オンラインに特化したベッドマットレスの開発・販売を行うKoala Sleep様。オーストラリア生まれの同社は母国での実績を足がかりに海外展開を進め、2017年には越境ECという形で日本進出を果たしました。「睡眠改革」をミッションに掲げ、現在日本でも月間700件以上にまで販売を拡大しています。
同社の越境EC成功に不可欠だったのが、日本での物流パートナーでした。ECプラットフォームShopifyとオープンロジの連携や在庫分散サービスによって、日本での物流網を構築した同社。今回はその成功までの秘話を、Shopify Japan様との合同インタビューでお伺いしました。 (本インタビューのShopify Japan編はこちら:https://www.shopify.jp/blog/koala-shopify-openlogi)
豪州から日本へ良質な睡眠を届ける同社。社名のコアラは世界一睡眠時間の長い動物だ。
睡眠貧国・日本を救うには、
物流パートナーが必要だった。
まず、貴社について教えてください。
当社は寝具業界の革命を目指すオーストラリア生まれのマットレスメーカーです。2015年に母国で創業ののち、2017年からは日本でも越境ECという形で販売を開始しました。主力商品のベッドマットレスは独自の2層構造が特徴で、高い衝撃吸収性により良質な睡眠をご提供しています。 当社のスタートは、元ラガーマンである2人の創業者です。彼らは自身のスポーツ経験から眠りがパフォーマンスに与える影響や睡眠の重要性について注目しており、これがベッドマットレスのビジネスを思いつくきっかけとなりました。
また創業者が従来のマットレス販売の方法に疑問を感じていたことから、当社では「中間業社を省いたオンライン販売で高機能な商品をお求めやすくご提供」「120日間の無料トライアル」「圧縮されたコンパクトな形状ですぐにお届け」といった特徴的なモデルで販売を行っております。こうしたビジネスモデルや製品が、これまで高いご評価を獲得してきました。
母国オーストラリアでは創業わずか2年で43億円の売り上げを記録し豪州最高評価を獲得されたとお聞きしました。そんななか、進出先に日本を選んだのはなぜでしょうか?
大きな理由としては、市場規模と日本の睡眠の現状という2つが挙げられます。 まず市場規模の部分では、日本は大きい市場であるという確信を持っていました。日本は当時から家具産業がかなり賑わっており、世界第3位の規模の家具市場を持つというデータもありました。今後人口減少等の問題はあるにせよ、我々にとって非常に魅力的な市場でしたね。
また睡眠事情という部分では、日本の方々は睡眠時間が短いうえにその質も悪いというデータが顕著に出ており、良質な睡眠の提供を掲げる我々としては大きな課題意識を持っていました。そんな日本に睡眠改革を起こしたいという思いがあったことも、日本上陸の大きな決め手でしたね。オーストラリアではワークライフバランスがしっかりしていて、定時にはきっかり仕事を終えてプライベートを楽しみ、夜は早めにベットに入って熟睡し翌日の仕事を効率よくこなす、というのが定着しているんです。製品はもちろん、そういった文化も我々が日本に運び・広めたいと思いました。
ECに欠かせないのが販売体制や物流網の構築ですが、オーストラリア及び日本ではどのようにされていたのでしょうか?
販売体制の構築には、オーストラリア時代から現在までECプラットフォームのShopifyを利用しています。世界一の導入数を誇るサービスという信頼性はもちろん、他サービスと比較して拡張性の高さや機能の幅広さが魅力ですね。各部署の社員からも評価が非常に高く、日本展開にあたっても引き続きShopifyを利用することにしました。
しかし物流面は同じようにはいきませんでした。母国での物流面は現地の倉庫会社や物流会社に委託をしており運用も順調でしたが、彼らは現地に特化した会社だったため、日本には提携先などが全く無かったのです。こうして当社は日本進出にあたっての物流のパートナーを、独自で探すことになりました。
越境ECユーザーならではの、
物流パートナーに求める条件とは?
物流やカスタマーサービスといった業務が行われている、オーストラリアのオフィスの様子
日本進出に向けた物流パートナーにオープンロジを選んだきっかけと決め手は何ですか?
オーストラリアの担当者がインターネットで日本の物流業者を探していたところ、オープンロジに行き当たったのがきっかけです。
そして決め手の1つとなったのは、英語での対応が可能なスタッフがいらっしゃることでしたね。実は当時の我が社には、日本上陸を目指していたにも関わらず日本語を話せるスタッフがだれもいなかったんです(苦笑)。そのため英語でやりとり可能ということがパートナー選びの必須条件だったのですが、日本の物流アウトソーシング会社で英語対応可能な会社はかなり少なく、困っていました。そんななかオープンロジには英語が堪能なスタッフがいらしてスムーズにコミュニケーションが取れたことに加え、我々の相談に非常に親身に乗ってくださったことで、信頼感が持てました。
言葉の問題は大きなポイントですね。オープンロジには英語や中国語にも対応できる担当者がいます。それ以外にも決め手はありましたか? 他には会社としての気質や姿勢の部分でしょうか。当社もオープンロジも同じベンチャー企業ということで気質やスピード感の部分は共感できましたし、何より「一緒に頑張っていこう」という姿勢を持ってくれたことが嬉しかった。
というのも我々、かなり無茶振りが多い会社でして(笑)。今でも担当の方には、「日本ではやっていないかもしれないが、○○○をやりたいんですけど…」と、よくご相談させていただくんです。たまに難しいリクエストに頭を抱えてらっしゃる時もあるんですけれども(笑)、オープンロジは必ず一緒に寄り添って考えてくれます。そういうところにも惹かれたと思いますね。
導入のメリット
実際にオープンロジを導入して感じたメリットを教えてください。
メリット1. ShopifyとオープンロジのAPI連携で、大幅な時短とミス削減が叶う。
システムのAPI連携によって作業が自動化されているので、我々が手作業でフォローしなければならない部分がほとんど無く、かなりの時短になっています。
実はAPI連携が実装される以前は担当者が手作業で作業を行っていて、非常に時間がかかっていました。当時はまだ本格的な上陸前の先行予約のような形で受注数も今ほど多くなかったのですが、約50件の受注を確認しながら手打ちするのに担当者がつきっきりで丸1日=8時間もかかっていたんです。現在は一部どうしても確認が必要な部分を含めても、せいぜい1日1時間程度で作業が終わります。
現在受注件数は月700件以上にまで増えているので、これだけ作業時間を削減できるのは大助かりですね。もしも連携ができないシステムだったら、受注が増えるなかで時間や人手がいくらあっても足りなかったと思います。
また手作業の打ち込みなどが多いと入力ミスが発生したり担当者も間違えられないプレッシャーがありますが、その点も連携による自動化で大いに改善されました。
メリット2 正確な在庫状況をリアルタイムで把握でき、情報変更もWEBから簡単。
オープンロジを使えば常に正確な在庫を把握できるので非常に助かっていますし、オーストラリアで使っているシステムと比較しても使い勝手は良いですね。
たとえば「入庫待ち」「梱包済み」といった在庫のステータスが全てリアルタイムで見られて作業進捗がすぐに分かるのは非常に便利です。 またオーストラリアで使っているシステムはこちらでデータの変更や編集等が全くできないため、お届け日の変更などの場合オーダーを一旦キャンセルしてゼロからやり直さなければなりません。しかしオープンロジの場合は我々がWEBからすぐに変更・修正作業ができますので、比較すると非常に便利ですね。
メリット3 担当者の密なコミュニケーションと柔軟な対応
オープンロジの担当者が密にコミュ二ケーションをとってくれるので、日本とオーストラリアで距離は離れていますがコミュニケーション面の不安や不便は全く感じないですね。
テレビ電話でのミーティングを通して懸念点を確認しながらスピード感を持って案件を進めることができていますし、困った時にはご相談すると柔軟に対応してくださるので、助けていただくことがとても多いです。また良いことだけではなく上手くいっていない部分や課題も含めて包み隠さずお伝えいただけるので、そうした点でも信頼感が持てますね。
在庫分散で、最高のサービス提供と
災害へのリスクヘッジを
写真のようなコンパクトな形状で素早くお届け。物流面でも顧客目線を徹底している。
2018年秋に開始した在庫分散サービスもご利用いただいておりますが、こちらの導入にはどういった目的があったんでしょうか?
在庫分散サービス導入にあたっては、主に2つの目的がありました。
まず1つめは配送日数の問題です。以前は関東の倉庫のみで出荷をしていたため、西日本のお客様にお届けする場合、どうしても時間指定可能な配達日が翌々日以降になっていたんです。オーストラリア時代からお届けまでのスピードを売りの1つとしている我々にとって、これではお客様に最善のデリバリーオプションを提供できていないのではという課題感がありました。そこで西日本の倉庫にも在庫を分散し届け先に近い拠点から出荷を行うことで、翌日配送できる範囲を大幅に広げることができたのです。
2つめは災害に備えたリスクヘッジという面ですね。オーストラリアは自然災害が非常に少ない国なのですが、それに比べると日本は地震や台風といった災害がたびたび発生します。万が一の場合に在庫のある拠点が1か所だけでは、そこからの供給が難しい場合お客様へのお届けが完全に途絶えてしまう懸念がありました。そこで現在は在庫を東日本・西日本の各拠点に分散して持つことより、リスクを分散した体制をとっています。
たしかに2018年も洪水や台風で物流が麻痺する事態が発生しましたね。そのほかに期待されている効果はありますか?
あとは配送料の削減ですね。関西から西への発送費用に関して、約2割の削減を見込んでいます。これから本格的に物量が増えていく予定ですし大きなサイズほど削減効果が見込めるので、大型商品の出荷が増えて効果が実感できるのが楽しみですね。
念願のテレビ出演の裏にオープンロジあり!?
生放送でマットレスが紹介され大反響!その際の商品手配もオープンロジが行なった。
日本での知名度が拡大していますが、最近はテレビ番組での紹介が話題になりましたね!
はい、先日『王様のブランチ』という番組で取り上げていただき、非常に大きな反響をいただくことができました。我々は『ワイングラステスト』という実験を広告でも大々的にアピールしておりまして、番組でもそちらを取り上げていただいたんです。当社のマットレスは高い衝撃吸収性が特徴なので、ワインを注いだグラスをマットレスに置き側で人がジャンプをしても、グラスは倒れません。この実験をスタジオで実際の製品を使い生放送で実演する、という企画でした。
結果的に本番は大成功し、非常に大きな反響が得られましたね。WEBや体験スペースには沢山のお客様がいらっしゃいましたし、カスタマーサービスにも嬉しいお声を沢山いただきました。出演できて本当によかったと思いますね。
やはりテレビの影響はすごいんですね。出演準備などは大変でしたか?
はい。実は今回出演のお話をいただいてから本番までが非常にタイトなスケジュールだったので、商品手配をサポートしてくれたオープンロジに大変感謝しているんです。
最初はあるWEBメディアの記事をご覧になったTVスタッフの方から出演のお話をいただいたんですが、水曜日にご連絡を頂いて木曜日に具体的な話が決まり、土曜日の朝から番組スタートというスケジュールで、通常の手配では商品の到着が間に合うか分からない状況でした。そこでオープンロジに相談したところ柔軟に対応をしてくださり、そのおかげでなんとか商品の到着が間に合って収録に臨むことができたんです。あの対応がなかったら今回のTV出演の成功は無かったと言っても過言ではないので、本当にありがとうございました。
物流の手間を削減し、
睡眠問題の解決と環境保護に邁進したい。
体験ブースの一角。今後はマットレスに加え、写真のソファなどの日本展開も検討中だという。
今後の展望と、オープンロジに期待することを教えてください。
今後も事業を通じて日本の皆さんを快眠に導き、睡眠問題の解決に貢献していきたいですね。商品展開も随時アップデートしていく予定なので、ご期待ください。また睡眠に関するイメージや価値観を変えていく啓蒙活動も重要だと考えているので、現在WEBサイトやブログでは睡眠に関する豆知識などもご紹介しています。
くわえて当社は、環境保護にも力を入れているんです。社名にもなっているコアラやウミガメの保護活動のほか、資源を無駄にしない製造ライン作りにも取り組んでいます。こうした活動やストーリーも、今後さらに多くの方に知っていただけたら嬉しいですね。
(最新の商品情報や睡眠ノウハウ・CSR活動の詳細は同社の公式WEBサイトから)
物流面に関しては、現在配送クオリティー向上のための新たなプロジェクトにオープンロジと取り組んでいるので、まずそちらを無事に軌道に乗せたいですね。またオーストラリアではマットレス以外にベッドベースやソファといった大型商品も展開しているので、今後日本でもそういった商品を展開できるような物流ライン作りについても考えています。我々が日本市場で更に成長していくためには物流の仕組みづくりが欠かせないので、オープンロジにはこれからも一緒に仕組みづくりに取り組んでほしいです。
最後に記事をご覧の方・特に越境ECやオープンロジとShopifyの利用をご検討中の方へ、メッセージをお願いします。
ECのビジネスをされている方、特にスタートアップ期の方には、コスト面でもオペレーション面でもオープンロジ・Shopifyともに非常におすすめです。
商品をエンドユーザーに届ける際、配送コストが思いのほか高くなったり、商品が問題なく出庫されているか分からないといった問題が発生しますよね。でもオープンロジを利用することでそういった心配が無くなり、そのぶん他の業務に注力できるんです。きっとあなたのビジネスも成功に導いてくれると思いますよ。
インタビュー後記
最近ひときわ大きな盛り上がりを見せる越境EC。ECプラットフォーム側では多言語や複数通貨への対応が進みどの国でも共通のサービスを通じて販売ができる一方、物流面については新市場で新たなパートナー探しが必要になるケースも多く発生します。さらに言語やコミュニケーションといった越境ECユーザー特有の課題が、パートナー探しの難易度を上げているのです。
日本進出に際し、まさにこれらの課題に直面したKoala Sleep様。英語でのコミュニケーションをきっかけにオープンロジを導入した同社には、下記3点をご評価いただきました。
1. ShopifyとオープンロジのAPI連携で、大幅な時短とミス削減が叶う
2. 正確な在庫状況をリアルタイムで把握でき、情報変更もWEBから簡単にできる
3. 担当者の密なコミュニケーションと柔軟な対応が頼りになる
「日本の睡眠改革」をミッションに掲げ、上陸以来急成長を続ける同社。同社が提供する優しい寝心地のマットレスには、事業や環境への強い想いが込められていました。
オープンロジは越境ECでのビジネス拡大を目指すお客様を、今後も物流面でサポートしてまいります。
物流のお悩み、お気軽に
ご相談ください
オープンロジについて疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。自社で導入できるかどうかのご相談も可能です。
各種お役立ち資料もご用意していますので、物流の構築を検討中の方はぜひお役立てください。