フルフィルメントの料金はいくら?料金体系の3タイプ・項目ごとの課金単位・商材別の月額試算

フルフィルメントの料金はいくら?料金体系の3タイプ・項目ごとの課金単位・商材別の月額試算

フルフィルメントサービスの料金は、2つの部分でできています。固定費(初期費用・月額基本料)と、従量課金(入荷・保管・出荷作業・配送)です。商品1個あたりの物流費(入荷・管理・出荷の総コスト、配送料込み)は、商材によって200〜1,000円前後の幅があります。本記事の試算では、同じ月300件の出荷でも、ポスト便で送れる小型雑貨と60サイズの箱が要るアパレルで、月額費用が2倍以上変わりました。

フルフィルメントそのものの定義や工程、外注すべきタイミングは、「フルフィルメントに切り替えるタイミングは?EC物流の全工程・3PLとの違い・費用も解説」にまとめています。

フルフィルメントの料金体系は「完全従量」「固定+従量」「坪建て」の3タイプ

フルフィルメントサービスの料金体系は、固定費の有無と保管料の数え方で3つに分かれます。どのタイプが合うかは、月間出荷件数と在庫の量で決まります。

タイプ

固定費

保管料の単位

向いている事業者(編集部の目安)

注意点

完全従量課金型

初期費用・月額ともに0円

商品1点・1日あたり(個建て)

立ち上げ期。出荷の波が大きい

単価は固定型より高めに設定されることがある。在庫を長く置くと保管料が積み上がる

固定+従量型

月額基本料・システム利用料あり

個建てまたは坪建て

出荷が安定している

出荷が少ない月も固定費がかかる。契約期間の縛りを確認

坪建て契約型

倉庫スペース単位の月額

1坪・1パレットあたり月額

在庫点数が多く、出荷も多い

空きスペース分も払う。3PL契約に近く、立ち上げには重い

完全従量課金型は、使った分だけ払う仕組みです。月100件の月も500件の月も、払うのは預けた在庫と出荷した分だけで、閑散期に固定費が重くなりません。その代わり、1件あたりの単価は固定費を取る事業者より高めに設定されることがあります。出荷が増えて安定してくると、固定+従量型のほうが総額で安くなる逆転が起きることがあります。何件で逆転するかは各社の単価次第なので、半年に1回は総額で比べ直してください。

坪建て契約は、在庫を置くスペースを月額で借りる形です。在庫が多く回転が遅い商材では個建てより安くなる場合がありますが、スペースが空いていても料金は変わりません。坪建てと個建ての計算方法の違いは、物流アウトソーシングの費用相場で扱っています。

見積書の各項目は何の単位で数えるのか?倉庫料金・配送料金・固有の料金で読み分ける

見積書の項目は、商品1点・出荷1件・1個口・月額のいずれかで数えます。項目ごとの単価の相場は物流アウトソーシングの費用相場に譲り、ここでは各項目を「何の単位で数えるか」と「見落としやすい点」に絞ります。

 

項目

課金単位

見落としやすい点

倉庫料金

入荷料

商品1点、または1箱・1パレット

箱単位の事業者は、1箱の点数が多いほど1点あたりが安くなる

倉庫料金

保管料

商品1点・1日、または1坪・月

個建ては「日割り」か「月末在庫」かで月額が変わる

倉庫料金

出荷作業料(ピッキング・梱包)

出荷1件、または商品1点

配送料に含める事業者と別建ての事業者がある。1件に複数点入る注文は「1点ごと」の加算に注意

倉庫料金

資材費

1箱・1袋

持ち込み可否。指定資材は保管料がかかる場合がある

配送料金

配送料

1個口

ポスト便か宅配便か、60・80・100サイズで変わる。地域別の加算(北海道・沖縄・離島)の有無

固有の料金

流通加工費

1点・1作業

セット組、ラベル貼り、ギフト包装、同梱物の封入。1作業ごとに単価がつく

固有の料金

返品処理費

1件

返品の受け取り・検品・再入庫。返品率が高い商材(アパレル)では月額に効く

固有の料金

受注処理・CS代行費

1件、または月額

注文内容の確認、不備連絡、問い合わせ対応を倉庫側に任せる場合の費用

固有の料金

システム利用料

月額

WMS(倉庫管理システム)やOMS(受注管理システム)の利用料。無料の事業者と月額1万円〜の事業者がある

「フルフィルメント固有の料金」の層は、発送代行や倉庫保管だけの見積もりでは省かれることがある項目です。フルフィルメントは入荷から返品対応までの業務全体を指すため、返品処理やCS代行まで任せるかどうかで、同じ出荷件数でも月額が変わります。最初の見積もりでは、この層の項目を「使う/使わない」で明示しておくと、事業者間で比較の条件が揃います。受注処理費は、ECカート・モールと倉庫システムをAPIでつなげば減らせます(オープンロジはAPI連携無料、会社紹介資料 2026年8月時点)。

単価表に載らない費用は、見積もりの段階で書面に残す

出荷締め時間(カットタイム)を過ぎた当日出荷の依頼に、特急料金を取る事業者があります。再配達や住所不備による返送は配送料が二重にかかり、返送分の受け取りに返品処理費がつく場合もあります。保管が一定期間を超えた在庫への割増料金、出荷依頼後のキャンセル料も、単価表には載らないことが多い費用です。見積もりの段階で、締め時間、再配達時の扱い、長期保管の割増条件、キャンセル時の料金を質問してください。回答を書面で残しておくと、運用後の想定外を減らせます。

FBAの料金は「商品の価格・サイズ・重量」で決まり、10〜12月の保管料は約1.8倍になる

Amazonで販売しているなら、FBA(フルフィルメント by Amazon)の料金体系との比較が欠かせません。FBAは「配送代行手数料」と「在庫保管手数料」の2本立てで、数え方がフルフィルメントサービスと異なります。

配送代行手数料は商品1点ごとにかかり、ピッキング・梱包・配送・カスタマーサービス・返品対応を含みます。金額は商品のサイズ区分と販売価格で決まります。Amazon出品サービスの料金ページ(2026年10月27日閲覧、税込)の掲載値は次のとおりです。

サイズ区分

販売価格1,000円超

販売価格1,000円以下

小型(25cm×18cm×2.0cm以下、250g以下)

288円

222円

標準サイズ(60cm以下・2kg以下)

430円

391円

標準サイズ(100cm以下・9kg以下)

532円

466円

在庫保管手数料は、商品の体積(10cm立方あたり)と保管日数で計算されます。小型/標準サイズ(服・ファッション小物・シューズ・バッグを除く)は、10cm立方あたりの単価が1〜9月は5.676円、10〜12月は10.087円で、これに保管日数÷当月日数を掛けます(同ページ、税込)。年末商戦期は通常期のおよそ1.8倍(10.087円÷5.676円)になるため、秋に在庫を積み増す商材では保管料が跳ねます。保管期間が365日を超えた在庫には、長期在庫保管手数料が追加されます。

比較軸

FBA

フルフィルメントサービス(従量課金型)

出荷の課金単位

商品1点(配送料・CS・返品込み)

出荷1件(配送料)+商品1点(作業料)など事業者ごとに異なる

料金を決める要素

サイズ区分・重量・販売価格

配送サイズ・配送便・在庫点数

保管料

体積×日数。10〜12月は約1.8倍

1点・1日あたり一律が多い。季節変動は少ない

対象チャネル

Amazon注文(他チャネルはマルチチャネル配送(MCF)で出荷)

自社EC・各モールの注文をまとめて出荷

独自梱包・同梱物

制約が大きい

対応可(流通加工費がかかる場合あり)

FBAは1点あたりの料金にカスタマーサービスと返品対応が含まれるため、Amazon専業で小型商品を扱うなら総額が読みやすい仕組みです。自社ECやほかのモールを並行して伸ばす場合は、在庫を1カ所に集約できるフルフィルメントサービスのほうが、売り越しや在庫の偏りを抑えやすくなります。両者の使い分けは、実施形態の比較で扱っています。

商材別の月額試算:小型雑貨は1件433円、60サイズのアパレルは968円(本記事の試算)

相場単価で月300件の月額を出した計算例は物流アウトソーシングの費用相場にあります。ここでは固定費0円の従量課金型の公開単価を使い、商材(配送サイズと在庫点数)が変わると月額がどう動くかを見ます。

使う単価は想定のものであり、実際のプランとは異なります。初期費用・固定費は無料で、入荷料は商品1点あたり全サイズ一律18円とします。保管料は1点・1日あたり、ポスト便サイズ以内が0.2円、60サイズ以上が1円〜です。

国内配送料は1個口あたり、ポスト便が395円〜、60サイズ以下が750円〜です。出荷作業料は今回は勘定には入れず入荷料・保管料・配送料の3項目で試算します。試算では各項目の下限値を使い、1注文1点・1個口、月30日とし、資材費と流通加工費は含めていません。金額は税別で、FBAの手数料(税込)とは税の扱いが異なります。実際の見積もりは商材・倉庫・出荷条件で変わるため、目安としてお読みください。

 

ケースA: 小型雑貨

ケースB: アパレル

配送便

ポスト便

宅配便60サイズ

月間出荷件数

300件

300件

月間入荷点数

300点

300点

平均在庫点数

1,000点

2,000点

入荷料

300点×18円=5,400円

300点×18円=5,400円

保管料

1,000点×0.2円×30日=6,000円

2,000点×1円×30日=60,000円

配送料

300件×395円=118,500円

300件×750円=225,000円

月額合計

129,900円

290,400円

出荷1件あたり

433円

968円

同じ300件でも、月額は2.2倍の差がつきます。この2ケースで差を生んだのは、配送サイズ(配送料の差106,500円)と在庫点数(保管料の差54,000円)でした。ケースBで平均在庫を2,000点から1,000点に減らすと、保管料は30,000円に下がり、月額は260,400円、1件あたり868円になります。在庫を半分にするだけで1件あたり100円下がる計算です。

アイミツが掲載する商材別の物流費(1個あたり、配送料込み)は、化粧品・健康食品が250〜600円、日用品・生活雑貨が300〜700円、アパレル製品が500〜1,000円前後です。ケースA(1注文1点のため1件=1個)とケースBの試算値も、それぞれの商材レンジに収まります。ただし本記事の試算は資材費と流通加工費を含まないため、実際の総額はこれより上振れします。配送サイズと在庫量の見直し方は、物流アウトソーシングの費用相場の「費用を抑える方法」で扱っています。

よくある質問(FAQ)

フルフィルメントの料金は出荷1件あたりいくらですか?

商品1個あたりの物流費は、商材によって異なります。アイミツの掲載値では、化粧品・健康食品で250〜600円、日用品・生活雑貨で300〜700円前後、アパレル製品で500〜1,000円前後です(2026年6月更新)。本記事の試算(1注文1点)では、ポスト便で送れる小型雑貨が1件433円、60サイズのアパレルが968円でした。配送サイズと在庫点数で大きく変わるため、自社の商品で試算してから比べてください。

初期費用・固定費が無料のフルフィルメントサービスは本当に安いですか?

立ち上げ期や、出荷の波が大きい事業者には安くなります。固定費がない分、閑散期の支払いを抑えられるためです。一方で、出荷が増えて安定すると、固定費を払って単価を下げる固定+従量型のほうが総額で安くなることがあります。初期費用の有無だけで判断せず、自社の出荷件数と在庫点数で月額を試算して比べてください。

FBAとフルフィルメントサービスはどちらが安いですか?

Amazon専業で小型商品を扱うなら、FBAは総額が読みやすい仕組みです。1点あたりの配送代行手数料に、カスタマーサービスと返品対応が含まれるためです。自社ECや複数モールを運営している場合は、在庫を1カ所にまとめられるフルフィルメントサービスが有利です。在庫が分散すると、保管料が重複し、売り越しも起きやすくなるためです。10〜12月はFBAの保管料が通常期の約1.8倍になる点も、秋冬に在庫を積む商材では比較に入れてください。

月間出荷が少なくてもフルフィルメントサービスを使えますか?

完全従量課金型のサービスであれば、商品1点・月数件から使えるところがあります。オープンロジは商品1点から、初期費用・固定費ゼロの従量課金で利用できます(会社紹介資料、2026年8月時点)。固定+従量型や坪建て契約型は最低出荷件数や最低利用料を設ける場合があるため、申込前に条件を確認してください。

まとめ:料金を比べるなら、単価表ではなく自社の商材での月額で比べる

フルフィルメントの料金は、タイプや単価表の安さでなく、自社の出荷件数と在庫点数を当てはめた月額で比べると差が見えます。本記事の試算では、同じ月300件でも配送サイズと在庫点数の違いで、小型雑貨とアパレルの月額に2倍以上の差がつきました。見積書は倉庫料金・配送料金・フルフィルメント固有の料金の3層で読むと、事業者間で比較の条件が揃います。

次の一歩として、直近3カ月の出荷件数・平均在庫点数・商品の配送サイズを書き出し、本記事の試算表に自社の数値を当てはめてみてください。その数値を複数の事業者に同じ条件で渡せば、単価表では見えない総額の差が出ます。外注すべきタイミングやサービスの選び方は、ピラー記事のフルフィルメントに切り替えるタイミングは?で扱っています。

オープンロジは、提携倉庫73拠点をネットワーク化した物流プラットフォームです。商品1点から、初期費用・固定費ゼロの従量課金でフルフィルメントサービスを提供しています(導入アカウント数14,000超、2026年3月末時点)。自社の商材での試算を依頼したい方は、料金ページからお問い合わせください。

記事監修者紹介

監修者・有田秀夫のイラスト 本人の写真NGでしたのでイラストです。こんな顔をしています。

有田 秀夫(ありた ひでお)

某大手物流企業にて業務設計や法人営業を経験後、老舗通販物流企業にて20年近く数多くのクライアントの物流課題を解決に導いてきた物流のプロ。

現職のオープンロジではその経験を活かし、物流ネットワーク開発に携わっている。

 

参考文献

オープンロジロゴ

オープンロジマガジン 編集部

物流プラットフォーム「オープンロジ」のマーケティングメンバーにて編成。物流のことはもちろん、ネットショップやマーケティングのことなど、EC事業者に役に立つ情報を幅広く発信していきます。

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