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ネットショップは手軽に始めることができる事業のひとつです。ですが、しっかりと知識を得てから下準備をしなければ、失敗しやすい事業でもあります。せっかくネットショップを始めるのなら、ハードルにつまずくことなく成功させたいところです。
今回はネットショップの始め方について、開業方法やネットショップと実店舗の違い、ネットショップを運営するときに押さえておきたいポイントなどを詳しくご紹介します。新規にネットショップを始める際の参考にしてください。
ネットショップと実店舗の違い|お客様との関わり方が異なる
商品を販売するという点では共通しているネットショップと実店舗ですが、接客方法や商品の入手方法など相違点がたくさんあります。ネットショップと実店舗の違いを把握することで、ネットショップ運営を成功させるポイントを掴めます。
ここではネットショップと実店舗の違う箇所について、詳しく掘り下げていきます。
店の構え方が違う
ネットショップと実店舗は当たり前ですが、店の構え方が違います。実店舗の場合、始めに店舗を構えるために土地や賃貸スペースを手に入れる必要があります。店を構える場所を用意するには多額の費用を要します。また適している土地を探したり、契約を結んだりなど工程も多いです。
店舗を構える場所が決まったら内装を整えます。内装が整ったら商品を並べ、お客様を迎え入れます。営業時間も決める必要があり、場合によっては店員を雇うことも考えなければいけません。
一方、ネットショップはインターネット上に店を構えます。まず始めに、インターネット環境を整えます。次にネットショップを開業する場所を探します。開業方法はECサイトを利用したり自社サイトを作ったりなどさまざまです。ショップを構える場所が用意できたらその場所のルールに則ってネットショップの外観やシステムを整えます。
ネットショップでは実際の商品を手に取って見てもらう事ができないため、画像や文章で商品の説明を行います。文章と視覚からの情報しか提供できないので、好印象を持たれるような情報を詳細に提示する必要があります。
販売する準備ができたら、ショップへお客様を呼び込みます。出店方法により集客方法は異なります。広告やSNSなど、自社に合った宣伝方法を選択しましょう。
実店舗とネットショップは店の構え方が違うことによって、その後の工程が大きく異なります。それぞれの違いをしっかりと理解し、自社はどちらの店の構え方が合っているのか、今一度検討してみることをオススメします。
お客様との関わり方が違う
お客様との関わり方もネットショップと実店舗では違います。その大きな違いとはお客様と対面で直接関わるか否かという点です。実店舗にはお客様が直接訪れます。そのため、お客様と直接対面して接客をし、商品を販売し、何か質問やトラブルがあれば適宜その場で対応します。
一方、ネットショップは基本的にお客様と直接顔を合わせないので、サイト上にある情報のみで間接的にお客様へ商品の良さを伝えなければなりません。
直接お客様の顔が見える対面販売では、お客様の反応を見ながら商品説明をしたり宣伝をすることが可能です。しかしネットショップではできないため、間接的に商品を分かりやすく魅力的に伝える技術が必要です。
また商品に不良箇所があったり、お客様から質問があった場合、ネットショップでの対応にはタイムラグが生じます。ネットを介した間接的な取引のため必ず生じてしまう問題ですが、このタイムラグはなるべく短くするのが望ましく、トラブルや質問には迅速かつ的確な対応が求められます。
商品受取までの時間が違う
商品を受け取るタイミングも、実店舗とネットショップでは異なります。
実店舗にはお客様が直接訪れます。店舗の中で商品を見て、気に入ったものがあればその場で購入し、すぐ受け取ることが可能です。このように実際の商品を手に取って見てすぐに購入できるため、商品受取まで一切のタイムラグがないのが特徴です。
一方、ネットショップはお客様の元まで商品を配送しなければならないため、届くまでに数日のタイムラグがあります。国内だと比較的早く届けることが可能ですが、越境ECのように国境を越える取引の場合は、それ以上の日数がかかります。
すぐに商品を購入したい場合は実店舗での購入が選ばれやすいでしょう。実際に商品を見て購入を検討できるというメリットもあります。しかし、自分が店舗まで直接足を運ばなければなりません。
ネットショップは家にいながら自分の希望した商品を買うことができます。商品の受け取りまでに時間がかかりますが、同じジャンルの商品でも多数の種類の中から自宅で自分のペースで探すことが可能です。また、配送方法や地域によっては短い期間で商品を手に入れることができます。
ネットショップの開業方法|自社のニーズに合った出店方法を選ぼう
ネットショップの開業方法は大きく分けて2つあります。どちらにもメリットがありますが、自社の方向性に合った方法で運営しないと、せっかくネットショップを開業しても上手くいかないでしょう。ネットショップを開業するときには事前の下準備と知識を身に着けた上で、自社に合った出店方法を選定することが大切です。
ここではネットショップの開業方法を詳しくご紹介します。
ECサイト・モールに出店する
ネットショップの開業方法1つめは、ECサイト・モールに出店する方法です。ネットショップを開業しようと考えたとき一番最初に思いつく方法はこの方法だという事業者様も多いのではないでしょうか。
ECサイトやモールに出店してネットショップを開業する方法メリットは集客力と短期間で開業可能であることの2つです。
集客力
大手のECサイトやモールには既に知名度と集客力が備わっています。知名度の高いサイトにショップを開設すると、必然的に多くの消費者の目に触れることができます。
知名度が無ければ対策なしにショップや商品の存在を認識してもらうことは困難です。自社や自社商品に知名度が無い場合は、ECサイトの知名度を利用するのも一つの方法です。
短期間で開業可能
ECサイトやモールには、すでに出店するためのシステムが整っています。そのため準備が比較的容易に行う事ができるので短期間でもネットショップを開業することが可能です。
サイトやモールによってはネットショップ開設の質問に対応するといったサポートサービスがあります。
上記のようなメリットがある一方、ECサイトやモールを使用して出店すると手数料などの経費がかかるデメリットもあります。しかし、ネットショップを運営したことがない初心者の事業者様にとっては、コストや知識の面などトータルで比較したとしても、得られるメリットは多いといえます。
自社サイトを作成し開業する
ネットショップの開業方法の2つめは、自社サイトを作成し開業することです。
自社で独自にシステムを構築すれば、自社のイメージに合った理想のネットショップを作ることが可能です。
しかし自社サイトを作成しネットショップを開業するためには、サイト作成の知識やネットショップのシステムを構成するスキルなど、たくさんの知識が必要です。またサイト作成までにかかる費用も、ECサイトやモールを利用する方法と比較すると高くなりがちです。
サイトを作成するだけでなく、集客方法もしっかりと検討する必要があります。自社や自社商品に集客力があれば生かすのもひとつの手段です。集客力が無い場合は、SNSや広告を活用するなど他のの対策が必須でしょう。
自社サイトを作成してネットショップを開業する方法は、ECサイトやモールを通すよりも自由度は高いです。しかし費用面や技術面などでハードルがやや高いため、慎重に検討しましょう。
ネットショップのメリット
ネットショップは実店舗にはないメリットがたくさんあります。ここではネットショップのメリットについて詳しく紹介します。
メリット1:低予算で開始できる
ネットショップのメリット1つめは、低予算で開始できることです。
ネットショップは実店舗を開業するよりも、比較的低予算でスタートすることが可能です。そのため低リスクでチャレンジしやすく、試験的に自社の商品を販売してみるということもできます。
実店舗を構えて商品販売をスタートするのはハードルが高いです。しかしネットショップなら少量の物販からスタートして、軌道に乗ってきたら本格的に規模を拡大していくことができます。
メリット2:実店舗よりも多くの商品を取扱うことができる
ネットショップのメリット2つめは、実店舗よりも多くの商品を取扱うことができることです。
実店舗だとスペースが限られるため、陳列する商品数に限りがあります。しかしネットショップの場合はサイトに商品画像を掲載するため、在庫を保管するスペースがあれば大きさや量に関わらず、好きな数量を販売することが可能です。
実店舗の場合スペースが限られてしまうため、商品を季節ごとに入れ替えたり古い商品を下げたりなど手間がかかります。しかしネットショップの場合は、実物ではなく商品画像を掲載するため、比較的多くの商品を手軽に陳列することができます。
実際の在庫を確保しておくことができるのなら、実店舗よりも多くの商品を一気に販売することが可能です。
メリット3:24時間休むことなく商品を販売できる
ネットショップのメリット3つめは、24時間休むことなく商品を販売できることです。
実店舗の場合、店舗をオープンしている間の時間に比例して人件費や光熱費などのコストがかかります。そのため、コスト以上の利益をあげるのはハードルが高いでしょう。
一方ネットショップは、24時間商品を販売してもコストに大きな変動はありません。人を配置する必要が無いため人件費がかからず、効率的に商品を販売することができます。
ネットショップのハードル|競合他社が多い
ネットショップにはたくさんのメリットがありますが、逆にハードルも存在します。事前にハードルを理解し対策をすることで、ネットショップをスムーズに運営することができるでしょう。
ここでは、ネットショップのハードルについて詳しくご紹介します。
ハードル1:集客力が必須・対策が必要
ネットショップのハードルの1つめは、集客力が必須・対策が必要なことです。
規模が大きいECサイトやモールを利用してネットショップを出店したとしても、競合が多いため時間が経てば他サイトに埋もれがちです。ECサイトやモールの集客力に頼りきりになるのではなく、自社でもしっかりと対策を練ることが必須です。
また、自社でネットショップを構築し立ち上げた場合には、自社に知名度があれば集客が見込めるでしょう。しかし知名度が無い場合は、集客対策をしなければ消費者に認知されることは極めて難しいです。
ネットショップで利益を出すためには集客対策が必須です。集客力がなければ、ネットショップを成功させることはできません。広告を出したりSNSで宣伝活動を行うなど、自社に合った方法で集客力を上げていくことが求められます。
ハードル2:競合他社が多い
ネットショップのハードルの2つめは、競合他社が多いことです。
ネットショップは比較的簡単に開設することができるため、多くの事業者様が参入しています。取扱ジャンルは幅広く、さまざまな商品が販売されています。また専業ではなく、他の職業と平行しながら副業としてネットショップを開業している人もいることも競合他社が多い一因となっています。
競合が多いネットショップ界隈で勝ち残るには、適切な対策が必要です。自社のサイトでしか得ることのできないメリットを提示するなど、消費者の心を掴む努力をしなければ生き残ることは難しいでしょう。
ハードル3:規模が大きくなるにつれ業務運用が複雑になりがち
ネットショップのハードルの3つめは、規模が大きくなるにつれて業務運用が複雑になりがちなことです。
ネットショップは小規模から始めることができます。経営が軌道に乗り、商品を求めてくる消費者が増えれば規模も大きくなり業務量も増加します。業務量が増えることで、運用も次第に複雑になっていくでしょう。
業務量が増えていく中で、顕著に複雑さが増す業務のひとつが物流業務です。物流業務は、お客様に直接関わる重要な業務のひとつです。業務内容は単純ですが、工数が多いため物量が増えるとその分複雑化します。
また人手や倉庫のスペースもさらに必要になるため、人件費や光熱費などのコストも比例して高くなります。商品の仕入れから在庫管理、発送までの業務はスムーズに行わないと、お客様に商品を届ける時間が遅延するなどトラブルを招きかねません。
商品の売上は経営にも関わる重要なポイントです。きちんと業務運営できるよう、自社のフェーズに合わせた対策や方法を取る必要があるでしょう。
ネットショップ開業のポイント|ターゲットに適した方法を決める
ネットショップを開業することは、意外と簡単にできます。しかし何も調べずに安易に開業してしまうのは危険です。しっかりと開業の手順やポイントを押さえてから開業することで、開業後も大きなトラブルなくネットショップを運営できるでしょう。
ここではネットショップの開業のポイントを詳しく紹介します。
ポイント1:インターネットのサイト・環境をしっかりと整える
ネットショップ開業のポイント1つめは、サイト環境やインターネットの環境をしっかりと整えることです。
ネットショップを運営するにはインターネットの環境の整備が必須条件です。個人で行う場合も企業として行う場合も、改めてネット環境を整えておきましょう。
またネットショップの見た目も、クオリティの高いものを作り上げることが大切です。実店舗とは違って、ネットショップはサイトで見えることが全てです。ネットショップに来て下さったお客様が見やすいようにサイトをデザインしたり、購入するときや商品を見るときの操作性を良くしたりなど、細かな工夫が必要です。
できる対策や工夫は全て施してから万全の体制でネットショップを開設しましょう。
ポイント2:ターゲットに適した決済方法を決める
ネットショップ開業のポイントの2つめは、販売ターゲットに適した決済方法を決めることです。
販売する商品やサイトがどれだけ魅力的でも、最後の決済方法が販売ターゲットの使用したい方法でなければ商品は購入されません。
ネットショップを開業するときには、自社の商品を購入するターゲットがどの決済方法を求めているのか事前に調べましょう。ネットショップで使用できる決済方法はたくさんありますが、ECサイトやモールなどを使用する場合は、そのサイトで使用できる決済方法を選択する必要があります。
ネットショップを開くときには、決済方法にもしっかりと目を向けて検討することが肝心です。
ポイント3:開業届を忘れない
ネットショップ開業のポイント3つめは、開業届を忘れないことです。
開業届はネットショップを開業してからなるべく早期に提出するようにしましょう。開業日は自分が開業したと判断した日です。ネットショップに使用する屋号や口座も必要になるため、事前に用意しておくのが望ましいです。
ネットショップを開業する前には事前準備としてパソコンや必要な機材を購入したりなど、諸経費がかかります。これらは全て確定申告にも必要になってくる情報のため、領収書などはしっかりと手元に残しておきましょう。細々とした項目が多いので、ひとつひとつ確実に管理しておくことが大切です。
ネットショップの物流は自動化することがオススメ!
ネットショップは実店舗を開業するよりも比較的安価なコストで開業することが可能です。ですが、ただ開業するだけでは売上を望むことは難しいでしょう。しっかりと事業として成り立たせるためには、集客対策やサイト構築に工夫を凝らすことが必要です。
ネットショップの物流を自動化することで、規模が大きくなっても自社の負担が少なく、経営などの基幹業務に注力することができます。先を見越して物流を自動化しておくこともぜひ検討してみてはいかがでしょうか。