国内でのEC事業から越境ECへステップアップを検討しているとき、カートの選定に悩む事業者様も多いでしょう。越境ECカートを選定するときには、いくつかの押さえておきたいポイントがあります。
今回は越境ECカートについて、種類や選定のポイント、おすすめのカートについて詳しくご紹介します。越境ECカートを選ぶときの参考にしてください。
越境ECカートの種類
越境ECカートの種類は大きく分けて4種類あります。
ここでは越境ECカートの種類について解説します。選定する前に越境ECカートの知識を深めましょう。
カートの種類1:越境ECに特化した専門カート
越境ECカートの種類1つめは「越境ECに特化した専門カート」です。
越境ECでは日本以外の国と国境を越えてやりとりをするため、国内ECとは違った点が多々あります。サーバーが異なることもあれば、言語・決済など、現地のユーザーのニーズに合わせた方法を取らなければいけません。
また越境ECを行う際に現地の人間を採用し事業に取り組む場合には、管理画面も多言語化する必要があります。専門カートの場合、こういった運営者側への配慮もされているのも特徴です。
越境ECに参入するならば、その異なる部分に特化した専門カートを利用することもひとつの手段です。
カートの種類2:対象国が限定された越境ECカート
越境ECカートの種類2つめは「対象国が限定された越境ECカート」です。
越境ECを行う際、対象国を決めている事業者様も多いのではないでしょうか。
対象国が限定された越境ECのカートはその国のニーズに特化しているため、言語や決済手段、サービス内容などが他カートよりも既に整っています。どの国にも対応しているカートの場合、自ら機能をカスタマイズしたり、現地の決済手段や利用傾向をイチから調べる必要があります。
既に対象国が決まっている場合、その国に限定されたカートを利用するのも良いでしょう。
カートの種類3:国内ASPカートにオプション機能として付属しているカート
越境ECカートの種類3つめは「国内ASPカートにオプション機能として付属しているカート」です。
こちらは既出の国内ASPカートにオプションとして越境ECに必要な機能を付属させるものです。既に国内でEC事業をしており、延長線上で越境ECに参入できるため手軽でしょう。しかし他のカートと比較すると付けられる機能に制限が多いため、細かなカスタマイズをしたい場合は、やや不便さを感じるかもしれません。
こちらのカートは本格的に越境ECに参入するためではなく、国内に滞在している外国人向けに商品を販売したいときに設置するカートと認識しておくと良いでしょう。
カートの種類4:越境ECモール
越境ECカートの種類4つめは「越境ECモール」です。
越境ECは自社のサイトを作らなければできないものではありません。対象国で越境ECに対応したモールを利用するのもひとつの手段です。越境ECモールを利用すれば、わざわざカードを用意する必要はなく、簡単に越境ECをスタートさせることができます。
自社サイトの場合、集客やサイトデザインなど、商品以外に注力しなければいけない点がたくさんあります。モールの場合、大手であればその場所事態に集客力が備わっているため、始めのうちは自社で対策せずともある程度の集客が見込めます。
カートにばかり固執するのではなく、モールの利用も視野に入れて越境ECの参入を考えてみるのもおすすめです。
越境ECカート選定のポイント
ここでは越境ECカート選定のポイントをご紹介します。カートを選ぶ前にチェックしておきましょう。
ポイント1:対象国や販売商品を明確にする
カート選定のポイント1つめは、対象国や販売商品を明確にすることです。
カートにはそれぞれ特徴があります。対象国によってはその国に特化したカートがありますし、販売商品によって必要なサービスも異なるでしょう。カートを決める前に対象国や販売商品をしっかりと明確にしておくことで、おのずと選定するカートが絞られます。
カートを決める前にはまずはじめに越境ECの対象国や販売したい商品を具体的に決めることが肝心です。
ポイント2:デザインや機能のカスタマイズが充実している
カート選定のポイント2つめは、デザインや機能のカスタマイズが充実していることです。
カートによりこれらの項目に対するカスタマイズ性は異なります。初期段階から付属している機能はもちろん、カスタマイズ性が高ければ、より自社に合った越境ECの販売戦略を立てることに役立ちます。
カートに対してどの程度のカスタマイズ性を求めているのか、デザインはどのようなものを必要としているのか、しっかりと構想を固めることはもちろんですが、カート自体のカスタマイズ内容も、利用前に事前にチェックしておきましょう。
ポイント3:対象国での実績が豊富
カート選定のポイント3つめは、対象国での実績が豊富なことです。
越境ECは国内のECとは異なる点がたくさんあり、始めて参入するときには対象国について詳しく知っておく必要があります。カートについても対象国での実績が豊富にある場所のカートを選定することで、ハードルにつまづくことなく越境ECに参入する手助けになります。
カートを選定するときには、カートを提供している事業者のサイトや口コミを見て、対象国での実績をしっかりとリサーチしましょう。
越境ECカートおすすめ6選
ここでは越境ECカートのなかでもおすすめのカートを6つ紹介します。
カートを選定するときの参考にしてください。
総じてアジア圏に強い「LaunchCart」
越境ECカートのおすすめ1つめは「LaunchCart」です。
中国や台湾など、アジア圏を対象国にしようと検討している事業者様も多いでしょう。LaunchCartは世界160ヵ国の通過に対応しており、特にアジア圏を対象としてた越境ECや現地ECで多く利用されているカートです。
機能も多く充実しており、デザインも自由度が高いため、自社に合わせたカスタマイズが可能なところも魅力です。
決済方法が充実「CS CART」
越境ECカートのおすすめ2つめは「CS CART」です。
こちらのカートは18ヵ国語に対応しており、さらに新規言語を追加することも可能です。また50以上の決済代行サービスに対応しているため、決済方法で迷うこともありません。
PCサイトだけでなくスマートフォンに対応したサイトも構築することができるので、より多くのお客様にリーチすることが可能です。
拡張機能が豊富「Magento」
越境ECカートのおすすめ3つめは「Magento」です。
ECカートは機能が充実していない場合、他社から必要なアプリや機能を自分で探してカートに付属する必要がありますが、Magentoは拡張機能が充実しているため、無駄な手間がかからずカートをカスタマイズすることができます。
自由度の高いMagentoですが、カスタマーサポートが無いので自力で情報を収集しなければいけません。そのため越境ECやサイト構築について、ある程度の知識が必要でしょう。
複数国を相手に越境EC事業を開始するなら「Live Commerce」
越境ECカートのおすすめ4つめは「Live Commerce」です。
複数の国を相手に越境ECを行う時に適しているのがLive Commerceです。Live Commerceは英語や中国語など主要国の言語に対応しているだけでなく、決済方法も豊富にあり、スマホにも対応しているため、使い勝手の良いカートです。
またLive Commerceでは30日間の無料トライアルが可能なので、使用感を体験することができるのも魅力のひとつです。
多言語に対応「マルチリンガルカート」
越境ECカートのおすすめ5つめは「マルチリンガルカート」です。
多数の国を対象に越境ECを行うときにハードルになるのが言語対応です。マルチリンガルカートでは英語や中国語以外にもフランス語やロシア語など多くの言語に対応しているだけでなく、SSLが標準装備されているところも嬉しいポイントです。
マルチリンガルカートは7日間無料で使用することができます。無料期間を使用して他社と使用感を比べてみるのも良いでしょう。
自社ならではのカスタマイズが可能「Shopify」
越境ECカートのおすすめ6つめは「Shopify」です。
Shopifyは世界シェア1位のECプラットフォームです。Shopifyは日本や発祥のカナダだけで使用されているのではなく、世界160ヵ国以上で使用されているプラットフォームです。多数の国の言語に対応しているだけでなく、様々な国の通過や税率にも幅広く対応することができるため、越境ECを行うのにはとても便利でしょう。
海外発祥のプラットフォームですが、日本語にも対応しており不便はありません。デザインの自由度も高いため、自社好みのECサイトを構築することができます。
【コラム】越境ECは自社ECとモールどちらが最適か
越境ECに参入するとき、自社ECにするかモールを利用するか迷っている事業者様も多いのではないでしょうか。ここでは自社ECとモールについて双方のメリットや、選択のポイントについてご紹介します。
自社EC|自社のこだわりを全面に出すことができる
自社ECの場合、モールよりもデザインや規則に自由度が高いため、自社の雰囲気や強みを前面にアピールすることができるのが特徴です。昨今では自社でイチからサイトを構築することも、プラットフォームを利用すれば容易にできるようになりました。
しかし自社ECは集客に力を入れる必要があります。モールは大手ですと一定の集客力が備わっていますが、自社ECの場合しっかりとした集客対策をとらなければ成功は難しいでしょう。
自社のこだわりを前面に出した越境ECを展開したい場合は、自社ECを検討してみましょう。
モールのメリット|集客力が高く機能が標準装備されている
モールの場合大手だと、ある程度の集客を見込むことができるのがメリットです。自社や商品に集客が期待できない時には、はじめにモールの集客力を頼ることもひとつの方法です。
またモールには、商品を販売するための機能が標準装備されているため、モールによっては自社ECを構築するよりも、比較的簡単に始めることが可能です。しかしモールはそのモールによって規則やデザインに制限があるため、自社ECよりもやや自由度が低いです。
モールの集客力を利用したい場合には、モールを利用して越境ECを行うのも良いでしょう。
自社や対象国の状況に合わせた選択が必要
自社ECかモールか、越境ECに参入するとき迷うポイントのひとつです。この2つにはどちらもメリット・ハードルがあります。どちらを利用して越境ECにチャレンジするかは、自社のフェーズや対象国の状況によって判断することが大切です。
自社ECとモール、双方について詳しく知るとともに、自社の状況や対象国についてのリサーチも念入りに行うようにしましょう。
越境ECカートは種類が豊富!自社に合ったカートを選定しよう!
越境ECのカートは種類が豊富にあるので、選定に迷ってしまいがちです。たくさんの種類の中から自社にあったものを選ぶためには、どのような特徴を持ったカートがあるのか、カート自体について詳しく知るとともに、自社の状況や対象国について深く知る必要があります。
越境ECでは国内ECと異なる点がたくさんあるため、カートを選ぶだけでなく経営などの他の基幹業務にも力を入れたいところです。ECは規模が大きくなるほど物流の量も増えていきます。
国内ECのときは自社で出来ていた物流も、越境ECに参入し事業規模を拡大すると関税など越境ECならではの物流業務が出てくるため、対応でつまづいてしまうこともあります。物流は自社だけで行のではなく、外注することで負担を軽減したりコストを抑えることも期待できます。
オープンロジでは越境ECにも対応しております。越境EC参入時には、物流の外注も視野に入れてみてはいかがでしょうか。