ECロジスティクスとは|基礎知識や特徴、課題や解決策を一挙解説

2022年3月1日

ECロジスティクスとは|基礎知識や特徴、課題や解決策を一挙解説

ECロジスティクスは、自社の物流を最適化してスムーズに商品を顧客に届けるためには必要不可欠な考え方です。ECロジスティクスに取り組みたいと考えているものの、どのように進めれば良いのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はECロジスティクスの基礎知識や特徴、ありがちな課題や解決策について一挙解説します。どの現場でもすぐに取り組める対策もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

ECロジスティクスの概要

そもそもECロジスティクスとはどのようなものを指すのでしょうか。まずは、ECロジスティクスの概要や市場の状況などについて解説します。

ECロジスティクスとは

ECロジスティクスとは、「EC事業において、仕入から出荷前の一連のプロセスを実行すること」を表す言葉です。ECとは「Electronic Commerce」の略称で、インターネット上で商品やサービスを売買する取引行為のことを指しています。近年では「ネットショッピング」「Eコマース」などの名称で見かけることも多くなりました。

「ロジスティクス」と「物流」はよく聞かれる言葉なので、どのように異なるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。2つの言葉は似ているようにも思えますが、厳密には少し異なっています。

「物流」とは、単に「モノの流れ」を指す言葉であり、商品の輸送や保管業務、荷役などを表すものに過ぎません。しかし、「ロジスティクス」はこれらの物流をお客様のニーズに合わせて効率的に計画・実行・管理することを指しています。つまり、「物流はロジスティクスに含まれる」と言い換えることもできるのです。

EC市場は近年拡大を続けている

EC市場は近年活況であり、年々拡大を続けています。2020年度のBtoC-EC市場規模は19兆2,779億円であり、2019年度の19兆3,609億円と比べるとほぼ横ばいの状況ではありますが、その前年の2018年から見ると1兆3,000億円程度の伸び率を記録しています。

また、調査が始まった2013年には市場規模が11兆1,660億円に過ぎなかったことを考えれば、7年間の間に80%程度市場規模が拡大しているというのは非常に大きな拡大であるといえるでしょう。

さらにEC化率も伸び続けており、多くの業界でEC事業に進出する事業者が増えてきています。2020年のBtoC-EC全体のEC化率は8.08%で前年比1.32ポイント増、BtoB-EC全体のEC化率は33.5%で前年比1.8ポイント増となっています。

EC市場と物流の関係性

EC市場と物流には、非常に深い関係があります。EC事業はインターネット上で事業を行うビジネススタイルであることから、顧客が注文した商品は事業者の物流拠点から出荷されて注文先へと配送されます。つまりEC事業を行う上で物流は必要不可欠な業務であり、切っても切り離せないものであるといえるでしょう。

EC市場が拡大するに伴って物流需要も増加し、ますます物流に求められる役割は大きくなっていくと言い換えることもできます。

近年では大手企業も続々とEC事業に参入している関係から大型の物流拠点を構えるケースが増えており、国内の物流需要も日に日に高まり続けていることから、さらに物流体制の充実が求められるようになるとみられています。

ECロジスティクスの業務内容

ECロジスティクスの業務内容には、次のようなものがあります。多くの業務をこなす必要があるため、一つひとつの業務について押さえておきましょう。

入庫・検品作業

入庫・検品作業とは、商品が倉庫に入ってきた際に荷下ろしを行い、入庫予定だった商品が正しい数量で入ってきているかどうかを確認する作業です。入庫の際に商品が不足していたり多かったりする状態で倉庫に保管してしまうと、後から帳簿在庫と実在庫にずれが発生する原因になるため入庫時にチェックすることが大切です。

また、検品作業時に初期傷や初期不良がないかどうかも確認します。初期傷や初期不良を見落としたまま入庫すると、注文を受け付けたものの出荷できる商品がなく配送遅延やキャンセルを招いたり、配送できる状態でないことに気がつかずに出荷してクレームの原因になったりするため注意が必要です。

棚入れ・保管作業

棚入れ・保管作業は、入庫・検品を終えた商品を倉庫の所定の保管スペースに収めて注文があるまで適切な環境を維持したまま保管する業務です。正確な棚入れは効率的なピッキングを行いスムーズなロジスティクスにつなげる上で大切な業務であり、一つひとつの作業を丁寧にこなすことが求められます。

また、保管スペースの環境が一定に保たれていないと商品が早く劣化したり商品を販売できる品質を維持できなかったりして廃棄の原因になるため、保管している商品の特性に合った環境を把握して適切に保管することも重要です。

ピッキング作業

ピッキング作業は、商品の注文があったときに適正な数量を倉庫の保管スペースから取り出して流通加工場や出荷場へと運ぶ作業のことです。ピッキング作業は1日に何度も繰り返し発生するものなので、ピッキングの導線を効率化することがロジスティクス全体の作業を効率化することにもつながります。

例えば、頻繁に注文がある商品は出荷場から近い場所に、注文の頻度がそれほど高くない商品は遠い場所に配置することで、効率的にピッキングを行って作業時間の短縮を図れます。

ピッキング作業の効率化には、倉庫のロケーション管理なども重要になります。アナログで管理を行っている現場もまだ数多くありますが、近年では倉庫管理システムなどを活用してデジタルにピッキングの導線を算出する現場も増えてきています。

流通加工

流通加工とは、商品を出荷する前にさまざまな加工を施す業務のことです。例えば複数のパーツから成り立つ家具を組み立てたり、パソコンの初期インストール作業を行ったり、ギフト用商品のラッピングを行ったりするなどの作業は流通加工にあたります。

流通加工は主に顧客満足度の向上を図るために行われるケースが多いといえます。近年ではEC事業への参入ハードルが下がり、さまざまな事業者が気軽にビジネスを始められるようになったことから他社との差別化が難しくなっています。

そこで、独自性の高い流通加工サービスを用意して他社との差別化をはかり、顧客満足度を向上させる取り組みが積極的に行われているのです。

梱包・出庫作業

梱包・出庫作業は、ピッキングと流通加工を終えた商品を所定の資材で梱包して出荷する業務のことです。商品のサイズに合わせて適切な資材を選択し、こわれものなどの耐久性に不安があるものは新聞紙やクッション材などを使って動かないように梱包するなどの工夫も必要になります。

梱包作業が遅れると出荷遅延を招いて顧客満足度を低下させる恐れもあるため、1日の作業量を見極めて、ピッキング作業の段階から計画的に進めて余裕をもって業務に取り組める体制を整えることが大切です。

返品作業

お客様や取引先から何らかの事情で返品されてくる商品を処理する返品作業も、ロジスティクスの業務のひとつです。

返品作業にはサイズ違いや注文間違いなどの「お客様都合」によるものと、配送ミスや初期不良などの「事業者都合」の2種類があります。場合によっては返品に伴って返金作業や交換対応なども必要になるため、返品内容を適切に把握して処理することが大切です。

ECロジスティクスの特徴

ECロジスティクスには、主に次の3つの特徴があります。事業を開始する前に、それぞれの特徴をよく理解しておくことをおすすめします。

取引はBtoCがメイン

EC事業はインターネット上で自社の商品やサービスを販売するビジネススタイルが一般的であることから、取引はBtoC(一般消費者)がメインとなります。中には問屋のような形でオンライン型のBtoB取引を行うケースもありますが、ECモールへ出店している企業や自社ECを展開している企業では、多くがBtoCを想定した事業を行っています。

BtoCの取引では、顧客満足度が重視される傾向にあります。例えば少しでも早く商品が届いたり、梱包が充実していたりする方が顧客満足度は高まる傾向にあり、リピーターも増えやすいといえるでしょう。

近年ではSNSやレビューサイトの隆盛もあり、誰もが気軽に商品やブランドへの意見を表明できるようになったことから、顧客満足度を高めて自社の評価を高い状態に維持することが企業にとっても重要な戦略のひとつとなっています。

配送個数が少なく配送先は多い

ECロジスティクスは、前述のように一般消費者への配送がメインとなります。そのため、1回あたりの配送個数が少なく配送先が多いという特徴があります。

BtoBの場合は企業のセンターにまとめて商品を納品するなどの対応を取るケースが多いといえますが、BtoCにおいては一般消費者がインターネット上で個別に欲しい商品を注文するため、注文者一人ひとりの指定の配送先に商品を届けることが求められます。

これによって年々運送会社の配送個数は増加しており、限られた時間の中でスムーズに商品を梱包・配送してあらかじめ伝えた日時までに商品を届けるためのECロジスティクスを構築する必要があるといえます。

独自性が重視される傾向にある

ECロジスティクスでは、各事業者の独自性が重視される傾向にあります。

一般的なピッキング、梱包・配送などの業務に加えて、流通加工でギフト用のラッピングを行ったり、事業者ごとにオリジナルの資材を使って梱包したり、ノベルティなどの封入に対応したりするなど、基本的な業務だけでなく独自のロジスティクスを実現することで競合他社との差別化をはかり、顧客満足度を高めることが可能になります。

とはいえ、独自性を押し出すためには通常のロジスティクスに加えてさらにリソースを確保する必要があることから、自社だけで実現するのが難しい場合もあります。そのような場合には、物流会社などが提供している物流サービスを利用しながら顧客満足度の高いECロジスティクスを目指す動きを取ることもあります。

ECロジスティクスの課題

さまざまな業務をこなさなければならないECロジスティクスですが、次の3つの課題は特に現場で発生しやすいといえます。それぞれの課題について見ていきましょう。

課題1:在庫管理が煩雑になりやすい

ECロジスティクスでは、在庫管理が煩雑になりやすい傾向があります。EC事業においては「少数ずつ多品目を扱う」ケースが非常に多く、倉庫の保管スペースには多くの商品が少量ずつ並ぶことから在庫管理に手間がかかります。

特にアパレルなどのサイズ展開やカラー展開が豊富な業界ではさらに管理しなければならない在庫の種類が増えてしまいがちで、帳簿上の在庫と実在庫が大きくずれたり、正確な在庫数を把握できなくなったりするケースは散見されます。

適切な在庫管理が行われていないと「もう在庫が切れている」と思い込んで過剰発注してしまったり、「まだ在庫が残っているから大丈夫」と判断して在庫切れを起こし販売機会の機会損失につながったりするため、在庫管理の課題は早急に解決することが求められます。

課題2:受注管理が滞りがちになる

受注管理が滞りやすいことも、ECロジスティクスの課題のひとつです。

EC事業を始めたばかりの頃は、まだ扱う商品数も少なく受注量もそれほど多くないことから基幹業務と並行して受注管理を行うことも不可能ではありません。しかし、事業が軌道に乗って受注量が増えてくると、だんだんと受注管理に1日の多くの時間を取られてしまうようになってきます。

受注管理が滞れば、後に続くピッキング作業、出荷、配送の全ての工程が滞るため、配送リードタイムが長くなるなどの悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

また、本来は注力すべき基幹業務に割り当てられるリソースが不足してしまい商品開発やマーケティングなどの重要業務が滞ることにも直結するため、受注管理をスムーズに行える体制を整えることは大切です。

課題3:需要増で人材確保が難しい

近年、ロジスティクスの需要が増加し続けていることによって、物流の人材確保は難しくなってきています。特に繁忙期に十分な人材を確保するためには高額な人件費を支払わなければならない可能性もあり、結果的に物流コストが膨れ上がるなどの懸念もあります。

ロジスティクスに携わる人材は各業務をスムーズにこなして1日の目標としている作業量を効率よくこなす必要がありますが、スキルの高い人材はさまざまな現場で重宝されるため、なかなか手が空かないこともよくあります。結果的に、1からパート・アルバイトを採用して教育しなければならない状況に陥ることも少なくありません

このような人材確保の課題も、ECロジスティクスを行う上で解決しなければならない課題のひとつであるといえるでしょう。

ECロジスティクスを改善するためにできること

ECロジスティクスを改善するためには、主に次の3つの対策が考えられます。現場の状況によって最良の対策は異なるため、自社の状況に照らし合わせてできることを取り入れてみると良いでしょう。

物流業務全体のフローを見直す

現状のロジスティクスの業務フローを洗い出した上で、改善できる部分がないかどうか見直しを行う対策は効果的です。日頃当たり前のようにこなしている業務であっても、あらためて俯瞰してみると実は非効率になっていることが多々あるからです。

全体の業務フローを明らかにした上で、現場の作業員も交えて意見を聞きながら作業しにくいと感じる点や、もっと改善した方が良いと思う点を一つひとつ挙げていきましょう。取り入れられる改善点があるようなら反映することで、現場の作業効率は大きく改善する可能性があります。

物流業務全体のフローを把握・改善しながら、個々の業務の改善点を見つけることも有効です。例えばピッキング作業ひとつとっても、導線を見直すだけで全体の業務時間を大幅に短縮できることはよくあります。

システムやロボットを導入する

従来はアナログな倉庫作業が主流でしたが、近年ではさまざまなシステムやロボットを導入して作業の効率化を図る現場が増えています。倉庫管理システムやハンディターミナル、RFIDなどのマテハン機器を導入することによって、在庫管理や検品作業、ピッキング作業、棚卸業務などを効率化できます。

また、システムの導入は業務の正確性を向上させることにもつながるため、ケアレスミスの発生を防いでクレーム発生件数の削減を図ったり、顧客満足度の向上を実現することも可能です。

さらに、倉庫の棚に保管されている商品を自動的に持ってきてくれる倉庫ロボットなども導入が少しずつ進んできています。作業員が自分で棚に向かわなくてもロボットが自ら出荷場まで商品を運んでくれるため、工数を削減しつつ労働負担も軽減できます。

アウトソーシングを検討する

自社でロジスティクスを構築せずに、アウトソーシングを検討するのも方法のひとつです。前述のようにロジスティクスには多種多様な業務があり、全てを一定のクオリティでこなし続けるためには多くのリソースが必要になります。しかし、クオリティを維持した倉庫管理には人件費や設備投資費などもかかります。

アウトソーシングなら、物流会社が提供するプロの技術で高いクオリティを維持したまま効率的なロジスティクスを構築できます。物流業務の自動化も可能であり、自社の従業員はロジスティクス以外の基幹業務に集中する環境を整えられます。

【ご紹介】オープンロジならロジスティクスの悩みを一挙解決!

オープンロジでは、自社独自の柔軟性が高い物流サービスでロジスティクスの悩みをまとめて解決いたします。最後に、弊社のサービスを簡単にご紹介します。

独自開発のWMSで物流業務を自動化

オープンロジでは独自開発のWMSを提供しており、物流業務を簡単に自動化できます。受注確認から出荷指示までオンライン上で全て完結可能で、現在倉庫に預けている荷物の一覧もシステム上から簡単に確認できるため、処理漏れも防止できます。

API連携による受注データの自動取り込みにも対応しているため、ECモールや自社ECの出荷データを連携させて自動的に取り込みを行い、受注確認や出荷指示までの一連の業務を半自動化することも可能です。

当社によって作り込んだWMSをご利用いただくため初期費用・システム利用料は0円であり、面倒なシステム調整なども必要ありません。ご用意いただいたメールアドレスで登録するだけで簡単に利用準備が整うので、すぐに利用を開始したいという方にもおすすめです。

事業規模に関わらず利用OK

オープンロジでは、事業規模に関わらず倉庫をご利用いただけます。それほど荷量の多くない小規模事業者では外注化を迷っている方も多いことと思いますが、今後の事業拡大を見据えているのであれば、早いうちに外注化を図ることが重要です。

なぜなら事業規模が拡大してしまうと、物流業務に追われて基幹業務に手が回らなくなり事業全体のクオリティが低下したり、新しい施策の展開が滞ったりする可能性があるからです。

オープンロジの物流倉庫は独自の倉庫ネットワークを築いているため事業規模に従って柔軟に拡張・縮小することが可能です。事業規模が拡大したからといって倉庫移転が必要になるなどの手間もかかることはなく、安心して継続的にご利用いただけます。

初期費用0円・商品1点から登録可能

オープンロジの物流サービスは、初期費用0円、月額費用0円の完全従量課金制を採用しています。商品は1点から登録可能なので「ランニングコストの負担が心配」という方でも気軽にお使いいただけます。

請求はお使いいただいた分だけなので、毎月のコストを最適化できるのもメリットのひとつです。自社物流のように一定の人件費や倉庫の賃貸料などを支払い続ける必要がないため、荷量の変動が激しい事業者様にもおすすめです。

倉庫業務は経験豊富なプロの物流スタッフが担当するので、コストを最適化しながらクオリティの高いECロジスティクスを安定的に顧客に提供し続けることが可能であり、急激な物流変動にもスムーズに対応します。

ECロジスティクスについて知り物流を効率化しよう

自社物流の最適化を図り、高いクオリティで顧客に商品を届けるためのECロジスティクスは、EC市場が活性化している近年では必要不可欠であるといえます。他社との差別化を図る意味でもECロジスティクスを最適化して配送リードタイムを短くしたり、顧客満足度を向上させたりする取り組みは効果的です。

ECロジスティクスでは在庫管理が煩雑になりやすかったり、受注管理が滞りがちになったりといった課題がよく生じます。自社の業務フローを見直したりシステム導入を検討したりして、課題の解決を図ることも重要です。

自社だけで課題の解決が難しい場合は、アウトソーシングを検討するのも方法のひとつです。オープンロジでもECロジスティクスのお悩みを解決する物流サービスを提供していますので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。

物流のお悩み、お気軽に
ご相談ください

オープンロジについて疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。自社で導入できるかどうかのご相談も可能です。
各種お役立ち資料もご用意していますので、物流の構築を検討中の方はぜひお役立てください。