トレーニングウエアなどのフィットネスアパレルをECで販売する株式会社LÝFT様。同社が展開するD2C(DtoC)ブランド「LÝFT」は、創業1年にしてセット販売商品を売れば300個が5分で完売・イベントを開けば常に数百人以上の大行列など、急成長を遂げています。驚くべきは、同社はこれだけの人気ブランドをたった4人のチームで運営していること。その成功の鍵は、Shopifyとオープンロジを利用した業務の選択と集中にありました。
今回のインタビューでは、創業者で代表の加藤エドワード様とCOO兼クリエイティブディレクターの國井様に、経営者と実務担当者それぞれの目線から、物流への考え方やD2C(DtoC)において重視すべきポイントをお伺いしました。
社名は持ち上げる・鍛えるという意味の「LIFT」からの造語。デザイン性のある『Y』をトレーニング中や喜ぶ人間のシルエットに見立て、ブランドの世界観を表現している
自社の強みを生かすべく、
D2C(DtoC)で事業を立ち上げ
まず、貴社について教えてください
【加藤氏】当社は2018年10月の創業です。「LÝFT」というブランドを立ち上げ、品質やデザイン性にこだわったフィットネスアパレルの企画・製造・販売をD2C(DtoC)で行なっています。起業のきっかけは、代表の私自身がフィットネス競技の世界大会出場やフィットネスモデル、ジムの経営をしており、フィットネスの素晴らしさを更に広めるために新しいビジネスができないかと考えたことでした。
私とCOOの國井で会社を立ち上げ、現在は業務委託の方にも協力していただきつつ私を含め4名の体制で運営しています。私は主に商品デザインや撮影モデルなどを担当し、運営や物流などの実務的な部分を、COOを中心にメンバーが担ってくれています。
創業時から、店舗ではなくD2C(DtoC)で販売しようと決めていたのでしょうか?
【國井氏】はい、最初から販売はECでやろう・D2C(DtoC)でやろうというのは決めていました。もちろん立ち上げ当初はまだ知名度がなく店舗販売に向かないということもありましたが、1番の理由は自分たちの強みを活かすためでした。
当社の代表はインスタグラムのフォロワー数14万人を誇り、フィットネス界に多くのファンを持っています。こうした方々は当然ブランドとの親和性も高いですし、フィットネスの世界の特徴として、コアなファンの方が非常に多いです。そこで我々はこうした方々へより商品をお届けしやすくするには、ということを考え、ECでの販売を前提にブランドを立ち上げました。
この戦略がお客様のニーズにマッチしたこともあり、昨年は売上げベースで創業時の事業計画の倍という数字を達成し、急成長を遂げることができました。現在は約3ヶ月に1度のペースで販売のリアルイベントも行っているのですが、そちらにも沢山のお客様にお越しいただいていますね。昨年7月に都内で行ったイベントでは常に数百人の大行列ができ、3日間でトータル数千人以上のお客様にご来店いただきました。
D2C(DtoC)は世界観の表現が勝負!
デザイン性と手軽さの両立がShopifyの魅力
同社の魅力の一つが、その確立された世界観
サイトの構築にはShopifyを利用されていますが、どのような観点で選んだのですか?
【加藤氏】実は当時、我々がベンチマークにしていた海外のフィットネスブランドが、自社ECにShopifyを使っていました。そのサイトが、悔しいけれど僕らから見ても非常に格好良くて。それをきっかけに自分たちでShopifyについて更に調べたり実際に触ってみると、とても優れたサービスだという印象を得ました。
【國井氏】私は以前ECの制作会社にいたので、他の競合サービスにもだいたい触れたことがあったのですが、Shopifyはデザイン性と手軽さの両立という点が群を抜いて優れていました。
D2C(DtoC)のブランドは世界観の表現が非常に重要なのですが、従来のサービスだとデザイン性の部分で若干物足りなさを感じていました。ですがShopifyはテンプレートを元にカスタムして写真を入れるだけでも、非常にスタイリッシュなページを作れます。サイト構築の過程で余計な紐づけも不要ですし、コーディングもほぼ必要ない。あとは分析や物流など様々な機能のアプリが揃い常にアップデートされていくので、サービスの拡張性といった点も魅力に感じましたね。
少数精鋭での運営を実現するため、
物流は外注一択だった
同社が目指す運営スタイルには、物流を一任できるパートナーが必要だった
物流については当初から外注を決めていたとお聞きしましたが、その理由は?
【加藤氏】まずEC立ち上げを決めた時点から、できるだけ少数精鋭のチームで運営をしていきたいという思いがありました。そのため『少人数だからこそ各メンバーにはコアでクリエイティブな業務に集中してもらいたい』と考え、物流は外注すると決めていたのです。
物流のアウトソーシング先を選ぶにあたっては、どんな点を重視しましたか?
【國井氏】とにかく日々の作業の手間を省きたかったので、Shopifyと連携していて、極力全て自動で作業してもらえるのがベストだと考えていました。
あとは運用後の手間だけでなく、運用開始までの手間の部分もポイントでしたね。通常のサービスだと利用開始の時点でシステム構築の時間やお金がかかったりしますが、オープンロジの場合はそれが不要なところも良かったです。
逆に、アパレルでよくある商品の検針やささげ業務※まで物流と一緒にアウトソーシングするということは考えていませんでした。
まず検針については、もともと生産拠点の方で検品していただいているので、倉庫にお願いする必要がありませんでした。またささげについても、商品の撮影や説明は代表自らモデルを務めて自社でこだわっていますし、採寸もD2C(DtoC)で作っているためパタンナーの方に発注する時点でサイズは全て分かっています。
【加藤氏】例えば撮影も商品を平置きして撮るだけのレベルであれば倉庫さんへの外注も可能ですが、我々はこうしたビジュアルの部分にどこまでこだわりを持つかでセンスが問われると考え、ハイクオリティな商品写真にこだわっています。
ささげ:ECサイトに商品情報を掲載するにあたって必要な「撮影(商品写真の撮影)」「採寸」「原稿(商品説明の作成)」の作業のこと。各作業の頭文字を取ってささげ業務と呼ばれる。
オープンロジは、どのようなきっかけで知っていただいたのでしょうか?
【國井氏】シンプルにネット検索です。たしか「Shopify」「物流」といったキーワードで検索して、いくつか出てきたサービスの1つがオープンロジでした。
選定にあたってはオープンロジともう1つ別の競合サービスが候補に残ったのですが、シンプルかつすぐ登録して中が見えるスピード感に惹かれ、オープンロジを選びました。あとはもう1つの候補と比較して、オープンロジの方がクラウドサービスなどのシステムが洗練されていて使いやすそうな印象が強かったです。物流はIT化されたサービスといっても一昔前のようなものが多いですが、オープンロジにはそういった古さ・使いにくさを感じないですね。
導入はスムーズに進みましたか?
【國井氏】はい。導入スケジュールとしては、オープンロジに初めて問い合わせをしたのが11月末で、そこから12月下旬のオープンの際には、運用を既に開始していました。
実は当初の予定よりオープンを1ヶ月早めまして……。もともと翌年1月末のオープン予定で進めていたのですが急遽早めることを決め、様々な作業を急ピッチで進めていきました。オープンロジも我々のスピード感にしっかりとついてきてくれましたね。
実際にオープンロジを導入して感じたメリットを教えてください
メリット1 とにかく手間がかからない!物流以外の業務に時間を使える
【國井氏】1番のメリットは、とにかく手間がかからないこと。お客様が購入いただいてから、梱包・出荷・発送メールの送付まで、イレギュラーが起きない限り我々は完全ノータッチでお任せできるというのが本当に助かっています。
具体的には、日々の発送業務はデータが取り込めているか、エラーが出ていないかなどを気にかけておき、システムからアラートが届いたら住所エラーを直す程度。新商品販売のタイミングでは注文の増加によって多少作業量が増えたりもしますが、それ以外は1日15分もかからず、ほぼ何もしないで済んでいますね。その分他の業務に時間を充てられます。
メリット2 自前で行うよりも高品質・低価格。もはや自分たちでやる理由がない
【加藤氏】そもそも自分達で発送するよりも、オープンロジを使ったほうが送料が安いです。しかも自分達でやるとなれば、保管だってオフィスの場所をとってしまうし、人件費だって追加でかかる。
品質の面でも自分たちはプロではないですが、オープンロジにお願いすれば専門の方がきちんと作業をしてくれる。実際に作業の品質については、入れ間違いなどのトラブルも無く安心してお任せしています。自分達でやるより低コストで品質も良いので、もはや自分達でやる理由がないですね。
メリット3 システム改善や問題対応のスピード感・柔軟性
【國井氏】利用において何かご相談した際に、それに速さや柔軟性を持って対応してくださる体制が整っています。例えばシステムの問題だったり何かトラブルが起きたときに、確認してすぐに対応してくれる。
つい先日も、新たな後払い決済の手段を導入したいというご相談をしたところ、その1週間後には、もう新しい決済手段の項目が管理画面に追加され、スムーズに使えるようになっていました。これは非常に驚きましたね。おそらく普通の会社さんであれば、このスピード感では対応できなかったと思います。
利用されるなかで印象に残っているエピソードなどはありますか?
【國井氏】通常の販売に加えて昨年末にはセット販売も行ったのですが、そちらの物流もスムーズに対応いただけて助かりました!オープンロジには複数の商品をセットにして発送できる『セット組み』という機能があるのですが、そちらを使うことでセット販売にも対応ができたのです。ありがたいことに想像以上の売れ行きで300個が5分で完売したため、もしその発送を自分達で行っていたら、大変なことになっていたと思います……。
【加藤氏】オープンロジにご相談する前は、万が一無理だったら最悪自分達で徹夜作業するしかないと思っていました。しかしその場合メンバーの負担はもちろん、その時期は社内のリソースがほぼ全てセット販売の発送に持っていかれるので、費用対効果が合わなかったと思います。
【國井氏】そのほか箱にステッカーやオリジナルテープを貼ったり独自資材の利用も相談が可能だったので、多少の追加料金を払ってでも梱包にこだわりたいといったケースにも対応していただけます。
会社のためにも・社員のためにも、 業務の選択と集中が必要
運営を行う4名のメンバー。代表は、このメンバーだからこその事業成長だと語る
お話を伺っていくと、業務の選択と集中が1つのキーワードになっていますね
【加藤氏】そうですね。専門外かつ手間がかかる物流はオープンロジにお任せできるという安心感があるので、そのぶん我々はアパレルの品質向上やデザインへのこだわりといったコア業務に集中して、会社としてより成長していくことができます。
また経営者として、こういった業務の選択と集中は、働くメンバーにとっても良いことであると考えています。
例えば目の前で見えるコストを抑えるために『外注の費用がもったいないから、とりあえず物流も自分達でやろう』と考える会社さんもいらっしゃるはずです。確かに経営者にとってコストを抑えることは重要です。しかし冷静に考えたら非効率ですし、加えてコスト以外にメンバーの働きやすさにも配慮すべきだと思います。
アパレルにお勤めの方はもともと商品の発送をするために仕事をしているわけではないですから、専門外のことに費やす時間が長いと、本人はどうしてもモチベーションが上がらない。そうであれば、専門外の部分はうまくアウトソーシングして各自が専門分野で強みを生かせた方が、本人にも会社にも良いはずです。
私も含めて会社のトップの人間は、実際に毎日自分が手を動かすわけではないので、何でも簡単に言えてしまいます。でも私は自分がやらないからこそ、いかに現場のメンバーが仕事しやすい環境を作るかをトップとしてよく考えなければいけないと思っています。
今後に向けて
今後の目標や、挑戦していきたいことをお聞かせください
【加藤氏】我々はこのブランドを、アジアで・世界で戦えるようなブランドにしたいと考えています。色々な方にLÝFTを知っていただき、筋トレをしている方はもちろん、まだそうでない方も何かのきっかけで筋トレを始めたいと思った時にはLÝFTを選んでくださる、そんなブランドになりたいのです。
そのためには高品質な商品を提供し続けることはもちろん、今後海外向け販売の強化など事業規模を拡大していく予定です。
今後の事業拡大に向けて、オープンロジに期待されることはありますか?
【加藤氏】事業規模の拡大に、しっかりついて来ていただきたいですね。今年は昨年の倍の売上を目指して頑張っていくので、発送数も単純計算で倍になる。現在もお客様からは「届くのが早くてびっくりした」というコメントをいただきますが、商品のお届けスピードというのはECにおいて重要な要素ですし、仮に物流が遅れて発売日が1日ずれただけでも、数字には大きく響いてしまいます。
今後さらに入出庫の件数が増えていくなかでも物流のスピードは可能な限り上げていきたいと思っているので、その実現に向けた体制づくりに、一緒に取り組んでいければと思います。
最後に記事をご覧の方・特にD2C(DtoC)やオープンロジとShopifyの利用をご検討中の方へ、メッセージをお願いします!
【加藤氏】D2C(DtoC)のビジネスは比較的少人数で運営を行うケースが多いと思うので、いかに自分達の負担を減らし、コア業務にリソースを集中できるかが非常に重要です。ですから専門以外の部分についてはオープンロジのような外部パートナーとしっかりチームを組んだ方が、より自分達の強みを生かすことに繋がると思いますね。
【國井氏】ECサイトを始めるにあたっては、皆さんECサイトの見た目やマーケティングに注目して、物流は後回しになりがちだと思います。 でも一方で物流は毎日工数がかかる部分ですから、そこをおざなりにしていると徐々に負担が大きくなっていきます。それを防ぐためにも、ECを始める段階から物流にも意識を向けることが大切だと思いますね。
インタビュー後記
今回の取材を通じ、確立された世界観とそれを支えるための仕組みづくり、その両方がD2C(DtoC)での成功には欠かせないのだと感じました。オープンロジとShopifyを活用してD2C(DtoC)のビジネスを成功させたLÝFT様には、下記3点をご評価いただきました。
1.物流の手間が省けることで、コア業務に集中できる
2.自社で行うよりも高品質・低価格な物流サービス
3.システム改善や問題対応のスピード感・柔軟性が優れている
社名の元になった単語「LIFT」には、単に持ち上げる・鍛えるといった意味だけでなく、向上させる・引き上げるといった非常にポジティブな意味があるそうです。「LÝFT YOUR STANDARD -現状に自分に満足しない、常に自分のスタンダードを上げ、限界をこえよう」というミッションのもと、お客様一人一人のモチベーションを上げることを常に考えて限界を常に越えていこうと力強く上を目指す同社。我々も努力を重ね、その成長にしっかりと伴走していきたいと思いました。
物流のお悩み、お気軽に
ご相談ください
オープンロジについて疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。自社で導入できるかどうかのご相談も可能です。
各種お役立ち資料もご用意していますので、物流の構築を検討中の方はぜひお役立てください。