫管理に特化したシステムであり、入出庫や在庫管理はもちろんのこと、返品処理や破損品の確認などもすべて定型化を実現します。イレギュラーな対応が発生しがちな倉庫内の作業をシステムでやりとりできるように構築することで、倉庫の運用負担を軽減できるでしょう。

それだけでなく、テレコが起こりやすいピッキングの場面でもピッキングに最適な導線を示したり、システムで管理ができるハンディターミナルを使ってバーコードを読み取れば、出荷伝票との紐付けが行われているため、間違ってピッキングをしてしまったときでもエラー表示によって発送前にミスを防ぐことができます。

物流作業は、実際に運用するスタッフの能力に左右されがちな作業です。物流業務をシステム化することで、ヒューマンエラーを極限まで減らすことができ、テレコ出荷の防止だけでなく、一定の物流品質の維持が期待できます。

1棚から空きスペースを有効活用

オープンロジの提携倉庫様の中には新たな事業への挑戦として、EC物流事業に初めて挑戦される企業様も多くいらっしゃいます。

いきなり自社倉庫の大きなスペースを運用するには不安という方に対しては、1棚からのスモールスタートでも運用可能となっています。

また提携倉庫様のスペースと人員にあわせて、オープンロジがEC案件をご紹介可能です。荷主様の運用のレクチャーや請求対応もオープンロジが対応いたします。オープンロジが荷主様と提携倉庫様の間に入ることで与信管理や請求業務、お客様対応を気にすることなく、物流業務だけに集中して対応できる環境となっています。

そして、1つのアカウントで複数の荷主様の管理ができるシステムであるため、運用を始めて慣れてきた後にさらに運用スペースや荷主様を拡大したいという場合でも、大きな負担なく一つのシステムで簡単に運用ができるところは魅力のひとつでしょう。

オープンロジが全面的に立ち上げ支援

新しいシステムを取り入れるには、多くの費用と時間がかかるのが一般的です。自社でゼロからシステムを構築するには、膨大な時間と資金が必要になるだけでなく、専門知識を持つエンジニアなども必要となるため、新たなシステム導入に抵抗感を持つ企業様も多いというケースも耳にします。

しかしオープンロジとの提携倉庫ならば利用するシステムはオープンロジが構築したクラウド型のシステムになるため、インターネットさえあればすぐに導入することができます。

導入期間も最短2週間。自社でシステムをゼロから構築する必要がないだけでなく、万が一システムを使っていてトラブルや不安なことが発生しても、すぐに解決できる体制が揃っています。

そして、過去に約8000社以上との取引の実績があるオープンロジは、立ち上げに関しても長年蓄積されたノウハウを有しています。そのため特にEC事業に関して専門知識が無い状態でも安心して倉庫を立ち上げることが可能です。

発生原因を突き止めて的確にテレコを防止しよう

1つの要因だけでなく、複数の要因が絡み合って発生することが多いテレコ出荷。発生したら自社において何が原因かを突き止めるために、物流作業に直接携わるスタッフにヒアリングを行うなど、時間をかけて原因を究明することが大切となります。

それらの原因を突き止めて改善策を検討するのはもちろんのこと、より安定した物流環境を構築するために近年では物流管理システムを導入する企業も増加傾向にあります。

システム導入に費用がかかると心配されている倉庫の方でも、オープンロジであれば最低限の費用で簡単にシステム導入が実現できる環境を提供していますので、ご興味がある方は是非一度お問い合わせください。

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オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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