「世界をWi-Fiで覆い尽くす」という目標のもと世界最大のWi-Fiコミュニティサービスを 運営するFON(フォン)の日本法人、フォン・ジャパン株式会社様。 同社では、FONルーターを持つコミュニティメンバー同士で自宅や 店舗のアクセスポイントをシェアしあうことで、メンバーは世界中のアクセスポイントで 無料のWi-Fiを利用できるというユニークなサービスを提供しています。
物流業務の作業負担がネックとなり、一度は個人向け販売を中断した同社。 再開を決意できたのは、オープンロジとYahoo!ショッピングのシステム連携があったからでした。これにより、社内業務の負担削減に加えスピーディーな顧客対応を実現。今回のインタビューでは、どのように負担が削減できたのか、 また、物流アウトソーシングを検討している方へのアドバイスも伺いました。
一度は中断した個人向け販売。
ネックになったのは物流だった
まず、貴社について教えてください
私たちは、世界150カ国で2000万箇所以上・日本でも約50万箇所のアクセスポイントを持つ世界最大のWi-Fiコミュニティサービスを運営しています。 「コミュニティーサービス」というのは、2005年に創業者が考えたアイディアです。 当時はまだスマートフォンが普及しておらず、インターネットといえばPCがメインの時代。 公衆Wi-Fiも非常に高価で、家ではネットを使えるけれど、外に出ると使えないのが普通でした。 そこで「どこでもインターネットを使えるようにしたい」という想いで作ったのがこのサービスです。
各家庭にはインターネットがあるのであればそれを皆でシェアしよう、という発想で、コミュニティメンバー同士で自宅や店舗のアクセスポイントをシェアし、どこでも無料でWi-Fiを利用できるというサービスをスタートしました。 現在ご利用のユーザー様は、全世界で約3億人です。
また個人向けだけでなく、塚田農場やリンガーハット、カフェのセガフレード・ザネッティなど、チェーンの飲食店様への導入も進めているところです。
オープンロジは、2017年からWi-Fiルーターの個人向けネット販売の物流で、利用しています。
オープンロジ導入以前の販売・物流はどのようにされていたんですか?
2006年に日本法人ができた当時は、量販店やAmazonなど様々なところで販売していました。 当初はAmazonで個人向け販売をしていたのですが、自分たちがオフィスで在庫の保管や梱包、出荷作業を行っていたため、とにかく大変でしたね。 また戦略として業務提携などにも力を入れる必要があったため、手間のかかる個人向けの販売は一旦中止し、BtoBtoCの形で携帯キャリア等を通じた販売に注力することにしました。 物流の手間が、個人向け販売を一度断念せざるを得ない大きな原因になりました。
物流を外部委託するという方法もあったかと思いますが、断念せざるを得なかったのはどのようなご状況だったのでしょうか。
倉庫への外部委託も試してみましたが、ECサイトとのデータ連携ができないため結局自分達で行う作業が発生したり、倉庫とのやりとりに手間がかかったので、最終的に断念してしまいました。
たとえば倉庫の実在庫データやその日の出荷データなどをすぐに把握できなかったので、お客様からのお問い合わせにすぐ答えられなかったり、こちらでの確認作業が発生したりと、委託したのに結局手間がかかってしまう状況だったのです。
頼めない作業や倉庫とのやりとりが、負担になってしまったんですね
社員からも負担の声が上がっていましたね。みんな「大変だ。」と口に出しては言わないのですが、物流関連の業務にかなりの時間がかかっているのは事実でした。 多い時で、社員2人で半日ほどの時間を出荷関連の作業に費やしていました。 他にビジネス関連の業務も山ほどある中、外部委託しても自社での出荷作業でもどちらも時間がかかる。 残業も発生してしまっていました。
個人向け販売中止の背景には、物流面のご苦労があったんですね。では、どのようにして再開する運びになったのでしょうか? 再開の1番大きな理由は、ユーザーのレスポンスを直接聞きたかったからです。 コミュニティサービスとして、もう一度きちんとお客さまと向き合って商品づくりをしたいと考えました。
一度個人向けを中止し、BtoBtoCの販売や飲食店などへの設置を推進していましたが、やはり店舗様を挟むと、お客様がどういった感想を持っていらっしゃるかが見えづらい。 そういったレスポンスを直接受けたいという思いがあり、2017年からECで再度個人向け販売に取り組むことにしました。
オープンロジ導入で、EC再開!
手間なく・誰でも導入できる
EC再開にあたり、販路や物流についてはどのように選定されたんですか?
販路に関しては、Amazonに加えて、Yahoo!ショッピングさんでも販売したいと考えていました。 昔はECといえばほぼAmazon一択で、それはAmazonがフルフィルメントサービスを提供していたからだと思います。 あれから時間が経過し、物流に不安を抱えていた私はYahoo!ショッピングでも物流サービスの紹介サイトを発見しました。 そこから受注管理システムのネクストエンジンさんを知り、彼らからオープンロジを紹介してもらったんです。
そうやってYahoo!ショッピングさん経由でたどり着いたオープンロジでしたが、仕組みが非常に面白いなと思ったので、素直に興味を持ちました。 我々もベンチャー企業でWi-Fiコミュニティサービスという独自のサービスを提供しているので、相性が良さそうだと。 これで物流面の問題を解消できると思い、さっそくオープンロジを使ってYahoo!ショッピングでの販売を開始しました。 実際に商品を入庫して出荷依頼してみても、「これはいける!」という手応えを感じました。 その後、楽天での販売も始めることができ、ECの販売チャネルを広げられたのは、オープンロジのおかげなんです。
導入の一番の決め手は、具体的にはどこでしたか?
やはり、手間が削減できるというところが大きかったですね。
それも単に作業を委託できるだけではなく、Yahoo!ショッピングなど、販売に利用しているモールと連携できるのが大きかったです。 それまで2人で半日がかりで行っていた出荷作業が、モールと倉庫のシステム連携で1クリックで完了するようになりました。
それから、オープンロジのカスタマー対応が非常に良かったのも印象に残っています。 説明も分かりやすく、具体的な作業はどう進めればいいのかなど、すぐに分かりました。 問い合わせフォームからの質問への回答スピードも良いですし、問題や不明点を伝えると迅速に対応していただけるので、非常に助かってます。 対応の早さは、他社サービスと比べても満足のいくものでした。
また導入当時、Yahoo!ショッピング連携の機能はまだ開発中の段階だったので、テストユーザーとして利用を開始しました。 その際も、こちらのフィードバックに素早く対応していただきました。 正式サービスとしても、我々の想定より早く提供開始されたので、信頼感も高まりましたね。
導入のメリット
実際にオープンロジを導入して感じたメリットを教えてください
メリット1:作業時間を大幅に削減!半日が15分に、15分がボタン1つに、続々と改善
導入後、まずはCSVファイルを使って出庫依頼をしたところ、昔は半日かかっていた作業が、一気に15分に短縮されました。 CSVデータを抽出したら、オープンロジのシステムに取り込んで終了なので、大幅に楽になりましたね。
その後、Yahoo!ショッピングとの連携が使えるようになったことで、作業時間が更に短縮されました。 今は、本当に1クリックで、5分もかからず作業が済みます。かなり有難いですね。 社内の担当者からも、使い勝手がよくてすぐ作業が済むという声を聞け、助かっています。
メリット2:スピーディーな顧客対応が可能に
オープンロジの導入により、出庫履歴や在庫状況をすぐに把握できるようになり、スピーディーな顧客対応ができるようになりました。 お客様のお電話番号やご注文番号など様々な情報から検索ができるので、問い合わせがあったらすぐ検索して、配送状況を一覧で確認できます。 管理画面も見やすいので、確認するのは簡単です。
以前使用した他社サービスには、配送会社の送り状番号を追跡する機能がなかったり、そもそもオープンロジのような管理画面もなかったので、私たちは「まあ送ってくれているんだろうな」 くらいしか分からない。そのうえ、販売量が増えれば増えるほど倉庫さんとの電話やメールのやりとりが手間になりました…。 お客様からの問い合わせが来たら、都度エクセルの資料を確認したり、倉庫に電話して状況を確認することもありました。本当に送ったのか、不安になってしまいますよね。
こういった手間によってお客様へのご連絡が遅れてしまったり、とにかく管理が煩雑でした。 オープンロジの導入で、そこが整理できたことは非常に良かったです。 その倉庫に、オープンロジのシステムを導入してほしかったと思っちゃうくらいです(笑)。
メリット3:社員全員が使える使いやすいシステムで、導入も簡単。
アカウントさえ持っていれば、誰でもすぐに管理画面にログインして対応ができるので、とても便利です。また、ダッシュボードの設計も非常に使いやすくて満足しています。
導入の際もトラブルなくスムーズに導入できました。 CSVで出荷依頼する際はフォーマット合わせをする必要はありますが、一度プログラムを書いてしまえば問題ありませんでした。 ただ出荷量がそこまで多くない方であれば、CSVを使わなくても大丈夫ですし、もうYahoo!ショッピングとの連携も完成してますしね。 ITや物流に関する専門知識に自信がなくても、誰でも簡単に使えるサービスだと思います。
意外と多い物流関係のレビュー。
スピーディーな対応が重要
個人向け販売の再開や販売数の拡大に伴い、変化はありましたか?
販売数の伸びに伴って、お客様からお問い合わせは増えましたね。 個人向け販売に限って言うと、創業当初と比べて販売個数は4倍、問い合わせ数は3倍くらいになっています。
加えてECは、直接お客様からお問い合わせが来るので対応が煩雑です。 やはり、個人向け販売は、求められるものが全く違ってきますね。
スピードや、出荷IDによる個別管理、宅配会社の配送番号のトラッキングなど、きちんとお客様をサポートをしなくてはならないです。
販路によって、物流に求められるものは変わってきますね
そうですね。それに、お客様からのレビュー評価にも思った以上に影響しています。 商品のことだけではなく、「すぐ届きました。ありがとうございました。」など、物流のことをレビューに書いてくださる方も結構多いんです。 我々としても、中身の製品はもちろんですが、物流がきっかけで良いレビューを頂けるのなら有難いです。
現在はYahoo!と楽天の配送でオープンロジを利用しているんですが、配送に関しての口コミは良いと思いますよ。早く届いたっていうレスポンスが増えてると感じます。
プラスのレビューが増えたのと、マイナスのレビュー削減にもつながっていると思います。 例えば、不在で返送になっている商品に対して、「全然届かない!」とお問い合わせくださったお客様にも、オープンロジを使えばすぐに出荷状況をお伝えでき、お客様の理解度も高いです。 クレームになることが減りましたね。 以前はお客様からは見えないバックエンドの確認作業に手間取っていて、クレームにつながりかねないという問題意識がありました。
更なる連携先拡大を期待。
少量でもいい、1度使ってみれば便利さが分かる
御社の展望と、今後オープンロジに期待することを教えてください。
今後については、ECに手応えを感じているので、お客様のお声をもとに製品やパッケージなどをより充実させていきたいと思っています。 オープンロジに期待することとしては、もっと連携先を広げてほしいなと思っています。 ECの販売チャネルを増やしていきたいので、Yahoo!ショッピングのシステム連携のような事例を増やしていってくれることを期待しています。
最後に、現在物流のアウトソーシングを検討されていらっしゃる方へのメッセージをお願いします。
特にご自身で出荷作業をしていらっしゃる方は、まずアウトソーシングサービスを一度使ってみたほうがいいと思います。 実際どういうものなのか、使ってみると分かるので。少しでも手間を省いて、その分、本来のビジネスを充実できるようにしたほうがいいと思います。 すごく簡単に使えちゃうので、ぜひ一度試してみるといいのではないでしょうか。
インタビュー後記
ECで販路を広げるにあたり、物流がネックになるケースは意外と多いもの。 また、物流業務をアウトソーシングした場合でも、一部業務が手離れせず残ってしまったり、倉庫とのコミュニケーションに手間がかかったりすると、課題の根本解決には至りません。
個人向け販売の再開にあたり物流業務の手間がネックとなっていたフォン・ジャパン様には、下記3点をご評価いただきました。
1. Yahoo!連携で作業時間を大幅削減
2. スピーディーな顧客対応が可能になり、レビューにも好影響
3. 導入しやすく、誰でも使いやすいシステム
「世界をWi-Fiで覆い尽くす」という目標のもと、多くのユーザー様に便利なネット環境を提供している同社。 同社のコミュニティの広がりに物流を通じて貢献できるよう、今後も連携先の拡大など、利便性の向上に努めてまいります。
物流のお悩み、お気軽に
ご相談ください
オープンロジについて疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。自社で導入できるかどうかのご相談も可能です。
各種お役立ち資料もご用意していますので、物流の構築を検討中の方はぜひお役立てください。